ケルンの大聖堂
列車は混んでいて、ようやく喫煙席に空いた席を見つけた。
煙いなぁと思いながら路線図を見ると空港経由・・・ってことはライン川を通らないんだ!
マインツの駅で降りて、ライン川経由の列車に乗り換えることにする。
20分くらい時間があるので、駅を出て、駅舎の写真を撮った。小雨が降り始めている。
窓際の席には座れなかったが、ガイドブックと景色を見比べる。
急行なので景色はびゅんびゅん通り過ぎてしまう。お城の半分くらいは確認できたかな。
検札に来た女性の車掌さんが、私のパスを見て「マシーンのようね」と笑った。鉄人とかロボットって意味?
連日長距離移動しているから、お得意様じゃない?
駅でコインロッカーを探すと、デジタルのコインロッカーがあった。
空いている棚に入れるのではなく、預け口に荷物をいれると、小さなカードが出てきた。これが鍵の代わりになる。
まずお昼を食べたい。ビールが美味しいと有名な「ジオン」を探す。
雨が上がり、強い日差しの中、ジオンの重たそうな扉を見つけた。なんとなく入りにくい。
つい、手前のピザ屋が道に出しているテーブルに座ってしまった。旅の疲れが出てきてあまり食欲がない。
ケルシュと野菜スープを頼む。ケルシュは軽くて飲みやすい。野菜スープに小さなパンというか、ピザの生地のようなものが付いてきた。
釜でやいたのか、ふわふわモチモチしていて美味しい。分量的に丁度良かった。
食後にイースターエッグを売っているというお店に行く。卵の殻をカットした作品があったが、あまり気に入らないので購入せず。
隣の土産物屋で「オーデコロン」の語源になった「4711」を購入して、大聖堂に向う。
大聖堂の入り口は多くの彫刻で飾られている。
中は人がたくさんいた。ステンドグラスが綺麗だ。法衣を着た聖職者も何人もいて、一人に1ユーロを渡す。
宝物庫と塔のコンビチケットを買い、荷物をコインロッカーに入れて、地下に向う。
たくさんの部屋があり、金や宝石で飾り立てられた法衣や道具。目がくらみそう。
聖職者という言葉とあまりの富が、私の中で不一致を起こす。
疲れたので、塔に登るかちょっと迷う。
この大聖堂は世界遺産だが、景観が悪くなりつつあって、このままでは世界遺産ではなくなるかもしれないという。
やはり、世界遺産であるうちに一度登っておこう。
塔の入り口が分からなくて、先程お布施をした聖職者に入り口を尋ねた。
狭い螺旋階段を登る。時折、降りてくる人とすれ違う。結構登った頃、小さな休憩場所が現れた。
ペットボトルのぬるい水を飲みながら、ため息をつく。もう一息頑張るか。
汗がでて、息がきれてきた。でも、今更引き返せない。
ようやく登りきる。雨上がりの強い日差しが目に痛い。
近代的なビルは多いが、そんなに景色は悪くない。景色より、頭の悪そうな落書きの方が気になった。
狭い通路をぐるりと一周して、登ってきた階段を下る。
足場の小さな階段が磨り減ってなかなか恐いが、登りきった満足感があって気分はよかった。
降りきると疲労感が増大し、冷たくて甘いものが欲しくなった。
今なら、あの丸いアイスクリームが二つも浮かんでいる巨大アイスコーヒーが飲めるかも。
近くのオープンカフェに入って、注文する。南米風のBGMが流れる中、コーヒーを待つ。その席からはローマ時代の遺跡が見えた。。
ところが、この店のアイスコーヒーはアイスクリームが一つで、いわゆるコーヒーフロートだった。
残念なような、ホッとしたような気分で、一気に飲み干した。
3時半になり、駅に向う。
コインロッカーにカードを差込み、荷物が出てくるのを待つ。
荷物を探しているのか、収納場所から運ぶのに時間がかかるのか、相当待たされた。
ようやくホームに行くと、電車が30分遅れるという。余裕をもって行動していてよかった。
ところが40分待ちとなり、50分待ちとなり・・・ずるずると延びていく。
Sバーンでエッセン行きがある。1時間40分かけて在来線で行くか、このまま急行を待つか・・・Sバーンにしよう。
思いがけず車窓の旅となる。
犬連れのおばさん、自転車で駅の階段を駆け下りる青年、ココナツオイルをつけすぎの黒人女性、大音量で音楽を聞く少年、珍しそうに私を眺めるおじいさん。
途中の駅にミュージカルのポスターが貼ってあった。その駅に会場があるなら、いつか来ることがあるかもしれない。
人が入れ替わっていき、ずーっと乗っているのは私くらいだった。
しだいに、映画を観ている客というか傍観者のような気がして、不思議な感覚に陥った。
6時40分にエッセンに着き、地下鉄U18でBerliner駅へ向う。
出口番号「B」から地上へ出ると、劇場があった。ホテルは劇場の隣のはずなのだが、どっち方面の隣なのか見当がつかない。
広い場所なので、方向が違ったら開場に間に合わなくなるかもしれない。
タクシーのおじさんに訊くと、大通りを西に行って左折と教えてくれた。
まぶしい夕日を浴びながら建物沿いに結構歩き、ようやくチェックイン。
ホテルのフロントで、劇場へは芝生の庭を突っ切ると早いと教えてくれた。
あまり時間がないので、手早く着替えて劇場へ向う。軽食があることを期待しよう。
(ミュージカルの詳細はこちら)
11時に公演が終わった。劇場の大きな階段を降りずに、左の細い道を行くと芝生の庭に出た。
夜風が冷たい。
部屋に戻り、日本から持ってきた栄養補助食品をかじる。ミュージカルの余韻に浸ることなく、就寝。