ラフコリーの耳セット

耳の矯正について

コリーは半立耳がスタンダードとされています。
しかし、実際のところ何も手を加えないと自然に立耳になってしまう例がほとんどです。
もちろん、立耳でも全く支障はないのですが、やや表情がきつく感じられると思います。
コリーのやさしい表情を生かすためにも、耳の矯正は極力やって欲しいと思います。

矯正の時期、方法についてはブリーダーさん個人によっていろいろです。
ここでは、我が家でやっている方法をご紹介いたします。
耳の形など個体差がありますので、あくまで参考までに。

何時頃から始めるか?
コリーの子犬は生後2ヶ月くらいまでは大体たれ耳の状態です。
しばらくして(個体差はありますが)、だんだんと立ち上がってきて、片方が立ったりしてきます。
我が家では遅くとも片方が立ちあがってきた時点で、矯正を始めるようにしています。
耳の大きさ、つき方、形などにより、その時期はまちまちです。
できればまだ両方の耳が立ちあがっていない時期に、早めに始めるのが良いと思います。

何時まで続けるか?
これもあくまで個体差がありますし、それまでの矯正の成果によっても違ってきます。
私は最低生後8ヶ月までは続けてもらうよう、里親さんにはお願いしています。
早い子は8ヶ月くらいで軟骨が固定されます。
でも、体の成長が続くうちは続けて欲しいので、目安として生後1歳までとしています。
その間、しっかりと矯正をしていれば、その後の矯正はいらないと思います。

ただ、何度か外れてしまったまま放置していたり、外れかかったままにしていると、
固定が不安定になっているので完全には形ができません。
その場合は更に続ける必要があります。
たとえ数日でも、外れたままにしていると立ち上がってきてしまいます。
一度立ち上がると矯正がうまく行きませんので、すぐにやり直すことが大切です。
ちょっと大変ですが、マメに続けることが成功の秘訣です。

耳よせの矯正について
耳を半立耳に矯正するのであれば、両耳を中央へ寄せて矯正する「耳寄せ」は本来必須ではありません。
でも、ほとんどの方が耳寄せの矯正も同時にやっています。
これはあくまで、外見上、耳が正面にキリッとむいていた方が表情がよく見えるとかいう理由からなのですが、
ペットして飼われる場合にはあえてやらなくても良いと思います。
ただ、現在では一般的に行なわれているケースが多いようです。
耳寄せについては生後8ヶ月程度でやめてしまっても、ちゃんと固定されるように思います。

コリーの子犬はペットショップに出回ることは稀です。
ほとんどはブリーダーさんから直接譲渡されると思います。
出来ればそのときに、耳の矯正方法を教えていただくか、
矯正時期にもう一度訪問して直接実演していただくのが一番良い方法です。
一般的に獣医さんや美容院ではやってもらえません。


耳の矯正をしないと・・・

最近のコリーは耳の矯正をしないと、ほとんどは立耳になってしまいます。
下の画像はパーちゃんです。パーちゃんは立耳ではありませんが、風に吹かれて立ち上がっている状態の画像を見てください。
たれているときと比べ、表情がきつく見えます。コリーらしいやさしい表情には、耳の形がいかに重要かお分かりいただけるかと思います。

精悍な感じですが、コリーの持ち味はやさしさです。
やっぱり、こっちの方がいいよね。

耳の寄せをしないと・・・



耳の寄せは個体によってはやらなくても結構しっかり寄せる子もいますので、必ずしも必要ないように思います。
ただ、ほとんどのブリーダーは耳寄せをやっています。頭蓋の広い子はうまく行かない場合もあるようです。
ドックショーに出る子は必ず耳寄せをします。でも、ペットとして飼われるのであれば必要ありません。
ショーでは、表情に緊張感が生まれ、頭蓋が広く見えないようにという目的から耳寄せをします。
我が家ではマーク(右端)だけは寄せをしませんでした。折のほうは耳の先端だけを貼り合わせる方法で固定しました。
耳の形は出来ていますが、やはり耳の間が開いてどことなくぼやけて見えます。
パーちゃんとくらべると、耳の間が開いているのがお分かりいただけると思います。
ただし、耳寄せの矯正は本来と違う、不自然な形にするわけですから、嫌う人もいます。



図解!我が家の耳矯正!


