5月はフクロウのヒナが巣立ち、森の中へ出て行く季節だ。夜の帳が下りれば森の中はヒナたちの鳴声でとても賑やかになる。 こんな晩こそ新しいフクロウの木を見つける絶好のチャンス。今年も新規開拓とばかりに夜の森をあちらこちらと歩き回ってみた。 手がかりは日没直後に腹を空かして親を呼ぶヒナの鳴声だ。とは言うものの、めぼしいところはほとんど調べつくしてあり、決して容易なことではない。調べはじめて3晩目、見知らぬ森の中からヒナの鳴声が聞こえた。やったぞ!とばかりに闇の森の中をどんどんヒナの方へかき分けて行く。 ヒナは2羽いるのだが、接近してみても全く母親の気配がない。普通ならば、ヒナへの警戒を促す行動を起こすはずなのだが・・・。少々気になったがとりあえずその夜は森を去ることにした。 |
| 翌朝、早起きをして再び森に入り、ヒナたちが巣立った洞探しをはじめた。糞や羽毛などをたよりにヒナが移動してきた方向を探し出すのだが、巣立ってから何日も経っているので厄介だ。 1時間ほどかけて洞を持つそれらしい樹木を探し当て、営巣の確証を見つけようとその樹木を調べ、梢の方を見上げたとき、驚く光景が目に飛び込んできた。 死んだフクロウが洞から身を乗り出しているのだ。昨夜はこの森でオスフクロウが鳴いていたので、この死体がヒナたちの母親であることは間違いない。命が尽きる前に自分のヒナたちのいる洞に戻ってきたのだろう。その亡骸はヒナたちによって洞の外に押し出されてしまったが、枝にひかっかって宙吊りになってしまっている。 |
![]() 眠るように洞からぶら下がるフクロウ |
| それにしても2羽のヒナはよく無事に巣立っていったものだ。オスがメスの代わりにヒナたちを見守っているのだろう。 ヒナたちが気になり、その後も森に入ってみると、やはりオスフクロウはヒナたちの近くにいた。通常オスはメスやヒナから距離をとっているのだが、このオスは明らかにメスの役割も果たしているようだ。 ヒナたちはとても元気そうで当分は大丈夫だろうが、ヒナたちが自立できるまでにはまだ何ヶ月もかかる。果たしてオスはそれまでヒナたちの面倒をみるだろうか?とても心配だ。 ヒナたちが無事に生き抜いていくことができるかどうか、森の外から鳴声をたよりにその成長を確かめていきたい。 |