丹後箆と但馬箆

みなさん、おはようございます。
楽しみにしていたGWの三連休もあっという間に終わり、明日からまた怒濤の仕事が迎撃しているかと思えば気分も憂鬱であります。
できれば、とことん納得するまで竿を振りまくり、あわよくば尺半の入れ喰いなどと夢見ておりましたが、やはり現実は厳しく、夢は夢として終わってしまいました。まぁこんなもんでしょう。(^^;;

釣りもさることながら、先日嬉しいことがありました。

今時のNET人には想像も付かないことでしょうが、私がパソ通をはじめた10年ちょい前では、ようやくモデムというものの存在が注目されはじめ、NIFTYをはじめ商用NETが成長期にあり、巷では草の根BBSと呼ばれるネットワークが雨後の竹の子のように生まれはじめている頃でありました。

当然モデムの性能も、電話回線の質も現在とは比べものにならないくらい悪く、2400bpsなどという猛烈な遅さで、たらたらと画面に流れる文字を目で追いかけながらパソ通の世界を楽しんでおりました。

そんなとき知ったNIFTYの釣りフォーラム。

同じ趣味を持つもの集いの場として、知らぬ間にどっぷりと浸かるまでになってしまいました。
当然NET上の友人もたくさんできて、NETを覗くだけで毎日が充実しておりました。

しかし10年。

今ではI_NETが充実し、欲しい情報はNETを探せば簡単に手にはいるような時代になり、また、NET上に展開する個人HPにはお約束のごとく「掲示板」なるBBSが設けられるようになって、NIFTYで言えばフォーラムと呼ばれるような、「会員」という条件が付くもののグローバルな場というものが少なくなり、人とのコミュニケーションの規模が小さくなり特化してしまいました。

でも、それはそれなりの便利さや勝手の良さ、居心地の良さというものがあっていいのですが、やはりグローバルな場を知っている世代から見れば物足りなさを強く感じます。
今ではpppの世界も陰が薄くなり、逆にwebの世界ではこじんまりとした掲示板というのもが林立し、CIG的な傾向に進んでいく中で、ようやくNIFTYの釣りフォーラムがHPという形でスタートされました。

いわゆる、従来からの「会議室」がwebの掲示板的な形に進化したわけですね。(^_^)
開設と同時に古くからの仲間が集まり、会議室に活性が蘇ったこと。やはりそこいらに林立するwebの「掲示板」なるものに物足りなさを感じていたのは私だけではなかったようです。
地域や、趣の特化にこだわらない同じ楽しみを共有するものの集いの場として、これからも私の楽しみの場であって欲しいと願っています。(^_^)

5月3日

前夜10時に我が家を出発した。
釣友の丸子氏を拾い、GSで給油後に京都縦貫道に乗り入れる。さすがにGWだ。この時間にもかかわらず交通量は普段に比べてかなり多く、縦貫道に乗り入れる車の大半は帰省だとか行楽に出向く人たちのものだ。そんな車の帯の中に紛れ込み、深夜の福知山へたどり着く。いつもならここのコンビニで3食分の食料を仕込むのだけれど、せっかく順調に流れ続ける車の帯から抜けるのは悔しいような気がして、峰山の貧相なコンビニで仕入れることにした。

午前1時前。漆黒の離湖に到着する。

離湖はかれこれ6年ほど前からGWに過ごす釣り場である。それまでは三方五湖へ通い続けていたのではあるが、地元の漁協や鯉釣り団体のちょっとしたプレッシャーなどもあって、魚体に魅力はあるものの出かけていく気力が起こらない。まぁ、こんなもめ事の原因は横着で無神経なへら屋であり、「釣り人公害」でなく「へら釣り公害」であるのは明白である。

ここではあまり詳しく書かないけれど、期を待ってその実情を書いてみたいと思っている。

そんな具合だから、同じように回遊を狙える離湖への釣行は私にとって魅力的な行事である。おっと、やっぱりそんなにボラが釣りたいのけぇ?という意見もあるが、あえて否定はしない。(^^;;

