悲あれば喜あり

早いものでもう5月。

みなさん、今年の乗っ込みの前半戦はいかがでしたでしょうか?。

私の方は相変わらず低調でありまして、今年はすでに13度ばかり三重へ通い続けたのではありますが、初釣りの一発目以来すっかりご無沙汰でありました。
まぁ、遊び半分でちゃんべら狙いに平場の池でそれなりに楽しませては貰ったのですが、型を狙えばお約束のアタリナシの日が続き、たまにアタリが出てもオヒゲさんだとかギル君だとかで、とにかくアタリの恋しいシーズンでありました。

思えば、水中の食物連鎖の頂点がすっかりと入れ替わり、今ではちょっとした水たまりにでもバスだとかギルが入っていて、先住民のクチボソだとかマブナの姿も見られなくなってきました。
まぁ、極端に言えば人間社会にトラだとかライオンを放しているみたいな具合ですわな。
トラだとかライオンには罪はないのですが、問題なのはそれを放した連中でありまして、いくらトラだとかライオンを駆除したところで、それを放す組織(人間)がいるかぎり破滅へのレールは確実に繋がっているわけであります。
ああ、こういう事を書き続けているとだんだんと暗い気持ちになるのでやんぺ。(^^;;

さて、先週は今年はじめて本格的なハタキに遭遇しました。

ハタキと言っても野池の事ですからへらさんだけではなく、鯉さんだとかアイベラ君たちも一緒にお祭り騒ぎでありまして、なかなか壮観な眺めでありました。
年中ハタキのある人間様とはちがってそのハタキは壮絶なもので、体中傷だらけになりながらハタく姿は、生き物の本能をむき出しにした荘厳な光景であります。

考えてみればそのイノチの営みのなかで餌を打ち、あわよくば釣り上げてやろうなどという釣り人の企ては生き物の尊厳な営みを犯すけしからん行為なのかもしれないな。
だからと言うわけではないのですが、結局は一枚も引っ張り出すことはできなかったのです。(^^;;

4月27日

とにかくアタリが見たかった。

おそらくこの日も一発狙いで以前から計画していた野池で過ごす予定だったのだけれど、これだけアタリが恋しくなると我慢にも限界がある。

しかも先週なんて、岸辺の葦の間を50上がうろうろしていて、ちょいと手を伸ばせば掴めそうなところまで接岸するという、まるで夢のような瞬間に遭遇した。
しかし、サワリが出始めた直後になって草刈りが始まり、けたたましいエンジン音に一気に気配が遠のいた。

しかたなく転戦した河川では葦際のピンポイントを狙い、ようやくアタリが出始めたと思ったら川に廃油が流れ込んだとかで大放水。一気に川の水深が50Cmも下がり、へらさんの気配はすっかり流されるという悲惨な釣りだった。
だから、どーしても今回は型を狙うより、型を見たかったしアタリを見たかった。

そんな背景もあって、この日はクワマンさんと待ち合わせて、私にとって相性の良い滑り谷池への釣行となった。

前夜、プラド(車)仲間が京都に来ると言うことで軽くOLM。そのまんま現地に向かい、日付が変わる頃にいつも野宿を広げるポイントに到着した。

急激な天候の回復で、外はかなりの強風が吹き荒れている。ゴミの空き缶が風に飛ばされて派手な音をたてて転げ回り、大型トラックのエンジン音が風に押されて響き渡る。うう、寝られんっ!。(^^;;
ほとんど一睡もできず転げ回っていると、にわかに周囲が明るくなってくる。

待ち合わせの5時にはまだ少し早かったけれど、腹に溜まったゴミを放り出し、気分も爽やかになったところにクワマンさんがやってきた。

見よっ!このあざやかな緑に囲まれた風景(^_^) 緑は偉いっ! 目が痛いわいっ!

