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人工膝関節


人工膝関節
人工膝関節の基本構造は、大腿骨側と下腿骨側の関節表面を金属で置き換え、この金属の間に軟骨の代わりをするポリエチレンを挟み込んだ形になっています。

膝のお皿の骨(膝蓋骨)も痛んでいればその表面を取り替えます。

これらの部品と骨との固定には骨セメントと呼ばれる接着剤を使用する場合と骨が部品に作られた凹凸や網目状の構造の中に入り込む事で行う場合があります。



人工膝関節を入れるとどんな事が出来るのか
歩いたり階段を上ったりする時の痛みが無くなります。それにより今まで痛くて出来なかった色々な事ができるようになります。散歩をしたり、買い物に行ったり、旅行に行ったりできるようになりますし、ゴルフやゲートボールなども出来るようになります。

歩き振りも良くなるので外出するのが楽しくなります。ほとんどの患者さんは外で知り合いから歩きぶりが良くなった事をほめられるようです。

長い距離を歩けるようになるので遠くにいる家族や親戚に会いに行く事もできるようになります。


MIS人工膝関節
数年前まで人工膝関節の手術は一般的には20cmほどの切開で行われていました。しかし、技術の進歩に伴いMIS(最小侵襲手術)が行われるようになりました。

MISでは、小さければ7~8cm程度の傷で人工膝関節の手術を行います。傷が小さく組織損傷も少ないですから術後の痛みが少なく、また筋力も良く保たれていますから歩行練習も早くから開始できます。

MISでの人工膝関節手術は全員に出来るわけではありませんが、MISに慣れた医師は通常の手術でもかなり小さな傷で手術を行いますから12cmを超える切開になる事はめったにありません。



人工膝関節を入れた2日後の患者さん。杖も使わずに歩行できます。

人工膝関節の合併症
人工膝関節では金属などの異物を体の中に入れるわけですから、運悪く細菌感染などを生じるとその表面についた細菌を殺す事が出来ません。なぜなら、人工物は血液が流れていないため、細菌を殺す免疫担当細胞や抗生物質などがたどり着く事が出来ないからです。その為、人工関節が感染を起こすと抗生物質などのお薬だけで治すことは難しく、多くの場合手術が必要です。しかし、最近ではこの手術自体も関節鏡を使用するなどMISでのアプローチが使われるようになってきました。また、そもそも感染を起こさない事が一番大事ですから人工膝関節の手術はバイオクリーンルームと言われる非常に細菌の数が少ない部屋で行い、また術者も宇宙服のようなヘルメットをかぶって手術を行います。このような工夫により、感染を生じる割合は非常に低く抑えられています。

血管の中で血液が固まって血栓というものを作る事がありますが、これの大きいものが出来ると肺の大きな血管を詰まらせてしまい、最悪の場合死亡してしまう事もあります。このような状態をエコノミー症候群と呼び、飛行機などで長距離を同じ姿勢でいると発生しやすくなります。この合併症を防ぐために血液が固まりにくくなるお薬を使用したり、下肢にマッサージ機を取り付けて大きい血栓が出来ないように注意しています。





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