ヘッダーイメージ 本文へジャンプ
ナビゲーションシステム

人工関節用ナビゲーションシステム

人工関節の手術に使用するナビゲーションシステムについては、よく車のナビゲーションにたとえられます。自動車の運転の場合、よく慣れた道ならナビゲーションなど不要です。むしろ細かい道路の状況を把握している場合はナビなど使わないほうが便利な場合もあります。この事から手術についてもナビゲーションなど必要ない、という意見もあります。しかし、本当にそうでしょうか?道路と違って人間の体はひとりひとり全て少しずつではあっても違った形をしています。ましてや人工関節の手術を受ける患者さんの関節は正常な状態でなくなったからこそ手術を受けるわけです。全く同じ形の関節など世の中に存在するわけがありません。ですから手術が上手だと言われる医師ほど患者さんのレントゲンやCTを見ながらどのような手術を行うかという計画を十分に練り上げます。一人一人みんな異なる患者さんにオーダーメードとも言える手術計画を建ててこそ正確な手術が行えるわけです。ナビゲーションシステムではこの術前計画をCTを利用して非常に細かく立案します。


手術計画の実現

十分に練り上げた手術計画はその通りに実現しなければ意味がありません。問題はここにあります。つまり、どんなに立派な手術計画を建てたとしても、通常の手術では、手術結果のばらつきが大きい、という事実です。なぜなら、手術を行うときには、骨盤や大腿骨などの骨はその一部が見えているだけです。その全体像は清潔な布の向こう側か、あるいは皮膚や筋肉に覆われていて全貌をうかがい知ることは出来ません。ここで大事になるのは色々な骨の出っ張りなどの目印ですが、最終的にはやはり手術をする人の「勘と経験」に頼ることになります。人工関節は最終判断を「勘と経験」に頼った技術であって、しかもその手術に使用する道具はハンマーで叩き込むやすりであったりするわけですから、術前計画通りの結果が得られない事は当然ありうるわけです。ナビゲーションシステムは、術前に作った綿密な計画を実現するためのツールと考えていただけると良いかと思います。下の図に示されるようにCASを使用したほうが術後のばらつきが少なくなっています。ただし、このデーターは若干古いですし、日本の医師は器用なので、通常の手術でのばらつきはもっと少ないのではないかと個人的には感じています。



なぜ、ナビゲーションを使用するのか?

ナビゲーションなどのコンピューター支援手術を使用すると、どのような利点が出てくるのでしょうか?これらの装置を使用すると、見えないところが見えてきます。つまり、清潔な布の向こう側に隠れてしまったり、あるいは皮膚や筋肉の向こう側にあって見えない組織や骨が、コンピューターのモニター上にあたかも目で見ているかのごとく「見える」わけです。手術に使用する道具が骨のどの辺りを削っているのか、それがなかなかわからないことがあるからこそ人工関節の手術は難しい、と言えます。これが判るようになることが、人工関節の手術が出来るようになる第一歩なのです。しかも、この判断は人間が行うものである以上、時には僅かであるけれどもエラーが生じてしまう可能性が存在します。ここに、ナビゲーションを使う理由があります。ナビゲーションで、見えないところを見て手術を行えばエラーが出る確率は格段に低くなります。そして、正確な人工関節の設置が行えればそれだけ人工関節の寿命も長くなる可能性が高くなるのです。

ナビゲーションを使って人工関節を正確に設置

          ↓

     人工関節の寿命が最大限になる



ナビゲーションシステムの種類

手術用ナビゲーションシステムがよく車のナビゲーションにたとえられる事は既に述べました。確かに自動的に手術で使う器械の位置をリアルタイムで教えてくれるという点については同じだと思いますが、ナビゲーションシステムにも色々と種類があります。

Ⅰ.イメージフリーナビゲーションシステム

Ⅱ.CTベースナビゲーションシステム

Ⅲ.フルオロナビゲーションシステム

   Ⅳ.フルオロマッチングCTベースナビゲーションシステム



イメージフリーナビゲーション

CTを使わず、基準になる位置をポインターで指すだけで位置あわせを行います。簡単ですが、変形が強い骨に対して使用すると不正確になることがあります。日本人の股関節のように変形の強い場合は使用できないことが多くなりますが、膝では股関節ほど基準点のずれが大きくならないものが多いので操作が簡便である分、有利と言えます
 CTベースナビゲーションシステム

術前にCTを撮って、正確な術前プランを作成し、これに基づいてナビゲーションを行います。非常に正確である反面煩雑で、術中に位置合わせのための操作をしなければいけないので手術時間が長くなります。日本人の股関節のように変形が強いことが多いものに対しては、その正確さが大きな長所となります。位置あわせの煩雑さと手術時間の延長が解決されれば最強と言えるシステムです。
 フルオロナビゲーションシステム

CTを使用せず、手術室でレントゲンテレビに映った画像と骨の上の基準点を触れた事で得られる情報を元に位置合わせをします。簡単ですが、変形の強い股関節などには不向きです。また、術前計画を正確に作成することが出来ません。モニター上には三次元画像ではなくレントゲンの2次元イメージが映し出されます。
(画像はmedivision promotion CDより転載)
 フルオロマッチングCTベースナビゲーション

CTベースなので術前計画が正確であるのは勿論ですが、位置あわせを手術前に行ってしまうので手術時間の延長が無く、また、手作業で基準点を選ぶというエラーの生じやすい作業が不要である分より正確な位置あわせを行うことが出来ます。上記のCTベースナビゲーションの欠点を解決した次世代の最強システムです。

最強のナビゲーション


現在、倉敷成人病センターでは次世代の最強システムと考えているフルオロマッチングCTベースナビゲーションシステムを採用し、導入しています。一般にMIS人工関節手術を行うと手術時間が延長するとされており、最も正確であるCTベースナビゲーションシステムを使用すると更に手術時間が延長する可能性もあるわけですが、これにフルオロマッチングを加えた次世代の最強システムでは、手術時間の延長を最小限に抑えることが出来ます。





フッターイメージ