鮒くさいプラド・南へ帰る 5月4日
夢の中でボラを釣った。蒸し暑いくらいの湿気た空気の中で、ボラの予感と、こっそりと誰かに見られているような変な気分で目が覚めた。時間は午前7時頃だろうか。ともかく、昨夜は死んだように爆睡した。
重い頭を持ち上げて車窓を見ると、KOMAKIさんご夫妻の目があった。なっは、見られているような予感の犯人はKOMAKIさんご夫妻だったのね。(^^;;
ぼさぼさの頭を解くわけでもなく一気に飛び起き、車の外に飛び出してご挨拶。(^_^)
今日は病院の近くで竿を出されるとおっしゃる。私も入れますか?と聞いてみるのだが、残念ながら秘密のラブラブポイントは二人で満席だとおっしゃる。滅多にお会いできないお二人なので、できれば一緒に竿を並べてみたかったのだが、まさかご夫妻の間に強引に割り込むなんて気の弱いなボクにはとてもできない。(^^;;
今日の予定をお聞きし、お互いの健闘を祈って別れる。この二日間どっさりと腹に溜め込んだものを絞り出し、さわやかな気分に戻ったところで京都の釣人と出会う。ひと通り情報を交換し、出島一帯では昨日も単発ではあるが40Cm級が出ていることを教わった。
しばらくして、なま暖かい緩い南の風が雨を運んでくる。時折強く降り注ぎ、そしてまた細い雨となる。しめしめ、今日は暖かい雨ぢゃ。こんな日は絶対に出る。(^_^)
重く湿った空気に包まれた離湖の朝 久しぶりに恵みの雨と読んだもじりさんは、またいつもの大好きなポイントに向けて車を転がせるのであった。(^^;;
柔らかくて生暖かい南の風の中で、ときどき水面を叩きつけるような大粒の雨が来る。そして、何事もなかったように細い雨が降り出して、そしてまた強くなる。
そんな、雨の呼吸に合わせて釣り台をセットする。一昨日にくらべて5Cmほど水が高い。
なはは。ますます有利な条件が整ってきて、もじりさんは合羽も着ずにしとしとと降り続ける雨の中で、高まる期待にせかされるようにいそいそと準備を終えた。(^_^)今日こそ絶対に回ってくる。赤茶けた水だ。こんな日は沖にへらさんは出ない。岸辺を回るに決まっている。13でやるか15でやるか・・・・
散々迷ったのだけれど、結局は一昨日のエサが効いているかも知れないなんてスケベ心から、夢坊 15.1 尺を竿袋からこっそりと抜き出すのであった。(^^;;この日は風が荒れない。なま暖かくて蒸した緩い南からの風が湖面をゆっくりと撫で回る。
期待とは裏腹に湖面は至って静かで、モジリの一発も出てこない。いつもならボラさんの水平飛行だとか、マブの垂直飛びなんてサーカスみたいな光景がそこいら中で見られるのであるが、この日の湖面はまるでこの天気のようにどんよりと重く、ねっとりとした水が柔らかくうねるだけだった。うむ。ほんとうに出るのだろうか。出てほしい。出ることを確信していたもじりさんではあったが、きわめて静かな湖面をなめ回すように見ながら、いつしかその確信が不安へと変わっていった。
小雨が降り続き、きわめて穏やかなこの日の離湖。こんな日は出ます。(^_^) 朝8時。エサを打ちはじめる。5投。10投・・・。いつもの離湖なら、5投も打てばすぐにナニかがアタリを出してくれるのだが、この日は2時間打ってもサワリひとつ出してくれない
。時々、湖面を叩きつけるような大粒の雨に追われるように車に逃げ、そしてまたエサを打ったりを繰り返しながら、10時半頃になってようやく明確なアタリで尺2寸が釣れてきた。(^_^)さてこれからというときになって、猛烈な睡魔に襲われた。全身びしょぬれで釣り座を作ったこともあって、冷えのぼせのように体が熱くなってくる。こりゃあかん。
着ているものを全部脱ぎ、車のヒーターで乾かせる間、もじりさんは寝袋にくるまってイモ虫状態で爆睡タイムに突入するのであった。(^^;;昼飯はまた味気ないパンで済ませた。うう、おかぁちゃーん。暖かい白いご飯がこれほど恋しく感じたことはない。しかし、そんな欲望が出るのだから体は大丈夫。(^_^)
ふたたびもじりさんは、半分乾いた衣服を身につけ、さわやかな気分のふりをして小雨模様の離湖にむかってエサを打ち続けるのであった。(^_^)
しかし、、、一昨日と状況が明らかに違う。
これでもかというくらいの四駆攻撃はすっかり姿を消し、あれほど活発だったマブくんだとかアイベラくんの気配もない。
ウキはまっすぐに立ち、ゆっくりとただ流れに乗って漂う。いつまで経ってもエサも開かず、泡のひとつも吹いて来ない。なんかちゃう。(^^;;今日はダメかもしれないな。
失望感がちらちらと頭をかすめた午後2時。地合は突然やってきた。エサの馴染みが遅くなったなぁと感じた時、いきなりウキがチクッと踊った。