昨年の秋場に京都新聞で報道されたように、秋には酸欠が原因でたくさんのへらさんが浮いたそうだ。しかも、浮いた型の大半は40Cm上だったそうで、中には50Cmを超えるものも多く混じっていたと聞く。地元の人の話では、その死骸はトラック2杯分もあったそうで、そんなニュースの影響が響いたようで今年は釣り人も極端に少ない。

いつもならこの時期には必ず出会う「たふまんさん」の例会組の姿も見かけない。とにかく、不思議なくらい閑散とした深夜の離湖はいつもとは違った暗い空気に包まれていた。

私は通い慣れた浅場のポイントに車を停めた。いつもの場所だ。居着きが多く確実で、出島の北側にある人気ポイントとは違って、このポイントはまともに回遊を狙う場所である。したがってアタリハズレが極端であるかわりに、ひとたび回遊にぶち当たれば記録的な大釣りが期待できる。三方湖のスリリングな回遊の釣りに魅せられた私はすっかりこの場所が気に入って、今年もやはりこの場所で竿を伸ばすことにする。



Dejima Bayの夜明け

夜明け前。車のドアを開け閉めする音で目が覚めた。

少しの間まどろみ、眠い目を無理矢理こじ開けて車を降りる。東の空が少し白みはじめ、ぼんやりと周囲の風景が立体的に見え始める。見上げればまだ漆黒の西の空から東の空へと、えも言えぬ幻想的なグラデーションが広がっている。

先に車から出入りしていた3人の釣り人はすでに餌を打ち始めている。どうやら、夜中のうちに段取りを済ませていたようだ。
私と丸子氏もしばし湖面を眺め回し、時折広がるへらさんの波紋に期待を寄せながら準備を始めた。

この日私が選んだ竿は「がまへら17尺」。以前に釣友からお古を頂いたものだ。

普段なら和竿を振り回すのであるが、最近?のカーボン竿を使ってみたかったことと、やはりここでは真鮒だとかボラだとか亀、蟹などのへんなもんが釣れてくるためにどうしても竿の扱いも荒くなるということと、このまんま今夜はナイターに突入する予定であることなどなど、そんなことからがまへらを選んだ。

いそいそと準備を済ませる。空はすっかりと明るくなり、朝の光線が矢のような光の帯を放っている。

いつものようにグルテンをマッシュで割り第一投。ゆっくりと竿を大きく回す。いつものようにポイントに向かって竿を伸ばす。。。。。んにゃ?。飛ばへんやんか。(^^;;
餌は遙か手前でぽちゃんと落ちる。(^^;;

竿の調子が変わればこれほどまでに違うものなのか。改めて気合いを入れて竿を振り回す。まだあかん。(^^;;なんどか練習を重ね、ようやく扱いにも慣れてくるようになった。

和竿と違うのはその自重にあり、特に竿先の自重がカーボン竿とは大きく違う。つまり、先の重い和竿は回したときのモーメントが大きく、さらに竿自体の張りも大きなために、ゆっくりと回し、なんにも意識もせずに竿を振り下ろすだけで大きなエネルギーを生み出し餌までの糸がキッチリと張れる。その点カーボン竿は自重が無いためにそのモーメントを活用することも難しく、竿の張りを生かす代わりに充分スナップを利かせる必要がある。しかも、少しの風でも自重がないために竿に受ける抵抗が大きく、扱いまでには慣れが必要である。

反面、自重が無いと言うことは「疲労」という面に関しては扱いがよく、特にアタリが出続ける時の空あわせや、外道の猛攻に対峙する時などでは、和竿とは桁外れに腕に掛かる負担は少ない。
うむ、うまく選択すればなかなかカーボン竿も良いものだと、いきなりやってきたアイベラくんとボラさんを引っ張りながら感じた。そう、「引っ張る」なのだ。あくまで立てるだけで竿全体で矯め、竿全体で起こしてくる和竿との釣り味の差は歴然で、カーボン竿はあくまで「引っ張る」と表現するのが適切だ。

つまり、魚を掛けたときの感覚は和竿では竿が主役であり、カーボン竿では釣り人の腕の力とバランスがが主役となる。それだけ、釣り味は別にして、釣り人の思うがままに魚を扱えるという面ではカーボン竿のほうが使い勝手がよいということだ。
そのような事から、その道具の優れているところ、良いところをうまく見つけることができれば、自分の釣りにの裾野は広がり、ますます釣りがたのしくなるのだろうと実感した。そう、良いところを見つけてやればその竿が好きになり、逆に、悪いところばかり見れば嫌になる。なはっ。人間様と同じですなぁ。(^_^)

