Title:MilkAge

日焼け
青森に行っている間[1]に、悠澄は日焼けをしてきた。義父の畑仕事に、 付き合った結果だ。その時の写真には、義父の背にサラシでしばり付けら れて、大きな帽子を被った笑った悠澄が写ってる。

[1] 我家の妻子は、私の2週間以上の出張の度に里帰りをする。

どうやら、風か何かで帽子が飛んで、すっかりマックロケになったよう だ。義父母は、とても謝ってくれたが、なかなか格好が良い。黒く引き締 まった息子は、いっぱしの少年に見えないこともない。

やはり、健康が一番だと、クロンボ悠澄の頭を撫ぜながら思う。

望む父子の姿/十年後への投資
自分で言うのも何だが、私の育児参加の程度は、おそらく平均点を越えて いると思う。時々、何故だろうかと自問する。

答えの1つに、「恐れ」がある。私は父とかなり対立した。父は「反抗」 と見ているが、私には「対立」であった。中学くらいから、全くと言って いいほど意見が合わなくなった。それは、父にとって突然のように思えて も、私の中ではゆっくりと段階的に進んできたものの結果だった。そもそ も、父の忙しさの故に、私は父と意見の交換などしたことがなかった。成 長と共に、発言したいと言う欲求が高まって行く、その最初の発言が、父 の意見とは合わないものだった。

私は、10年後も20年後も、子供と話がしたい。価値観がたとえ合わな くても、対話を楽しめる関係を持っていたい。今は、そのための種蒔きを している気でいる。もちろん、乳幼児期に長く接したからと言って、永遠 に気心がしれた仲になれるという科学的根拠はない。しかし、今の葛藤を 通じて、私の中のなにかを悠澄は受け取り、私もなにかを学んでいる。こ れが無駄になるとは思えない。

マスコミでもドラマでも話題になっている、子供達の家庭内暴力すら、あ まり他人事とは思っていない。どの家庭で起こっても不思議でないとさえ 思っている。この種の問題は、原因も解決策も一朝一夕に成るものではな いと思う。長い間に積もり積もったものが爆発を生み、長い間かけて築い て来たものが和を生むのではないか。

小学校高学年から中学にかけて、息子も自分の言葉で自分の感じることを 表現するようになるだろう。その時、私達父子はどんな関係であるだろう か。約10年後に結果がにじみ出るこの壮大な実験は始まったばかりであ る。

断乳
悠澄満10ヶ月を過ぎた頃、風邪をひく。この風邪は、喉の中になにか出 来物を作ってくれた。この出来物自体は、医者も大丈夫と言ったもので、 2〜3日で消えてしまう。

しかし、この出来物のおかげで悠澄はオッパイとお別れする事になった。 「そろそろ断乳も...」と話していた矢先に、この出来物のおかげでオッ パイを飲み込み辛くなってしまったのだ。なにかしみるような感じで、痛 がるようにオッパイを嫌ってしまう。妻はここぞとばかり、離乳食を勧 め、出来物が消えてしまってからもオッパイを見せないようにした。

食生活がガラッと変わってしまったのだが、元はと言えば自分がオッパイ を拒否したことが原因である。彼の頭にも、オッパイは喉にしみるとでも 記憶されてしまったようで、無理に要求もしない。時々なんだか物足りな いような顔をして食卓を見つめているが、諦め顔でスプーンを持ってい る。

私達は、できるだけオッパイに話(気)が行かないように、出来るだけ噛む 食べ物の話をしていた。もちろん、話が理解できるかどうかはよく分から なかったが。

この突然のオッパイ離れが原因かどうかは分からないが、悠澄は眠る時 に、オッパイを触っていないと気が済まなくなってしまう。時には私の胸 にまで手をまさぐり入れる。これは妻の新たな心配を生んでいる、「大き くなってもオッパイを触り続けるようなら、どうしようか[1]」と。

[1] 2才3ヶ月現在、息子にやめる気配はない。

これは、微笑ましい情景とばかりは言っていられない。「触る」というの は、ネボケだすと「つねる」に近くなって行くのだ。実際2人は、「痛 い!」「イヤー、オッパイ」と叫びながら布団の中で格闘している。しか も、余りに叱ると欲求不満が溜まるようで、息子はヒステリックに怒りだ す。どちらにも荷担できない私は、ただただ見守るばかりである。

妊娠時の風邪,子供の風邪
誰だって、体調が悪くなることはある。そして、風邪をひくことだってあ る。感心したことに、妻は悠澄の妊娠中から風邪薬を飲まなかった。妊娠 中は胎児への影響を嫌がり、出産後はオッパイへの影響を恐れたためであ る。 そんな時に活躍したのが、「生姜雑炊」であった。私が風邪を引きやすい ので、本当にお世話になった。生姜自体の殺菌作用をフルに活用し、ほか ほかな雑炊でざっと汗をかき、キチンと寝れば、大抵妻は体調不調から脱 することができた。

私がさっさと薬に頼ってしまうのに比べたら、驚くほどの強さである。母 は強し、か。

生姜雑炊の作り方:

  1. 材料(1人分):
  2. 手順:
    1. 冷や御飯をざっと水洗い
    2. 短冊に切った大根,だし水,酒をお鍋に入れて点火
    3. 大根が透明になってきたら、1の御飯を入れる
    4. ふつふつと沸いてきたら薄口醤油で味付けをして、隠し味に味醂 少々 (お好みで、チクワなども入れてもいい。)
    5. ティースプーン2杯位の生姜の絞り汁を入れる (チューブの生姜の 時は、 そのまま適量を入れる(入れすぎると口がヒリヒリします))
    6. 卵を割りほぐして入れて、火をとめる
    7. 小口切りにした葱をたっぷりかけて出来上がり
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