27鞍目  仁川発栗東行き「逆誘拐」事件(15.9.14)

  8週間競馬がなかった阪神競馬場に賑わいがもどってきた。開催初日の13日は行けなかったが、14日は気合を入れて1Rのパドックに間に合うように出動した。西宮北口では、今津線の電車に続々と人が向かっていて、競馬場も混雑が予想された。8時に自宅を出発すると、ほどよく1Rパドックに間に合う。熊ちゃんはこれから7Rまで連続騎乗なので、午前中パドックに顔を出すのはこれが最初で最後だ。それにじても、前回小倉に行ってから次に阪神だと、パドックから馬や騎手への距離の遠さを感じざるを得ない。この日、熊ちゃんは10鞍も出番があり、全部に手を出していては資金がもたない。1Rは買わないつもりだったが、仁川へ向かう車中で向かいに座っている兄ちゃんたちの会話の中で1Rで熊ちゃんが乗る「ラガーホースト」の名前が聞こえたので、ついつい買ってみたくなってしまった(^_^;結果は、やっぱり・・・であった(^_^;

  2Rは早々のパス。アメニティーホールで本を読みながら、音声モニターで聴いていただけ。二刀流倶楽部登録騎手の小坂騎手がユメノドラマで快勝したようだ。熊ちゃんは5着だった。3、4Rは新馬戦。ドライユンゲンは堂々の最低人気。さすがに馬券に手を出さず。新馬戦では、各競馬場で独自の入場行進曲を採用できるようになったそうだが、阪神競馬場は「六甲おろし」。私は阪神ファンだから嬉しいことは嬉しいのだが、実際に競馬場でこれを聞きながら馬が入場しているのを見ていると、やっぱり、「何か、違うな」と思った。返し馬では外ラチ沿いにコースを逆走していたので、写真を撮りたいファンにはありがたいショットだっただろう。レースはブービー人気馬と際どい3着争いをして4着に健闘。10頭立てなのに3連複は8万円台の大荒れで、熊ちゃんが3着だったらもっと恐ろしいことになっていただろう。4Rのクールセレクトも、最初は最低人気だったが、最終的には7番人気。このレースはクールセレクトを軸に馬連と3連複で4頭に流し、その4頭が上位を占め、肝心の軸馬は5着。今年一番の芸術的な外し方をしてしまった(^_^;ボックスであれば「5連複1点的中」だが、9頭立てでは自慢できることではない。

  そして、本日の最大期待レース、5Rの障害未勝利。特に打ち合わせをした訳ではないのだが、ウイナーズサークルの前で吸い寄せれれるようにちっちさんと、おばらさんと、そのお連れの方が集まった。何度も競馬場で出会ううちに、お互いの行動パターンも分かってきた結果だろう(^_^;一同、連続2着のアトラクティーボが、今度こそ人気に応えて未勝利を脱出するだろうと期待を膨らませていた。しかし、レースぶりは、もうひとつピリっとしない。中団から気合を付けながら2番手グループに取り付くものの、逃げるエイシンルバーンをなかなか捕らえられない。直線ではいい脚を見せてくれたが、先頭を交わすまでは至らず2着。これが初障害とかだったら「よくやった」なのだが、3連続2着。みんなガックリ。引き上げて来た熊ちゃんの表情にも無念さが漂っていた。2着地獄は、熊ちゃんが池江厩舎の馬に乗った時の宿命なのか?今度は勝ってくれ!と思うけど、今度も乗せてもらえるのか、ちょっと不安になってきた(-_-;

  昼休みはパドックで馬の出待ち。6Rはなぜか聞いたこともない関東の厩舎からの依頼。どうもうるさそうな馬で、だから熊ちゃんしか引き受け手がなかったのかな(^_^;やたら暴れるし、挙句に、熊ちゃんが乗らないまま馬道に向かってしまった。こんなんばっかしかい!それでも7着だったから、ちょっぴり美浦にお土産を持って帰ってもらえたようで何よりだ。7Rはどうも期待できないし、8、9Rは熊ちゃんの出番がないので、しばし昼休み。食事が済むと、涼しいアメニティーホールの中で体を休めた。10Rのパドック前に再始動し、次はファイトアフリートの応援だ。長期の休み明けながら6番人気に支持され、先頭集団に食らいついてはいたが、休養前のような鋭い脚は見られず、それでも何とか5着で掲示板は確保した。 さあ、次は東西の重賞だ。熊ちゃんはセントウルSにマルカサワヤカで参戦するが、さすがに勝負にはなりそうになく、3連複ボックスの1頭に留めておく。京王杯オータムHの方は、人気はないけど不気味なシベリアンホークを軸に、5頭へ3連複の流し。・・・と思ったら、レース前に見たら軸が7番に?7番ってツジノワンダー・・・堂々の最低人気。こりゃぁ、いくら何でも来そうにない(-_-;しかも、こういうときに限って、本来の軸馬が激走し、8番人気で2着に粘ってしまった。しかも、3着は相手で買っていたオースミコスモだった。3連複は5万馬券。これで1着がボールドブライアンあたりだったら立ち直れないショックを受けていたところだったが、勝ったのが外していたブレイクタイムだったので、最悪の事態は免れた(^_^;

