何物にも代え難い。
きみの眼差し、宿る心、気高き魂、そのすべて。
逃げないようにと抱きしめた。
愚かな恋に優しい抱擁が舞い降りる。
きみの唇はシュガー、
甘くて美味しい砂糖菓子。
雨が降っているので
きみが泣いているのかと思いました。
天よりも遠い場所できみを想う。
風が吹いたら私の声と思って下さい。
違うよ、鋼の。
例え近くにいても淋しく感じる相手のことだ。
きみにはまだ早い話だったかな?
ひっそりとした月のひかりを浴びながら
ぼくは恋を知りました。
神も悪魔も信じない。
その分きみに心を捧げる。
きみは果て、そして永遠。
世界と呼ぶに相応しい私のすべて。
忘れなければ生きていけない。
覚えているから死にそうになる。
愛されてるから生きていける。
「私の最期は・・・そうだね、
きみの名前でも呼ぼうか」
「迷惑だから呼ぶな。
ところで今のは愛の告白?」
それは特別な呼び名。
あなた以外に呼ばれたくない。
あんまり遠くに行くから
きみの顔が思い出せない。
会えないならせめて声を聞かせてください。
恋の歌を何度も綴った。
今はまだ旅の途中。
遠い距離からあなたを観察。
うっかり足を踏みこんでしまった気がする。
あなたという領域から逃れられない。
胸の痛みも体の痛みも
まとめて全部引き受けるから。
「君は何を求める?」
「あんたを」
「君は何を捨てる?」
「あんたを」
「貪欲だね、君は」
こんな夜は
何も聞かずに抱きしめて。
私を包む熱い焔。
まぶたを閉じる。
祈りたいのか、泣きたいのか、
それともただ、見たくないのか。
今日が永遠に続くと信じたあの頃。
変わったのは生身を失ったせいでなく、
心に焔が灯(つ)いたからだ。
傷が疼く。
きみが遺した恋という、
甘く切ない傷跡が。
咽の奥に悲鳴が消える。
叫ぶことさえできないなんて。
聞こえる。
幾千の時を越えても
私に届くあなたの声。
「また会えたね。」
その声が聞きたくて、
私は何度もあなたを捜した。
すべてを、持っていかれた。
あなたに落ちた瞬間の出来事。
どんなに遠くに離れていようと、
きみの眼差しはぼくを縛る。
瞳だけでその威力なら、
ささやかれた日には崩れそう。
「犯したい」とあんたが言うから、
「抱けばいいだろ」と言ってやった。
「冒す」なんてもう無理だよ。
とっくに「侵され」てるんだから。
愛しいのは、君を構成するすべて。
「大佐」とせわしなく呼ぶ少年。
足りないのならもっと
私を求めたらいい。
『くちづけ』
触れたらすべてが解かりあえるなんて、
言ったのはどこのどいつだろう?
狂気じみた愛のかけらを
君にも喰らってもらおうか。
間違いなんて言わないで。
百も承知の恋心。
鉛色の空だった。
鉛のようなため息だった。
鉛の手足だった。
心も鉛であったなら。
哀しみは雨のように
空から降ってくる。
残酷な人だ、
あなたという人は。
私の心を追いつめて、
暴いてなにを見たいと言うのか。
知ってるよ、
神様が叶えてくれないんじゃなくて、
自分がなにもできないんだってこと。
恋をしました。
死の宣告を受けたような気分です。
星が歌う。
恋の歌を。
自分を何度も殺してきた。
でも息の根まで止めてないから
こうして私は生きている。
君の幼さを忘れいていたのは
私の罪だろう。
泣くな心
泣くな心よ
どうか涙を流さないで
黄金色に染まる夕暮れ。
恐ろしいほどの風景を君に重ねた。
「キスして、大佐」
「支払いは君からのキスで手を打とう」
あなたに呼ばれたら私は振り返るでしょう。
なにもかも忘れてしまうから
あなた 私を呼ばないで。
君が困る本気は言わない。
だから嘘をつくぼくをどうか許して。
空の涙は綺麗ではかない。
雨、雪、ひかり、花びら。
時に嵐。
愛しているとあなたは言った
たった一言 震える声で
夢を見たよ。
おまえと生きる夢だ。
「あんたにはプライドがないのか!」
「君がプライドでなびくタイプとは知らなかったよ」
もうなにも話さないで。
あなたの言葉は大きすぎて
受け止めるのが大変です。
目を閉じればなにも感じないなんて嘘だ。
焦げるくらいあなたの視線を感じる。
「人を信用するものではない。とくに同業者には隙を見せるな」
「それって大佐を信用するなって意味か?」
「そこで本人に聞いてしまうあたりが子供だと言うのだ、鋼の」
金を作るべからず。
錬金術師における禁忌。
金を作るべからず。
窓の外で金色の少年が笑っている。
「冷たいだろ?」
自身の右腕をさして君は言う。
愚かだ、君は。
機械鎧の冷気如きで、私の焔が止められると思うところが。
根無し草だと彼らは言った。
根を下ろせない目的に
むかい歩む兄弟の
未来に幸があらんことを。
爪先から指先まで
全身を隠す君のスタイルに欲情しました。
琥珀色の瞳に詰まる
真理はまるで眠る化石。
これ以上の禁忌は冒せない。
そう言って君は泣いた。
私の腕のなかで泣いた。
作/ようこ
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