| この作品は、【伝説巨神イデオン】のパロディです。この作品はTV再放送にあわせて毎回突貫でかかれたものをワープロ練習用に再構成したものです。なお、まだ完成に至ってません (^エ^)←反省の色なし・・・ |
テキスト起こし 1999年06月20日日曜日
「・・・ベス。海が見たいわ。」
カララがそう言ったので、ソロシップは海のある『旗の星』(フラグスター)へ急いだ。
「ベス。敵が見たいわ。」
と、ハッタリが言ったので早速バッフ・クランが襲ってきた。
「おい余計なこと言うなよ。でなくともみんな秋秋してんだ。」
新たなる敵は巨大な『熊 の牙』の形を模したゴンド・バウ戦闘機に乗って現れた。現れたと思ったらさっさと帰ってしまった。コスモらは逃げてくゴンドバウに飼い慣らした整体発信器『ゴミタン』をカメラ持たせて追っかけさせた。
ゴミタンがやっとこさ追いついたところにはるるの『泥輪算』(ドロワザン)が待っていた。
「ギャムス。到着が六〇秒も遅れたが、何をやっておった?」
「はっはっは、はるる様も細かいこって・・・ 実はさっき異星人を見っけまして、ちよっとからかっとりましたんではい。」
はるるの前で、でぶうった片眉毛の大男が例によってはいつくばっていた。
「よかろう。で、今度持ってきたメカはまともに動くのであろうな?」
「はは、ゴンド・バウ及びロックマックはそんじょそこらの物たぁ作りが違いますで、操縦さえできりゃあドバ様でも使えますで・・・ え〜、ところで・・・ギジェ・・・ザルがおらんようですがの。」
「・・・ギジェはいない・・・ 捨てたよ。用心のためラップでぐるぐるくるんでな。」
「ほっほほう〜・・・ それはそれは賢明なこって。このギャムス様にギジェの代わりがつとまっかどうか・・・ ほっほっほう〜」
ちょうどその頃、まわりが海だけしかない寂しいフラグスター(旗星)に落ちたソロシップは撃ち落とされても帰ってきた『ゴミタン』を分析していた。
「この船は知ってます。泥輪算ですね。もう一隻の船はたぶん、サディスティック山でしょう。(略してサディスザン)下女アヤヤの親戚筋で植木屋あがりのギャムス・ラウの船です。やっかいですね。ギャムスの通った後は雑草一本生えないという評判ですから。」
「・・・うちにもほしいわ。」ロッテのため息。
「それでカララ、せこい作戦があるときいたが?」
「はい、ジョリバ。イデオンとソロシップその他にのし付けて差し上げるって電報を打ってください。 姉、はるるはきっと飛びつくでしょう。そのすきに網をはなって生け捕りにします。」
「姉を罠にかけるのか? カララ、君ってやつは・・・」
「立派だわ。あたしにはとても出来ない・・・」リンが発言する。
「よし。言い出したジョリバとカララに交渉の使者に行ってもらおう。」
「ちょちょっとォ、ベス、電報とかあるんでしょ?」
「パラボラ・アンテナがちょっと使えん。今、はずして中華丼作らせてる。」
「ベス、そんなことしてるまに誰か来たらどうすんのさ?」
「心配するな。多少残るだろうから。」
「敵襲!」
「なにい? さては匂いにつられたか!」
んなこと言ってる間にソロシップは敵に囲まれた駅馬車状態になった。
「騎兵隊を呼んでこい!」
ベスはまだぼけてるらしい。 ボケベスをよそに、カララはジョリバにつるはしを持ってこさせ、いきなり船をガンガン叩きはじめた。その火花がモールス信号となりギャムスのサディスザンに電報となって届いた。
「なにい? ロロダウの船と巨神にゴミまで付けてただでくれるというのか?」
「ギャムス様。これは明らかに罠ですねん。」
「無名士官ども、うろたえるな。やつらがくれるというもの、ありがとうと言ってもらってやるわいな。」
「しかし、その交渉に試写を回すと言ってきてますが・・・」
「死者とな? おもしろい趣向ではないか。日記に付けとけ。」
ギャムスの軍団はそれから根気よく待った。が、カララらがやってきたのは17時間もたってからだった。カララが筋肉痛の回復を待ってたからと思う。
「・・・おそいわい!」
