65鞍目  叶わぬ夢、追い続ける夢(2005.4.16)

  去年の大障害では5着に敗れたロードプリヴェイル。レース中に故障して春は絶望との噂もあったが、中山グランドジャンプの前哨戦であるペガサスジャンプステークスで無事復帰。結果は4着であったが、それなりに復活をアピールできるレースだった。もっとも、中山コースへの不安を払拭できるほどでもなく、あとは叩き2走目と中山3走目と言う点での上積みに望みを持って本番を迎えることになる。4月は何かと忙しいのだが、グランドジャンプの当日は特に用事が入らなかった。嫁の許しも得て2週間前に参戦決定。それから往復の足を確保し、大きな夢の実現を信じて中山競馬場に向かった。大障害のときと同じ始発電車で出発したが、今回は伊丹8時発の飛行機だったので、高いリムジンバスは使わなくても十分に時間があった。羽田に着くと、今回はモノレールではなく京浜急行の乗り場に向かった。モノレールとJRで競馬場最寄りの中山法典駅に行くには最低2回の乗り換えが必要だが、京急だと羽田空港から京成成田まで直通する電車が結構あって、これだと乗り換えなしで東中山まで行けるのだ。

  1時間ちょっとで東中山に着き、単独で「オケラ街道」を逆走してみた。午前中で人の流れが少ないから不安だったが、チラホラと競馬新聞を抱えた人とすれ違うので、それを頼りに競馬場を目指した。途中で目標となる人影がいなくなったが、広い道に出たときに競馬場行きらしいバスを見かけたので、そのままバスが向かう方向に歩いて行くと、競馬場のスタンドが見えてホッとした。競馬場に着いたのは3Rの出走直前で、馬券は買えなかったが、そのままスタンド前でレースを見ていた。熊ちゃんがナムラウイリアムに騎乗していたレースで、5番人気5着とまったく人気どおりの結果。進上金は2万5千円だから、とりあえず交通費は稼げたかな(^_^;レース後、ゴール板の延長線あたりのシートを探ると、KANKANさんが取っていると思われる場所を発見。その隣がまだあいていたので、そこに席を取った。KANKANさんはパドックに行った後のようだが、大障害の日にお会いしたkaoruさんがいらっしゃって、声をかけていただいた。そのうちKANKANさんとSpecialAgeさんも戻ってきて、大障害で集まっていたメンバーが再度集合した。

  4Rもハヤツキシーズで熊ちゃんが登場。ここから馬券も買い始めた。東京で買ったデイリースポーツをながめていると、関西の騎手で藤田と幸の名前が目立った。ジーナさんのごひいきウッチーこと内田博幸騎手の名前も多い。実は、この3人はそろって11鞍に騎乗。要するに、中山グランドジャンプ以外はフル騎乗なのだ。美浦所属でない騎手が3人も準フル騎乗とは珍しいことだ。この3人は穴でも結構来たりするので、熊ちゃんも含めて4人を馬券に絡めようとすると、残る選択肢は狭くなる。このレースは藤田を軸に、残る3人と1番人気の小野、3番人気の松岡をプラスすると、1・2着はこの2人だった。3着が軸の藤田で3連複的中・・はいいのだが、450円では取りガミで「勝った」とは言えないぞ(^_^;熊ちゃんは3Rに続いて5着でさらに小遣いを稼ぐ。ここで早くも昼休みで、食事に出かけた。

  今まで中山では腰を据えて食事を取ったことがなかったが、今回はトンカツ屋さんでちょっと値の張るのを奮発。去年の小倉で縁起を担いで食べた「ロースかつ定食」だ。ロースかつ、ローズかつ、ロードゥかつ、ロード勝つ・・て、それは49鞍目でやったな(^_^;食べ終わると5Rのパドックの周回には間に合わず、さっさと馬券を買って席に戻った。今度はウッチーを軸に流してみたが、勝ったのは7番人気のせん馬ケイジーウォリア。鞍上は関東二刀流の代表田中剛騎手だった。こんなとこで勝たんでもええのに・・。まあ、3着も買ってなかったから惜しくとも何ともなかったのだが(^_^;熊ちゃんのジャストアプローチは人気よりひとつ上の11着だった。続く6Rも熊ちゃん登場。今度は的場厩舎のウエスタンルージュだ。去年、突然の代打(四位騎手の落馬負傷)で人気薄のアグネスドーンを勝たせた縁だろうか、かつてのスタージョッキーの調教師からお声がかかるのは嬉しいことだ。ただし、14番人気と、ファンからは全然信頼されてませんけど(^_^;