例年にもれず今年もまた彼らの行動は活発で、一度触りが出れば次から次にと釣れ続ける。ただ、いつもと違うのは釣れてくるボラさんのサイズは8寸級が主体であって、つまり回遊するお魚さんの性質から見れば、同じようなサイズのお魚さんたちばかりが餌の回りに集まっているようだ。もしここで40Cm級のボラさんが釣れ出せば気合いもかなり違ってくるのだけれど、いかんせんこれではちょっと気合い落ちである。

お日様が正面に照りつけるようになって、いよいよ眠気が差してくる。どうにも我慢できずにそのまんま車の中に潜り込んだ。

午前10時。丸子氏が40.5Cmのへらさんを釣り上げる。まだほんのりと抱卵しているへらさんだったけれど、なかなかの美形だという。
慌てて私も餌を打ち続けたのだけれど、結局ふらふらとやってきたその一枚だけで、あいべらとボラがおとなしくなれば亀が来るというパターンが延々と続くのであった。合掌。(;_;)

現地で合流した岡田さんの差し入れで久しぶりの米を食う。いつもは食パンにソーセージを挟んで食うという至って質素な食事で誤魔化しているのだけれど、やはり飯はいい。前夜、いつものポイントで43Cmを出した岡田さんとしばらく談笑したあと、彼はまた今夜もいつものところで竿を出すという。よっし、我々も夜の部をはじめるか。(^_^)

しかし暗闇がどっぷりと降りたにもかかわらず、ウキは相変わらず節操のない動きを伝え続ける。アイベラとボラが交互にやってきて、湖面はもじりひとつ無く極めて静かである。ときおりボラさんがせわしなく宙を飛び回るのだけれど、へらさんの気配は全くない。

いつもなら10時頃になればどこからかもじりが湧いてきて、急に湖の雰囲気も変わってくる。集中していればしているほどその気配を感じるようになり、魚くさいにおいがどこからか漂ってくる時もある。でも、今夜はそれもない。あ〜〜あ。あきませんな。。。

と思った頃、いきなりウキが消し込む。思わず合わせをくれてやるとやたら軽い。(^^;;
一気に引っ張り、強引に取りこんだのは尺1寸くらいのへらさんだった。
そしてしばらくしてもう一枚。やはり、大型のへらさんが浮き、絶対数が少なくなったためか、、、
12時前になってようやく41Cmがやってきた。そこそこ抱卵しているものの美形ではない。ここでは標準的なへらさんだ。

41.1Cm(正確には41.8Cm)の離湖にお住いのへらさん

よーやく片目があいて気合いを入れる。と、しばらくしてもう一枚。かなりの重量感が伝わってきて、真っ暗な闇の中で大きく水が割れる。
明らかにへらさんの引きが伝わってきて、慎重に寄せてみるとやはり40Cmは確実に越えている。手探りでタモに導く・・・・と、掬おうとしたその瞬間、遊び鈎がタモに絡まり、ハリスが飛び、あっさりとそのへらさんは漆黒の中に消えていった。。。。(^^;;

逃げたへらさんは大きい。(;_;)

午前1時。
まだ本格的な回遊は見込めない様子で、拾えても単発だと判断した我々は、眠気に勝てず、うとうとと本格的な眠りに突入していった。

5月4日

夕べはしっかりと冷え込んだ。まるで雨が降ったかのように夜露でべちょべちょに濡れた雑草に足を取られながら、我々は離湖を出発する準備を終えた。
思えば、今日もまた頑張って竿を振ればもしかしたら気まぐれな40上が拾えるかもしれなかったけれど、現状を見る限り大きな回遊にぶち当たれる雰囲気ではない。おそらく、もうひと雨降ればそれも期待できるのだけれど、ピーカン&微風では結果は見えている。

