第二十話 〜活動停止 - Stop is active〜

ピッカマンは叫ぶと即座に前へ飛び出した。
速度は低めに押さえられていた。が、大量の土煙を出したせいでメリアには滑ったように見えた。
メリアは左側に吊られたエアガンを抜いた。
そして、バレルを後ろに引き下げた。後は引き金を引くだけでオレンジ色の弾は飛び出す。
ピッカマンは前転の要領で地に手を付ける。
そのまま(とても短い)両腕をひねり、右手にだけ強い力を入れて跳ね上げた。
体は右回転をしながら左上へ浮いた。
メリアの目はその動きを追う。
引き金を引こうとしたその時、ピッカマンは腕からビームを発射した。
それはメリアめがけて飛んだが、メリアは相殺防壁を展開し防いだ。
相殺防壁が発生させた砂煙が晴れた頃、バレルの先端が向いていたはずのところに彼はいない。
メリア		「ちっ」
それに気付き、メリアは右へ低く飛んだ。
メリアが居た場所に直径二十センチほどのビームが飛ぶ。
即座に飛んだ方向を向く
メリアは地に着き、転がる。上を向き、敵がいる方向を向いた瞬間。
引き金を引く。
ピッカマンはそれを蹴り返した。
ピッカマン	「いでぁっ」
クリス		「意味無いんじゃ・・・」
帰ってきたオレンジ色の弾を反射防壁を展開しはじき返す。その弾は斜め後ろへ吹っ飛んだ。

防壁を解除する瞬間、さっきまで数メートル先に居たはずの"モノ"が全て目の前に接近していた。
生物も例外ではなかった。
黄色い生き物が、全体像を確認できない位置まで近づいていた。
メリアは目を見開いた。
メリア		「何が・・・」
ピッカマンはその瞬間に何かを言い終えた。
「80X」
両腕の間から巨大な球ができあがり、打ち出された。
メリアは相殺防壁を展開した。
防壁と球から連続した光の軌道が激突した。
メリア		「ぐあっ」
防壁から攻撃に耐え軋むような音が鳴った。
メリアと防壁は両方呻いていた。
パギッ
鈍い音を立て、ついに防壁にひびが入った。
パッバガガッ、ギッ
そして、あの黒板を爪でひっかいたような嫌な音が鳴り、防壁に入っていたひびはさらに広がり、光が内部に漏れだした。
メリア		「もう、くっ、耐えられなぁっ!」
フィールドからの魔力供給が無い状況下で、ピッカマン最強の技を防ぐのにその使用できる魔力が少ない防壁は弱すぎた。
ピッカマン	「んぬぬぬぬあぁぁぁぁああぁぁぁっっっ!!」
ピッカマンの絶叫が聞こえると共に
メリア		「う」
限界を示す一文字が聞こえた。
防壁はパシャン、パカンと、二回軽く音を立てて砕け散った。
防ぐものを失ったメリアは、障害物を失った光を真っ正面から食らった。
しかし、ピッカマンはそれに気付かない。
ピッカマン	「あああああぁぁぁぁぁっっ!」
クリス		「やめろ!もうやめろ!!落ち着くんだ!」
クリスの叫びも空しくピッカマンは叫び続ける。

その中からメリアは立ち上がった。
クリス		「な!?」

メリア		「ま、まだ・・・・・・終わってはいません・・・よ」
そう、弱々しく言い放った。
クリス		「もうやめておけ!これ以上やると修復は恐らく出来ないぞ」
メリア		「いいんです。私は、私は悪人にならなければ・・・いけないんですから・・・・・・」
言ってよろめく。
そして、倒れた。
瞳孔が大きくなったり、小さくなったりを頻繁に繰り返した。
光を受けた、澄んだ青い瞳が徐々に暗さを増す。
メリア		「一つ、聞きたいことが、あるのですが」
さっきまでと違う、掠れた声が出た。
ピッカマン	「なんだ?」
メリア		「あなたの、戦う・・・この、タワーに入る理由は、何ですか?」
ピッカマン	「村を守るため。それだけ」
メリア		「仲間も、他人も、全員、村民全員を、救う・・・と、言うわけ、ですか」
声が切れる間隔が狭まる
ピッカマン	「村の人は全員仲間。その人達を救う」
メリア		「そう、ですか。わかり、ました。ありがと、う・・・ござい・・・ました・・・・・・が」
メリアの瞳が完全に明るさを失った。
そのほんの数秒前、扉は開いた。
ピッカマン	「・・・直りそうか?」
クリス		「多分無理だな。頭脳ユニットが完全に壊れた。この機体で動いたとしても、以前の性格、記憶は全くないだろうな」
ピッカマン	「そうか。じゃ、行こうか」
クリス		「そうだな」
彼らは、塔の中に足を踏み入れた。
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「おい!コラ待てオルァ!!」
「動きが読めないっ!」
「ふぁ〜っ、遅延魔法がかけられませんよぅ」
「まぐぅぁっ!?」
「うぎゃあぁぁっ!」
「やっ」
「づっ!?」
バタッ
鈍く床と激突する音が部屋に響き、その上をちょこちょこ疾走する。
「はぁ」
「まってゅぇあぁぁっ!?」
ずてん
「待ってくださっ、がっ」
「もらっ、ぎゅぁ!?」
真っ正面から激突し、片方がもう片方の力を相殺して、進む力を失った二人は下に落ちる。
どどたん
そうして、彼らは二時間程度の睡眠を取ることとなった。

次回、第二十一話 〜最悪の疾走 - Fast Dash〜
-作者、瀕死。-
こんにちは、作者兼登場人物のメイスことM3A3です。
今回も(下手な)戦闘を中心にしたつもりです。短いので短時間でさくっと読めるところがこの小説の良いところです。真の「ライトノベル」とはこのことです。ごめんなさい。嘘です。
さて、ここ、「作者、瀕死。」もといあとがきという名のスペースを借りてマイナス感謝をします。まず、小説をメールで送ったは良いけどなかなか更新しないピッカマンVさんと毎度の如く揚げ足を取るうちの親の二人にマイナス感謝です。なおあとがきの公開検閲・修正は作者の意志で禁止とさせていただきますのでそこのところよろしくですよ、ピッカマンVさん。
ではここ最近のお話を。この話を書き上げた日はなんと、記念すべき、中間テストの日でした。はてさて結果はと次の日に出るので、二話先あたりに結果が書かれている可能性も否定できません。というわけで次回は「肉体的、精神的共に追いつめられたピッカマンが暴走してデザグドハイタワーを根本からぶっ飛ばす、ハズが、ピッカマンの元彼女が現れて縒りを戻そうとしたけど結局振られて、切れて、最終的にハイタワーを根本どころか地盤ごとぶっ飛ばす」という話になるわけありません。そんなことしたら次回最終話です。第一ピッカマンに元彼女なんて存在しません。あしからず。
まぁ、そんなわけでさようなら。ちなみに二十一話と二十話を書き上げた日は同じですが、あまり気にしない方が良いと思います。

メイスことM3A3
 二〇〇五年十月十九日 十七時二二分


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