  軸は関東若手二刀流の五十嵐騎手が乗るブーゲンビリアだ。相手には、先述の4人プラス1番人気の善臣。こいつは、むしろ飛んでくれたらと思いつつ押えていた(^_^;このダート1200mのレースで、熊ちゃんは真骨頂を見せてくれた。スタート後2番手から積極的にレースを進め、向こう正面で先頭に立った。手はそれほど動いていない。これはひょっとして・・?4コーナーを抜けて直線に向いても先頭をキープ。この時点でブーゲンビリアは中団より後ろで伸びる気配もなく馬券はこの時点であきらめたが、それならば、せめて熊ちゃん勝ってくれ!残り200mまでは夢も見たが、後方から鋭く伸びるナムラハトルと、今度は馬券絡みはないだろうと思っていた小野騎手のキャラキャスケードに抜かれた。それでも3着には粘らせ、3連複は28万円台の大波乱となった。私の熊ちゃんとジーナさんのウッチーを軸にして3連複10点流しで獲れた28万円・・って、そんな買い方できませんって。ウエスタンルージュの複勝でも1,980円。でも、私は複勝は買わないからなぁ・・。熊ちゃんの騎乗ぶりには大満足のレースだったが、馬券は相変わらずの「哀愁モード」である。

  次の熊ちゃんの出番は10Rなので、私は長い休憩に入る。別に、熊ちゃん抜きで何のしがらみのない馬券勝負に挑んでもよかったのだが、むやみに負けを増やすと資金がショートするので熊ちゃんが出て来るまでやっぱりお休み。ティーサーバーから紙コップを取って来て、家から持ってきた日本酒「葵鶴」を皆さんに振舞った。皆さんが馬券で盛り上がっている間も、私はひたすら休んで、10Rのエンゲルグレーセでの大穴一発を夢見ていた。ガーネットSでは頭にチラリと浮かびながらも外して大きな涙を飲んだ。その馬が、熊ちゃんを背に目の前にいる。その分を取り返してやる・・と思うくせに、軸にはできない小心者の私がいる(^_^;ここはひとつ、「東のユタカ」が乗るケージーアジュデに頑張ってもらおう。馬券を獲らせてくれたら、勝っても裏切り者とは言わないから(^_^;で、そのアジュデくんは、3着でちゃんと熊ちゃんに操を立てた上で、馬券も獲らせてくれました。1,050円だけやけど。しかも、このレースは2千円使ってたんですけど・・。また獲りガミやんか・・(-_-;エンゲルグレーセ、最後にこっそり伸びてきて5着。熊ちゃんは微妙に小遣いを稼ぎ続ける。

  さあ、次はドカンと稼いでね!いよいよ、本日のメインイベント、中山グランドジャンプだ。10Rをスタンド前で見ていた分、パドックには出遅れて、すでにたくさんの人が並んでいた。パドック中央には、外国馬の関係者と見られる人たちが多数集まっていた。大障害では見られない、国際レースのグランドジャンプならではの光景だ。周回を終え、「とま〜れ〜」の合図で騎手が集まる。障害戦では珍しく、前走で熊ちゃんの他に田中剛、金折両騎手が騎乗していたが、さすがは障害では1年で唯一のメインレースとなるだけに、すべての馬に騎手がまたがって、決戦の場へと向かって行った。本馬場入場に向かう馬たちと競走するように席に戻り、出走の時間を待った。その間、ケータイでこまめにオッズをチェックしてくれるのだが、ロードプリヴェイルはずっと1番人気。正直、そうじゃない方が勝てそうな気がするのだが・・(^_^;後になって気がついたことだが、最終的には外国馬のカラジに1番人気を譲り、2番人気でレースに挑むことになった。大障害のときのような気負いこそないが、やはり望んでいるものは「悲願達成」である。

