歯周病
…福山先生、今回お話して頂く歯周病はどのような病気なのでしょうか?
福山−はい。食物が歯の周りに付着し、しばらく経つと、図1のように口腔内の細菌が繁殖し、プラーク(歯垢)となります。プラークとは細菌の塊で、この細菌の毒素が歯周組織の炎症を引き起こします。そして歯周病とは、このような歯の周りの炎症のことをいうわけですが、これには、歯肉に炎症が限局している歯肉炎(図1のA)と骨まで破壊が進行した歯周病(図1のB)とがあります。
…プラークが歯周病の原因なのですね。
福山−簡単にいえばそうですが、歯周病を起こしやすかったり、悪化させる原因には、お口の中の問題だけではなく、年齢や糖尿病などの全身的な問題も関係してきます。今回ご紹介する患者さんは、基礎疾患に糖尿病のある60歳代の男性で「歯が浮いて咬めない」 「朝起きたときに口に膿がたまって気持ちが悪い」などのご主訴でご来院なさいました。
…初診時のイグザミネーション(診査・診断)の結果はどうだったのですか?
福山−全部の歯に動揺があり、いわゆるすきっ歯になっていました。また、歯周ポケット(歯と歯肉の間の病的な溝)は5mm以上で、歯肉の発赤と腫脹、出血、排膿も見られました。さらにひどい口臭や、X線検査では、中程度から高度の歯槽骨の吸収が認められ、重度の歯周病と診断いたしました。
…実際の治療についてや、配慮れた点について教えて下さい。
福山−まず、専門の歯科衛生士による歯面清掃(PMTC)を含むプラークコントロールプログラムうぃ綿密に行い消炎を図り、保存不能な歯の抜歯(3本のみ)と歯周外科処置をていねいに行いました。このような治療により、写真Dのように健康な歯周組織を回復することができました。さらに残存する咬合不全に関しては、小規模な矯正治療と補綴処置により、審美的で良好な咬合状態を再建することができました。またこの患者さんは糖尿病でしたので、専門医による糖尿病のコントロールを図りながら、清掃性の良い歯周組織を回復することに特に配慮しました。
福山−今までずっと違和感や不快感を抱え、悩んでいた歯周病が完治し、お口の中が快適になったと大変喜んでくださいました。この治療で咬合などの機能的な回復だけでなく、審美的にも改善でき、満足して下さったようです。歯の健康はご自身によるケアはもちろん、専門の衛生士による定期的なサポートケアがとても重要です。そして何よりもまず今回の患者さんのように、60歳代でありながら、お口の中の健康に対して、高い意識を持っていただけることが満足度の高い結果となる大切なポイントになります。どんな年齢の方もご自分の歯への高い意識と配慮を持っていただければと思います。
…本日はありがとうございました。