すみません、子犬のモデルがいないので、ほぼ成犬のヴィクトリアで解説させていただきます。
子犬ではテープの大きさなどが耳にあわせて小さめになります。
また、この方法は矯正後期の我が家での方法です。
実際は生後6ヶ月くらいまでは耳全体をぴったり貼り付けるやり方です。
(耳全体を貼り合わせる方法については、他所HPで解説されているとおり、
絆創膏の粘着面を外側にして輪っかにし、折り曲げた耳を貼り合わせます。)

我が家では生後6ヶ月過になるとはがれやすくなってくるので、以下の方法に変えています。
ほぼ、耳の折れが出来れていれば、この程度でも形が出来ます。
また、耳の皮膚が弱い子で、耳全体にテープが貼れない子にもお勧めします。

セルフ撮影なので、ちょっとわかりにくいですが、お許しください。



用意するもの
1) 99%エチルエーテル
店頭にはありませんので、薬局で取り寄せます。矯正テープを取った後のベタベタを除去する時使います。
この瓶で1500円くらいです。火気厳禁、大量に吸うと麻酔作用がありますので、換気に注意が必要です。
小さなネズミなどはエーテルを充満させた中に入れると、数分で死んでしまうほどです。
また、多少除去力が弱いのですが、エナメルリムーバー(除光液)でも代用できます。
人によってはシンナーを使う場合もあります。
肌への刺激は少ないようですが、臭いが強烈です。

2)小分け用ガラス瓶
エーテルは一応危険物です。私は小分けして瓶に移して、本体は別の場所に保管しています。
できればガラス瓶のほうがいいと思います。これは化粧水の空き瓶。ノズルがついているので使いやすいです。
プラスチックなど樹脂のものはエーテルで溶けてしまうかもしれません。

3)化粧用コットン
これにエーテルを塗布して耳を拭きます。

4)ハサミ
テープを切ったり、毛糸を切ったりします。テープを切ると、接着剤が付着し、切りにくくなってきます。
そうしたらエーテルを塗布したコットンで刃を拭いてください。
できれば別に、耳の毛を切るためのハサミもあるといいです。

5)中細毛糸
耳寄せに使います。セーブルの子なら茶色、トライなら黒が目立たず、良いと思います。
ヴィクトリアは耳が白系なので白を使いました。
これはアクリルですが、ウールの方が滑りにくくて良いと思います。

6)両面テープ
ここでは使いませんが、最初のうちの耳全体を貼り合わせる方法では使います。
輪っかにしたテープの間に挟むようにして、輪っかが平らになるようにします。
または矯正テープの非接着面をこれで貼り合わせて両面テープ状にします。

7)ユートクバン No.25
矯正テープとして使います。必需品ですが、店頭には置かれていません。
薬局で取り寄せるか、コリークラブのイベントでも販売されている場合があります。
1個300円くらいです。念のため、3個くらいは用意した方がいいでしょう。
医科用で非常に接着力が強く、かぶれ防止の成分が入っているそうです。

8)他
ここにはありませんが、最初耳の内側の毛をそり落とすときに、人間のうぶ毛用シェーバー(女性用)を使っています。
ハサミで丁寧に切る方法もありますが、シェーバーの方が安全で、根元からキレイにそり落とせます。
また、圧倒的に早いです。ただし、音がするので嫌がるかもしれません。


いざ、開始!!
まず、耳の内側の毛をシェーバーでそり落とし、エーテルを塗布したコットンで脂分を除去します。
耳の回りのけも余分な毛や、邪魔な毛は切ってしまいましょう。

モデルわんこ
 背が高くて足と首が長い、人間ならスーパーモデル、我が屋の問題児ヴィー。
ユートクバンを、あらかじめカットして準備します。
4cm長さを2枚(画像では1枚ですが)、
2cm長さを3枚、
3cm長さのものを半分に切ったものを2枚
これで片方分ですので、この2倍準備します。