適当に時間を過ごし、夜明けとともに滑り谷に続く急激な斜面を上りはじめた。
この日、スパイクのついた長靴を新調したクワマンさんはがっちりと急激な斜面を登っていく。私は年期の入った穴だらけの長靴で滑りながら、ようやく長くきつい土手を上り詰めた。

堰堤の真ん中にクワマンさんが陣取る。私は、少し離れた右岸中流に釣り座を構えることにした。

思えばこの池は本当に相性がよい。過去5度ばかりこの池で竿を出しているが、アタリを見なかったのはたった一度だけで、それ以外は必ず40上を出している。昨年の春には47.2Cmという記録ものまで出たりして、しつこいようだが私には本当に相性がよい。

こうなると「相性」というよりも、この池に対する「自信」みたいなものが出てきたりして、この日も竿を継ぎながら確信めいたものを感じていた。

緑の中で頑張るクワマンさん(左)とあろんさん。わいも、回りから見ればこんな感じなんでしょね。最高でんな。(^_^)

周囲300mにも満たない山奥の小さな池ではあるが、釣り座の作れる場所は限られてる。しかも、ミオ筋は対岸を流れていて、私のポイントからは到底竿の届かない距離にある。

池に対しては少し長いかと案じながら、この日は「乗っ込みセット」と呼んでいる硬調子ばかり集めた竿の中にこっそりと忍ばせた、柔らかい、いわゆる「遊び竿」的な水連 15.1 尺を取り出した。

この竿は15尺としては細身で、どどんっ!と胴に乗る。2本ちょいの水深で使うにはお手頃で、水深があるだけに柔らかい竿は立てやすく、胴に乗せて浮かせることができるお誂えの調子である。
ウキは孫助作のカンザシタイプ(大)。まだ一度も使っていないウキで、どうしても動きを見たかったために、この水深に合わせるには無理があることを承知でチョイスした。

餌を打ち始める頃にはすっかり空も明け切って、前夜からの強い風が周囲の木々を揺らし、水面には吹き飛ばされた木の葉や落ちた山桜の花びらが漂っている。弱い朝日が対岸の若葉を照らし、緑一色の世界に鮮やかな緑が映える複雑で幻想的な風景が正面に広がっている。

周囲には人々の生活の臭いもなく、人の気配もない。まさに、この池は別天地であって、ここで竿を出すたびにこの池で釣れる喜びがこみ上げてくる。思えば去年の春。この池の雰囲気がどうしても忘れられずに、丹後半島の先っぽから転戦した思い出がある。ええやんか。(^_^)

ゆっくりと餌を打つ。むっくりと孫助作が立ち上がり、じわじわと馴染んでいく。床に降り、少し待って誘う。餌を切る。

いつものように単調で、しかし期待を込めた時間が流れていく。

餌を打ち始めて半時間ほど立ったところで、あろんさんがやってくる。久しぶりに挨拶を交わし、久しぶりの対話を楽しんでいるところに「ドスンっ!」と来た。

慌てて合わせをくれてやるとどっしりとした重量感が胴に乗ってくる。しまった。ええ型やんか。(^^;;
なんで「しまったっ!」なのか。(^^;;

ぢつはこの日、横着して真冬の仕掛けをそのまんま使っていたものだから、鈎は6号でハリスは04なのだ。(^^;;


柔らかい水連 15.1 尺を使っていたことが幸いして、重量感がある割にはすんなりと竿が立ち胴に乗る。竿を大きく揺らしながらじんわりと浮いてきたへらさんは、遠目にみても43Cmクラスである。おお、神さんよ。どーか糸を切らないでくださいまし。(^^;;

いつもの何倍も慎重に浮かせて、いつもの何倍も慎重に寄せてくる。どうにかタモに納めるところまで寄せてきたと思えば、いちもくさんに沖目に走り出す。なんどか、冷や汗もののスリルを味わいようやくタモに納めた。

一部始終を見ていたあろんさんは、取りこんだへらさんを見て驚いている。そりゃそーだ。肉厚で体高があり、しかも見事に型が盛り上がっている。

43Cmくらいやろね、、、と、検寸台に乗せてみると46.3Cm(@_@)


野性的美形体高馬力有肉厚抱卵本年初尺半也 (^_^)

それと知るまでは至ってクールに仕事ができていたのだけれど、知った途端、体中に喜びがこみ上げ、久しぶりに体の中を興奮した血液が走り回ったのだ。(^_^)

その後39Cmを一枚追加して、隣に陣取ったあろんさんも43Cmを記録した。

嗚呼。

堰堤にどっかりと座り込んだクワマンさんの嘆き、ぼやき、やっかみ、わめき、いらち、号泣が滑り谷池に響き渡るのであった。。。

午後の部はクワマンさんのHPに続く。。。。。はず。(^^;;