歯科インプラント

 毎回様々なお口の中の健康についてお話していただくこのコーナー。
今月号では審美的な上顎の磁性アタッチメント義歯と下顎のインプラント
についてのお話です。2004年3月号


Q.現在、上は部分入れ歯、下は自分の歯ですが、歯がグラグラで噛めません。近くの歯医者で、総入れ歯をすすめられましたが、抵抗があり悩んでいます。雑誌でインプラントについて知りましたが、保険のきかない高額な治療ということで迷っています。一度ご相談に伺い、値段によっては治療を考えたいと思っています。(46歳、女性)

A.義歯(入れ歯)でも、いいものを作れば十分な審美的・機能的回復は可能だと思いますが、まだ40代ということですので、総入れ歯になるのに抵抗があるということは、十分理解できます。全顎にわたるインプラント治療により、審美的・機能的回復をなさり、自信と健康を取り戻すことは理想ではありますが、おっしゃるように保険外の高額な治療費となりえますので、安易にできないのが現実だと思われます。そこで、よりリーズナブルな治療費で、最大の効果を出す治療プランとしてご提案いたしますのは、今まで上顎は部分入れ歯になれていらっしゃったということを考慮して、上顎は磁性アタッチメントを応用した義歯(磁石の義歯)として、下顎はインプラント治療をするというプランです。その典型的な症例を下に示しますが、上顎は保存可能な歯に磁性金属(磁石にくっつく金属)付きの根面板装置を接着し、それに相対する義歯の裏面には小型で強力な磁石を取り付けて磁性アタッチメント義歯とし、義歯をより安定化させました。これにより、義歯はより一層はずれにくく、しっかりと噛めるようになるます。それになによりも、歯根を残していますので、歯で噛むという感覚が残され、歯槽骨(歯ぐきの骨)も保持できて、長期的にも安定した義歯となります。一方、下顎は上顎に比べ、義歯を支える土手が少なく、よりしっかりと噛めるようにインプラント(人工歯根)によるフルアンカードブリッジとしました。治療後患者さんは、予想以上に快適になり、自信をもって笑えるようになったとお喜びのご様子です。もちろん、この患者さんは上もインプラント治療が可能でしたが、治療費をより安く抑えるためにこのようなプランを選択なされました。リーズナブルなプランで、十分満足のいく結果が得られたのではないかと思われます。悩んでいるだけでは問題は解決しませんので、まずは詳しい検査を受けられ、どのような治療法があなたにとって最善・最良か検討してみてはいかがでしょうか?

治療前の口腔内所見とX線所見

治療前
治療後

治療後の口腔内所見とX線所見