インセラムと仮の歯今月号で、福山先生にご紹介して頂いたのは“インセラム(オールセラミッククラウン)”について。症例写真を交えながら、お話して下さいました。
−−福山先生、今月号でご紹介して頂ける“インセラム”とは何ですか?
福山−全てポーセレン(陶材)でできたクラウン(かぶせ物)のことです。従来よく使われる“メタルボンド”は金属の表面に陶材を焼きつけたものです。そのため内側(舌側)に金属が見えることがあり、歯ぐきの変色、金属アレルギーの方への影響や味覚が変わる場合があるなどの問題点が挙げられます。しかし“インセラム”に関しては金属を全く使わないという点から、優れた生体親和性や天然の歯のような審美性があります。そのため歯ぐきの変色もなく、金属特有の味の変化もないなどの長所が挙げられます。そして強度や寸法精度も非常に高いんですよ。
−−インセラムの治療でポイントとなるのは、どのような点でしょうか?
福山−−まず患者さんが治療中に歯のない状態で生活を送らないための“仮の歯”を作ります。仮の歯は単に患者さんの日常生活への配慮だけでなく、インセラムを作るうえでもとても重要な役割を待っています。この仮の歯は歯科治療のあらゆる場面でも必要となります。
−−仮の歯はインセラムを作るうえでどのように利用するのですか?
福山−−歯の長さや大きさ、噛み合わせの関係や顎の動きなどを考慮し、調和を確認するうえでの重要な参考材料になります。それをもとに限りなく自然な歯の形や色に近いインセラムを作ります。
−−症例の患者さんの歯も、自然でとてもきれいな歯になっていますね。
福山−−よりよいインセラムを作るためには、私どものテクニックはもちろんですが患者さん自身が実際に治療を行っていく中で、日常生活での仮の歯の状態や審美的な面、感覚的な面、また家族や友人など周囲の人たちの評価など、どんなことでも遠慮なく伝えて頂きたいですね。そのうえで最終的に患者さんと私ども双方が満足したものをセットします。全ての治療において言えることですが、患者さんの希望や感想を十分聞いて治療をすすめることは、より理想的で満足のある結果のためにとても大切なことだと思います。
−−本日は、ありがとうございました。

