| 39鞍目 熊、冬眠から目覚める?(2004.2.29) |
4年に1度の2月29日。それが中央競馬の開催日となると、一体何年ぶりなのだろう。少なくとも、私が競馬に興じるようになってからは初めてのことだ。こんな日に競馬場に行かない手はなく、熊ちゃんの一発目の出番に合わせて自宅を出発した。出るときは雨が降っていたので大きな傘を持って行ったが、競馬場に着く頃にはほとんど止んでいた。 2Rの馬券が買える時間には間に合ったが、余分な馬券は買わずに3Rのパドックに向かった。まずは未勝利戦のエドワーズシチーである。デビュー以来掲示板は確保し続け、抜けた1番人気のモンタナシチーに次ぐ2番人気(最終的に3番人気)だった。パドックで熊ちゃんの出番を待っていると、西天満蹄王さんが私を見つけてくれた。せっかく早くから待っていたのに、なぜか熊ちゃんはパドックに出て来ず、ちょっと肩透かしだった。 買った馬券はエドワーズシチーからの3連複1頭流し・相手5頭。レースは熱かった。好位追走で3コーナーから同期・横山典のカシマワールドに少し遅れて直線に向いた。いい感じで熊ちゃんのムチに反応していたが、湿って脚抜きのいい馬場で思ったほど前の馬が止まらず、アタマ差届かずの2着。残念。でも、この距離で次は勝ちが見えてきたのが収穫。馬券も当たったものの、3着が人気のモンタナシチーだったので、枠連よりも安い1,500円しか付かなかった。当たってちょっと悲しい結果だ。 4R新馬戦のイシヤクカイザーは、「月間KOG!」で指名した馬なので違う意味で期待していたが、9頭中6番人気かぁ・・。4コーナーまで3番手について行って少々見せ場は作ったが、やはり粘り切れずに人気どおりの6着。まあ、こんなものか。続く5Rこそが、必勝祈願の障害未勝利戦。パドックで馬を見ているとちっちさんと合流でき、西天満さんが取っていてくれた席で3人そろってレースを見ていた。前走1番人気で5着にコケたロードプリヴェイルだが、この日は平地重賞勝ちのトッププロテクターに1番人気を譲っての2番人気だった。 レースは、人気のトッププロテクターが逃げてロードプリヴェイルは3番手追走。平地力がメンバー中上位なのは確でも、より平地力がありそうなトッププロテクターが先にいるのは気がかりだったが、障害飛越で少しずつ差を詰めて行く。3コーナーあたりで並びにかかり、直線で突き放す。ゴールに近づくにつれて差は広がり、土日障害連勝!2着は、熊ちゃんが平地で乗ったファスファールの追撃を何とかしのいだトッププロテクター。どちらも流していた相手だったので、欲を言えばファスファールの方に頑張ってほしかったが、ともかく馬単ゲット!恥ずかしい話だが、熊ちゃんの応援サイトやっていながら、熊ちゃんからの馬単的中は初めてのこと。あまり馬単を買わないせいもあるが、気合入れて馬単買うと熊ちゃん負けるし、勝っても相手が抜けていたりで、熊ちゃんの勝ちと馬券の的中を同時に喜ぶ機会は案外少ないのだ。急いで外に出てウイナーズサークルで出待ち。熊ちゃん、すごく嬉しそうだった。池江厩舎の馬で勝ったの、1年何ヶ月ぶりだろうか。表彰式が終わって引き上げる銀髪熊ちゃんと池江調教師とのツーショットが、まぶしく映った。 この後、すぐにフードプラザで昼食。予定通り吉野家の牛丼を食べた。まともに昼休みなのに、列は短く、ものの3分ほどで650円の牛丼弁当ゲット。普通に牛丼があった頃の京都よりもすいている。これについて、レースの合間に聞かせてくれた西天満さんの説明が的を射ていた。同じ吉野家でも、阪神より圧倒的に京都で売れる理由。それは、「京都は他の食い物がまずいから」である。なるほど、私も阪神ではたまにレストランで食べることはあるが、京都での主食は吉野家だった(^_^;吉野家でなければケンタッキーのサンドで、レストランを使った記憶はほとんどない。国産と豪州産のブレンドになった牛丼、ちょっと脂身が多くなったかな?と思う以外は、従前の牛丼と大きく味が変わった気はしない。しかし、これまで半熟卵付きで500円だったのが、牛丼単独で650円。これなら、阪神では、宝塚カレーとか、もう少し安い値段でおいしい食べ物は多い。私の感想は、「値段が戻るまでは、無理に牛丼食わんでええかな」であった。確かに吉野家の牛丼はうまいと思うけど、それは、500円玉だけで食べられる値段に見合った程度だと言うことだ。 昼食を取り、ちょこっとビールを引っ掛けて、熊ちゃんの応援はちょっとお休み。