  全馬完走を願ってスタート。アズマビヨンドとライトパシフィックが先頭争いを演じ、アズマビヨンドの方が主導権を握った。3番手をフォンテラがマーク。ロードプリヴェイルは中団を進んでいた。2週目に入り、6号障害(大竹柵)で悲鳴が上がった。1頭落馬。人気の一角、フォンテラだった。一瞬背筋が凍りついたが、ロードプリヴェイルは続けて走っていた。重しの取れたフォンテラも元気よく走り、ロードプリヴェイルの外側にまとわりついていた。前とはそれほど大きく離されていないので、絶好調のときの走りができれば挽回できるだろうが、あまりいい感じの展開ではない。最終コーナーまでの挽回に期待して前に目を向けると、カラジとローレルロイスが抜きつ抜かれつの展開で直線に向いていた。最終障害でわずかにカラジが先頭に立つ。あとは、鞍上のスコットが左腕全体を回転させるようにムチを入れ、ローレルロイスの追撃を抑えた。やがてチアズシャイニングが割って入ってローレルロイスを抜き去ったが、先頭でゴールしたのはカラジだった。この瞬間、熊ちゃんとロードプリヴェイルの悲願は再度くじかれた。大きく遅れた5着で入線。夢は簡単には叶えてもらえないものだ。

  さすがに、今回の敗戦でロードプリヴェイルの中山への適性に疑問を持たざるを得なくなったが、まだ障害に入って1年ちょっとしか経っていない馬だ。他の競馬場で復活への足がかりをつかみ、今年の暮れには中山コースを克服してくれると信じたい。少々脱力気味でシートに座っていると、テブクロさんとT。さんが私を見つけて声をかけてくれた。やっぱり、来られてたのね。お互い、大きな夢は見られないが、いつかは叶うと信じ合ってすぐに別れた。残るレースは熊ちゃんが出ない最終レース。ここで馬券を買っても逆転できる気はしなかったが、半ばヤケクソで勝負に出た。すると、大逆転とは行かなかったものの、とりあえず当たって3連複2,580円ゲット。1・2番人気が飛んでこの配当はちょっとガッカリだったが、馬券が当たった分だけ、大障害のときより哀愁度は低い結果に終った(^_^;所用のkaoruさんは先に帰られて、KANKANさん、SpecialAgeさん、ジーナさんを交えて、西船橋の居酒屋で一杯。なかなか「祝勝会」とはならないが、旅打ちの先で飲み会の相手がいると言うのは楽しいことだ。ネットでの出会いに感謝である。

  20時前に切り上げて、私は帰途につく。明日も休みで船橋にいるのに、皐月賞を見ずに帰るとは、まったく変な競馬ファンだ(^_^;でも多分、今年の年末も同じようなことしてるかな?ただ、今回は青春18きっぷは使えない時期なので、帰りは夜行バスだ。「青春ドリーム神戸号」は、神戸まで5千円の安さが魅力だ。ただし、21時発なので、新幹線で帰るのと比べても大してゆっくりはできない。しかも、窮屈な4列シート。でも、5千円だもんな・・。まあ、どうせ3列シートのバスでも熟睡できないのに変わりはないから、これで十分なのかも。敗者は安いバスで去るのみ。でも、次に中山に行くときは、金(馬券の配当)も名誉(熊ちゃんのJGI勝ち)も手に入れて、豪勢にグリーン車で帰ってやる!・・などと、早くも8ヶ月先の妄想を見る、どこまでも懲りない熊沢ファン約1名を乗せて、バスは闇の高速道路を西へ向かっていた。

66鞍目  ゴールデンウィーク・馬にまつわるあれこれ(2005.4.30〜5.5)