昨年、8寸級ではあるが型を見れた円山川への転戦は、今回のメニューにしっかりと組み込んでいたものだから、私たちは迷わずに現地を目指した。

1時間足らずで円山川に到着する。あいにくこの日の円山川の水量は落ちていて、昨年のGWに釣り座を構えたところは干上がっている。
わずかな少しの水量の変化で、こうも釣り場全体の雰囲気が変わるものなのかと、改めて川釣りの怖さを知ったような気がした。

そんな事情から、昨年竿を出したポイントは見送ることとなり、こっそりと手に入れた地図を片手に川相を見て回る。

本命としていた公園下のポイントも大減水が災いして、いつもならずらりと釣り人が並んでいる場所も干上がっている。ときおり川魚の小さな波紋が広がるだけで、へらさんの出そうな気配はない。
しかし、どこかで竿を出さなくてはいけない。(^^;;

まだ円山川が脚光を浴びはじめた頃、ある友人に教わった小さなワンドへ回ってみる。丸い石がごろごろと転がっているぬめり道をどんどんと進み、改めて四駆の凄さを体験した。河原に続く狭い道を終点まで進み、その先に広がる小さなワンドに辿り着く。

つい先ほどまで離湖の茶色い水の中に居ただけに、円山川の澄んだ水が広がっている光景には感動した。空の青と水の青、まだら模様の緑が強い日差しに映え、見渡す風景は目を刺すものだ。
もう、他にめぼしいところもなく、また、この川そのものを知らない私と丸子氏は、半ば諦め気分でこの場所で竿を伸ばした。
ワンドの内側に丸子氏。私はワンドの出口の少し内側に釣り座を選ぶ。

山も緑、河原も緑、水の色もしっかりと緑色。つぃでに車も緑色。ボクは緑が大好きでんねん。(*^_^*)

離湖で使っていた竿と仕掛けを引っ張り出す。見渡す限りへらさんの気配がなかったものだから、居るのなら少しでも寄せられますようにとバラケを作り出す。
久しぶりに麩餌を合わせる。うむ、なかなか感覚が戻ってこなくて、少し足しては水を入れを繰り返し、いざできあがってみればねばねばの餌になってしもた。(^^;;

さて、餌を打つ。30分、1時間と単調な時間だけが続き、昨日までアタリまくっていた離湖の釣りのリハビリができていないから、それでなくても退屈で修行的時間がさらに退屈に感じる。
とうとう昼飯を食うまでに、一度もそれらしいアタリは出なかったし、それらしい気配も感じられなかった。で、爆睡!(^^;;

泥のように眠り、時折変な虫がはいずる感触で目が覚める。そしてまた爆睡。(^^;;

突然、丸子氏が私をたたき起こす。

「釣れたで(^_^)」

まるで子供のように大喜びでタモに納まったへらさんを見せに来る。おお、りっぱなへらさんやんか。(^_^)
残念ながら型は尺2寸程度のものだったけれど、本流育ちの尻尾が綺麗なへらさんだ。(^_^)
もうちょっと寝足りない重い体を無理矢理起こし、河原の丸い石に足を捕られながら釣り座にふらふらと歩いていく。あんた、夢遊病者か。<外野席。(^^;;

頑張る丸子氏

あんなのが居るんだったら・・・と期待を込めて餌を打つ。
5発も打っただろうか、いきなりバラケが早くなる。ん?! なんか居る。(^^;;
もそもそとしたウキの動きが徐々に大きくなり、バラケの開く速度もそれにつれて速くなる。試しに両グルを打ち込んでやると馴染み際にツンッ!と来た。
ごつんっ!と鈎に乗る。糸が鳴く。一気に引っ張り込まれる。強い引きだ。なかなか床から離れないっ。(^^;;
きれいな水の下で白い魚体が光る。やったわい。(^_^)
尺2寸と小振りだったけれど、その引きの強さはさすがに本流育ちである。両手で矯め、強引に浮かせてくる。

知らない川で、しかもはじめてのポイントで型を見た。これだけでも充分にエキサイティングでドラマチックなのだけれど、釣れてくる型は尺2寸を下らないまん丸な良型ばかりである。
アタリが出れば続きだし、宙に浮き、てんやわんやで大騒ぎしているウキの中から食いアタリを見つけだす。
順調に数が伸び、しかし型はお揃いの同級生ばかりである。

