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退院が早い理由(患者さんに優しいのは手術の工夫だけじゃない)

MISを行っている病院で人工関節を受けた患者さんの退院が早いのは

次のような理由があります

 (1)MIS人工関節置換術そのものが痛みが少ない

 (2)手術後の痛みを減らす工夫

 
(3)リハビリテーションの進歩


MISそのものが痛みが少ない
従来行われていた手術では人工関節の手術をするのに、股関節も膝関節もどちらも20cmほどの大きな傷で手術を行っていました。傷が大きいだけではなくて筋肉やその他の組織の損傷も大きかったので、手術後の痛みも強く、筋力の回復も遅くなってしまいました。MISで行われた人工関節の手術後は痛みが少なく、筋力の回復も早い事がすでに多くの学会報告や文献で明らかにされています


手術後の痛みを減らす工夫
MISの考え方と言うのは手術の傷が小さいから切られた組織の量も少なく痛みが少ない、というものなのですが、手術だけが特別だから患者さんにとってメリットが大きいのではありません。医学の進歩は手術後の痛みのコントロールも発達させました。患者さんが手術を行う際には麻酔をかける専門の医師がいて、この人達が手術中の全身状態を適切に管理してくれます。また手術前後にも患者さんの様子を診てくれます。手術の傷が痛くならないようにする色々な工夫も麻酔科の先生達が行ってくれます。硬膜外麻酔や色々な種類の痛み止めです。MISの手術自体、体への負担も少ないので実際に術後の痛みは少ないのですが、これにさらに疼痛コントロールが加わるので手術後には全く痛くなかったという患者さんも居られます。まぁ、手術のお陰だろうが、何だろうが、痛くなければそれで良いわけです。


リハビリテーションの進歩
MISでは痛みが少ないので当然リハビリも早くなります。手術をした翌日から立って歩く練習が出来てしまいます。ほんの数年前まで人工関節の手術後は3週間程度ベッドの上に寝たきりでいるのが当然だったのですが、現在では、術後3週間もしたら退院できるようになりました。これも早期から動く練習が出来るように指導してくれるリハビリスタッフのお陰ですが、この技術自体も手術と同様に進歩してきています。日曜祭日はリハビリが休みなのですが、人工関節の術後に慣れている病棟スタッフが、一緒に廊下を歩いて訓練したりしています。早い時期からのリハビリを行うことで、危険な合併症である静脈血栓症なども防止できますし、仕事を休む期間が少なくなるのもメリットです。

人工関節を受ける患者さんでは関節の痛みのために長年のあいだ正常でない歩き方をしていたために、その動作が一種の「癖」のようになっている人が居ます。そういう患者さんでは手術後もその「癖」が抜けないことが良くあります。そんな時には認知運動療法と呼ばれるテクニックを駆使し、正常な歩行の仕方を訓練することもあります。このテクニックを学ぶためにわざわざ海外まで研修に行ったリハビリスタッフも居ます。この研修もスタッフのレベルを上げることが患者さんの利益につながるとの考え方で、倉敷成人病センターが資金面をバックアップして行いました。

《退院後はリハビリに通う必要はありません》

私達は階段昇降が出来るようになることを退院の基準としていますので、基本的には退院後にリハビリに通う必要は有りません。無論必要が有れば外来でのリハビリも行います。



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