「ギャムス。それがドバ主指令の娘であるところの私に対する言葉かえ?」
「カララ、よそう。バッフ・クランに日本語は通じまい。」
ジョリバの言うことは正論だが、ここでは通じないらしい。
「ふっはっはっは・・・ カララ様とあろうお方が、異星人の死者となるとは・・・ おそれ入谷の岸部ジローですな。だが甘いですぞ。このギャムス、ただでくれるというものは金をもらってでもいただく覚悟でごわす。それ、皆の衆さっさとかかれ!」
言うが早いか、ギャムスの部下達はジョリバの乗る偵察機をぶんどりにかかった。しかし、歴戦の熟練者ジョリバの敵ではなかったんだ。兵士らがあと三センチまで迫ったとき、すかさずネズミ取り用ねばねばマットで足場を確保すると、カララを奪ってとっとと飛び立つのであった。
「悪漢べ〜」
最後の礼をおこたらないジョリバ。
「ばァカメ、このまま逃げ切れると思うなよ。」
ギャムスはそばにあった携帯用圧縮ゴミを思いっきり投げた。うまいこと、偵察機のノズルにあたって豪快にばらけた。(いうまでもないが、ばらけたゴミはギャムスに降り注いだ)
「おんのれ〜、よくもこのギャムス様の顔にゴミを塗ったな〜!」
そこへのこのこコスモのイデオデルタが飛んできて、であいがしらにジョリバの偵察機を撃ち落とした。間一髪、ジョリバは偵察機からネズミマットでイデオデルタの横っ腹に張り付いた。それを見てカララもジョリバによじ登って助かった。
「ジョリバ! 大砲を頼む! カララさんはその辺にまざっててくれ!」
「こうですか?」
カララは隅っこのポリバケツに自らを封印した。
「やるじゃない、カララさん! ところで、バッフ・クランは一方的に断ってきたのかい?」
「は〜い。」
「もしかして、出稼ぎ・・・いや時間稼ぎの作戦と見抜いたか?」
「そんなはずありましぇん!」
そう言い放って、手の中でギャムスへの密書をバラバラにした。
密書にはこう書いてあった。
『だまされるあんたが悪いのよン♪』
コスモらはソロシップに帰ってきた。後ろからギャムスの特攻隊が追ってくるところだ。けっこうヤバイ雰囲気なんだな。
「コスモ! 敵に言ってやってよ! 食事くらいゆっくりとらせてって!」
「おいカーシャ、十杯目だろ?」
「うるさいわね! だいたいカララが海が見たいなんて言うからこうなったのよ!」
「いいかげんにしろ! オレがベスだと知ってのろうぜきか?」
「・・・・・・・・・・」
「さすがはベス、おもろいですわ・・・・・・・・・」
「いやあなにこのくらい・・・」バキッ
「コスモ・カーシャ・もえら・・・ イデオン部隊発進せよ!」
「ヤジャー!」
ハッタリにつられて発進したコスモらは、敵の新型重機動メカ「ログマックポテト」を中心にした「ギャムス特攻隊」をこんがり焼いて何とか勝ったのでした。(委細省略)
「やられた! 全員後退して体勢を立て直せ!」
「いかん! 何のための特攻隊だ! 一丸となって戦えそして勝利せよ!」
「りょ・・・了解!」
・・・ギャムスのいらんひとことで、ギャムス隊はほぼ全滅した。
「退却だァ! ・・・一撃で我が軍を叩くとは敵ながらかっぽれ・・・」
バッフ・クランはとりあえず逃げてった。
「コスモォ、突然だけどこの海、魚が捕れるのかな?」
戦闘が終わったばかりの海面でデクはつりを楽しんだ。
「デク、悪いことは言わないからやめておけよ。」
「つれますか?」
「ああ、カララで五七人目だよ・・・」
そのとき、釣り糸が揺れた。
「かかった!」
「デク! デカしたわ、今夜のおかずよ、逃しちゃダメよ!」
ロッテの励ましにもかかわらず、デクは魚に釣られて海中へ・・・
「人口が一人減ったわね。」
だが心配するまもなく、デクは猛スピードで海面を泳ぎだした。よっく見ると、何かに追われてる。重機動メカのようでもある。
―迫撃・双子の悪魔―
「誰だ勝手にタイトル入れたのは?」
「ふっふっふ・・・ ぼっくで〜す!」
ジョリバの質問に素直に答えたのはバッフ・クランの親衛隊員アロンとグランだ。違った、ソドムとゴモラ・・・ じゃなくてドッパとキヤヤのグフ兄妹だった・・・ で、合ってる?
