短歌−蓑虫の揺れ
 

 

 

線の物体

 
 
 
 

線の踊りにミロが笑った青深く空のおどりに根がからむ

群衆のわらい怒りがくねくねと線の色となるまでうねる

空も海も溶け出して ひとり 顔を押さえて内を守れり

何もないなにもないと口閉ざす壁となりたる人の体

つまり開いたページを胸にあて空間を見る人ふたり

月光の宵は月も窓枠も白き顔した女を立たす

目を丸くしたところで止まりたる顔のうしろに顔の重なり

まっすぐにバイオリン弾く人の窓の向こうの赤い刻

窓があり人の背がありなで肩のうっすらと外眺めつつ

くるくると遠く空からとおくそらへと曲線の物体たちが

 

 
 
*初出:「個性」(2002年2月号)
 
 
 
 
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© Mizuho TAKAHASHI  http://homepage3.nifty.com/mino-mushi/
短歌−蓑虫の揺れ