Good Tim’ing! あっというまにもう四月に突入であります。
今年の春。前のへらにっきにも書きましたけど、車を替えてから、経済的にも肉体的にも余裕が出てきた事もあって、行動範囲もうんと広がってきました。
昨年までなら春の乗っ込み期には、天ヶ瀬ダムや一庫ダム、鍔市ダムなどご近所を中心とした釣行が続いていたわけですが、今年は訳あって三重県の野池群を探索する釣行が続いています。私の住む京都から見れば三重はなじみの深い土地ではありますが、やはり「山向こう」という物理的な距離よりも感覚的な距離のある土地であります。でも、、若かりし「んっ!十年前」までは上野地区をはじめ、松阪・久居あたりまでは守備範囲としていたのでありますから、西名阪沿いの一帯を探るのであればそれも苦になりませぬ。(^^;;
それに、当時から見れば国道307号線もかなり整備されつつあり、時間的にもアクセスはうんと快適になった訳です。まぁ、そんな事もありますけど、なによりもこの地方に魅力を感じるのはへら屋さんが少ないということ。当時から、この地方では滅多にへら屋さんにも出会わず、たまにへら屋さんを見つければ滋賀の人だったり、大阪の人だったりと、地元の人の釣り姿は今年になるまで一度もお目に掛かったことがないという、場所取り合戦の熾烈な戦いとともに釣っていた私たちから見れば別天地であります。
そしてもうひとつ。ひっそりと佇む野池群には、とんでもないへらさんがいるということ。
そんな魅力をいっぱいに詰め込んだ三重の野池群への釣行は、私にとってささやかなロマンの旅でもあるわけで、今年はちょっと趣向を変えて、三方湖の開幕まではそのロマンってやつを追いかけるってのも面白いかななどと思い、とうとう八回目の釣行となったわけであります。運良く、3月半ばに40上を一枚GET!できたのが火を付けたのかもしれませんが。(^_^)
まっ、通い続けている割には釣果に恵まれないってのはいつものことなので苦にならないのではありますが、まだ見ぬ三重の尺半のへらさんの姿が浮かんでは消え、浮かんでは消えでありまして、週末が近づくにつれてぐんぐん膨らんできた希望とか期待ってやつが、当日の夕刻には音を立てて破裂してしまう事の繰り返しでありまして、なかなか思うように結果が付いてこない現実に、そろそろ浮気心なども芽生えだしてきたりしております。(^^;;
そんな思いが足を引っ張り続けるのではありますが、でも、一度決めた以上、週末には行かなければならないというけったいな義務感みたいなものが湧き出てきたりして、今週もまた三重の野池で竿を振っているのであります。(^^;;
それに、下手な鉄砲もなんとやらのたとえのように、ともかく、餌を打たなければなにも起こらないわけですから。(^_^)
おっと、何を書きたかったんかわからんようになってしもた。まぁええか。(^^;;
4月14日
前日は長平池で釣った。
長平池は周囲4Kmほどもある比較的大きな池で、浅く平べったい池の作りから今の時期を狙うにはおあつらえの池である。しかも、尺半クラスの型も多く潜んでいるということから、地元の釣り人にとってこの池はまさに春を告げる池である。
13日。クワマンさん&あろんさんとともに、そんな魅力あふれる長平池を攻めてみた。流れ込みの対岸には小さな雑草の茂みがあって、そこでは私の不安をうち消すように小さな規模のハタキが始まっていた。しかし、見るからに型は小さく、せいぜい尺2寸級までだ。しかも、時々沖目にモジリが出たり泡づけが吹き出したりと、明らかにこの一帯にはお魚さんの気配がある。
私は躊躇することなくこの場所に釣り座を構え、一心不乱に餌打ちを繰り返した。
しかし、餌の回りに居ればすぐに食うだろうという目論見を見事に外し、ようやく35Cm級がやってきたのは打ち始めて2時間以上も経った頃だった。
あろんさんも、クワマンさんも同じように苦しんでいる。
お昼前まで頑張って結果が出ない苛立ちから、とうとう長平池に見切りを付けて丸平池に移動する。だが、悪いときは何処も同じように結果が出てこない。周囲200mほどのちっぽけな池でさえ、時々モジリは出るものの餌に反応を示さない。丸平池で合流したmagosukeさんを含めた我々4人は意気消沈してこの池から逃げるように退散した。
そして夕暮れ。今回の釣行に勝負!を賭けていた私は、再び単身長平池へ戻った。
夕闇がだんだん深くなる頃、一人長平池の水面を舐めるように見渡したけれど午前中にあった小さな規模のハタキさえ消えていた。時折小雨が降り注ぐ。仕方がない。寝るか。
夜。バシャバシャという音で目が覚めた。規模は小さいけれどハタいている。あれほど気配の無かった水面が波打っている光景を見て逆上した私は、すぐに釣り座を作り餌打ちをはじめた。
マブ・へら・マブ・・・。型は尺がらみと小さいものだったけれど、眠気で釣り台から落ちそうになるまで頑張って4枚のへらさんをGETした。
はたして、このまま餌を打ち続けていて型ものが混じるだろうか、、、いや、きっと回りにでかいのが居るに違いない。粘るか。。。さんざん迷った挙げ句、私はこの池に見切りをつけた。
