糸の切れた凧@吉井川&安室ダム 4月29日
朝4時に目が覚めた。
昨日の疲れがどっさりやってきたので、昨夜はひさしぶりに爆睡したようだ。
他のメンバーが車から這い出すまでしばしパイプを燻らせて、まったりとした時間をすごした。
朝ごはんはハマグリの味噌汁とご飯。いいね。果たして釣り場でこんな贅沢をしていいのだろうかと思うほど豪華である。夢さんありがとね。昨夜のナイターではボラ師どのが尺2寸を釣り上げたとかで盛り上がっている。さすがだね。
はじめてから面白さが分かりかけた時期なんだろう、ぐーたら族の我々とは釣りに対する姿勢が違う。ちゃっちゃと撤収作業を終え、気配の無い七区調整池に見切りをつけ雄志だけで吉井川へ向かうこととなった。だんだんさんとスーさんはここでお別れとなる。短い時間だったけどありがとね。
途中のスーパーで昼飯を仕込む。
ボクは冷たい「茶ソバ」とおにぎりを買って、車に取り付けた保冷庫に放り込んだ。
とにかく、今日は良く晴れて暑いのだ。お昼ごろ、キリン麦酒工場前のポイントに到着する。
ここは昔からの名ポイントで、過去に私も一度だけ竿を出したことがある。当時はまだ今のように護岸されていなくて、地道を泥だらけになりながら下り、長靴をめり込ませながら釣り座を作った記憶がある。残念ながらそのときは釣れたのか、釣れなかったかの記憶は無い。
まっ、それはどうでもいいのだけれど、今日はなんとしてもアタリを拝みたいものだ。いい加減に昼飯を胃袋に流し込み、この日は一番下流の釣り場に離れて座ることにした。別にスケベ心で釣り座を選んだとかではなくて、たっぷり水量のあるこのポイントならば、今日は柔らかい竿でじっくり釣りたいと思ったのだ。
ずらりと並んだ面々@吉井川飄々14尺を継ぐ。ご存知杉原さん作のこの竿は、見た目こそ川の強烈なへらさんの引きに耐えるにはちょっと心細いくらい細身に仕上げられているのだけれど、その素材の持つバネと粘りはなかなかのものである。
ようやく皆がそれぞれの釣り座に落ち着き、餌打ちを始める頃には下流から心地よいさわやかな風が吹き始めてきた。「気持ちよいわい」と喜んでいるところへジェットスキーのけたたましい爆音がぁ。
ああ、せっかくのどかな休日の釣りを楽しもうと思ったのに台無しである。
こうなるともうだめである。餌を打つのにも気が入らないし、ウキに集中もできない。せめてフワリとでもウキが動けば多少でも気合が入るのだが。
ちょっとふて腐れている間に、他のメンバーは合わせ始め、スレだとか言いながら竿を曲げ始めている。上流に陣取ったボラ師どのなどは快調に竿を絞り始め、瞬く間にツヌケを達成しているのであるが、下流に行くほど活性が低い。
隣のshinzuさんがパタパタと釣り上げたものだから、いよいよ次はボクの番だと気合を入れては見たものの、ウキはまったく気配を伝えてくれなかった。様子を見に行く。
ほとんど流れないボクのポイントとは違って、ボラ師どのの一体は緩やかな流れがある。流れに乗ったウキは明確に気配を伝え、ムンズッ!と押えたりする。
うう・・・これじゃ!
