Q.上の前歯の冠をかぶせたところの歯グキがいつの間にか黒くなって、非常に気になります。何とか以前のきれいな歯グキに戻せないでしょうか?(32歳、女性)
A.上顎の前歯の歯グキは、会話や微笑んだ時に見える場合が多く、歯並びや歯の色だけではんく歯グキの形や色も気になるところです。拝見しておりませんので、明言はできませんが、冠をかぶせてから歯グキが黒ずんだとすると、原因として、
(1)冠の形態不良による歯グキの圧迫(ブルー・ガム・シンドローム)
(2)歯グキが薄い場合の歯根に発生した広範囲の変色(慢性的な虫歯、使用している卑金属の酸化による変色等)
(3)歯科治療中(歯の土台<卑金属使用>の切削時)に起こる偶発的な入れ墨(代表;アマルガム・タツー)
などが考えられます。(1)の場合は、冠を適正なものにやり直せば、自然と元に戻ることが多いのですが、(2),(3)の場合は、完全にきれいにしようとすると、歯グキの整形手術や移植術、場合によっては抜歯が必要となることがあります。そのようなことにならないためにも、特に前歯部においては、きちんとした歯根の処置と金属を用いない治療(メタル・フリー・トリートメント)をすることが望まれます。現在当院では、前歯部において神経がない歯の場合、ファイバーポスト(しなり方が歯と同等で歯根破折を起こしにくいグラスファイバー)を用いた天然の歯の色のハイブリッドレジンコア(歯の土台:図1)とオールセラミック冠による治療を行っており、自然な透明感のある仕上がりとなるように心掛けています(写真1,2)。この場合、全く金属を使用していませんので、金属アレルギーの問題や歯グキの変色などは一切起こりません。いずれにせよ、原因をはっきりさせた上できちんと治療をすれば、簡単に解決する問題ではないかと思われますが、前述の3つの原因の他にも非常に稀ではありますが、腫瘍(しゅよう)が発生している可能性もありますので、一度詳しいお口の検査を受けられてみてはいかがでしょうか?