「いけません。ギャムスが来てるという事は、あの噂の兄妹も来てるってことです。」
「カララさん、テクノっていいますですけど、それはどういうことですか?」
「彼らは双子の戦闘員でフグ兄妹といいますが、ともかくすごい悪評です。」
「ジョリバだが、そいつはいかんな。そういうことならベスにまかせっか。」
「へいおまち!」
「なにいい? バッフ・クランだと?」
カラヨケサロンで比布電気判を貼っていたベスのもとに情報が届けられた。またか、というふうに頭を抱えたベスは、おもむろに立ち上がって叫んだ。
「やっほ・・・」 それが終わらぬうちにハッタリに張り倒された。
「いちいち目立つな。いくらバッフ・クランたってそう簡単にゃここまで来れんよ。」
「そうかな? 実はここにいたりして。」
「うぉぉぉ??? バッフ・クラン人! おまえらどうやってここにはいった!」
「それは秘密です。」
そういうと、バッフ・クランの人はジョッキを放り投げてカウンターをあとにした。なんとバーのマスターに化けていたなんて、おお間抜けな話です。
「ベス、なあベス。ここはヤバイぞ、早く発進しようや。」
「うむ。じゃ、バリヤーでも張れや!」
そのころ表ではようやくデクの回収作業に入っていた。
リンの投げた投げ縄は見事にデクの首にからまった。一瞬、鵜飼いにも似た緊張が走ったが、残念ながら無事救出されたデクであった。
「リン、デクをお願い。逆さにしてよっくふってね。五〜六匹くらいはあると思うわ。」
ロッテの野性的な勘である。しかし、そのロッテもバリヤーには気づかずに巻き込まれて五分間飛んだ。
「ロロダウの異星人め、バリヤーを張ったな。これでは攻撃できん!」
「だいじょーびよドッパ兄さん。だって私たち双子の悪魔よ!」
「そ・・・そうだったなキヤヤ。ハッハッハッ・・・」
「大丈夫、怖くない!」
「あの〜 オレ3号機もいるんだけど・・・」
「キヤヤ、この異星人どもを叩けば我ら日陰の兄妹も栄光と共に迎えられるであろう。」
「そうよ兄さん、コンビニ付き豪邸で一生トラムに囲まれて暮らすのよ! ほっほっほ・・・」
そういう通信を交わしながらソロシップの周りをぐるぐる回るロックマック兄妹。
「あ〜サディスザンのギャムスじゃが。ブフ兄妹のロックマックはどうなったか?」
「は。バリヤーに阻まれて笑っております!」
「うむ。いかにロロダウの巨神が粗大とはいえ、ブフ兄妹の恐ろしさには鼻血も出んだろう。よし、このギャムスも時々は攻撃に出るぞ!」
ギャムス・ラウは最後の戦力をことごとく持ってきていた。といってもサディスザンもどきに重機動メカロックマック三つというアッパレな編成であったが。
「バリヤー全開!」
その瞬間、ソロシップのまわりの海水に変化が生じ、海面が沸騰して激しい湯煙が上がった。
