介護保険の歩き方 1.ケアマネジャーの選び方
〜もくじ〜

1. なりゆきで出会い、そして。
2. ケアマネが来た?違った、役所の調査員だ!
3. 介護の何を知ってるの?ケアマネの経歴。
4. ここまでやる、ここまでやらない。
5. 変えたい、けど面倒・・・
6. だから、賢くケアマネを選べ!

1. なりゆきで出会い、そして。

なぜ、そんなに何も考えず決めてしまうのでしょう?
介護を必要とする高齢者を抱える介護者の方が、ケアマネジャー(介護支援専門員)を選ぶのを
目にしたり、話を聞いたりする時にいつも思うことです。
答えも簡単です。考える暇がないから。そして、制度がよくわかっていないから。

たぶん、あなたが耳にするのは、こんなパターン。

「うちのおばあちゃんが脳梗塞をおこして倒れたの。ううん、軽いものだから、
今は意識ももどって、何とか自分でものも食べられるまでにはなったんだけどね。
で、もう退院してほしいって病院から言われたんだけど、、、ほら、うち
日中誰もいないのに、おばあちゃんをどうすれば良いのか途方に暮れてて。
そしたら、病院の人から「在宅で介護サービスを受けながら生活することも
可能だから、役所にナントカ申請の紙を出して下さい、って言われて。
行く暇がないって訴えたら、「では、こちらで出しておきます。介護の計画を
立てるケアなんたらを決めなきゃならないんですが、こちらの者でいいですか」
って言われて。**病院って親切よね〜」


ちょっとちょっと、そこのおかーさん、そのケアなんたらこそ、あなたの今後の
介護にかかる労力を左右する重大な人物となるのです。

2. ケアマネが来た?違った、役所の調査員だ!(でもケアマネよ?)

さて、**病院に役所への申請代行と、介護支援専門員の依頼書を頼んだ
おかーさんの家へ、役所からの調査員が訪問しました。

「そうなの。私は働いていて、日中はおばーちゃんの面倒を見るのは難しくて・・・。
息子もいるけど転勤で山口県に行っちゃってね。息子の嫁はほらさ、いい嫁なんだけど。
ダンナはもう少しで定年なんだけど、ほら、箸の上げ下ろしだけがめんどくさくないって
人だから。ヒトのことなんてしないのよ。自分の親なのに。
そんななのに、ちらっとあそこの施設・・・って話したらえらく怒ってね。」


おかーさんは、そんな訴えは要介護認定のコンピューター上は全く反映されないとは
つゆ知りません。いや、特記事項に丁寧に記載してくれる調査員さんなら、
自治体によっては反映してもらえるかもしれませんが。
またケアマネにも、ショートの施設等々にも同じ訴えをしなければならないとしても、
ここは訴えておかねばならないでしょう。

思うに、介護保険制度とは、昔役所に訴えておいてなんとかしてもらってたものを、
いろんなトコロに働きかけて、自分でなんとかする制度なんです。
ただ、ケアマネの選び方いかんで、働きかけるトコロが少なくなる!ということを、
おかーさんは、まだ知りません。

また、自治体によっては、その調査員が、そのままケアマネになる・・・というパターンもあり、
(役所が申請用紙を持たせて書かせる)、
そうでなくても調査員さんは、ほぼケアマネの資格を持っているので、
そこでお願いする手もあるにはあるんですが、、、
それもひとつの縁ではあるのだけれど、ばくちに近い部分もあります。

3. 介護の何を知ってるの?ケアマネの経歴

通称「ケアマネ」と呼ばれる「ケアマネジャー」(介護支援専門員)は、
介護保険制度のキーパーソンです。
以下の要件に適合すれば受験資格があり、その受験に合格すれば、
県主催の講習会に出席する権利が得られ、講習を受けると
晴れてケアマネと認められるという流れになっています。

医師,歯科医師,薬剤師,保健婦(士),助産婦,看護婦(士),准看護婦(士),
理学療法士,作業療法士,社会福祉士,介護福祉士,あん摩マッサージ指圧師,
はり師,きゅう師,栄養士(管理栄養士含む),義肢装具士,言語聴覚士,
歯科衛生士,視能訓練士,柔道整復師,精神保健福祉士
−−−上記有資格者−−−

福祉事務所のソーシャルワーカー、医療機関の医療ソーシャルワーカー
−−−上記「相談援助業務に従事する者」−−−

特別養護老人ホームの寮母、ホームヘルパー
「介護等の業務に従事する者のうち,一定の実務経験を有し,所要の研修を修了したもの」

そう、ひとくちにケアマネといっても、そのケアマネが、実際の
高齢者のケースにうとい場合も、まれだがあるんです。

また、医療的処置が多く必要だ!といった場合に、医療知識が浅い分野出身の
ケアマネがうまくサービスを配分できるのでしょうか?

だから、勇気をもって聞いてみましょう。
「△△さんは、ケアマネの前は何をなさってたんですか?」

4.ここまでやる、ここまでやらない。

さて、さっきのおかーさんの家には、××病院に併設されている居宅介護支援事業所から
ケアマネジャーさんが来るようになりました。

5.変えたい、けど面倒・・・

はじめに「当たった」ケアマネをもし変えようとすると、数々の面倒にぶちあたります。
まず、また役所にケアマネを変えたという届けを出さなければならないという面倒。
変えようと思っている新しいケアマネが、受け入れを渋る面倒。
理由としては

  ・ケアマネを変えるなんて、きっと文句の多い手のかかるケースに違いないわ?
  ・**事業者さんとは懇意にしてるのに、ケースを取ったと思われてもねえ・・・

では、どうやったら変えることは可能なのでしょう?これは、女性が新しい恋人に
乗り換えるにも似た作業がベターであると考えます。

  1)新しいケアマネに受け入れ可能かそっと打診する。
  2)受け入れ可能であれば、現在のケアマネに、変えたい理由をはっきりと伝える。
  3)現在のケアマネとさよならし、新しいケアマネにお世話になる。