しばらくは席についてレースを見ていたが、6Rでは知らない間に落馬が発生していた。石橋守騎手騎乗のテイエムアポロが故障発生で転倒した模様で、目の前で片脚がブラブラしている馬がたたずんでいた。係員が馬運車に乗せようとするが、暴れて抵抗している。この先どうなるかが分かるだけに、辛く痛々しい光景だ。しかし、そのことにいつまでも胸を痛めていては競馬なんて続けられないのも現実。馬の冥福を祈りつつ、競馬観戦はさらに続く。最近は、遠征時や重賞以外で熊ちゃんのいないレースの馬券を買うことが少なくなったが、8Rはちょっと買ってみたたくなった。ナゾがメンバーにいたので、パドックで評判のメンコを見に行った。「謎」の文字に「?」マーク。おまけに、前脚のバンテージもメンコに合わせた色取り。なかなかオシャレで面白い。馬券は、理由がよく思い出せないぐらい適当に16番・スターリーロマンスを軸に、ナゾ等5頭に3連複で流したしたが、軸が吹っ飛んでジ・エンド。でも、この時点ではまだ170円のプラス。勝負はこれからだ。 9Rが始まる前に、心のメインレース、10RなにわSのパドックへ向かった。私は、この日の勝負レースと位置づけ、ナリタフロンテアーからの馬単と3連複で心中を図る。資金も、普段のGI並みの3千円だ。本日をもって定年で解散する中尾謙太郎厩舎のラストラン。それを勝利の表彰台で飾るべく、熊ちゃんは馬を追う。逃げる関東馬バリオスを4コーナーで捕らえにかかる。直線に向いたところで2頭の追い比べとなり、やがて先頭に立つ。脚は衰えない。行けるぞ!と思ったところで、外からトップハンデのサンライズテーストが伸びて来て、ゴール前で交わされてしまった。ナリタフロンテアー惜しくも2着で中尾謙師の500勝目ならず。石橋ぃ、空気読めよぉ〜(^_^;でもまあ、このクラスで十分通用することは証明されたので、次に管理する調教師さん、乗り役は引き続き熊ちゃんをお願いしますね!ちなみに、サンライズテーストは切って捨てたので馬券はスカでございます・・。 阪急杯は、熊ちゃんもフィールドスパートで参戦とは言え、単勝450倍のブービー人気。返し馬に向かう熊ちゃんも、すごくお気楽そうな雰囲気。たまに山内厩舎から依頼があるけど、任される馬がいつも最低クラスの人気なのはなんでだろ(^_^;さすがに、馬券もワイド2点だけのお付き合い。勝負の馬券は馬連4頭ボックスで、うちの1頭・サニングデールが優勝。3着は一番応援していたテンシノキセキ。しかし、2着がいけない。シーイズトウショウなんか買ってへんぞ。池添ぇ、邪魔すんな!しかし、今日は「池添くん好調やね、結婚祝いかな?」とかちっちさんが話してたりしてたんだから、買ってもよかったよなぁ・・。やっぱり勝負弱いみっきぃでした(-_-;フィールドスパートはと言えば、ドンケツだったようだ。 エイシンフジサンで次も出番の熊ちゃん。パドックに行くと、「熊沢がどのくらい信用できるかやけどなぁ」と見知らぬ兄ちゃんの嬉しい言葉に思わずニッコリ(^_^;でも、8番人気だからちょっと厳しいかも。だから、馬券については素直に1番人気のテイエムガルチオーからの3連複にした。相手の5頭を探していると、ん?ビッグミラクル「中尾謙」?あっ、事前にちゃんとチェックしてたつもりが見落としていた。ナリタフロンテアーがラストじゃなかった(^_^;当然、この馬も相手の1頭にした。期待に応え、ガルチオーは3着には残った。2着のロングパーフェクトも買っていた。でも、勝ち馬のサンエムプラスが・・。まあ、ヒモの1頭が2着だった次が8着だから、惜しくも何ともないんだけど(^_^;もちろんヒモの1頭にはしていたエイシンフジサンはハナを切れずに見せ場なく14着。信用してくれた兄ちゃん、ごめんね。 結局、午前で2R当てても、午後の勝負どころで外しまくり、やっぱり負けて帰ることになった。まあ、熊ちゃんは6戦1勝2着2回で、結果を出すべき馬ではきっちり仕事をし、熊ちゃんの応援としては見どころ満点だった。これで長い冬眠から目覚めてくれたかな?3人で競馬場を出ようとしたところ、鉄道関係で20年以上前から知り合いのAさんに声をかけられた。東京在住の方なのに、なんでこんなところで?このサイトは、開設の年から見てくださっているそうなので、私が競馬場にいることぐらいは知っていたかもしれないが、まさか顔を合わせることになるとは思いもしなかっただろう。使い古された表現だが、世間は実に狭いものだ。 |