アタリが続かない丸子氏とは逆に、私の釣り座はアタリが絶えることがない。後は型だ。寸法が欲しい、、、、などと欲の深い事を考えていたら強烈なスレが出て、今まで賑わっていたポイントが一気に静まりかえる結末となる。あ〜〜あ。これで終わりか。。。(^^;;

2時間ほど我慢を重ね餌を打ち続ける。ようやくアタリが戻り、また同じように同級生が姿を見せる。

別嬪的体高馬力相当有&ビジュアル系の円山川のへらさん(38.5Cm)

数が伸びるときは寸が伸びない・・・などというのは型狙いの定説なのだけれど、まさしく今、その理屈を私の竿が証明しているような感じである。

結局日没直前まで頑張って打ち続けたのではあるが、37Cmから39Cmまでの13枚の型揃いが、溜まりに溜まっていた私のストレスを一気に発散してくれたのだった。

残念ながら丸子氏は4枚と消化不良だったようで、またこの次もここで狙いたいと最後まで鼻息が荒かった。(^^;;

そんな、ため息と歓声の入り交じったこのGWの釣りだったけれど、はじめての場所で釣れた喜びは、寸が伸びなかった不満を完璧にやっつけるだけの感激をもたらしたGW@2003であった。(^_^)

さて、本当のことを言えば3年ほど前になるのでしょうか、ぢつは私、カーボン竿を2本ばかり貰い受けました。(^^;;
といっても、そんなに新しいものではなくて「お古」なんですけど。(^^;;
いつか使おうと思っているだけで、なかなか使うチャンスもなく現在に至っておったわけですが、このGWにはじめて使ってみました。
まぁ、文中には感想と言うほど大げさなものではありませんが、それなりに使ってみて感じたことなどを書いております。

でも、これって和竿しか使った事のない者の目から冷静に見たカーボン竿の使用感と言う感じですからいろいろな反論もあるかもしれませんが、あくまでも正直な感想ですからしてさらりと読み流してくださいまし。(^_^)

5月10日

すっかり円山川の魅力に取り憑かれた私と丸子氏は、この日またあのダイナミックな釣りを味わいたくて早朝からのこのこと出かけた。
幸い、空はすっきり晴れ上がっている。しかし、前日からの冷え込みは強烈で、丹波山地辺りの気温は5℃という凄さで、ちょいと車外に降りてみれば肌を刺す冷たさである。一昨日には冷たい雨が降り続き、加えてこの強烈な冷え込みである。ある程度覚悟してかからないと今日は厳しい釣りになるだろう。

午前6時を回る頃には、深夜から走り通した大型トラックや、そろそろ出勤に動き出す車の数が増えてくる。
夜中であれば2時間半で走り抜けられるところを、この日はたっぷり3時間も要してしまった。

前回竿を出したワンドの下流に、手頃な足場が設けられている。この日は、前回の偵察であらかじめこの場所を予定していた。
土曜日だというのに幸い周囲に釣り人の姿はない。独占状態である。(^_^)

すがすがしい朝の円山川

円山川は以前から良く知られた釣り場だったのだけれど、これだけ変化にとんだフィールドにもかかわらずポイントが少ない。やはり、但馬地方であるがため、京阪神からの距離的な関係があり、しかも、少し走れば日本海という立地的な面から、地元の人たちも淡水魚には興味が薄く、ここを責めるへら屋の数も少ないのだろ。
それゆえ、まだ開拓され尽くしていないポイントがいくつもあって、もうちょっと地理的に近ければ、一年を通じてこの川を責め続けてみたいところである。

広い河原に生い茂った雑草の小径に張り巡らされた蔓に足を取られながら、我々はようやく水面の開けた釣り座に辿り着いた。釣り座は、それと見れば解る程度のものであり、すでにこの川のかかり場として、果敢な人たちが足を踏み入れた形跡が残っている。

川面を刺すような冷たい風が吹き抜ける。わずかに顔を見せたお天道様のありがたさをこの日ばかりは心から思い知った。

私は下流側に釣り座を設け、丸子氏は柳に囲まれた抜群に雰囲気の良い釣り座を選んだ。河原にせり出した柳の新芽に近いところに、青ガエルの卵が白い真綿に包まれたように、朝の淡い光に輝いている。孵ったばかりの小さな黒い塊が、おりからの陸風に舞って雑草のなかに吸い込まれていった。小さなイノチが芽生えるドラマがこんなところにも展開している。

