Q.歯周病がひどくなり、総入れ歯になりました。今の入れ歯には不満があり、作り替えようと思っています。貴院では、自然に見える入れ歯を作っていると聞きました。それは、保険の入れ歯とどのように違うのか教えて下さい。(52歳、女性)
A.不幸にしてまだ若いうちに全ての歯を失い、総義歯(入れ歯)になってしまったことは、非常に残念なことだと思われます。今後は、十分にかめるという機能と自然で美しいお口元を取り戻し、人生の質を上げていくことが、全身の健康や精神的安定を守っていく上で重要になってくると思います。ご質問に関してですが、総義歯の患者さんは、一人ひとり残っている歯ぐきの土手(どて)の量や形、上下の顎の幅や前後的な位置関係、さらに歯の並び方や好みが異なります。従って、個々の患者さんが美しく自然だと感じる義歯を作るためには、それぞれの状態に合った人工歯と歯並び・咬合状態を、患者さんとの十分なコミュニケーションの中で作り上げていかなければなりません。ところが、保険で義歯を作る場合、製作コストの制約が大きく、使用する材料[人工歯や義歯床(人工の歯ぐきの部分)など]や製作にかけられる時間に、どうしても限界があります。そのため、それぞれのお口の個性や希望に応じた義歯を作ることが、なかなかむずかしいのではないかと思われます。当院では、まず機能的・審美的基準をもとにした治療用義歯を作り、患者さんに使って頂きます。それから、十分な調整を行い、義歯になじんで、かみ合わせが安定した時期に、それを基準として最終的な義歯を仕上げていきます。そして、最終義歯の仮合わせの段階では、高品質な人工歯を用い、義歯専任の技工士の立ち会いのもと、歯並びの入念な調整を行い、患者さんのご要望を最大限にかなえられるようにしていきます。また、最近では、義歯の加工技術が向上し、人工の歯ぐきの部分をより一層リアルに、エステティック(審美的)に再現できるようになってきております(写真1・2)。このように手間をかけ、一人ひとりのお口の個性にあったものを作るようにこころがけていますので、保険の義歯との違いは、ちょうど既製品とオーダーメイドとの違いに似ているのではないかと思います。快適で審美的な義歯は、健康と自信を取り戻してくれます。納得のいく義歯を作られてみてはいかがでしょうか?