| 40鞍目 旅の空から〜パノラマカーと緩やかな時間の中で〜(2004.3.13〜14) |
3月13日。阪神スプリングジャンプの日である。京都と阪神の障害重賞に関しては、極力現地に行って観戦するようにしている。しかも、今回は有力馬・シアトルリーダーで熊ちゃんが参戦する。本当なら仁川にいるはずなのに、私は鹿児島にいた。この日開通の九州新幹線等に乗利に行く手はずをすでに整えており、その後でシアトルリーダーの参戦が決まったのだ。 相当後ろ髪引かれる思いはあったが、「競馬」と「鉄道」を天秤にかけて、今回は「鉄道」を取らざるを得なかった。当日は、まず第3セクターの肥薩おれんじ鉄道に乗り、八代でJRに乗り換えて熊本へ向かった。八代駅では、荒尾で連勝中のキサスキサスキサス号のポスターがあった。足利のドージマファイターを抜くことができるか関心の高いところだ。しかし、人気面ではどう考えても、大連敗中のハルウララを抜くことは考えられない。一連のハルウララのブームについては、肯定的な私であるが、そう考えると破竹の連勝馬が気の毒でならない。また、連勝記録のドージマファイターにしても、その稼いだ賞金は、ヘタすれば、中央の堅実な1勝馬並み。地方競馬で大儲けすることは厳しいものだ。 熊本からリレー特急と新幹線「つばめ」を乗り継ぎ、鹿児島中央駅には13時過ぎに到着した。私が乗る予定の飛行機は16時発で、時間は十分あったのだが、すぐに空港行のバスに乗って空港に向かった。なぜなら、電話で阪神SJの状況を聞かせてもらうためだ。レース終了後に鹿児島市内を出発すると飛行機に間に合わなくなるので、レースの前に空港に着いている必要があったのだ。リムジンバスは実にスムーズに走り、新幹線で鹿児島中央駅に着いてからちょうど1時間後に鹿児島空港に到着した。 空港の有料ラウンジは、ゴールドカード提示で無料。ラウンジ内には30分200円のインターネット端末があり、空港内のあちこちにある10分100円のコイン式端末より安い。これを利用して掲示板のレスや日記を書き込んでいたら、馬券を買う時間がなくなってしまった。14時35分になってちっちさんに電話を入れると、ちょうどレースが始まった直後だった。シアトルリーダーは調子よくハナを切っている模様。お互い、気分は表彰台に向かっている。しかし、ギルデッドエージが絡んでいるのがどう響くかと心配していたら、早めに熊ちゃんの手が動く。直線まで先頭を保つものの、後ろから、一番来てほしくない馬が・・・。 マイネルイースター。一時は熊ちゃんが手綱を握った馬で、今は岩崎騎手が乗っている。「あららら〜」ちっちさんの悲鳴ともつかない声とともに、シアトルリーダーは抜き去られた。2着。久しぶりの重賞連対は果たしたものの、単勝1.3倍の期待には応えられなかった。デビュー以来129戦勝てなかった苦労人の岩崎騎手が重賞を制したのは喜ぶべきことなのだろうが、何ぼなんでも、熊ちゃんの元お手馬で、熊ちゃん交わして勝たんでも・・。去年のウインマーベラスの悪夢をよぎらせながら、電話を切った。ほろ苦い「電話実況」の結末であった。 この後、羽田まで飛んで、横浜で2月1日開業の「みなとみらい21線」に乗って、「日本の鉄道全線踏破」のタイトルを取り戻した。友人と会って一杯やった後、「ムーンライトながら」で名古屋へ向かった。実は、その先の予定については決まっていなかった。太陽軒には寄りたいと思っていたが、それなら、まっすぐ行っても時間を持て余すだけだ。ひとまず、名古屋の手前の金山駅で降りて、朝食と、インターネット喫茶でサイトチェック。その間に出した結論は、「中京に行ってみるか」だった。せっかく名古屋にいるのだし、普段あまりお会いできない馬王さんにお目にかかれたら、と思ったからだ。 適当に時間を潰して、9時頃競馬場に到着した。暖かな日差しの穏やかな天気に誘われてか、重賞もないのに、早くから人が集まっていた。私はスタンドを一気に通り抜け、奥にある「パノラマステーション」に向かった。そして、展示されている名鉄パノラマカーの座席の一角に陣取った。ここが、今回の基地になる。まず、馬王さんに電話を入れてみると、昼過ぎに息子さんを連れて来る予定だとのことだったので、それまではひとりでのんびりしていることにした。まだ十分にすいていたので、座席を向かい合わせにして足を投げ出していたら、眠くなってきた。気がつくと、掲示板に1Rの結果が点滅していた。 