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−−福山先生、今回はモートン歯科クリニックで行われています歯科インプラントについて詳しくご紹介して頂けるということですが、どのようなタイプのインプラントでしょうか。
福山−はい。以前にもいくつか症例をご紹介しましたが、当クリニックで用いているインプラントは主としてブローネマルクシステムというものです。現在いろいろな種類のインプラントがありますが、このインプラントは世界中で最も科学的データのある、研究の進んだインプラントのlつです。
−−具体的にブローネマルクシステムとはどのようなインプラントなのですか?
福山−このインプラントは、40年以上も前からスエーデンで基礎研究が開始され、基本的には図氓ノ示しますように、純チタンでできた人工歯根の部分(フィクスチャー)と土台(アバットメント)、さらに歯冠の部分の3つのパーツに分かれた構造となっています。最近では、歯根と土台が一体となったものも開発されました。フィクスチャーの直径や長さもいろいろと揃えられていて、様々な症例に幅広く道用できるように設計されています。また、骨質の悪い症例にも適用できるタイプのフィクスチャー(TiUnite)も最近開発され、ますます発展しているインプラントなんですよ。
−−非常に高品質なインプラントということですね。それでは、一般的に気になることをお間きしたいのですが、このインプラントは通常どのくらいの耐久性があるのでしょうか。
福山−ブローネマルクシステムは、l965年に、全ての歯を失った患者さんに初めて適用されました。30年以上を経過した今日も、そのインプラントは完璧に機能を果たしているということです。しかし100%このインプラントが20年、30年と機能するわけではありません。お口の手入れが悪い場合、へビースモーカーの場合、あるいは骨質が極端に悪い場合、不良な全身的な状態や疾患(慢性的な疲労、コントロールされていない糖尿病、白血病などの免疫不全状態、膠原病等)になった場合などは、インプラントも失われることがあります。厳しい評価基準を設けた多施設の共同研究では、5年間で89〜100%の成功率が報告されています。
−−インプラントの利点にはどのような点が挙げられますか?
福山−何といっても、出し入れ式の義歯では得られない、審美的・機能的改善が得られるということです。特に臼歯部においては、強い咬み含わせの支持が得られますので、残っているご自分の歯の保護や咬合の安定のためには大変有利です。
−−実際の症例をご紹介していただけますか?
福山−今回ご紹介する患者さんは55歳の女性で、両側の上顎臼歯部の歯を失い、インプラント治療を希望され、ご来院なさいました(写真A)。
−−初診時のイグザミネーション(診査・診断の結果はどうだったのですか?
福山−下顎に残根や不良補綴物が見られた他、面側臼歯部の咬合支持が失われ、咬合が不安定でした。また、大きく口を開けると、顎関節がガクッとはずれ、閉口しにくい状態になっていました。
−−実際の治療の手順や配慮された点について教えて下さい。
福山−まずプラークコントロールプログラム、残根の抜歯、プロビジョナルレストレーション(仮歯と仮義歯による修復)を早期に行い、口腔衛生状態と咬合バランスの改善を図りました(写真B)。この時点で患音さんは随分快適に噛めるようになりましたが、顎関節の機能はまだ不安定でした。その後インプラントの1次手術(人工歯根の埋め込み)を行いました。上顎の場合、人工歯根と骨がしっかりと結合するまで6ケ月間を要します。この間義歯の使用が可能で、口腔の機能や審美性を失うことなく過ごすことができます。また、この間に下顎の最終的な補綴処置を行いました。写真D-1は、十分な治癒期間をおいて、インプラントの土台を連結したところですが、咬合の安定性を回復する目的で仮歯による修復をまず行いました(写真D-2)。その後、咬み合わせの調整を何度か行ううちに咬合の安定性が得られ、顎関節の機能も著明に改善してきました。そして、その咬合状態を参考に、最終的なインプラントの歯冠修復を行いました(写真C)。
−−冶療後の患者さんの反応はどうでしたか?
福山−ご自分の歯のような感覚で、強く噛みしめることができ、また審美的改善の他、顎関節の機能も改善し、満足のいく結果に大変喜んで頂いています。現在、歯科インプラント治療の発展は目覚ましいものがあります。今後も、最善の歯科医療(Excellent Dentistry)を目指し、勉強や研究に邁進する所存です。 −−本日はありがとうございました。 1999年6月掲載
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