弓や万力を自作するとなれば、それなりの道具や技術(これが一番問題なのだが)が要求される。特に弓は狂いの無いなめらかなアールを作る必要があり、よほど器用な人でないかぎりのこぎりとやすりだけではとうてい間に合うものではない。やはり、木加工用のルータとか旋盤のような玄人はだしの道具が必要となる。
しかし、枕ならば比較的手軽で簡単に自分の思うものを作ることができる。
まぁ、それでも左のような市販品や木幡氏の作ほど見事なものを作ろうと思うとなかなか経験と手間の要るもので、大きな材料もあれこれいじくっているうちにだんだん小さくなってしまって、最後には耳かきにでもしないと収まらないという事態を招く。運良くそれなりの形になったとしても、左右の対象が取れていなかったり微妙な角度の差がでてしまったりと、このあたりの難しさはウキ作りにも通じるものがあって挫折を味わったことのある人も多いと思う。
だから、私のような手先の鈍い人間ははなから芸術性への高望みはしないこととして、もっと手軽にできて個性のある枕を作ってみたいと思うようになる。たとえば、左の画像は、いわゆる芸術性を望んで作った失敗作。市販品には無いデザインをと頑張って作ってみたのだけれど、出来上がったものは当初の予定の半分の大きさになってしまった。鶴の頭部をイメージした格好良いデザインだったはずなのだが、ほとんどナメクジみたいな形だ。それでも、せっかく作ったのだからと短竿用の竿受けに無理矢理合わせて使っている。材質はホームこたつの足を削って作った。なさけなや。(^^;;
その点二股形のものは比較的容易で、基本型はすでに材料の段階で出来上がっていることから多少手を加える
だけで使えるものができてしまう。たとえば、右の画像のようなものは、釣りのついでに山を歩いていて見つけたヤマツツジの枝から作ったものだ。刈り取った時点では枝振りに左右のばらつきがあって、思う形に矯正できるかどうか不安もあったけれど、まぁそこそこ見れるものに仕上げることができた。矯正といっても、一日水に浸けた後凧糸で無理矢理縛り付けて形を整えたうえ電子レンジでチン!させて水分を抜いただけだ。この程度なら不精ものの私にでもできる。二股のものは、これといって個性の無いデザインになってしまうけれど、手軽で短時間に仕上げられることからまた作ろうという気になる。だからといって、むやみに切り取らないように。どの山にも持ち主はいるのでね。(^^;;
左の二股のものは長竿用にと作った大型(比較の対象が無いので画像だけでは判断できないが)のものだが、さすがにこれくらい大きくしてしまうと安定感が出るというよりもデザイン的に不細工になる。また、大きく作ったことによって竿受け先端部の負荷が増えてしまい、竿を上げ下ろしするときの縦ぶれがいつまでも収まらないという弊害が現れた。これには閉口した。先端部にはさりげなく藤を巻いてみたのだが、これがかえって先端部に重量感を与えてしまうことによってより一層頭の重いものに仕上がった気がする。やはり自然の材料を使ったものは下手に手を加えるのでなく、そのまんまの姿を残してやることが良いのかもしれない。これなんぞは完全な失敗作で、まるで牛のツノみたいな感じだ。
ちょっと変わったところでは、左の画像のような枕を作ってみた。竿受けの玉口よりも下位に枕が位置し竿をちょこんと乗せるタイプのものだが、これがなかなか案外使い心地が良い。まぁ、見てくれはあまり格好の良いものとは言えないけれど、多少の風でも竿が飛ばされることもないし、なによりもナイターで釣るときには竿を乗せるときに枕を探さなくてもよく、竿受けに沿って竿を滑らせるだけで無事に乗せることができる。これはかなり便利だ。欲を言えば長い竿も乗せられるもうちょっと太い材料が欲しかったのだが、なかなかこんなひねくれた形のものは天然物には少ない。だからといって無理矢理こんな不細工な形に加工するのはかわいそうだし、見つかるまでまめに山を歩くしかないのかもしれない。
一方こちらは加工品。釣友のものを見本に半端ものの紋竹を貰ってきて作ったものだが、手間を掛けた割には仕上がりがぱっとしない。まぁ、竿師やそれなりの心得のある人が作ればこんな粗末なものには仕上がらないのだろうけれど、鈍い技術ではどうにもならない。たしかに、アイデアとしてはスマートでおしゃれな感じもするけれど、、技術が伴わないとなんとも馴染めなくて不細工なものに仕上がってしまう。やはり自然の材料をもって作ったものに比べると味が無い。暖かみが無くてどうしてもうすっぺらな物に感じる。頑張って作ったものの、だからといって捨て切れず、結局はヘラバッグ重量を増やすだけのやっかいものとなってしまった。それもまぁいいか。(^^;;
おっと、どんどん紹介していくといかに自分が不器用でどんくさい人間かを世間様に公表しているみたいなので、自己防衛のためにとりあえずこの辺で「枕」の話しから弓の話しに移ります。
みなさんも、自分のアイデアを生かした個性ある枕を作ってみませんか。(^_^)