「With You〜みつめていたい」
(カクテルソフト、ウィンドウズ版)

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基本的には鳴瀬真奈美と氷川菜織という2人の幼馴染みをめぐる ストーリー2本からなるビジュアルノベル的なゲーム。 ゲーム自体は三択系恋愛アドベンチャーで、 荒っぽく言えば「めがねっこと巫女さんしか出ないギャルゲー」である。
キャラで言えば、世間的な人気や個人的な本命は妹の伊藤乃絵美なのだが、 それはひとまずこっちに置いておく。

今回はシステムについて話をする。
ものすごく自由度の高いさまざまなインタフェイスを持っているが、 独特の「ドラマティックモード」をピックアップしたい。

説明しよう。
ゲーム中に左上(デフォルト。ドラッグすると動かせる。しかもウィンドウの外にも置ける!)の「絆という名のペンダント」をクリックすることでいつでも呼び出せるシステムメニューには「ドラマティックモード」の項目がある。
ここをオンにすると、「クリックしなくても全自動でストーリーが進む」のである。

なんだ。テキストにするとこれだけのことかいな。我ながら拍子抜け(^^;)。

だが、これによる感情移入効果は素晴らしいものがある。

With You」は声優さんによるフルボイスが実現されている。 これが黙ってモニターを見ているだけで自動的に進行するのだ。
字幕表示ウィンドウ自体が消え、女の子の台詞の字幕表示もオフされる。 ゲーム中、真奈美、菜織など合計6人ほどの女の子が登場するのだが、 この掛け合いをサクっと聞けるのはなんとも軽快だ。 あたかも映画やテレビドラマであり、まさにドラマティックなのである。 ゲームで「間」の演技が見られるわけだ。

主人公(男)の台詞部分やナレーション、状況説明はテキストで行なわれているが、 絶妙の空白時間を置くことで、これまたクリック無しに読み進めることが出来る。

全てのボイスを聞くため、プレイ時間はさすがに長くならざるを得ないのだが、 さほど気にはならない。理由は後述する。

ギャルゲーのフルボイス化自体は今時珍しくもない。

だが、一発言(1WAVファイル?)ごとに左クリックするのが常である。 これは案外と手間だ。人指し指が疲れる。
また、テキスト表示とボイス発声には時間のズレが当たり前である。 蛇足だが、「サクラ大戦」(セガ)はフルボイスじゃないけど、テキストとボイスとの同期、口パク(アイウエオ)との連動といい、 ものすごく努力している点に好感が持てる。

テキストのバックスクロール機能も珍しくなくなってきた。 これは良い傾向だと思う。 「With You」ではf7キーを押すことで、見られるのだが、選択肢表示中でもいつでもバンバン戻れるのが嬉しい。
クリックでボイスキャンセルも当然の仕様で、 ドラマティックモード中でもボイスキャンセルは可能だ。

また、ドラマティックモードはいつでも割り込みが掛けられるため、 急な電話でもトイレでも好きなときに駆け込めば宜しい。f6キーがドラマティックモードのトグルに設定されているのもなかなか便利である。
蛇足だが「新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド」(ガイナックス)も クリック無しにボイスが自動的に進むシステムで、 主人公(シンジ君)にもボイスが設定されている。 それでドラマティックモードと同様の効果があるのかと言えば、全く逆。 ポーズも掛けられないので、極めてプレイヤーの自由度は低く、 「聞かせられている」「モニター前に縛り付けられている」感じで、 ウンザリさせられる。 まぁ「エヴァ」には他にもストレス要因が山ほどあるのだが(^^;)。

「一度呼んだメッセージはスキップする」機能もよく見られるが、 この機能に割り込みを掛けられない、困ったゲームは多いのも事実である。 読みたかった台詞がすっとんでいってしまうのだ。 また、この機能はシミュレーションなど、同じ台詞、同じイベントが 何度も現れたりするゲームや、 攻略できる女の子が多く、1プレイ数時間程度で何周もするようなゲームでこそ 威力を発揮するものだ。

冒頭に言ったように、 「With You」は2本のストーリーからなるアドベンチャーゲームで、 はっきり言って2周すればほぼ全てのイベント、CGをクリアできる。 ボイスキャンセルする必要は全く無いと言ってよい。 あえて言うならば、聞かなきゃ損である。
たかが、2周。たっぷり時間を掛けてじっくりと楽しみたいものだ。

シナリオが少ない「With You」だからこそ、ドラマティックモードが活きるのであり、 他のゲームでいたずらに真似しても逆にストレス要因になってしまうかもしれない。

欲を言えば、感情移入の関係などで難しい面もあるとは思うが、 主人公(男)もフルボイス化して欲しかった気もする。 気に入らなければ声を消せば良いのだし。 主人公の声、ナレーションまでボイス化されれば、 画面の下四分の一を占めるテキスト表示部を消したままでもOKだ。 ちなみに「テキスト表示ON/OFF」も選択可能な仕様である。

With You」はサターン版も発売されたが、 買ってない&見てないので、これらの素晴らしいシステムが どう料理されているのかは知らない。

しかし、今からこのゲームをやろうと言う人があれば、 是非ドラマティックモードで2周して欲しいものだと、強く願うのである。

なお。
ドラマティックモード中は裏タスクでも全自動で進行する。「ながらギャルゲー」が出来る時代なんであるなぁ(^^;)。

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