切り絵の魅力

 

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◆切り絵あれこれ

切り絵に関する、雑感を集めました。

●切り絵の起源



中国剪紙
Chainese Paper-cut Pictures
ALEC TIRANTI London 1964


祭礼用の切り紙(広島県)

 私が学生のとき、研修先の京都の古本屋で見つけた一冊の本があります。それは中国の切り絵(剪紙)を紹介したイギリスの本でした。今でもその本は私の本棚の片隅に収まっていますが、そのときは、まさか自分で切り絵を始めようとは夢にも考えませんでした。
 切り絵の始まりは、やはり紙を発明した中国のようです。今でも中国では、工芸品、魔除け、お土産として広く民間で楽しまれています。
 日本の切り絵は、染色の技術とともに発展しました。染色の型染め技法では、渋紙という和紙を切って型をつくります。たくさんの優秀な職人さんがいらっしゃいます。その型紙が独立して鑑賞されるようになり切り絵として定着し、作家の方もたくさんいらっしゃいます。
 それ以前はどうなのでしょうか。日本でも古くから祭祀に切り絵の技法が用いられていました。白い和紙に祭祀のデザインを刻んで神楽の祭殿に飾ったり、注連縄に吊したり、現在でもその風習は生き続けています。
 切り絵の原理を利用したものはたくさんあります。前述の染色の型紙もそうですが、透かし彫り彫刻や、影絵などです。
 切り絵は強いインパクトを持っているので印刷にも適しています。絵本や挿し絵、年賀状のデザインなどにも大いに利用できると思います。

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●よい切り絵をつくるには



毎日こどもしんぶん
「575くらぶ」

 なんでもそうなのですが、続けるということは大切です。私は今、読者から俳句や川柳を募集してそれに切り絵をつけるという地域紙の仕事をしています。いつも「なるべく新しい人の作品をとりあげたい」という気持ちで投句に接するのですが、常連の人の句がやっぱり輝いています。テクニックの問題だけでなく、着眼点がおもしろいのです。
 当然もともと最初からセンスが良いという人もいますが、やっぱり普通始めは誰でも初心者です。経験者から見れば、見方もテクニックも平凡なのです。
 続けるということは、その平凡なものや今までの知らずに身につけていた常識的なものの見方をどんどん吐き出していくことだと思うのです。吐き出して、吐き出していったら、その次につくる作品はもっと違うものをつくらなければなりません。それをつくったら今度は更にもっと違うものを…。新しい作品をつくるごとに自分の内面への旅が繰り返され、そうやって、他の人と違う自分だけの世界が次第に絞り出され、形成されていくのだと思います。
 では、続けるためにはどうしたらいいのか?…。それは、テーマを見つけることだと思います。長く続けられるテーマを見つけることが、よい切り絵つくるための第一歩なのです。

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●写真を利用しよう



 下絵を作る場合、実物のスケッチが大切ですが、写真を活用する場合もあります。その場合も、ただ複写するのではなく、写真をスケッチする気持ちで描いてください。写真をそのまま複写してしまうとどうしてもスケールが小さくなってしまって、感動した風景などでも案外つまらない作品になってしまうからです。
 そして、利用する写真はなるべく自分で撮ったものにしましょう。カメラをスケッチブック代わりに、いざ画題収集に。
 リアルな表現をしたい場合など、写真をほとんどそのまま下絵に利用したい場合もあります。その場合は、写真を複写機でコピーしてみてください。写真をコピーすると、中間調がとんで、白と黒に近い調子になります。これをもとに単純化や省略をして下絵をおこすと、写真をそのまま利用したリアルな感じの切り絵を作成することができます。

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●下絵のヒント



 切り絵の下絵は、スケッチしたものに直接手を入れてをそのまま利用するほうがよい結果 になることが多いです。下絵用に新しく描き直すとスケッチしたときの生き生きとした線が無くなってしまうことがあるからです。実物を見ながらスケッチしたときの気持ち、線の勢いを大切にしましょう。
 切り取る部分と残す部分をどのようにするか検討しながら下絵を整えていきます。これが重要な作業ですが、ある程度慣れが必要な作業です。失敗を恐れずいろいろチャレンジしてみてください。
 細部にこだわらない部分と、こだわる部分と、白と黒のバランスを考えながら決めていきます。何しろ白と黒の二つしか選択できないのですから、単純だけど奥が深いのです。

オリジナル下絵づくりのお手伝いをします

 他の人の作品を鑑賞することも重要です。機会があればジャンルを問わず画廊や展覧会を覗いてみてください。
  鑑賞のコツは、上手か下手かを基準にして絵を見ないこと。作品の本質が見えなくなってしまいます。私が大好きな画家パウル・クレーは、「モチーフに何を選ぶかは、作家の主張とは関係ない。モチーフは身近にあり親しんでいるものであれば何でも良い。配置にこそ私の主張がある」と言っています。これは何を意味するのか様々な解釈があると思いますが、芸術作品の見方のヒントをも示していると考えています。つまり、どういう配置をしているか、構成のしかたを鑑賞すると、ここに画家のセンスや主張をさぐる秘密があるというのです。
 また、 この作品が好きか嫌いか、鑑賞してどういう気持ちになったか、というような見方も大切だと思います。
 芸術作品は作者の魂です。必ず教えられることに出会うはずです。

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●切り絵の絵はつながっている?

▲切ったあと

 日本の切り絵はもともと染色の型紙をつくる技術から発展してきました。型紙は、一枚がバラバラにならないように工夫されています。
 顎に入れて鑑賞する切り絵は、 バラバラになった絵を張り合わせてもいっこうに構わないのですが、なぜか、枠をつけたり、線でつなげたり、型紙の伝統が残っています。
 もっとも、 バラバラになると後の貼り合わせる作業も大変ですし、切りあがったときの紙の存在感が味わえません。私はできるだけ繋がった構図を採用します。 顔の一部や、飛ぶ鳥など、つながらない“部品”も当然ありますが、それらはあとで糊づけします。

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