先日「3」も発売されたナムコのフライトシューティングシリーズの第2弾。 「EDGEさんがすごい(^^;)」としてこのゲームをとりあげたい。
第3作「エレクトロスフィア」でストーリーものフライトシューティング
と言う方向性を打ち出した同シリーズだが、
どうにも馴染みにくくてしょうがなかった。
まず「ストイックさ」が欠落したのだ、と思う。
この先入観もあったためであろう、キャラクターやストーリーにも
いまひとつハマれなかった。
「エースコンバット2」(以下「AC2」)はストイックである。 とことん乾いたデジタルな臭いがする、と言い替えてもよい。
フライトシューティングゲームとして、不要な部分をこそぎ落とし、 最低限の演出で最高の効果を得られるよう、シェイプアップされた イメージがある。
登場する戦闘機は実在のモノばかり(たぶん^^;)。
簡潔にして明解なブリーフィング(事前説明)。
撃墜数がそのままスコア(賞金)化されるデブリーフィング(事後報告)。
ライバル機を撃墜することで得られる勲章や新型機。
「1」で見られた妙なペインティング(^^;)のない、
シンプルで精悍なポリゴンで描かれた自機。
英語ボイスに日本語字幕。
素気ないほどに洗練された美しさは戦闘機の美しさと共通のモノを感じさせる。
「AC2」の何がストイックかというと、
敵機の機種や目標位置、地形や武装など、プレイに必要な情報は充分以上に
与えてくれるのだが、余計な情報はプレイヤーに与えないのである。
例えば、ライバル機もしかり。
搭乗機体と、そのいわくありげな名前(チーム名?)は示されるものの、
会話は勿論、来歴なども示されることはない。
名前も識別のための単なる「記号」でしかない。
ただし、没個性ではない。
彼らとは空での闘いを通じて「拳で語る」ことが出来る、かもしれない(^^;)。
余談。こうしたライバル機で印象に残っているのは、ピンクや緑の原色カラーリングの四機のYF−23Aからなる「FOX FORCE FOUR」(F.F.F)と、東洋系の名前と、やはり派手なカラーリングが目に焼き付くF−15E三機からなる「DAO,JIAN,XIAO」の2組、かな。ことさら忙しいミッションの時に出てくれたものだから、ムキになって追い掛け回した覚えがある。特に後者。
戦闘中も敵機の位置や自機の高度警告など、シンプルかつ充分な情報が提供される。 また、ゲームとして処理が「余裕しゃくしゃく」である点も プレイアビリティに貢献している。
余談。若干ネタバレかつ、蛇足になるが、
「AC2」の隠し機体に「XFA-27」という機体がある。
出力、機動性、安定性、ステルス性、全てにおいてデタラメ(^^;)とも思えるほどの
高性能を誇るオリジナル(?)最強機体(可変翼)である。
このXFA-27はミサイル4発を同時発射しやがるのである。
他の機体は同時発射2発が限度なので、攻撃力は単純に考えて2倍だ。
この高速機動戦闘+4本ミサイルが平気で動いてしまう。
処理が重くなったり、ポリゴン落ちでもしてくれれば可愛い気もあるのだが、
「XFA-27に合わせてAC2はバランス調整されたのかっ!?」と小憎らしく思うくらい
「余裕しゃくしゃく」なのである。
あぁ、最強機体はSu-35フランカーにして欲しかった・・・(^^;)。
こうしてプレイヤーは、ある意味デジタルな戦闘マシーンとしての
自分を発見することもできるのである。
さて、そこに異分子たる「EDGEさん(個人的通称「エッちゃん」(^^;)」が
登場する。
説明しよう。
「EDGE」は僚機のパイロットの一人である。
3面(?)以降、プレイヤーには随伴する機体が選択できる。
プレイヤーの所属する航空傭兵部隊「スカーフェイス」に所属し、自分の機体を持ち、四つの任務から一つを選んで依頼する。
一人が男「SLASH」、一人が女「EDGE」。なお、僚機無しも出来る。
それぞれ、名前と、ポリゴンで描かれた全身像だけが示される。
これもやはり情報としてはあまりにもシンプル、あまりにもデジタル。
「記号」としては最低限、必要充分なものだ。
しかし、最低限の情報を補う術を我々は持っている。
「想像力」である。
「AC2」において「EDGEさん」が異分子である理由は、 彼女が「女性パイロット」である、というその一点だけであり、それは 私のような妄想家にとって、余りにも想像の余地の広すぎる一点なのである。 途中でパイロットスーツから士官服への衣更えがある点なども、 制服・アーミーフェチにはたまらないおまけである(^^;)。
そーだな〜、漫画家で言えば士郎正宗が描いてそうだな〜。
やっぱ会話は「〜はどうなっているか?」みたいな富野(由悠季)節かな〜?
ビッとした凛々しくて爽やかな感じだよな〜。
背中を預けられる女ってイイよな〜〜。
声優で言えば土井美加さんとか島津冴子さんとかがアテてそうだな〜。
どんな事情で傭兵なんてやってるんだろう?
男はいるのかな〜?
普段はツンと澄ましてて、ときどき微笑ったりするんだろーな〜。
「萌え〜〜(^^;)」
などなど・・・。
ストイックな乾いたゲームに、突然とめどなくドラマが溢れてくるのである。
「EDGEさん」のすごいところは、異分子でありながら、このゲームに
見事に調和しており、ここで改めてこのゲームのストイックさとドラマ性を
引き立たせる効果をもたらすことにある。
プレイヤーによっては、先にも挙げたライバル機の存在に
そうしたドラマ性を見出すかも知れない。
また、お気付きの諸兄もおられようが、私の想像によるEDGEさんは、
乾いた中にウェットさを潜ませた存在として認知されており、
それはこの乾いたゲームの中にほうり込まれたウェットな存在としての
EDGEさんと共通する。
ゲームの特性がキャラクターに反映され、
あるいはキャラクターの特性がゲームに反映されている。
ゲームとキャラクターとの相互作用である。
フラクタル。再帰構造。相対性。入れ子状態。あぁ色即是空、空即是色。
「シンプル」「デジタル」「必要充分」、そしてそうした情報から 自発的にかもし出されてくる「ドラマ性」というキーワードは 名作RPG「ウィザードリィ」(初期3部作)にも共通し、同ゲームは 「ゲームの中に神がいる」とまで評されるに至った。 ナムコには「ゼビウス」「ワルキューレ」の昔から、 この手のストイックさの光るゲームが多いと感じている。
だから名作「スターラスター」のリメイクである「スターイクシオン」には ちょっと味付けの方向性が定まってない感じで、色々と残念だったのさ。
以上。