  書く時間がまったくなかったわけではないのだが、途中で「優駿エッセイ賞」の原稿を書き始めてしまったら、そちらに創作意欲をつぎ込んでしまい、ネタはあったのに長期間更新をしそびれてしまった(^_^;今となっては記憶も薄れがちなので、今回はゴールデンウィーク中の馬に関する出来事をまとめてダイジェストでお伝えすることにする。

  30日は、古くからの知人である秀さんと京都の馴染みの店で一杯やるつもりで、京都方面にでかけた。その用事だけなら昼過ぎに出発すれば十分だったが、スルッとKANSAI乗り放題のきっぷを持っていたものだから、朝から出かけて、まずは阪急水無瀬駅からバスに乗って京都競馬場に出向いた。2Rに間に合うように出発し、パドックには間に合わなかったが馬券は余裕で買えた。ニホンピロリビエラは堂々の1番人気。当然、3連複の軸だ。ところが、うっかりレース番号を塗り間違えたので、改めて塗りなおして馬券を購入。出て来た馬券を見て絶句。軸・・6番?ニホンピロリビエラは6番なんだけど・・。生野騎手の乗るケイツーボーカル、全然印なし・・。

  これが当たれば万々歳だが、そんな幸運が訪れるとは思えず、せめてヒモ違いで外れてくれと願った。でも、キッチリ当たっちゃうんだよな・・。しかも、熊ちゃん3着やし(^_^;1,880円だから、まだショックは少ないが、とうとうやってしまった、「買い間違い外し」を。レース前に知っていただけマシだけど。当然、こんな流れで馬券など当たるはずもなく、3・4Rも撃沈。障害戦では人気薄にやられて2着に終わり、ウイナーズサークルの熊ちゃんも見られず。淀のプチ観戦は、見事な哀愁モードだった。この後、太陽軒に立ち寄り、5月3日の三木ホースランドパークに来られるのかどうかを小林さんに聞いてみたが、急な仕事が入ったとかで、世間の連休中は原稿書きに専念するとか。オグリキャップに関するエッセイ集の1篇を依頼されたとかで、出版の日が楽しみである。石山駅で小林さんと別れた後は、適当に時間を潰し、夜はおいしい料理と酒に満足した。

  5月に入って、1日は天皇賞。今年は迷ったが、結局現地に行くことに。前日と同じ電車に乗って出発し、途中で鉄ちゃん仕事を2つ。「カードラリー」の配布駅が、神戸電鉄の鈴蘭台駅、京阪電車の樟葉駅と、淀への順路に見事2駅が入っていて、しかも乗り換え時間とかを有効に使って手に入れることができた。淀に着いて競馬場に向かうが、去年に比べるとちょっと人が少ないような気がした。競馬場には前日より若干早く着いたが、馬券は買わずにゴール板あたりからスタンドを上り下りしてKANKANさんを発見。もはや、打ち合わせなしでも会うことができる(^_^;すいていると思っても、さすがにGI当日となると簡単に空席は見つからず、毎度後から行って席がある状態にしてくださるKANKANさんに感謝だ。KANKANさんのサイトの掲示板で時折お見かけするhirottiさんもご一緒で、こちらは初対面。この3人で1日を過ごすことになる。

  この日は(この日もか(^_^;)、馬券も熊ちゃんもボロボロ。4Rのハイエストフォースは2番人気でコケるは、7Rのタイクーンは人気通り3着なのはいいが勝ち馬が抜けてたし、8Rに至っては、軸のナリタシークレットが5着に沈んだ上に、3着同着分も含めて立て目2つ外して約8千円取りそこなうし・・。その間、リンク先である北海流双さんのサイトでお見かけする丸高逃光さんと落ち合うことができた。遠路北海道からの遠征で、淀の後は高知に向かう予定で、4日の園田にも来るかも知れないと言っていた。しばらく話をして、最終レース後再合流することで一旦別れた。席に戻っても相変わらず馬券は当たらない、熊ちゃんは勝てないの状況で天皇賞を迎えることになった。私の軸は、リンカーンとハーツクライだった。どうも、ここ最近はやたらに荒れまくっている春の天皇賞だが、今年こそは、ある程度堅く収まってくれると踏んでいた。本命不在で1番人気のリンカーンでも単勝5.4倍。ハーツクライは8番人気でも13.7倍。十分勝負になるだろう。そう信じていた。

