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本来なら乗っ込みの最中になる時期なのですが、今年は例年になく雨不足が祟ってしまったのか、どの池を見渡してみても満水とはほど遠い水位であります。
いつもなら、あちこちの釣場から威勢のいい声が聞けるのでありますが、さすがにこう雨が降らないとハタキも散発模様でありますから、目をぎらつかせた一発屋さんは行き場を失い、野山を彷徨するのであります。
ほんとうに、これほど活気のない春の釣りも珍しくて、結構辛抱強い私でさえこの春の釣りには耐えられなく、兵庫県の市川の釣りから芽生え始めた「川の釣り」に心が向いていくのであります。
当然、川の釣りに走るということは、一般的には50Cm級をターゲットとした「型狙い」を捨てるという意味合いもあります。

しかし、それほど川の釣りは「川釣り初心者」の私には魅力的で、「床」と「流れ」と「風」対策などというきわめて高度でシビアなスキルを要求されるというおもしろさもまた止水面にない味わいのあるものと確信しています。

おお、まだ川釣り数回目の若葉ちゃんが、ナニを生意気な事を・・・・なんて、諸先輩のお怒りはごもっともであります。
シビアなスキル云々はともかく、ホントとのことを言えば、川育ちのへらさんのたくましさ、そして川のへらさんの強烈な引きがワスレラレナイ・・・ということであります。(^^;;

で、なんやかんやとごちゃごちゃ書きましたけれど、そんなことから今年はもっと深く川釣りの魅力を探ってみようなどと考えております。
川釣りの先輩諸氏におかれましては、この初心者に対して、猿にもわかるようなやさしいご指導をよろしくです。(^_^)

4月24日

四月の後半だというのに強烈な寒波がやってきた。本当なら前夜に自宅を出発して、手頃なS.Aで一泊。早朝から釣場にはいるというのが例年の習わしなのであるが、この連休の寒波は猛烈で、北の地方では雪も降るかもしれないという。

さすがにここまで冷えると辛いので前泊はあきらめて、当日の朝5時に我が家を出発した。空は薄い雲に覆われていて、心配していた放射冷却も思ったほど強くない。車のフィールドモニターの外気温も7℃を示していて、こんなんだったら、、、、と前泊をやめたのを後悔したりもした。

通い慣れた伊賀上野から青山高原を抜けて国道165号線を突っ走る。途中の乗馬クラブあたりの峠では外気温は2℃まで下がっていて、用事を済まそうと車外に出ると、吐く息が白く長い帯を引いて舞い上がった。こりゃあかん。寒いわい。(^^;;

風っ! △波っ! 大荒れの雲出川

先週の釣行で、仕舞い際に出た力強いアタリを一発もとることができなかったことが口惜しくて、この日はそのときから雲出川でリベンジすることに決めていた。
現地で待ち合わせていたItoさんから「もー着いたでぇ。釣人がぎょーさんおるわ。」と電話が入る。おお、こりゃいかんっ!。ちょいとアクセルを強く踏んで、タイヤをきしませながら一気に青山高原を転がり降りた。

雲出川は三重県の嬉野から久居市を通り伊勢湾に流れ込む、規模的にも大きくなくて、攻めるには手頃な川である。へらさんを狙うポイントはさほど多くはないが広い。

山岳部から河口まで、さほど距離がない川だけに水は綺麗で透明度は高い。周囲の環境も悪くなく、電車が鉄橋を渡る音さえなければ申し分のない釣場である。

聞くところによると、昔はこの川にはたくさんのへらさんが住んでいて、行けば必ず釣果のある魚影の濃い釣場として地元では有名なところだったという。しかし、相次ぐ網打ちによる捕獲と河川の改修によって近年では極端に魚影も薄くなり、ひとかたまりの地元のグループがひっそりと釣りを楽しんでいると聞く。

そんな雲出川ではあるが、根強い地元のファンに混じってときおり京阪神地方からも釣人が訪れるほど著名でもあるらしい。つまり、知る人ぞ知る釣場なのである。

反面、この辺り一帯の野池群には雲出川育ちのへらさんが釣人の手によって放され、その末裔が今では元気に生き抜いているそうである。

うむ。自主放流については意見の分かれるところではあるが、この地方のへら屋さんにとって雲出川は「母なる川」として、なくてはならない存在であることは否めない。
私は、先週に出会った釣人の話を思い出しながら、いよいよ目的の橋にたどり着いた。

この日は橋の真下にたくさんの釣人が陣取っていて、すでに餌打ちの真っ最中である。
Itoさんとの打ち合わせでは、今日はこのあたりを中心にやろうと言うことになっていたが、とても二人が割り込めるだけのスペースはない。おっと、もしあったとしてもこの集団の中で竿を出そうという気はないので、私とItoさんは更に下流に向けて車を走らせた。

13尺。ウキを流してテトラに寄せる技の図(^^;;

手頃なテトラの隙間から竿を出せるポイントにたどり着く。先週、この場所で日没まで粘って取れないアタリと格闘していた場所である。しかし、先週に比べて1mほども大減水している雲出川を目のあたりにして、リベンジの意気込みも萎えていってしまった。

Itoさんはテトラの切れ目に釣り座を選んだ。私は50mほど上流のテトラが放り込まれた中央寄りに釣り座を選ぶ。風が強い。白山方面から吹き付ける強くて冷たい風に襲われて、もう仕舞ったはずの防寒着を再び引っ張り出して着込んだ。