「ベス! バリヤーで水しぶきがあがって周りが見えない! バリヤーを切らないと主役のイデオンも出られないぞ!」
「コスモ! そういって自分だけ出番を作ろうとしてるのは見え透いてるぞ!」
「・・・あんたね、一体どっちの味方なのさ?」
「わああ、ふんすいだー。」
よせばいいのにギャムスはソロシップの近くに行って眺めることにした。
「キヤヤ聞こえるか、私だ。」
「はいこちらはキヤヤさんですが私ではわかりません。誰ですか?」
「バカか、ドッパだ!」
「あら兄さんどうしましたの?」
「このままではラチがあかん。私が異星人を引きつけるからおまえはそのすきにロロダウの船に取り着け! ・・・我ら兄妹の恐ろしさを思い知らせるときだぞ!」
「わかったわ兄さん、気をつけてね。」
「おまえもな。」
ゴゴゴゴゴォ〜〜〜ッ
ドッパのロックマックはソロシップの前をちょろちょろ駆け回ってお尻ペンペンして見せた。怒り狂った(?)ソロシップはそれを追い始めた。
「兄さん・・・! み・・・見事な引きつけだわ!」
「ばっかもん、見てないで攻撃専科!」
ドッパは引きつけるというよりも逃げ回っていた。それに乗じてキヤヤのロックマックはこっそりとソロシップの後ろから近づくとブリッジ横のウィンドウにまんまと取り着いた。
「ベス、外になんかひっついた。」
「はえだろう。」
そういうとベスはおもむろに窓を開けると殺虫剤をしゅうしゅう撒いた。
「ひえええ!?」
ド肝を抜かれたキカカは「キヤヤ〜〜」といって落ちました。
「に・・・兄さん、私落ちましたわ。兄さんは大丈夫?」
『キやヤ・・・コッちはマだもつ。もうイッかイ攻ゲきシろ・・・』
「ドッパ兄さんたら・・・ 電波障害うまく表現してるわ。私も負けられない!」
そのとき、バリヤーが開いていかにも汚いイデオンが出てきた。そのイデオンの手にはなにやら握られていた。そしてそいつをグフ兄妹の前に突き出した。
「あ・・・あれはもしや?」
「トットラムだあ!」
キヤヤとドッパは互いに我を忘れてそれに群がった。
「うッ? ゲゲ? なんだこれは し・・・しまった!」
そのトラム(サンドイッチのこと)はすべて腐ってました。アジアンの残りカスです、残念。
「ひっかかったな! バッフ・クランさんよ!」
コスモの高笑い。思わずつられてそこまで来ていたギャムスもあせった。
「ギャムス様! 私キヤヤはブフ兄妹の名誉のため、兄の後を追って見事に死んでみせます!!」「キヤヤ、うむ。見届けようぞ。立派に戦え!」
「あの、オレまだ生きてるんだけど・・・」
イデオンの足にしがみついた双子の悪魔、しかし時すでに遅くイデオン必殺ダブル・ボレーシュートの餌食になった。ドドビューン!