ああ、今日も緑に囲まれてシアワセである。(^_^)

水連 13.5 尺を継ぐ。
普及品の代名詞のように言われている水連作ではあるが、私はこれほど頑丈に組まれた竿を知らない。どれだけ大型と格闘しようと、どれだけ使い込もうがびくともせずに、だからといって乱暴な作りでもなく、しっかりと胴に乗り、跳ね返し、へらさんを強引に浮かせてくる強靱な竿である。もちろん、故障や狂いは他に比べて極端に少ない剛の竿である。
だから、私の乗っ込みセットには必ずこの作が3本用意されていて、それぞれが独特の個性を持ちながら、そして、抜群の信頼感を持って使い続けている。
幸い、これだけの信頼できる竿が、和竿の世界の中ではかなり安価で手に入ることが嬉しいといつも思っている。
たしかに、この世界では水連作は入門竿と評価されている節があるが、私からみればとんでもない大きな間違いであって、この作は、和竿の魅力を知り尽くした釣り人が、あらゆるシュチュエーションで、なんの気遣いもなく、竿の操作を存分に楽しみながら、安心してがんがん使いこなすことのできる実用竿である。
水連作は、使えば使うほどその信頼感と安心感がふつふつと湧きだす魅力ある竿であり、決して一部の評価であるとかブランドだとか、価格であるとか、そんなうわべだけのいいかげんな評価だけで判断してはならないと、使いながら感じさせるだけの作者の技術が盛り込まれている。

1時間も餌を打たないうちに尺二寸級が釣れてくる。さすがに本流育ちのへらさんの引きは強烈で、きゅんと糸を鳴らせて口を割る。うむ、幸先が良い。(^_^)
ばたばたと釣れ続き、2時間ほどの間に10枚ほどの、この川では標準サイズの尺二寸が私のタモに納まった。(^_^)

川釣りの良さはこのダイナミックなへらさんの躍動感にあり、引きにあり、野性味あふれる釣り味を存分に楽しめることにある。強い流れの中でたくましく生き延び続けているへらさんの野性的な「風貌」と「強さ」は川釣りの大きな魅力であり、たちまち私を虜にしてしまう。(^_^)

風が出る。

私の入ったポイントの上手には小さな藻の塊が湧いていて、すぐ下流から浅瀬へのカケアガリが続いている。
風に押された流れが内巻きの水流を作り、流れの呼吸が大きくなれば内巻きの範囲が拡大する。
ぴったし13尺で巻きの中心を狙えていたのだけれど、風が強くなってその中心が沖目に移動すると、動き続けていたウキが急に静かになり、流れが強くなるにつれてアタリはすっかり消え去ってしまった。


傷だらけのへらさん。産卵を終えて傷ついたへらさんも元気に食ってきた。ごくろうさん(^_^)

藻場の上手に入った丸子氏のポイントは、私の場所とは水の流れは正反対となる。12尺で流れと格闘していた丸子氏だったけれど、竿を14尺に伸ばせた途端に釣れ始める。
アタリのすっかり遠のいた私は、たまりかねて寿るすみ 17.65 尺を継いだ。

巻きの芯を狙う。

内巻きの中心に届いたウキはまた活性を取り戻し、馴染んではズドンッを繰り返している。釣っても釣っても尺二寸の同級生ばかりが続き、とうとうたまりかねて水連 13.5 尺にもどしてやる。(^^;;

流れが強くなればアタリは消える。しかし、流れが納まれば再び釣れ始める。
こんな時はドボンであれば堅実に釣果は期待できるのであるが、バランスにこだわり続けた私は、気まぐれな水の流れとともに、ちょっとだけ迷わされながら優雅な時間を流すのであった。(^_^)

この日は尺二寸の同級生ばかりを28枚引っ張った。最長寸は39.8Cm。(^_^)
丸子氏も22枚のへらさんを引っ張り続け、久しぶりに味わったタモを持つ左腕の痛さを楽しみながら、また来年この川で釣れることを期待して帰路に就いたのだった。(^_^)

私信>竹井どの。行ってきなさいな。(^_^)