建築記録E〜着工に向けて(4)〜


内装、照明とカーテン

 9月1日の詳細打ち合わせ記録の続きです。

 クロス、照明、カーテンについては、前回Kさんから提案された内容をベースに、微調整を加えながら決定していった。Kさんの提案はおおむね気に入っており、大きな変更はなかった。ただ、前回、保留となっていた「ムース私室」の内装関係については、時間をかけて検討した。

 この部屋は「細長い10畳」「斜天井」という形状に加え、「階段やホールと一体化した空間」という特徴があるうえ、機能についても「仕事場+本棚+寝る場所+遊ぶ場所」とマルチプルなため、イメージを固めるのが難しい。

 主として仕事場となる南半分は、両サイドに造り付けの書棚があり、その間に造り付けの机(カウンター)がはさまれる形となる。そこで、照明は、天井に渡したレールに、スポットライトを左右に二個設置することとした。また、斜天井の中空を走る耐風梁にも、スポットライトを付けて、アクセントとする。

 一方、部屋の北半分は、映像や音楽を楽しみ、夜は布団を敷いて寝る、というスペース。そこで、ここは遊んでみることとした。Kさんの提案をもとに、天井と壁の三方ははっきりした白(塗り壁風のテクスチャーあり)、壁の一方だけを渋いグレー、と変化を付けたクロスに。中空梁も、同じグレーのクロスを巻く。また、壁には、アーティスティックなブラケット照明を付ける。カーテンには、北欧らしい「ボラス」のデザインを選択。クロスとカーテンの組み合わせは、下の写真のような感じになり、部屋全体をちょっとシャープな印象にすることをねらった冒険だ。Kさんの自信作でもあり、仕上がりがどうなるか、楽しみだ。

ムース私室の内装案
追加変更の予算は……

 詳細プランがほぼ固まってきたので、契約後に追加変更した点について、予算を整理してみた。

★減額となる項目
 ・雪止めを取りやめた
 ・天窓(2か所)を取りやめた
 ・玄関収納をコンパクトにした
 ・給湯器(エコキュート)を小型(セミオート)に変更した
 ・内部造作を一部、取りやめた
 ・キッチンの壁を、タイルからパネルに変更した

★増額となる項目
 ・玄関ドアに、明かり取り(サイドライト)を追加した
 ・屋根瓦を東洋瓦の「Earthシリーズ」に変更した
 ・キッチンにアンダーストッカーや浄水器を付けた
 ・内部造作を一部、拡充あるいは変更した
 ・フラワーボックスを2か所付けた
 ・クロスを環境タイプとした
 ・妻飾りを付けた
 ・分電盤を増設した
 ・浴室の壁を変更した
 ・電線類を処理するスッキリポールを付けた
 ・玄関ポーチ柱をリカメキシ巻きにした
 ・ムースシアターの壁を一部ふかした
−−など。

 むむむ、圧倒的に増額項目が多い……

 このまま、再見積もりをかけると、当初予算より、かなりオーバーしてしまう。財布の中身もかなり寂しくなってきており、シビアなコスト調整が求められる段階となってきたようだ。次回の打ち合わせでは、厳しい査定を覚悟しなければなるまい。

 これまで気合を入れて打ち合わせをしてきたので、ぜひやりたい部分と、再検討可能な項目はある程度、めどは立ってきている。スウェーデンハウス様、ワコール様、各設備メーカー様との値引き交渉にも、大きな期待がかかる。みなさま、なにとぞよろしくお願いいたします。

 そろそろ、着工に向けてのゴールは見えてきた。かなりへばってきたのは事実だが、もうひと頑張りしよう。(2002・9・1記)

内装の決定

 残暑がまだまだ続く2002年9月8日、第5回の詳細打ち合わせを行った。詳細打ち合わせは今回で終了の予定で、これまで検討してきた仕様の確認を中心に、午前10時半から午後1時半まで。

 内装は、コーディネーターのKさんとともに、一つ一つ確認していく。特に、変更はなし。ただ、2階廊下に、掃除機用のコンセントを付ける予定になっていることに気付いたKさんから「コンセントと一体になった足元ライトがあるので、これを付けてみたら」と提案あり。暗くなると発光ダイオードが光る仕組みという。夜間は便利そうなので、採用とする。

 なお、この足元ライトの施工例を写した写真に、コンサルタントのY氏が「きれいだ……」と反応。「ほかに付けられるところはないですか?」と畳み掛けてくる。ムース宅は「廊下を極力排除する」のが方針なので、残念ながらY氏のご期待には添えなかったが、「Y氏のお薦めアイテム」にはしっかりと加えられた模様で、今後のコンサルタント活動に生かされることでありましょう。