がまへら17尺を継ぐ。今日もまた鯉さんに襲われるのを予測してのものである。

マッシュを溶いてグルテンをかき混ぜる。猛烈な風が真っ正面から吹き付けて、グルテンをボウルに放り込むときに舞い上がり、顔中にグルテンがこびりついて真っ白けのパシパシになってしまった。なっは。グルテンのパックで美顔中。ぼくってオシャレ。*^^*

そんな中でもがむばってエサを打つ。両手で竿を持ち、大きく振り回して一気に振り下ろす。ぎゅーんと風を割る悲鳴を上げて竿を振り下ろすのだが、猛烈な風圧に負けて目の前にぽちゃんと落ちる。(^^;;

1時間、2時間。そんなかわいそうな状況にもめげず、むなしくエサを打ち続けるのであるが、当然の事ながらウキは風に流されてしもるのみである。あ〜〜あ。今日はあきませんな。釣りになりませぬ。(^^;;

ほとんど「水辺のお地蔵さん」状態で固まっているとき、Itoさんが突然竿を絞った。
猛烈な締め込みにぐっと耐え、やっとの思いで取りこんだのは背の黒い見事な尺二寸。おお、はじめて見る雲出のへらぢゃ!。(^_^)

 Itoさんが仕留めた尺二寸。

Itoさんのウキはにわかに忙しくなり、いかにも「ここにへらさんがおりまっせ」と伝えている。立て続けに二枚追加して、それからは決めてのないモヤモヤあたりに変わっていった。

そのころ、私は正体不明の強烈な落ち込みあたりに見舞われた。予測していなかっただけに合わせる手に力が入り、ウキ下からの仕掛けを見事に吹っ飛ばされてしまった。
真っ正面から吹き付ける風は暴風となり、無防備に立ち上がれば吹き飛ばされそうな勢いである。
それならばと、竿を旭峰 13.0 尺に交換し、足下のテトラの切れ目に沿わせ、下流に向けてナナメに釣り座を構えなおした。

気配はすぐに出た。しかし、こんな暴風の中だけにバランスもいい加減だし床取りもいい加減なものである。こんな状況で明確にウキを読みとる事なんてとても不可能である。

真っ正面から三角波が押し寄せて、テトラに跳ね返ってわけのわからない波の動きにウキが揉まれる。

三方湖の釣りでこんな状況は充分経験しているのではあるが、三方湖のダイナミックな釣りを体験しているがゆえドボンの釣りだけはやりたくなくてバランスで強行した。
大きな力強いあたりが出た。ぎゅんと締め込まれてはずれ、中空に大きなウロコが吹き飛ばされていった。やはり居る。
3度めのあたりでしっかりと鈎に乗る。しかし動きが違う。案の定、姿を見せたのは40Cm級の鯉さんだ。

Itoさんから状況を聞きつけたmagosukeさんがやってきた。私とItoさんの間に等間隔になかよく並び、俄然やる気になってくる。

magosukeさんが落ち着いた頃、三角波の動きの中で、一瞬ウキが落ちたようなアタリが出た。ひょいと合わせるとごつんとした手応えが伝わってくる。しかし動かない。あ〜〜、根掛かりかぁ。
やっちまったわい(;_;)と悲観した瞬間、大きく竿が動き出した。

強風で荒れた水面の、波と波の間から体高のある魚体がぎらりと光る。おお、へらじゃ。(^^;;
半ば浮かせたところで、大きく一気に沖目に向かって走り出す。竿いっぱいに矯めて耐える。やがて下に潜りはじめ、そしてまた沖目に向かって動き出す。

06のハリスやから切られるかも・・・と、予想していなかった大きなへらさんに対して貧弱な仕掛けのサイズを思い出したもじりさんは、決して無理をせず、じっくりと時間を掛けてへらさんを浮かせてくるのであった。(^_^)

背の黒い、幅のあるへらさんが波に乗せてタモに収まった。40Cmあるかな?。もしかしたらあるかも。そんな期待を持ちながら、magosukeさんの釣座の後ろで検寸してみると、なんと43.4Cm!。

 43.4Cmのへらさん。しっぽのくびれが魅力的(^_^)

二度目の釣場で、はじめてのへらさんが40Cmオーバーだなんてなんという強烈な出会いなんだろうか。

しかも、今年に入って4枚目の40Cm上のへらさんが43.4Cm。今日は4月24日。もしこのへらさんが42.4Cmだったらマンガみたいな偶然だったろうが、あらためて「4」という数字に不思議な縁を感じた。
そして、そんな不思議な巡り合わせは別にして、私が今年に入って釣り上げた40Cm上の中でも、もっともうれしくて、喜びが大きかったへらさんであった。(^_^)

その後は猛烈な風と流れに襲われて、活発だったウキの動きも次第におとなしくなり、夕闇が訪れる頃まで一心に竿を振り続けたにもかかわらず、明確なアタリは二度と出ることはなかった。

この日はItoさんが3枚。私が1枚出しただけに終わった。
遙か彼方の釣人は、午後3時頃にはみんな居なくなっていた。

この次ここでやるときには、強風だとか流れの中でも正確に床を取れる事をテーマにやってみたいと、ウロコを舞い上げた3枚のへらさんに向かった誓ったもじりさんであった。(^^;;

Itoさんは雲出川と相性がばっちり。余裕のくわえたばこの図

翌25日

この日も同じ付近で竿を出した。

しかし、Itoさんが朝方に尺ちょっとの型を一枚出しただけで終わり、途中から加わったクワマンさんと3名で、きわめて穏やかな伊勢路の春を満喫したのであった。

もちろん、雲出川。お気に入りに追加しました。(^_^)

かんら。かんらからから。(^_^)