パノラマカーからは4コーナーから直線に向く辺りのコースがよく見えるのだが、実況やスタンドの声援が聞こえないので、競馬場にいるとは思えないほど静かだ。ガラガラだった車内も、次第に人が集まって来るが、たいていは家族連れで、競馬場の喧騒とは違った賑やかさに包まれた。2Rまでのダートと違い、3Rは芝1800mで、すぐ目の前からの出走だった。ガラス窓の向こうでに、輪乗りしている馬たちをぼんやりながめていると、すぐ後ろでは、 「お父さん、今度は芝の上を走るの?」 「うん、今まではね、ダートと言って、砂の上を走ってたけど、芝の上も走るんだよ」 パドックやスタンドで交わされるのとは明らかに違う、ほのぼのとした会話が耳に入った。その中京の3Rが終わったところで、少しアクションを起こす。スタンド内のモニター前に行き、阪神3Rの中継に見入る。熊ちゃんがエドワーズシチーで参戦だ。出遅れたが、直線で1番人気の武豊との追い比べに持ち込んで競り落とし、続く四位の追い上げも振り切って見事優勝!「よっしゃ〜!」とモニター前でガッツポーズ。目の前でやっているレースより、やはり、モニターの向こうの熊ちゃんのレースが気になって仕方がない(^_^;嬉しいので、ビールとメンチカツを買ってパノラマカーに戻り、ひとりで祝杯をあげた。 4R、5Rとガラス越しに直線前の攻防を見て、今度はターフィーショップへ足を運んだ。時間潰し用に本でも買って来ようと思ったのだ。値段が千円以下で、嵩張らないと言う理由で『強すぎた名馬たち』(渡辺敬一郎著・講談社+α新書)を購入した。稀代のスピードを持ちながら、子孫を残さずこの世を去った8頭の馬を取り上げたもので、題材的には私の好みではなかったのだが、読んでみると結構面白かった。特に、ダービー馬キーストンと山本正司騎手(現調教師)との最後のレースシーンには涙が出そうになった。買ったときは気がつかなかったが、表紙に熊ちゃんが写っていて嬉しくなった。本文でも、ちょこっとだけ熊ちゃんのコメントも書いてある。サイレンススズカが1話目の主人公と書けば、どのレースのどんなシーンかは、競馬ファンなら想像がつくだろう(^_^;この本は、帰りの移動中の時間も合わせて、1冊読みきってしまった。 阪神5Rもモニター観戦。熊ちゃんのビッグマックスは前走より躍進して3着。次は何とかしてもらいたいところだ。腹も減ったので昼食用にとんこつラーメンを買って、これもパノラマカーで食べた。腹が膨れると、読書しながらついウトウトする。気がつけばいつの間にか6Rが始まっていた。パノラマカーの車内は、スタンド前とは違う時間が流れているようで、私はそのゆったりした流れの中で、鉄火場にいるとは思えない緩んだ空気を貪っていた。そのうちに馬王さんがやってきて、3ヶ月ぶりの再会を果たした。駅から競馬場に向かううちに、ご両親とバッタリ会ったそうで、息子さんはおばあちゃんが見てくれているとか。うちでは両親はギャンブルの類にまったく興味がないので、親子3代での競馬観戦などあり得ない。 お互い、近況とかを話し合いながら、1時間ほどを過ごした。最終Rまでいても十分家には帰れるのだが、帰りに太陽軒に寄って食事だけでもした上で21時には帰りたいので、9Rが終わった頃に馬王さんと別れて駅に向かった。いつもなら、競馬場に行った話を書けば、馬券が当たった、外れたの話に触れているのだが、今回は馬券の話はまったく書いていない。それもそのはず、まったく馬券を買っていなかったからだ(^_^;目の前でレースをしていると言うのに、パノラマカーの中にこもって、ロクにレースも見ずに、飲んで食って読んで寝る。長時間競馬場にいながら、こんなだらけ切った過ごし方をしたのは初めてのことだ(^_^;だいたい、開催中の競馬場に行って馬券を買わないことなど一度たりともなかったことだ。 競馬主催者にとっては実にありがたくない客だが、一応、場内で金を落としてはいるので、たまにはこんな過ごし方も許してもらおう(^_^;しかし、パノラマステーションは、私にとってJARの全競馬場の中でも1番のお気に入りスポットになってしまった。パノラマカーの車内も、周囲も、家族連ればかりが目立つ癒しの空間である。欲望が渦巻く競馬場の中の、心のオアシスと言ってもいいだろう。たまには、私も嫁や子どもを連れて仁川に行かなあかんかな、と殊勝なことを考えてしまった。皆さんも、たまには勝負を一切忘れて、競馬場での〜んびり過ごしてみるのはいかがだろうか? |