流れの中に活性の高いへらさんがいることを見抜いたもじりさんは、ボラ師どのの少し上流に釣り座を構えることにした。
運良く、撤収する地元のおじさんから声がかかり、帰るからここに入れという。
アタリが恋しいもじりさんは躊躇することなくそのありがたいお言葉に甘えることにした。三投目。ゆっくり流れていたウキがふわふわとゆらめき、ちょっと間を置いてムンズッと押さえる。待ってましたと合わせるとゴクンとした手応えが伝わってきて、のっしのっしと生意気な引きで8寸級が釣れてきた。
ふぅ。
その後も時折触りがでるのだけれど、残念ながら合わせをくれてやるところまではいかない。
打っては流し、打っては流しの単調な時間を過ごす。皆に別れを告げ、今夜はクワマンさんと二人で車横付けポイントに移動して、ナイターで適当に時間を潰そうということになった。
しかしナイター突入後はマブくんが元気に餌を食い散らし、クワマンさんの電気ウキがぽしゃったのを期に竿を納めた。
ボラ師どの一行が帰り際に来てくれて、これから先の食生活を心配して差し入れを置いていってくれた。へら師と呼ばれたいさんはナイターウキをたくさん貸してくださって、これから先の事を案じていた私にはとてもありがたかった。さて、明日はどうするか。湖山池へ行くか安室ダムへ行くか、それとも久しぶりに引原ダムでやるか。
そんな事を考えているうちに強烈な睡魔が襲ってきて、気が付けばもう空は白らんじていた。
ああ、よく寝た。4月30日
朝6時頃。
桑名へ帰るクワマンさんを送り出したもじりさんは、夢さんから差し入れて貰った食パンの塊にいちごジャムを塗りたくりながら慌ただしい朝食を済ませた。
4日間蓄え続けた排出物がようやくお出ましになり、心も体もすっきりした気分で安室ダムへ向かうことにした。
あほなナビに振り回されながら最短ルートで安室ダムにたどり着く。
駐車場のど真ん中で夢さんと大阪の釣り人に遭遇する。状況は芳しくないらしい。
まっ、せっかく来たのだから餌でも落としますか・・・なんていう気楽さもあったものだから、話の中に入ったり、ワラビ採りを楽しみながら遊んだ。初めての安室ダム
ここで帰るという夢さんと別れ、私は大階段の向かいの隠れワンドに釣り座を構えることにした。
釣り座には昨日打った餌の塊が放棄してあって、それが「だんな、ここでは釣れませんぜ」と語っていた。
まぁ、餌を落としてみなければわかりませんがな・・・って、気楽なもじりさんは、夢さんからプレゼントして貰った21尺を伸ばすことにした。ふぅ、いくらカーボンとはいえ21尺の送り込みは腕に来る。
5本強のタナまでしっかり持つような硬いグルテンを丸めながら、何一つ触りのでないウキをただぼんやりと眺めていた。
安室ダムは初めて竿を出す釣り場である。
一昔の銀山湖を思い出すほど水は透明でさらさらとして粘りがない。時折バスボートが行き来するものの、ここのバサーは紳士である。
良く晴れ上がった空の青と新緑の緑。
湖畔の土色が見事なコントラストと谷を渡るさわやかな風。
初夏の空気に包まれてのんびりと餌を打つ事のできる喜びを感じながら、贅沢な時間を過ごすもじりさんであった。
透明度の高い水は銀山湖以上かも知れない昼飯は食パンの塊に車のダッシュボードで暖めたレトルトカレーをぶっかけて食べた。手軽な割には案外おいしい。ボクのレシピに加えようと思った。
午後1時半を回る頃になって、ようやくウキになにかしらの気配が現れた。ふわふわと頼りない動きではあるが、餌の回りに何かがいることは確かである。
明確なアタリのでない事に対する苛立ちと焦りが沸き立って、床をウキ一本切ってみた。
ゆるゆると馴染み掛けたウキに戻しが入り、「おっ」と思った瞬間にズボッと入った。
がつんとハリに乗る。
強烈な力で沖目に伸ばされ、握りを水面まで下げて矯める。
ヘラさん独特の重量感と大きく首を振る動きが竿から握りへと伝わってきて、ゆっくり時間を掛けて引きを楽しみながら取り込んだ。
尺3寸。
寸法には不満はあるものの、水深3mの深場からギラリと見た時の興奮と感激を与えてくれただけで、それだけで充分満足できる釣りであった。
2時15分頃には再びウキの動きが止まり、夕闇が迫る頃までピクリとも動かなかった。小さな群れがたまたま餌の近くを通って、お情けで食ってくれただけの釣りに終わってしまったのだけれど、運良く3枚のへらさんが出て、その内の1枚が40.7Cmという上出来な結果が出たことが嬉しかった。。
やっと出た40上。21尺タナ5本半からの引きは充分満足させてくれた。ちょっとだけ満足な気分でセピア色に染まる安室ダムをあとにする。
どうしょうもないほどあほなナビに誘導されて円山川へ向けて走り出す。
29号線から峠越えのルートに誘導され、漆黒の中に異様な雰囲気の集落に出る。
何気なくナビを見ると「八塔村」とある。もしかしてあの「八墓村??」
おおこわ。背中に冷たいものを感じながら峠を逃げるように駆け下り、ようやく見慣れた和田山の街に到着した。
いつものお宿「道の駅 やぶ」で飯を食う。今夜のレシピはカップラーメンとさとうのごはん。ラーメンの汁にご飯をぶち込んで雑炊にしてみたが、こいつがまたすごく美味かった。この夜も爆睡。