☆ 14日。朝。
前にmagosukeさんから教わった婆歩池へ移動する。婆歩池は周囲1Kmほどの池で、池の片岸は小高い山に囲まれ、裏にはのびやかな平べったい風景が広がっているのどかな環境の中に佇んでいる。そして、上流部は葦原が広がり、ダム湖のバックウォーターを思わせる池である。うむ。いい感じだ。
車を止めて、誰一人いない堰堤を歩いていると、あちらこちらでがさごそと葦を揺する音がする。ようやく白みかけた空の明るさからすかしてみると、伸び始めた葦の新芽を中心に、池全体の葦がまるでなにか巨大なものに擦りつけられているように、あちこちで動いている。おお、ハタキぢゃ!。(^_^)
夜が明けるにつれて、私の体中の血液が逆流するような興奮を覚えた。よし、やってやろう。道具を運ぶ頃にはすっかり夜が明けて、池の様子がはっきりと見えてくる。70Cmもあろうでっかい鯉さんが発情しながらメスを追いかけているすぐ横には、尺半クラスのへらさんがエッチの真っ最中だ。ほとんど全身を水面からさらけ出している光景をまともに見て、私の興奮は最高潮に達するのであった。ああ、えくすたしぃ。わいもハタキたい。(^_^)
柳の間に、葦と葦の小さな空間があって、小さな釣り座が作られているのを見つけた。池の様子から見て、深場を控えたハタキ場と判断し、私は迷うことなくこの場所に釣り座を構えた。釣り台をセットするのも、仕掛けを作り直すのももどかしいほどハタキはすぐ横でも始まっていて、目の前を悠然と40Cmクラスのへらさんが通り過ぎる。ああ、たまらんっ。はよ餌打ちたいっ。(;_;)
ひょいと手を伸ばせば掴めてしまいそうなところに突っ込んでいるへらさんを見て、私は迷うことなく芸舟 10.2 尺を継いだ。この竿は脇名「巨べら」とされていて、まさにこの状況で使うにはお誂えの竿である。大きなオチ。太く強靱な穂持ち。でっぷりと抱卵した体重のあるへらさんでも、強い穂持ちが強引に浮かせ、口を切らせる。頼もしい竿である。
葦原の少し沖目を狙い、もし万が一へらさんが掛かっても無事に取り込めますようにと、上鈎のかわりに鮎の鼻環をセットする。
前々夜から合わせても5時間も寝ていない私の思考回路はすっかりと狂ってしまい、床取りからウキのバランス取りまで、手慣れた筈の一連の作業すら失敗を繰り返す。
興奮と苛立ちのなかで第一投。ん?! ウキが馴染まない、、、、、とほほ、根掛かりぢゃ。(^^;;
焦るとろくな事がない。でも、この光景にぶつかって焦らない人はいないだろう。ともかく、大急ぎで鈎を付け替え、段差を広げて再び餌を打ち返す。堰堤の隅っこに、見慣れた4WDが停まった。昨日、長平池でお会いしたOさんだ。本来なら飛んでいってでもご挨拶しなければいけないのだけれど、この時私の頭にはそんなことさえも浮かんでこなかった。
葦の切れ目の沖を狙うすけべなおっさんの図
3投目。ゆっくりと馴染んでいったウキがもそもそと動く。しばらく待って餌を切る。4投目。馴染み際にふわりと触る。餌が床に着いた瞬間、もそっとしたアタリが出たけれど見事に空振り。
5投目。同じように馴染み際にふわりと触り、餌が床に着いてからしばらく待ったところでモゾッと来る。すかさず合わせてやるとどっしりとした重量感が芸舟 10.2 尺を弓なりに曲げる。おおっ!この引きと重量感は間違いなくへらさんぢゃ!。ぐんぐんと沖目に走り出すへらさんを竿にしっかりと矯める。
凶暴な竿の張りに矯められ、沖目に走り出すことをあきらめたへらさんは、なりふり構わず左横の葦原に突っ込んでいく。まぁ、好きにするがいい。上鈎の代わりに鮎の鼻環を使っているので、葦に絡まる心配はないし、08のハリスではここで無理はできない。
ちょっとしたスキを見てへらさんをゆっくりと引っ張り出す。成功だ。(^_^)「でかいっ!」そのとき、へらさんの全身が水面近くに浮いてきたのを見た私は、体中の血液が頭のてっぺんに一気に逆流するくらいの興奮に襲われた。「焦ったらあかん、冷静に、冷静に。」もう、すっかりと我を忘れかかった自分に言い聞かせ、ゆっくり、ゆっくり、慎重に竿を立ててやると、まるでそれが当然のようにへらさんはゆっくりとタモに収まった。
46.7Cm。自己記録更新!。ばりばりの抱卵べら。
飛んできてくれたO氏とともに、その魚体の美しさとあまりの迫力にしばし見とれていた。三重に通ってよかった。もう、何もかもが報われたような気がした。
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☆ その後41Cm級を一枚追加した。
しかし、日が高くなるにつれてハタキは小さくなり、夕方にはすっかりとその気配も消えかかってきた。Good Tim'ng!とはこのことを言うのだろう。私にとってこの日の釣りは生涯忘れることのない興奮と感激を味わった釣りとなった。(^_^)
帰宅道中。すれ違った対向車の人々は、にやにやしながら幸せそうな顔でプラドを転がしているおっさんを見て、はたしてどう思ったのだろうか。。。。まぁ、なんでもいいわい。大きなおせわじゃ。(^^;;