  しかし、結果は去年を上回るビックリの結果だった。直線では何頭もが横に並んだ状態で、何が抜けて来るのか分からない。ビッグゴールドが粘りこむかと思ったところに、13番人気スズカマンボが突っ込んで来た。ここで安勝かよ〜!13番人気ビッグゴールドが2着に残り、あとはハナ・ハナでアイポッパーとトウショウナイトが続いた。まさか、2年連続で3番人気までが全部馬券に絡めずぶっ飛んでしまうとは・・。いつからこのレースは、こんな荒れるレースになってしまったのだろうか・・。13・14番人気の決着で馬連8万5千円はむしろ大人しい方で、いかに人気が割れていたかを物語っている。3連単に至っては、193万円とGI最高配当が飛び出した。こんなもん、どうやって当てるのか・・。もちろん、勝ったスズカマンボの勝利を貶めるつもりはないが、こう続けて人気薄ばかりが勝つ傾向が続いては、春の天皇賞と言うレースそのものの格が問われるようで寂しい思いもした。

  気を取り直して、最終レース。熊ちゃんがショーストッパーに騎乗。前走はあっと驚く激走で優勝し、再度の大穴を期待したが、穴が開いたのは私の財布。毎度毎度の「哀愁みっきぃ」で終了・・(-_-;全レース終了後、丸高逃光さんと再合流し、淀駅に向かった。何年か前、最終レース終了後に駅に向かったが、なかなか駅に近づけなかったが、この日は少しずつでも前に進み、思ったよりスムーズ駅に着いた。それだけ入場者数が減ってるのかと思うと寂しいことだ。帰りにふたりでPADOCKに立ち寄ると、鼻男さんのサイトで10万を踏んだ賞品に、ドリンク無料券をいただいたので、ボトルの焼酎には手を付けず、ショットでチビチビ飲んでいた。そのうち、大阪泊まりの秀さんも加わった。東京在住なのだが、「阪急東通りの外れ」と説明しただけでたどり着くあたりは、十数年に及ぶ関西暮らしの賜物だ(^_^;さらには、鼻男さんたち一行も加わり、店内は一層にぎやかになった。そのうちのひとり、ねっくさんは、天皇賞で財布が折り曲がらない程の諭吉氏をゲットしていた。うらやましいなぁ、私はスーパー哀愁モードだと言うのに(^_^;

  2日は仕事。休めるものなら休みたかったけどね。3日は家族で三木ホースランドパークへ。最大の目的は、サイン会だ。今年は幸・渡辺・植野・菊地の4騎手で、どんなつながりだろう?と思っていたら、競馬学校10期生で、関西所属の騎手だった。午前中は森林馬道を散歩しようと思って早めに家を出たのだが、トレッキングコースの一部を回る「体験トレッキング」に空きが十分あることが分かった。10分間で2千円とかで、時間と値段のバランスを考えれば、手を出したくなる設定だ(^_^;即決で予約を入れ、子どもたちを馬に乗せてから、私が馬に乗ることになった。ヘルメットに防護ベストを着るだけなので、実に装備は簡単。馬にまたがって手綱を握ると出発進行だ。普通に歩いているときは、鞍に体重を預けていたらいいのだが、時折急な坂を下るときは、鐙を突っ張って体重を後ろに移動させる必要がある。それでも、スピードは遅いので落ちる心配はなかった。

