でも変わってはいない。どんどん、明確になってきているし豊かになってきているという思いは十分ある。
西尾 前の方が演じていることよりも、私にとってこの作品をやることはずっと大きいことで、2人芝居というシチュエーションも凄いし、取り上げられている題材も凄いし、全てが自分にとって初めてなことなので演じることで精一杯なんです。でも、幸いにして、自分が感じたことを感じたままにやっても、おとったんが全部芝居を受け止めてくれる。本当に自由にやらしてもらっている。
その中で何かをいつも感じながらやりたいというのがあって、だから急に違う芝居をしてみるというか変えてみることがあって。極端に違うことはなくニュアンスとかが違うだけなんだけど、それをおとったんは全て受け止めてくれるので、私は大きな土台の上でやらしていただいています。
辻 そうだね・・・。ようするにこの2人の関係しか舞台にないわけで、お客様はこう見ているわけだよね。多いときは30人とか、まあ3人もあるけど、聞いている人がいない。この2人だけの間だからエネルギーを凄く使うよね。でも、その分醍醐味がありますよ。
これは美津江の芝居で。僕は美津江が生み出した人間だからね。まだお芝居を見てませんか?(朗読のCDを聴いていますと答えました)
例えば、彼女の葛藤がこの作品の中心なんで、彼女にしてみれば・・・疲れるかもしれないね(笑)すみませんでした(笑)ははは!(辻さんが西尾さんの肩に頭をつけて謝る姿に一同爆笑)
西尾 伝えたいっていうか、この自分が喋るセリフ全てに尽きると思う。それ以上に何かをするっていうことはないです。純粋に自分の言葉が体を通して皆さんが感じてくださればいいな、と私は思います。私がちゃんとおとったんを感じたりすることができて、私が感じたことを観た方が連鎖反応で感じてくださればいいなと思います。
辻 これを見て原爆を思わない人はまずいないよね。原爆はいいと思う人は全世界にただ1人もいないと思う。だから、お芝居の中で敢えてそういうことは言う必要はないと思うんだ。
昨日見た高校生が、「親子の絆を感じました」と感想を話してくれたけど、観た人それぞれがいろんなことを感じると思うし、原爆を体験した親子2人が語りあっているところを表現していけば、自然に伝わっていくと思う。
辻 演じる上で、言葉に対して方言を使いこなすというのは仕事量としては1つ多いよね。それに広島弁は見ていただければわかるけど感動すると思うな。そのくらい広島弁には美しさや優雅さがあるんですよ。
僕らが一番広島弁に慣れているのは、暴力団の抗争を描いた映画がありましたよね、一斉を風靡した。(笑)あの頃に悪い広島弁がはびこったんじゃないかと思うんですよ。あれも終戦後の映画だよね。でも、その頃の広島はあんな特殊な人たちが話している「おんどりゃー」みたいなのではなくて、優しい響きの広島弁があったんだよ。
皆さんが頭の中で描いている悪い広島弁ではないものをやらなくてはならい、と僕らは思うんです。
辻 聞かれた時必ず言うことなんだけど、僕らの芝居は見どころ、聞き所が全部なんだよね。「ここがいいのよ!」なんていうのはなくて、全部見ていないとわからない芝居だから見どころは全部なんだよ!(笑)というのを前提にしたうえで言うとすれば−。
おとったんの存在が謎なんだけど、その謎がどこでわかりました?それが解けた時に「えっ!」って言う。そこが一番おとったんに対する見どころがありますね。
そして、この作品に対しては、僕はやっぱり最初にこの作品を見たときの(すまけい&梅沢昌代さん)、美津江が最後に「おとったん、ありがとありました」とおとったんにお礼をいう時、「ああ、このお芝居は、この言葉がお客さんの心にくるようになったとき、大成功の芝居だな」って思います。観た方が「美津江ちゃん、良かったね」、と思う気持ちになってくれるようにこの芝居を創りたいなと思う。
だから、もし、お客さんがそうなってくれたなら、そのときが一番「見どころでしたでしょ。」っていう風に感じますね。
西尾 どこにでもあるような親子のたわいのない会話とか、こうだったらいいなってみんなが思うような会話とか、それぞれ皆さんが絶対に何かに重ねてみながら思う部分があると思います。
そういうみんなが実は日常に感じていることを気づかないことがたくさん含まれている芝居だと思うので、何かそれを少しでも感じてもらえたらと思うし、おとったんが言うように最後に「おとったん、ありがとありました」という時に、すがすがしい気持ちに皆さんがなってくれたらいいなと思います。
辻 僕は、釧路に1992年「きらめく星座に」で行った時、楽屋を出る時にお客さんが「また来て下さいね」って言ってくださったことがすごい頭に残っていて、是非また行きたいな、行きたいなって思っていて、今回それが実現しました。この作品は凄い思いで創り上げました。自信がありますので是非期待してください。いい芝居をご覧いただけると思います。

西尾 この作品で、いろいろな土地をまわっているのですが、北海道ツアーを特に楽しみにしています。
食べ物も美味しいし、会員さんもとても元気だと聞きましたので、おとったんと2人で良い芝居を運ばせていただきたいと思いますので、皆さん楽しみにしていてください。
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| ●ロビー交流会に集まったのは約50名。次々に質問が飛び出し時間も押せ押せ。 |
●暗転で拍手が起こることについての質問 |
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| ●演じなはら涙を出そう、とか思っているのではなくて自然に出てくるんです、西尾さん。 |
●「おとったんは幽霊になって出てくる前はどこにいたんですか?天国では何をしているのでしょうか?」の質問に爆笑する辻さん |
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| ●この芝居は何回も拍手を小出しにするのではなくて、ためてためて最後に爆発させる、そんなお芝居だと思うし、僕らも嬉しい。 |
●学校公演に取り入れて多くの学生にみてもらいたい。 |
●ロビー交流会は30分で終了しました。会員の皆さんは「こんなに感動したお芝居は初めてだ」「ずっと伝え続けて欲しい」など、喜びを表現していました。
1ヵ月後の釧路公演が楽しみです! |
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