ぎゅーんと糸を鳴らせて沖目に走る。
ああ、鯉さんか・・・と思ったのだけれど、沖目に延ばされて止まり、その一撃をかわしたあとはずんずんと首を振るへらさん独特の引きに変わった。沖目で浮かせ竿に矯め、ゆっくりと引き寄せる。あきらかに40は越えている魚体を慎重にタモに納める。検寸台に乗せ寸法を測る。デジカメに納める。そして足下にゆっくりと放してやる。まるで決まり事のようにいつもの儀式を終えた時、帰り際に様子を見に来ていた釣人が走り寄ってきた。
42.1Cmのべっぴんさん。(^_^)
「なんぼあった?」。「42.1Cmですわ」。「何時までやるの?」。「晩の11時までやりますわ」。「粘り勝ちやな。がんばりや」。「おおきに」
そう、粘り勝ちと言われればそうかもしれないけれど、不安に襲われながらではあったが、こんな日は絶対に出るという確信めいたモノがボクにはあって、誰ひとり釣人のいないだだっ広い出島の南側でただ一人黙々と、ボクはそれを信じてエサを打ち続けただけなのだ。信じたからこそ報われたのだと、心の底で帰り支度の釣人に言ってやった。(^_^)
いつの間にか北よりの風に変わり、出島を大きく回って東から小さな波が寄せてくる。どこからか鮒臭いにおいが漂ってきて、ウキは重々しく水の中の気配を伝えている。
いよいよ回ってきたか。濃厚な気配がぷんぷん出ている割には食わない。エサを変え、タナを変え。リズムを変え。やっとの思いで39Cmの美べらが大きく竿を曲げてタモに収まる。
続いて尻尾で食った尺2寸。そしてスレ。そしてまた大きなウロコが宙に舞う。
この群れは本物だ。回遊を狙う釣りはこれだから面白い。(^_^)寄っている割には食わない。いや食わせられない。そんなジレンマと闘いながら濃厚な気配を伝え続けるウキを鬼のように凝視し続けた。
餌打ちのリズムを極端に遅くする。明確なアタリが出るまで待ちに徹することにした。
これが効いたのだろうか、しばらくしてウキを土台まで持ち上げて40.8Cmがタモに収まった。
まだまだウキはへらさんの気配を伝え続けている。エサを打ちじっと待つ。食わないなら食うまで待つ。食うまで絶対に打ち返さないぞっ。ええい、こうなったら我慢比べぢゃ。(^^;;よほど目を凝らしていないと見逃してしまいそうな押さえ込みが出る。してやったり。この時を息を潜めながらじっと待っていたもじりさんは、がっちりと鈎に乗せる。良型の手応えを存分に竿に感じながら浮かせてくる。ン!?。なんかちゃうぞ???
口を割ってからのへらさんの動きがなんか違う。尻尾を大きく振っているのだが走らない。なんでや??
明らかに魚体は40Cmを越えていて、その重量感はしっかりと感じ取れるのではあるが、つまり、チカラがないのである。(^^;;おそるおそる取りこんでみると、、、、、なんと、よほど「えっち」が激しかったのだろうか、41.9Cmのへらさんは「股ずれ」状態の悲惨な格好をしていた。(^^;;
尻尾に注目! 恥ずかしそうな目をしてからに、よほど激しかったのネっ!(*^_^*) その後も気配は続いていた。大きなアタリを取ればスレ。しかし食わない。いつまで経っても決定的なアタリをださない反面気配だけは続いていたが、夕暮れでウキが見にくくなった頃、一発の合わせ切れとともにあれほど濃密だった気配はあっけなく去っていった。合掌。(;!;)
群れの気配が去る頃、再び猛烈な悪寒に襲われた。
寒気で体が震え、足下がおぼつかない。
渋滞を避けナイターを敢行する予定だったもじりさんは、冷え切って役に立たない体に見切りを付けて、待ちかまえているだろう渋滞を覚悟で帰ることに決めた。途中、KOMAKIさんご夫妻のラブラブポイントに立ち寄る。
ナイターに入っても仲良く隣同士に釣り台をセットして、奥様は一心に餌打ちの真っ最中。なぜかご主人は車の中でサボリ中。(^^;;
釣果の報告や世間話など、小一時間ばかりラブラブポイントにお邪魔して、ほんわかとした空気に冷えた体を温めていただいた。
急に降り出した雨に背中を押されるように、我が愛車「鮒くさいプラド(命名:ばらっち)」はシアワセと鮒の臭いを満載し、すっかり暮れた丹後の山々を縫うように帰路に就いた。
結果:42.1、41.9、40.8Cmと尺2寸から尺3寸までの5枚。寄った割には食わせられなかったちょっと悔いの残る釣行であった。もっと腕を磨きなはれや>もじりさん。(^^;;
PS. その後ナイターに突入したKOMAKIさんご夫妻は、波状的な回遊に恵まれたそうだ。
お二人合わせて45Cmを頭に10枚ばかりの40上をGET!され、午前1時までしっかりと離湖のナイターを満喫されたという。
お二人の穏やかな笑顔が、今ぼくの目の前で開いているようでうれしい。(^_^)