毛糸を20cmくらいにカットし、2本用意します。

子犬のときはこれより小さいサイズにします。
まず、2cmのユートクバンの半分のところに毛糸を乗せます。
こちらは接着面です。
その上にもう1枚乗せます。手前が接着面です。
毛糸をこのように片方に寄せます。
最後に、残りの1枚を乗せます。
手前は接着面です。
3枚とも、接着面が同じ向きになります。
接着面同士がくっつかないようにしてください。
こんな形になります。
これが耳寄せにつかう部分となります。
耳の半分から少し下のほう、内側寄りに4cmのテープを貼ります。
ちょっとボサボサしていますが、本当はもっと耳の毛をカットして
やったほうがいいです。
その上に耳寄せ用のテープを貼ります。
しっかりと抑えて固定してください。
さらに、もう1枚の4cmテープを最初のテープより少し外側にずらして
上から貼ります。(耳寄せテープを押さえるように)
さらにしっかりと押さえて固定します。
同じようにして反対側も貼っていきます。
両方貼った状態のヴィクトリア。
耳の先端に半分に切ったテープを貼ります。先端1cmくらい。
こちらは非接着面です。
念入りにしっかりと押さえます。
耳を半分に折り、耳の外側の下の毛にテープを貼ります。
フワフワした毛を巻き込まないよう、耳の付け根付近の
短い毛につけるようにします。
内側から貼るような感じになります。
しっかり押さえてください。
残りのテープを上から貼り、耳の先端と根元の毛を、最初のテープと挟み込むような形にします。しっかり押さえて固定します。
耳の毛を確認し、余分な毛を巻き込んでいたりしないかチェックします。
巻き込んでいると突っ張るので、いやがります。

上に貼るテープは目立つので、トライなら黒、セーブルなら茶色に塗ると目立たなくなります。
こんな感じです。
ちょっと深めにおり曲がるような位置で固定してください。
耳寄よせをしない場合は耳の先端だけを折り曲げて固定するだけです。
耳寄せのテープとそれを固定するための4cmのテープは不要です。
また、生後8ヶ月くらい以降、耳寄せが固定されれば、耳寄せは不要です。
両方貼り終わったヴィクトリア。ふてくさっていますが・・・。
耳の間にコットンを乗せます。頭の毛を巻き込まないためです。
両方の耳につけた毛糸を寄せ、いっぱいまで寄せたら結びます。
3回くらい結ぶと緩みにくくなります。
また、時間がたつと緩んでくるので、解いて結びなおします。
結び終わったらコットンを抜き取ります。
しっかりと3回、結びます。
余分な毛糸をカットします。
1.5cmくらい残すと結びなおしが楽です。
出来ました。ちょっとテープが目立ちますが。
わかりやすいように長めに切ったのですが、もう少し短くてもいいです。

「ねー、モデルのご褒美ちょーだいよっ!」


ヴィクトリアは生後11ヶ月くらいで外しました。斜め上を向いても倒れている、綺麗な耳に仕上がりました。


ペット向けの固定方法です。寄せはしていません。耳の先端と根元の毛を寄せてくっつけただけです。
テープでなくても、マツゲのりなどでくっつける方法もあります。


我が家の耳矯正の歴史(?)

我が家ではヴィーで5頭目の耳矯正となりました。
ここで矯正方法についてご説明するのは、実は迷いました。
だって、まだまだ経験不足だし、本当はもっといい方法があるだろうし・・。
しかも、お恥ずかしながら、これまではずっと失敗してきたのです。
そのおかげで、いろいろ注意点、問題点がわかってきたわけですが・・・。
それでも、少なからず繁殖をしている以上、ちゃんとしなきゃと思い、このページを作りました。
耳の矯正は根気がいる作業です。大抵は最初の子は失敗します。
私は最初どころか、失敗の連続でした。これまでの反省点を含め、ここに紹介したいと思います。
矯正方法はベテランの方の指導を仰いだり、セミナーに参加したり、それに自己流をくわえたりして、
そのときによって多少やり方を変えながら今に至っています。