 コーディネーターのKさん、大変お世話になりました。センスの良い内装にまとめていただき、ありがとうございます。素敵な仕上がりになると期待しています。上棟時には、またよろしくお願いします。ムースシアター完成の折りにはぜひ、「アメリ」上映会をいたしましょう。

 内装関係のおさらいをしておくと−−

★クロス 
 1階広間は、環境クロス「ラフィットクロス」(旭興製)。天然素材を主原料にした織物壁紙。2階は、環境クロス「オレフィン」(サンゲツ製)。非塩ビ系壁紙。ムース私室のみ、白とグレーのビニールクロスを混ぜ合わせ、シャープな雰囲気にする。

★カーテン
 1階 広間用 「BORAS・Algebira」−assisted by Ms.K

 2階 ムース私室用 「BORAS・MALAGA」

 2階 同居人私室用 リリカラ製

★外壁の仕様
 1階 リカメキシ(INAX製) ライトベージュ

 2階 デラクリート(三菱レーヨン製) ユーマ

       (これを下のような「扇型塗り」で仕上げる)

2階バルコニーが地下室?

 設計担当H氏より、建築確認申請に関する役所との協議の結果、指導が入り、建物全体を5センチ南側に移動させたい旨の説明があった。わずかな距離なので、特に問題なしと判断し了解したが、その理由がなかなか興味深いので、ちょっとご紹介します。

 指導の原因となったのは、北側斜線の制限。建物の地盤面から、高さ5メートルの直線を引き、その頂点から「1:1.25」の勾配となる斜線を引く。この範囲から、建物がはみ出さないように設計する必要がある。

 問題となったのは、この「地盤面」の設定。敷地が真っ平らなら、地盤面の位置は、建物が接している地面とイコールになる。しかし、建設予定地は、傾斜地にあるため、敷地内にも若干の高低差がある。

 こうした場合は、地盤の平均の高さ(=平均GL)を計算して出し、ここを建物の高さの基点とする。この「平均GL」の算出方法に、落とし穴があった。

 ムース宅のプランでは、2階バルコニーの一部が、掘り込み式駐車場スペースの上に位置するため、バルコニーの脚が、駐車場スペースの片隅に下りてくる。この点をとらえて、役所の担当者は「脚が建物地盤より低い位置まで下りてくるため、バルコニーの一部は地下構造物とみなされる」と判断したという。

 この部分を地下構造物とみなして、地盤の平均高さを計算しなおすと、平均地盤面が約9センチ下がることになった。このため、当初の建築プランのままでは、北側斜線制限に抵触する恐れが出た、ということだ。

 「2階バルコニーが地下室」とは奇異な見解だが、役所の指導とあらば、仕方ないか。もっとも、バルコニーでも、脚がなければ、このような見解にはならないという。スウェーデンハウスのバルコニーがしっかりした構造になっている点が、裏目に出たか。このあたりは、役所によって見解がまちまちで、時によっては、本格的な紛争の原因になることもあるという。家作りは、いろいろな勉強をさせてくれるものだ。

 上から見た図です(わかりづらくて、すみません)

このような構造です
再見積もりの結果は……

 詳細打ち合わせもほぼ終わりに近付き、契約時点からの変更を踏まえた再見積もりの提示があった。

 先に述べたように、スウェーデンハウスの見積もりは、各項目ごとにきめ細かく提示される。今回は、新しい見積書のほかに、契約時点からの変更項目だけを書き出した書類も提示された。

 これを見ると、変更が生じるのは、大きな仕様変更をした項目だけでなく、工事から設備、造作に至るまで、広範囲にわたっていることがわかる。「水盛遣方」の面積が1平方メートル減って、720円減額−−なんて、細かいものまで入っている。

 特に増額が目立つのは−−

★電気設備工事費
 ムースシアターの電気関係(特殊なコンセント、分電盤増設)、電線類を処理する「スッキリポール」など

★住宅設備工事
 キッチンの仕様変更(アンダーストッカーの設置、キッチンパネルの範囲拡大)、ユニットバスの壁材変更など

−−といったところ。

 やはり、全般的にかなりの増額とはなっているが、値引きで頑張ってもらった部分もあり、予想した範囲内で、まあまあ収まっているといったところか。各項目を精査し、最終調整を行ったうえで、発注にゴーサインを出せば、いよいよ着工という運びとなる。(2002・9・9記)
 




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