短歌−蓑虫の揺れ
 

 

 

泳ぎきて

 
 
 
 

骨となりて人間ゆきぬ庭に栴檀の実の落ちて鎮もり

とおく昔の風を泳ぎきて口も目もまるくありたり

風を喰らう口の大きくゆらされて鯉のぼりゆらして風ながれ

図書館に大きな樹のありぬ 今 ちりぢりと葉の枯れて五月

たたかうと雲間にゆけりぷろぺらを人まわしておりぬ

若木をつたう五月雨しずく追いつつ終えぬ土のあたりに

からっぽの壺に人しまわれてゆく人が人をしずかに閉じぬ

 

 
 
*初出:「個性」(2003年7月号)
 
 
 
 
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© Mizuho TAKAHASHI  http://homepage3.nifty.com/mino-mushi/
短歌−蓑虫の揺れ