  10分のトレッキングを終えると、足が軽くガクガクしていた。そんなに力を使っていないつもりでも、不安定な鐙に足を乗せて体重をかけるのは、結構負担になるようだ。この程度でこんなんじゃ、絶対騎手にはなれない(^_^;トレッキングの後は、食事をしてサイン会へ。予想していたことではあるが、ファンの動きとはときに残酷なほど正直で、幸・渡辺騎手と植野・菊地騎手とでは、列の伸び方が明らかに違っていた(^_^;私は渡辺騎手の列に並んでいたが、整理券をもらったらすぐに植野騎手の列に並びなおして整理券ゲット。さらに菊地騎手のならもらえそうだったが、さすがに3人分は欲張りすぎなので遠慮した。最終的には整理券は全部なくなったので、一部の騎手に閑古鳥が鳴いているという気の毒な状況は起こらずに何よりだった。この日は、「優駿エッセイ賞」に向けての取材も兼ねていたのだが、正直なところ、原稿用紙10枚に持っていけるほど書けるのだろうかと思っていた。しかし、思わぬ乗馬体験のおかげで、在籍する馬のこととか色々な話が聞けて、家に帰ると一気に10枚分を書き上げることができた。そう言う事情なので、この日のことの詳細については、いずれ紹介することになるだろう。

  4日は満を持して園田へ。熊ちゃんとのコンビで目下デビュー4連勝中のドンクールが、初の重賞となる兵庫チャンピオンシップに挑む。これまではGVの格付けだったが、今年からはGIIに昇格している。その割に、賞金は去年より少なくなっているのだから、地方競馬の厳しさをまざまざと見せつけられる。1R出走直前に競馬場に着いたので、馬券は2Rから買い始めた。相変わらず、当たらないけど。3R前だったかのパドックでキャプテンレイさんを見つけて声をかけた。園田は初めてらしい。まだ、他の知り合いは見当たらず、とりあえずキャプテンレイさんと場内をウロウロしていた。馬券の方は、さすがに全レース買う訳には行かず、買ったり買わなかったりで過ごしながら、取りガミ1回と、ちょっと高めの馬連を1回取ったぐらいで、やはり低空飛行。14時ぐらいになって、遅めに出発したちっちさんと合流した。徐々に集まる熊沢グループ。そのうち、作家の乗峯先生を応援する鼻男さんたちとも出会うことになり、一気に知り合いで一杯になった。天皇賞と比べて、入場者数は5分の1程度かも知れないが、その分、スタンドとかの観戦スペースも淀より相当小さいから、人の密度では負けていないかも知れない(^_^;

  最初は馬が引き上げると完全に人がいなくなるパドックも、メインレースが近づくと居残る人も増えてくる。私は写真は撮らないが、キャプテンレイさんやちっちさんが写真を撮る位置を確保するため、9・10Rは馬券を買いながらもレースは見ずにパドックのラチに張り付いていた。10R前に周回していた馬たちが去ると、このレースに騎乗がない騎手がパドック右手の方から歩いてやってくる。早いうちに熊ちゃんがやってきて、オッズ板の下の控え室に入って行った。他の中央の騎手や他地区の騎手も、次々と集まってきた。パドック正面に控え室があるので、扉を閉めていても何となく中が見える。前を歩く馬を見たり、モニターがあるのか、上の方を見上げていたり。武豊とも何やら話していたようだが、今日は俺がもらう、みたいなことを言っていたのかな(^_^;夏かも思うような強い日差しの中、馬たちも汗を流しながら周回しているが、出走時刻まで15分を切ったと言うのに、まだ止まる気配がなかった。

  そう言えば、10Rの審議がやたらに長かったのだが、これが原因らしい。失格を伴う審議のため長くなっていたようだ。レース開始時間が10分遅れると発表され、馬たちはその分、余分にパドックを歩く羽目に(^_^;見てる方も疲れてきた頃に「と〜ま〜れ〜」の合図。せっかくドンクールが止まりそうな位置に立っていたつもりが、全然違う場所に止まってしまった。オッズの方はドンクールとプライドキムが拮抗して1番人気を争っていた。どうも1番人気は熊ちゃんにとって縁起がいいものではないので、「馬券買う皆さん、プライドキムの方が実績あるよ〜」とか言ってみたが、最終的には1番人気になったようだ。4連勝はしているが、いつも小差でしか勝っていない。キッチリちょっとだけ差して勝つこれまでのレースぶりでは、小回りで直線が短い園田で通用するのか疑問もあったが、ともかく、ドンクールを手の内に入れた熊ちゃんの手腕を信じるしかない。向こう正面左奥のスタート地点で輪乗りするドンクールを見守りながら、ゴール前で勝利の瞬間を待つことにした。