言うは安く、行うは難し。。。
ここで重要なのは、間違っても現在のケアマネと先に別れてはいけない
いうことです。新しいケアマネに受け入れてもらえなければ、サービスが受けられない
おそれがあるし、ケアマネが少ない地域なら、流浪の民になりかねません。
まさに「藁をもすがる」。ケアマネをテキトーに選ぶことは、
暗闇でパートナーを選ぶようなもの。
ケアマネは、
毎月訪問してもらって、身体状況や家庭環境などのプライベートな情報を明かして、
介護の計画を一緒に練って、快適な在宅生活を目指してアドバイスをもらい、
サービスを手配してもらい、かかる費用を計算してもらい、etcetc(続毎月)・・・
という相手なんです。

もし、あなたの住んでいる地域が地方で、ケアマネは町役場の社会福祉課の
保健婦さんだけだよー、
という場合はしょうがありません。
選択の余地はないので、その方々と仲良くしましょう。

ただ、そうでないのなら。
初めにパートナー(ケアマネ)を選ぶ時、慎重に選ぶに越したことはありません。

6. だから、賢くケアマネを選べ!

そうなんです。
ケアマネジャーは、介護保険制度ではサービスの要。
だから、賢くケアマネを選んで下さい。

@ 「主に利用したいサービス」を決め、それに強いケアマネを選べ!

まず、「主に利用したい○○のサービス」を心の中でなんとなく決めてください。
ご利用者ご本人が、どういうサービスを主にうけたらいいかもはっきりしない場合は、
どういうサービスが良いか、市町村役場の福祉課のやさしそうな人、
地域の在宅介護支援センター、ご近所の人、かかりつけの医師がいれば
医師などに相談してみてください。(在宅サービスに詳しくない場合もありますが・・・)
そうそう、医療的処置が必要か(医療系サービスが必要か)、そうでないかは
重要なポイントです。

心がなんとなくでも決まったら、そのサービスを実施している事業主体が、
居宅介護支援事業所も併設しているかどうか確認しましょう。
多くの市町村では、そういった参考資料が手元に送られてくるとは思いますが、
下記のホームページでも検索できます。
http:
サービス事業所と併設している居宅介護支援事業所では、
そのサービスを組み入れることはたやすいでしょうし、調整も容易にできるという利点があります。


ただ、同サービスの他の事業者を使いたいと思った場合は、使いにくい・・・
(介護保険上はダメというわけではありませんが、ケアマネとしてはやりづらい。
例えば、自社のデイサービスを勧めず、他社のデイサービスをプランに組み込むのは、
やはり、普通はつらいものです)というデメリットもあります。

逆に、自分たちが利用しないサービスをメインで行っている事業主体にケアマネを
お願いしてしまった場合、サービスの押し売りは理念上されないことになっているとはいえ、
自社の(自分を別に利用したいと思わない)サービスを勧められる部分も
あるかもしれません。

A 臨機応変に対応できるケアマネを選べ!

ただし、上の要因だけで選べない部分もあります。
ケアマネも人の子です。ケアマネ1人につき、もてるケースは50件という緩やかな定めは
ありますが、50件以上ケースを抱えているケアマネは多いです。
30件程度が限界なのではとも言われています。

「いっぱいいっぱい」になっているケアマネにケアプランをお願いしてはいけません。
受けてもらえないでしょうが。
1つには、居宅介護支援事業所(ケアマネ事務所)内に、ケアマネ以外で、業務上の
事務作業をこなしてくれる人を抱えられる事業所の場合は、ない事業所よりはケアマネの
負担が軽く、ケースに専心できる部分があります。
今は一般的に、どこのケアマネも多数のケースを抱え、報酬も安く、尻をたたかれ、
ひいはあ言ってはいますが・・・。

おばあちゃんの急な体調変化や、月途中のサービスの変更や追加も、いやがらずに
(介護計画=ケアプランは、月中〜月末にかけて次月分が1ヶ月単位で作成され、
 介護者に承認印をもらいにきます。それ以外の時期にサービスを変更・追加することは、
 ケアマネにとってちょっぴり負担となるのです)変更してくれる「心の余裕」をもった
ケアマネを選びたいものです。

そして、@で述べたように、事業主体や、ケアマネのもともとの専攻分野によって
得意分野は大きく異なるのですが、基本として、
「地域のサービスや介護について広く深い知見を持ち、それを介護者や利用者本人に
提供・共有する」
という心をもったケアマネを選びたいものです。


B 人柄が信頼できそうなケアマネを選べ!

あたりまえのことでありながら、これが最も重要なことかもしれません。
「人柄が信頼できそうなケアマネを選べ!」
繰り返しになりますが、ケアマネは、
毎月訪問してもらって、身体状況や家庭環境などのプライベートな情報を明かして、
介護の計画を一緒に練って、快適な在宅生活を目指してアドバイスをもらい、
サービスを手配してもらい、かかる費用を計算してもらい、etcetc(続毎月)・・・
という相手なんです。

慎重に選び、賢くサービスを利用しなければ、
保険料を払っている意味がありません。

介護保険。
賢く利用するには、もっともっと、いろんな要素があります。
まず、お住まいの地域にサービスが整備されていなければしょうがない部分もありますし、
介護保険制度を「この程度の制度」としてちゃんと把握していないと、

過剰に期待しすぎる面もあります。

そのあたりも、またおいおい話していこうと思います。
在宅でなんとかしよう、と思ったら。まずはケアマネ。介護支援専門員を賢く選ぶ。
そこから、始まっていくのです。