「キャヤ――」
「ドッパッパ〜――」
イデオンに蹴られたロックマックは一直線に飛んでった。
「なんだあれは?」
「ギャムス様。ブフ兄妹のロックマックでは?」
「そうか。じゃ、うわあああああ〜! だな。」
そういってサディスザンはブフ兄妹と派手に因果地平へと旅だった。
「ベス。今回の戦いは少しおかしいですわ。」
「じゃあカララ笑えば?」
「そうじゃないのです。変とは思いません? あの変態シェリルさんすら出てこないし・・・」
「う〜ん。そういわれれば、あの海水の蒸発も今回だけとは異常だったな。」
「イデのせい?って事になるのかな。ベス、イデの力って何だろう?」
「そいつがわかったらこの物語は終わりさ。」
「なるほど。」
「よし、この機に乗じて発進しましょうや。まだ先のページは長いで。」
猿人ドクの音頭でそそくさと宇宙に旅立つソロシップ御一行様。
「え? ギャムス隊が全滅しただと? 誰にきいたのじゃ?」
「は。話の途中で忘れられてたロックマック3号の兵士であります。」
「みじめじゃの。話のタネに捨てていけ。」
「は。」
はるるはけだるかった。
大部隊を持ってきたのにことごとく部下がバカなもんでみいんな無くしてしまった。特にギジェとギャムスは浪費主義だった。ギの付く奴はろくなもんじゃない。
「ギャムスめ・・・ 少しは残していけばよいものを・・・。そこのおまえ、ロロダウの船に付けた整体発信器はまだ生きておるのじゃろうな?」
「は。潜入工作員が居酒屋マスターに化けて餌付けしたはずであります。」
「はるる様。なんだかんだで艦内のゴミはおおかた片づきました。」
「そうか。これで私の当面の役目も終わりじゃな。バッフ星に帰って温泉にでも沈むかの・・・」
「了解。全鑑、バッフ・クラン本星に向けて発進!」
パッパラパッパー。ファンファーレ斉唱。
「・・・兵どもめ。嫌がって誰も亞空間ドライブせんわい。誰かやらんか!」
すると、いかにも気の弱そうな兵士が一人おどおど出てきて自ら床に転がった。
しかし、むろんベスではないのでそれで亞空間飛行するはずもない。
「妻乱脳・・・」
ドロワザンは結局ノーマルな亞空間飛行に入っていった。
「ソロシップ、次のゴミ捨て場に向かってベスドライブに入る。ベスを用意せよ!」
航法責任者のハッタリの号令で蛙船も亞空間飛行に入った。
「どうやらまいたようだ。今日は敵も攻めてこないようだな。」
「うむ。どうやら定休日らしい。」
ジョリバは外の新鮮な宇宙塵でも吸おうと窓を開けた。すると、表に何か見えた。
「なんだ? おい、今何か見なかったか?」
「いいや。またどっかの観光団かなんかじゃないのか?」
「いやちがう! 見ろ!」
コスモが指さすと、もえらが反射的に隠れた。
「なあんだ、ただの戦艦じゃないか。」
「ほんと。びっくりさせるわねって・・・ まあ大変、敵じゃありませんこと?」
「カララ。バッフ・クランを敵というのか?」
「素敵じゃなくって?」
カララの思考回路ももえらに似てきました。
ジャン! ―敵戦艦を撃沈せよ!―
「なんじゃ、イヤなタイトルが流れたぞ。一体何がどうなってんのか?」
「はるる様。いけません。い〜仕事してませんね〜」バキッ
「・・・もとい、はるる様、どうやらロロダウの船とランデブー現象を起こしたようであります!」
「なんじゃと? この船が異常接近してるというのか? ロロダウの船を尾けろとは言わなかったぞ。たしか。」
「ドロワザンのコンピューターがロロダウの船と気が合うようです。」
「やばいな・・・ 兵力がスッカラカンの上にわしもやる気がでん。さっさと離れんか!」
