Title:MilkAge

つかまり立ち
Image 首が座った頃からは、私が手で支えてやると明らかに足に力を入れる。 「立つ」ということを意識はしているようだ。

そして8ヶ月。ようやく何かにつかまって立って居られるようになる。時 には膝をガクッと落とすように倒れそうにもなるが、一応ひとり立ちして いる。ベビーベッドの柵に掴まらせる。なんだか、ちょっと満足げに照れ 笑いをしている。

しかし、そこから一歩も動けない。まさに手も足もでない。二足歩行の動 物は、片足を動かすときには、残った方の足に全体重を支えなければなら ない。それができないのだ。更に、不安定になったときに恐怖のようなも のを感じるらしい。ついには、助けを求めて泣き出した。

抱き上げてやって御機嫌を取る。すぐに笑いだし、再び立たせろと言わん ばかりのジェスチャーをする。飽くなき挑戦。人は、こうやって色んなこ とを習得していく。

してやったり
悠澄、満8ヶ月の頃には手を使って欲しいものをつかめるようになる。目 の前に好きな食べ物やスプーンなどを置くと一生懸命取ろうとする。しか し、まだ微調整がきかないらしく、数センチのズレで取れなかったりす る。それでも諦めず一生懸命に手を伸ばす。微笑ましい。

ここで黙って見ていればいいのに、ちょっかいを出してみた。悠澄の目の 前に欲しがるものを置き、手を伸ばすと、少し左右にわざとずらして空振 りをさせる。それを数回繰り返すと、悠澄の真剣味が増す。必死でターゲ ットを睨み手を伸ばす。あんまり繰り返すと、怒りだす。

妻と話ながらこんなことをやっていて、気を抜いた途端に悠澄にかすめ取 られた。その時の悠澄の顔が素晴らしい、「してやったり」という満足で 誇らしげな顔をしている。余りに人間味溢れる表情に驚かされた。

突発性発疹
8ヶ月半ばにして、悠澄は熱を出し、突発性発疹と診断される。高熱がで て、下痢もする。首から胸にかけて赤いポツポツがでて来る。誰もが経験 する病気だそうだ。

が、その状況を私は見ていない。またしても、出張中であった。2〜3日 に一回、電話を入れて様子を聞いていたのだが、妻は言ってくれなかっ た。伝えた所で、何もできないし、心配かけるだけだと言うのが、その理 由だった。更に、誰もが経験するもので、さして危険ではないからだ。

「実は、突発をやったのよ」、後日談で聞かされた。確かに、心配するだ けで、なにもできはしないが、知っておきたかった。こんな時だけ、親と しての立場を強調する自分に気付く。考えてみれば、突発性発疹のなんた るかさえ、私はよく知らない。

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