  続くセントウルSは、やはりカルストンライトオがレースを引っ張った。全盛期なら粘ってしまいそうな展開だったが、やはり長期休養明けが応えたか、お約束通り直線に向いて失速。一方、伸びてきたのがテンシノキセキ。そそして、やや遅れてビリーヴが襲いかかってきた。最後は牝馬2頭のマッチレースで、並んだところでゴールイン。そして、続く3着にデュランダルが来てくれたおかげで、前回の仁川参戦で七夕賞の馬券を当てて以来のスカ地獄から脱出できた(^_^;ちなみに、マルカサワヤカは単勝万馬券の10番人気で6着と頑張った。自分の馬券としては、これでめでたし、めでたしなのだが、1着の写真判定が微妙だ。ゴール前の映像ではビリーヴが勝ったように見えたが、判定は10分にも及んだ。

  私としては、ネット上や「太陽軒」で縁した人が2人も関わっているテンシノキセキに勝ってほしかった。ひょっとして同着か?と思った頃、先に「5」の数字が掲示板に出た。勝ったのはテンシノキセキだった。この結果には、ちっちさんも大喜び。その勢いで、太陽軒行きが決定。表彰式では、先に人だけが出て来た。あれ?と思ったところに、ターフィーくんが出てきて、後ろから「あっ、馬が来たやん」と軽いボケが飛んできた。今度は本当にキセキちゃんが出てきて、短時間で口取りを終えて引き上げて行った。負けたと思って、馬を引き上げかけたので、馬が出てくるのが遅れたらしい。普通、ジョッキーはどんな僅差でも勝ち負けが分かると聞いたことがあるが、このレースでは横山典騎手も橋口調教師も負けたと思っていたらしい。翌日の記事では、その差は2cmと書かれていた。エイシンワシントンのことが思い出される。

  今回は、私の古くからの鉄道仲間のNが来ていた。10Rのパドックで一旦合流し、いつの間にか別れたが、電話で呼んで再度落ち合った。もちろん、ちっちさんとは初対面だ。Nは駅前の駐車場まで車で来ていたようで、京都に行っている知人を迎えに行くとか言っていた。だったら、京都の適当なところまで連れて行ってくれ、と言うことになり、3人でNの車で出発した。競馬場の前までは若干込んでいたが、その後はおおむねスムーズに宝塚ICに行けた。前には馬運車が走っており、それについて行くように滋賀ナンバーの車が走っていた。スタッフの車だろうか。道路はつかえ気味だったのに、馬運車はそれを縫うように先へ走って行った。あんな運転で大丈夫なのだろうか(^_^;途中で、Nは知人の用事が19時過ぎまでだったことを思い出した。だったら、そのまま栗東へ行ってしまえと、まんまと太陽軒まで送ってもらうことになった。普通、誘拐と言うのは、車を運転している者が行き先の主導権を握っているものだが、なぜか運転手が、同乗者の意のままにどこかへ連れて行かれる。こういうことは、私の仲間内ではよくあることで、「逆誘拐」と呼ばれている(^_^;かつては、列車の撮影の帰りに自宅を訪れた友人の車に乗せられ、気がつけば天王寺にいて、最後は「身代金」ではなく「被害者」自らが喜んで「飲み代金」を払って開放されると言う恐ろしい事件もあった。(その「被害者」は私なのだが)私の仲間と言うのは、こんな感じなのだ(^_^;