ペットのマーク
マークはブリーダーさんにペットとして選別された子でしたから、ショーに出すつもりは全くありませんでした。
ですから、耳寄せの矯正はせず、立耳にならないための矯正だけにしました。
方法は図解したとおり、耳の先端だけをちょこっとつける方法でした。私が初めてコリーを飼った25年前はほとんどこの方法でしたし、耳寄せはショーに出る子でもやっていませんでした。
マークは比較的耳の固定が早く、生後8ヶ月でテープを外しましたが、立ち上がってきませんでした。先端が少し折れている程度ですが、真上をむいても折れたままで、よほど風に吹かれない限り、立ち上がりません。
かなりしっかり固まっているようです。でも、その後ショーに出るようになって、耳が寄らないのがとても気になる欠点となってしまいました。特に男の子はだらしなく見えてしまうということもあり、ショードックの耳寄せの大切さを痛感した次第です。
根気が足らなかったローズ
ローズは最初からショードックとして迎えました。コリークラブのイベントに参加し、そのときにベテランの方に指導してもらって矯正の方法を実習しました。生後6ヶ月頃まではちゃんとやっていたのですが。
その後、テープがはがれやすくなり、つい2,3日ならと放置してしまうことがしばしばありました。それが積み重なって、なかなか思う位置で耳が固定されず、1年を過ぎてもうまく形が出来ませんでしたl。ショーに出陳する直前にテープを外し、リングに上がる・・・という具合でした。
テープを外すと時折立耳になってしまこともあり、2歳に近くなってもテープをしていました。けれど、2歳になる直前に出産、そのときにしばらく矯正をやめていたのですが、なぜかその後はキレイに耳が折れるようになったのです。出産により、体質が変化したのかもしれません。
2歳にして、ようやく矯正テープを外すことが出来た次第です。
応うまくいったけど・・・パーちゃん
パーちゃんはローズの時の反省をふまえ、はがれたらすぐやり直すを繰り返し、がんばりました。生後8ヶ月くらいで外してみて、その後立ち上がらなかったので矯正はやめました。
形も左右対称にキレイに出来たのですが、問題点がひとつ。普通にしているときはいいのですが、ちょっとでも上を向いたり、向かい風を受けたりすると立ち上がってしまうのです。これは耳の質も関係していると思うのですが、しっかり形はできているのに・・・と、なんとなく納得がいきませんでした。
災難つづきだったつっちゃん
つっちゃんは丁度パーちゃんと40日違いでしたから、一緒に矯正をしていました。つっちゃんはパーちゃんに比べると耳が若干小さく、特に小さいときはやりにくかったです。
つっちゃんが生後4ヶ月になったばかりの頃でした。なんとなく左耳がおかしいなと思い、確認のためテープを外したのですが・・・・耳の内側、丁度折り曲げる場所くらいの位置が、膨らんでいたのです。すぐにそれが耳血腫だとわかりました。耳血腫は重症例では耳の原型をとどめないくらい変形してしまうと聞いていました。しかも、一端発症してしまうと内科的な治療法はなく、外科手術も困難、とにかく炎症が治まるのを待つしかない、そしてほとんどは後遺症として耳の変形が残ってしまう・・・・。
とりあえず、獣医へいきましたが、やはり結果は同じでした。これ以上範囲が広がらないことを祈るしかありませんでした。内出血を起こしている場所の腫脹が治まるまで、とにかく矯正は出来なくなりました。それどころか、ショードックとしては絶望的なことでした。
幸い、その後範囲は広がらず、炎症は治まりました。しかし、やはりその場所に変形が残ってしまうことになりました。本来はもう少し深めに折り曲げるべきだったのですが、耳血腫の後遺症として現在の位置でかたまってしまったのです。何とか立耳にはなりませんでしたが、この後遺症による変形を、ジャッジによっては外科手術で耳を垂らしたと勘違いする事もあるのではないかといつも心配しています。

さらに生後6ヶ月のときでした。恐ろしいことが起こってしまったのです。パーちゃんとの諍いから、ローズまで加わり、耳血腫が治ったばかりの左耳が引き裂かれてしまったのです。根元から縦に、真っ二つに軟骨ごとパックリ裂けていました。丁度祝日の夜でした。近くの獣医は不在です。頼りになるのは車で1時間の病院だけでした。幸い、受け付けてくれることになり、大急ぎでつっちゃんを運びました。すぐに手術、そして入院となりました。先生に事情を話し、極力跡が残らないようにお願いしましたが、不安でいっぱいでした。
その後、つっちゃんは元気に退院、1ヶ月ほどはエリザベスカラーをつけて生活していました。抜糸後は順調に回復し、現在ではほとんど形跡さえ残っていません。あの時すぐに手術をしていなければ、耳は割れたままだったと思います。
そんなことが重なり、つっちゃんの左耳は矯正が出来ませんでした。もちろん、耳寄せもです。右は左の変形にあわせ、ビッコにならないように高い位置で固定しました。ですので、ちょっと立ち気味になっています。
つっちゃんは度重なるトラブルにもめげず、明るく育ってくれました。結果として耳の形は失敗してしまったのですが、最悪の状況を避けることが出来ただけでも幸運だったと思います。
耳血腫になったときのつっちゃん。
左耳の内側が膨らんでいます。
この部分が内出血をしている場所です。
内出血が引いた後、この部分が収縮し、
変形してしまいました。