「だめです! どんどん引っ張られてますです。」
見ると、ロロダウの船が地引き網を引いてる。んなわけないか。
「重機動メカ、ギランドウをだせい!」
「はるる様、ギランドウは『燃える亜空間』あたりで使ってしまって、ありましぇん!」
「・・・くそう、ギジェのやつめ。ここまでたたるとは・・・・・・」
そのころ、ソロシップの方も珍しく会議を行っていた。
「結論を出そう。タイトル通り敵戦艦を撃沈するか、このまま静観するか、帰っちまうか。」
ハッタリがケーキを並べた計器盤をたたきながら提案する。
「・・・そうだな。敵の戦力は少ないと見た。あの様子では目を離したら一目散に逃げそうだ。今一気に叩きつぶしとかんと後で何百倍にもなってひどいイジメに遭うぞ。」
ベスは転がりながらも器用に考察した。
「私も今叩くべきだと思います。」
「カララ! ・・・いいのかそれで?」
「今あれに乗ってるのは姉はるるだと思うので・・・」
「なるほど。一理ある。」
「そうと決まったら攻撃開始といこうぜ!」
「あっ、コスモずるいーっ! あたしが一番手柄よ!」
ソロシップ艦内は一気に盛り上がった。
一方、泥輪算でも事態を憂慮していた。
「状況はどうなってるか!」
「はっ、ラーメン三つ今出たところで・・・」
「馬鹿者! わしの分はチャーシュー麺だろうが。ちがう! 見ろ、ロロダウのデク人形が出てきたではないか。さっさとこの場を何とかせい!」
はるるは命令しつつも、もしかしたら自分はここでオダブツになるのではと予感した。
敵の心配をよそにイデオンが泥輪算に張り付いた。
「バッフ・クランさん、まことに残念だけど沈んでもらうからね。」
「い・・・異星人なのか?」
言うが早いか、イデオンはドロワザンの甲板の上にどっかと腰をおろすと、器用にドライバでネジを一本一本外しはじめた。その目はなぜかうつろに輝いて見えた。
「へっへっへっ・・・」
「や・・・やめんか! 船が壊れるだろう!」
「はるる様。それよりあのでくの坊のせいで甲板がつぶれかかってます!」
「なぜじゃ・・・ 無重力の世界なのに。」聞くな。
「ううむ・・・ 巨神め、このドロワザンを沈める気じゃな。」
「はるる様。一かばちか、デスドライブブレーキの用意が出来ましてございまする。」
「まあまて。麺がのびちまうでな。皆もはよ喰え。喰え。」
七分たって・・・
「よし。デスアウトする! 今じゃ!」
はるるの号令で鼻から麺が飛び出した兵らがドロワザンを通常空間に戻した。その時、しがみついていたイデオンは、パワーオーバーで分解してそのままカーシャのイデオバスタがドロワザンと共にデスアウトしてしまった。「あれー?」
「ベス! カーシャがさらわれた! 急いでブレーキをかけてくれ!」
「ほっとけよ。単独行動をした罰だ。」
というわけでこの話は終わった。ちがうだろ。ベスは押さえ込まれてデスアウトしたのよ。
「ん?」
ジョリバが何かを感じたらしく、おもむろに上を見た。天井だった。で、急いで脚立をかけて天井板のネジを八本外して更に上をのぞくと、そこにはでっかい船がいた。
「ベス! 敵艦が真上にいるぞ!」
「な〜に〜?」
「さっそくゴミを投げよう!」
「いかん! 今ここでゴミを投げたらこっちに降ってくるぞ!」
「じゃ、どうすんだい?」
ベスは2〜3分腕組みをして考えるふりをしてから突如ひらめいた。
「百姓戦だ!」
「白兵戦?」
「アフォ。みんなで宇宙服を着るんだ。着たらクワと竹を集めてこい! 集めたらクワ持って竹ヤリ持って敵艦に直談判にいぐだ!」
ジョリバはハッタリと共にこのベスの意表を突く作戦に恐怖した。
一方、はるるの方はというと・・・