  18時過ぎに太陽軒に到着し、さっそく餃子と唐揚げを注文し、テレビで巨人−ヤクルト戦の行く末を見守っていた。普段なら巨人の応援なんて間違ってもしないが、今回は、大いに応援した。ヤクルトが負ければ、阪神は15日に勝てば即優勝になるからだ。しかし、どうも分が悪い。そうこうするうち、Nは用事の終った知人を太陽軒に誘導して、「誘拐」の輪が広がってしまった(^_^;やがて小林さんが「アプリ」のママさんと一緒にやってきて、一気に店内がにぎやかになってきた。本日は予想がズバズバ当たってご機嫌な小林さんだが、惜しむらくは、弾がなくて大儲けはできなかったようだ。セントウルSも馬連1点的中だが、3.7倍では、確かに大量の弾がないと儲からない。ローズSでは「スティルインラブを外した馬券は考えられない」と自信満々に語っていた。そのうち、Nの知人も合流し、21時半頃お開きとし、今度は電車で自宅に向かって行った。仁川から栗東へと展開された「逆誘拐」事件は、ウヤムヤのうちに解決されたのだ(^_^;

28鞍目  新しい夢に向かって(15.9.25)

 ついに、今年もこの日がやって来た。去年に続いて挑戦してみた優駿エッセイ賞の予備選考通過者の発表だ。熊沢応援団の期待?を背負った去年と違って、今年は気楽な気持ちで挑めるはずだった。しかし、1月からコツコツと書いているうちに、だんだんと思い入れが強くなり、やっぱり「これ、載せてほしいな〜」との思いが強くなってしまった(^_^;

  曲りなりにも前年に佳作をいただいた者が、身の程知らずに再度作品を送り込む以上は、入選作を上回る作品を書かないと『優駿』編集部の方に見向きもされないだろう。それだけ前回よりは重いハンデを背負うことになる。さらに、もっと重いハンデを自らに科した。「題材の重複」である。今回の応募の目的が前回を上回る結果、つまり「エッセイ賞か次席」を取ることなら、絶対に避けた方がいいに違いない。しかし、私の頭にあるのは、やはり「熊ちゃんの普及」なのだ。それを放棄してまで賞金を狙う気など考えてもいなかった。

  熊沢応援団を軸に、直接的に熊ちゃんをPRしたのが「プロジェクトK」だったが、もちろん、前回のような手法が今回も通用するはずがない。ならば、熊ちゃんを語る上で絶対欠かせない馬でありながら、前回はあえて完全に封印したステイゴールドしかないだろう。ステイの活躍を軸に、熊沢ファンでなければ書けない「ステイゴールド物語」に挑戦してみた。表向きにはステイが主役なのだが、内容的には、やはり熊ちゃんへの強い想いを随所ににじませている。やはり、私にはこれしかないのだ。

  自分では昨年より素晴らしい出来だとは思っていた。しかし、自分の気持ちを込めれば込めた分、他人には引かれてしまう部分もある。今回は、有り余る気合が完全に裏目にでてしまったようだ。・・てな訳で、今年は予選落ち!悔しくないと言えば嘘になるが、そんなことでメゲる私ではない(^_^;もうこれ以上は書けないだろうと思ったが、10分間だけ落ち込んで、次への意欲を新たにした。今回の予選通過者の中には、一昨年だったかに入選された方の名前もあった。この方は昨年は予選通過者に名前を連ねてなかったが、今年は帰って来た。それなら、私もやってやる!と(^_^;

  ただ今回のことで、もう熊沢関連ネタはダメだろうな、とも悟った(^_^;あえてネタ被りを覚悟で送り出したが、編集部の方の「また熊沢か」の思いに勝てる作品に出来なかったのは、私の力不足だ。ましてや、他にも様々なメディアで語られているステイのような大物を取り上げるには、相当な筆力が必要だったということだ。今回調教役を買ってくださった小林さんは「今回ダメでも、こうなったら、とことん熊沢で行ってみな」と言ってくださったが、もう、熊ちゃんネタは出し尽くしたような気がする(^_^;来年挑戦するなら、まったく違った視点で、力を入れすぎずにやってみるつもりだ。やはり、ネタ選びも入選への大切な要素だと痛感したので、内容の構成よりも、まず何を主題にするか。次回作は、それに神経を使ってアンテナを張り巡らそうと思う。

  冷静に読んでみれば、かなりドロドロし過ぎたかと思う。それでも、自分の持てる力を集結し、ステイゴールドと熊ちゃんとのコンビに対する深い思い入れを濃縮した作品だ。落ちたことは悔しいが、後悔はしていない。他人の評価はどうあれ、自分としては『プロジェクトK』を上回る、生涯で一番の作品だと思っている。たとえ『優駿』には載らなくても、このHPを通じて公表することは出来るので、即実行だ。 もし、読んでくださった方からご感想等をいただければ、それを糧に、新しい夢に向かって再発進できると思う。


  では、幻に終った「プロジェクトK」第2幕をお読みください。  『馬と騎手のあいだに』

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