  園田の統一グレードレースを見るのは初めてだったが、ファンファーレは中央関西場重賞のよりゴージャスっぽくてよかったかも(^_^;ゲートが開き、ハナを切るはずのアグネスジェダイが出遅れるような形でスタート。プライドキム、ダイワキングコン、ドンクールの順で隊列の先頭が形成された。しかし、園田のコースを知り尽くした小牧太が猛然と進出し、1周目のスタンド前で先頭に立った。2番手はダイワキングコンに変わっていたが、JRAの4頭が前を行くのは変わらなかった。2週目向こう正面で、ダイワキングコンが失速。代わってドンクールがアグネスジェダイに並びにかかる。3コーナー、4コーナーと内にアグネスジェダイを見ながら併走するドンクール。直線に向くと、ジリジリと前で出て先等に。しかし、アグネスジェダイも意外と粘って突き放せない。後ろからはプライドキムも追い上げてきたが、ドンクールがクビ差押えてデビュー5連勝のゴールイン!地方だけど、熊ちゃん、4年ぶりの平地重賞勝利の瞬間である。さあ、ウイナーズサークルに直行だ!

  ウイナーズサークル周辺は、黒山の人だかり。しかも、サインを期待して色紙が並んでいる。完全に出遅れたような感じで、何とか向かって左手の方の柵近くまでは近づけた。インタビューでは、人気に応えられた安堵感が感じられた。いつも、突き抜けるような手応えなのに、ちょっとしか勝たないレースぶりに、乗っている方は冷や冷やものだとも言っていた。馬の方がわざとちょっとしか離さないのだとしたら、とんでもなく賢くて強い馬だ(^_^;ダービーを勝つような馬でもデビュー5連勝はなかなかできるものではない。そんな馬に、熊ちゃんが主戦騎手として乗っている。こんなチャンスはめったにないのだから、ドンクールには是非ともダート界の新星として、やがては王者となる活躍をしてほしいところだ。ちなみに、馬券の方は、ドンクールからアグネスジェダイを除いた中央勢と園田のグレートステージに流して外しました(^_^;時間が押していたからか、熊ちゃんは一切のサインを断り、厩舎のあるエリアの方へ去って行った。主役が去った後で振り返ると、おばらさんもお連れさんと一緒にいらしゃった。また、天皇賞の後高知に向かっていた丸高逃光さんもいらっしゃって、色々な人とお会いできて楽しかった。全レース終了後は、園田駅の高架下で、キャプテンレイさんとささやかな祝勝会で、熊ちゃんの勝利を喜んだ。

  帰宅すると、さらに優駿エッセイ賞の原稿を書き進めたが、そのうちに、何点か確かめないといけない点が出てきて、5日は短時間だが、再度ホースランドパークを訪問。確かめるべきことをこなして、馬事センターに置いてある『優駿』で、改めて最近の入選作を読んでみた。今書いているものが、そのレベルに達しているかどうかは分からない。ただ、筆力の足りない部分を補うための作戦は練っている。その結論が、熊沢ネタを封印し、私が「三木市に住んでいる」と言うことを最大の武器にすることだ。競馬の関係者ではない。牧場で働いたこともない。馬について特殊な経験など無縁だと思っていたが、考えてみれば、私は身近に馬と会える施設があると言う環境にあり、これも立派な特殊性である。これを書いている5月24日現在、まだボチボチといじくっている段階だが、6月半ばぐらいには完成させて応募するつもりでいる。今年こそは、せめて、このサイトでの発表を10月25日まで延ばしたいんだけどね〜(^_^;

最新の鞍へ
トップページにもどる