「なにい? 真下にいるとな? チャンスじゃ! ゴミまいたれ! ・・・いかんいかん、ゴミは品切れじゃった。そうじゃ、さっき拾った異星人を捨ててこい!」
そうこうしてる間に、異星人どもが旗持って一揆に攻め込んできた。
「ええいしゃらくさい! 返り討ちにしたるわい。ものども、であえであえ!」
はるる配下の下っぱサムライどもが果敢にも重装備の一揆集団に立ち向かった。だが結果は目に見えていた。多勢にぶぜい、関税に消費税。
「ええい、ここがサムライの意地の見せ所よ! ことごとく一揆を制圧するのだ!」
ああ勘違い。サムライどもはあっという間に叩きのめされた。
「は・・・ はるる様! とても太刀打ちなりませぬ!」
「ええい、なにがミト王子だ! オーラバトラー持ってこい!」
はるるは発作を起こして倒れた。倒したら起こす。
「こ・・・ このまんまでは異星人の積みすぎでドロワザンが沈む・・・ なんとかならんものか?」
その時―――
『・・・♂→♀☆♪→§∬♀→♂§♪!!・・・?』
「はるる様。はるる様。奇っ怪な通信が入ってきました。」
「どおいう意味か翻訳してみい。」
「よくはわかりませんが、『こっちおいで』の後に座標を示してるみたいです。」
「音声に切り替えてみよ。」
「はい。」
『・・・こちらあじかた・・・こちらおなかま・・・きたれわこうど・・・ゆうひのばかやろー・・・』
はるるはこの気味の悪い声にはっとして鼻血を出した。
「この声は・・・ もしゃ・・・」
鼻にコルクで栓をしてはるるはゆっくりと命令した。
「さっさとそのざひょうにいくんじゃあい。」
「ベス。気味の悪い通信を傍受した!」
「ハッタリ、それはバッフ・クラン語か? カララ、わかるか。」
カララはそばにあったレンコン受話器に耳をつけて考えた末、居眠りモードにはいった。
「・・・はっ・・・ 座標・・・二・二三六〇六七九・・・一・七三二〇五〇八・・・ ああ〜。」
「カララ、すまん! 恩に着せるぞ! ハッタリ、ルートは5と3だ!」
ハッタリは急いでルート5を自乗して座標をセットした。
「こちらソロシップ、全員戻れ! 敵艦が移動する! 戻らない奴は追いてくよ。」
その声にあわてて戻る一揆軍。その中の何割かはバッフ・クランだった。びよよ〜〜ん・・・間一髪、もえらを残してドロワザンがデスドライブした。やれやれ。
「作戦中止といくか。」
「ベス、惜しいけど追っかけてくれや。カーシャが財布なくしたって。」
「いくら入ってたんだ?」
「ニホンエンで1013円。」
「大金だな。しょうがない、ルート5に移動せよ!」
数分後、ドロワザンはトアル宙域にたどり着いた。
あたりはガス雲が立ちこめており、結構明るいのでドバレストランのレシートの字も読めた。
「ここが目的地のはずだが・・・ 援軍はどこじゃ?」
はるるは目を凝らして辺りを見回したが、そこに映ったのはのこのこやってきた蛙船であった。通りすがりの宅配便に道を聞いてる。
「うぬ。ここまで来たとは誉めてやりたいとこだが、わしもあいにく忙しいのじゃ。」
そういうはるるを気にもせずにソロシップの連中はドロワザンに群がった。
それはまるでサムライアリかピラニア軍団のようで、あちこちをくまなく食い荒らしはじめた。
「くそ。奴らの目当てはこの船か。よし、全員その場を動くな! そこの者、息を止めよ。」
「はるるさま、いかがなされまする?」
「我々は命を懸けて戦ってまいった。
われわれの行為はバッフ・クランの歴史に永遠に輝き続けることじゃろう。
皆の者、最後までご立派に戦うのじゃ! ・・・じゃあね。」
ガシャーン!
