2002年8月号


Q.歯周病で歯グキが徐々に下がってきて、悩んでいます。特に、上の前歯のすき間が気になります。空気がもれて話しづらく、見た目も悪いため笑えません。何かよい治療法はないでしょうか?

A.歯周病などで歯グキが下がり、歯と歯の間が空いて悩んでいらっしゃる方からのご相談を最近多くいただいております。特に上顎の前歯部にこのようなことが起こると、発音の問題や審美的障害が生じてきますので、精神的な苦痛はいかばかりか察せられます。最近では、各種の再生療法(GTR法、エムドゲイン療法など)で失われた歯周組織を取り戻す治療法が発展してきましたが、図1のような歯と歯の間の大きなすき間(ブラックスペース)を元通りに戻すことは、現在でも非常に困難であるといわれています。但し、最新の歯周外科処置により、ある程度の復元は不可能ではありませんので、審美歯科的な修復と複合して行えば大半の問題は解決できるのではないかと考えています。写真1・2は、歯周病で歯グキが下がり、ちょうどご質問と同じような訴えでご来院なさった40代の患者さんの治療終了時のものです。徹底した歯周病の治療と咬合治療により、歯周病の進行を止め、上顎前歯部歯肉のマイクロ・サージェリ−(繊細な歯グキの形成手術)により、左右の歯グキのバランスを整え、歯と歯の間の歯グキの形成を行いました。本症例においては、若干残った歯と歯の間のすき間に対して、虫歯と変色歯の治療をかねて、審美的なオールセラミッククラウンによる治療を行いました。歯の状況に応じて、ダイレクトボンディングやラミネートベ二ア法などのより小さい処置でも対応できると考えられます。歯周病は、知らず知らずの内に発病し、進行してしまう傾向があります。現在は予防の時代です。このようなことにならないように、定期的にかかりつけの歯科医院でチェックを受け、適切な予防処置を受ける習慣をつけましょう。

              写真1・2の術前の状態