はるるは脱出装置のボタンを押した。
「はるるさま!」
「ええい、うろたえるな! 一人一人最後まで仲良くお仕事しててね。」
ドドドォ――ッ と、脱出装置が作動した。
が、操縦室全体が脱出したので、立場をなくしたはるるは孤立して固まった。はるるを見る部下の目がいつかの勇者のようだった。
「皆の者、わしは言ったことはけっして撤回しない。それゆえ、今言ったことはバッフ・クランの未来の栄光のためきれいサッパリ忘れて楽しくやろうと思うのだが異論はあるまいの。」
そうしてはるるはみんなの視線を避けて表を見た。ドロワザンは異星人によって分解されていく。まるで馬尽のように。(見たことはないが・・・)
奴等め、鑑の部品が目当てだったか・・・ しかし、しばらくするとドロワザン潰しにも飽きたらしく、イデオンがこっちに向かってきた。さすがにこの時はわしももうダメダと思った、と後にはるるの絵日記は語る。
「コスモ、あれが最後の敵じゃなくって?」
「そうだ、あれだけ探して無いんだからカーシャの財布はあいつが持ってるんだろう。」
「コスモ! カーシャ! 私情をはさむな、敵をたたいてほこりが出ればそれでいいんだ。」
「了解! 行くぞ、これで終わりにするんだ! 終わらなきゃいけないんだ!」
その時、イデオンの背後から紫色の頭が四角い物体が高速道を降りてきた。それはあっというまにイデオンに落書きをして立ち去った。
ほんっとに一瞬の出来事だった。
「い・・・ 一体何があったんだ?」
「見て! ・・・あいつらがいないわ!」
「・・・逃がしちまった・・・・・・」
イデオンがあきらめてソロシップに帰った頃、そこから百メートルほど離れた岩陰にはるるはいた。宇宙にいるから宇宙服を着ている。はるるは待っていた。
「・・・ ジャジャジャジャ・ジャジャジャジャン・ジャジャジャジャ♪」
『このテーマ曲は・・・』
そこへやってきたのは紫色の重機動メカらしい変態メカだった。到着すると、はしごが降りてきて中から数人の宇宙人がやってくる。どうやらバッフ・クランらしいが・・・
「そこの者、名を名乗れ。」
はるるはそういったが、宇宙では声は届かない。相手の一人がやってきてヘルメットをゴッツンして間接会話をしてきた。これをゴッツン通信という。
「・・・異星人の生態がわからんので観察してたら救出が遅れてしまった。まったく言い訳もしたくないが、申し訳もしない。」
「・・・よくゆう、ダラム。このはるる様が異星人になぶり殺されるのを眺めていたのだろう。そうまでして私に復讐するつもりかこのベジタリアン!(妻子欲主義者)」
「まあそういうな。わしもはるるを助けたのではなく、軍に借りを作っておきたかったのだ。これで軍から当然救援物資がほうびとして我らに配給されるであろう。」
「よくいうわこのエゴイスト!(字が欲、書けない人?)」
「ワシからのささやかなプレゼントもある。バッフ・クランに帰るのに船がいるだろう? そう思って漁船を用意した。魚臭いが三日もあれば帰れるはずだ。」
「おうおう、よくゆうわ。ふん、こんなものでも無いよりましじゃ。ありがたくもらっといてやるわい!」
「勘違いするな。ワシは貸してやるといっとる。ちゃんと洗って返してもらわんと後でワシが青梅財団に怒られる。」
「いいだろう。魚もつけて返したるからそこをどけい!」
はるるはダラムと呼んだその男を蹴飛ばして歩き出した。すると、その辺で片手を頬に当て『傷だらけの人生』のポーズをとってる小心者を見つけた。
「ギジェ?」
はるるはダラムを振り返り、
『・・・つまらぬ者を拾ったな。・・・』
『・・・まあそういうな。あれはあれで再生すればまだ使えそうだからな・・・』
と、お互いジェスチャーで会話した。
そしてはるるは漁船から他の兵をけ落とし、自分の部下も置いてポンポン船で飛び去った。
ダラムとギジェと置き去りにされた兵達はしばらくそこにたたずんではいたが、その後何事もなかったように連れだって立ち去っていった。
何もないからといってもゴミだけは落としていくソロシップ御一行様達。
その天下がいつまで続くか今はまだ誰も知らない・・・・・・・・・・・・