安曇野めぐ留

安曇野めぐ留さんのライブ情報。詳しくは「公式HP」で。

2005年7月10日更新

第54話 不穏な空気

 先日は、武蔵小杉にあるFM川崎の生放送に出させて頂いた。新しいCDのリリースも近い事もあって、一時間の番組のゲストはすごくありがたかった。生放送というのは実は初めての経験で、始まってしまうまでは「変な事しゃべっちゃわないか?」なんて心配事もたくさんあった。出迎えてくれたパーソナリティの宮下敏子さんはとてもさわやかな素敵な女性だったが……挨拶の後、開口一番に私の左手の数珠を見て「感の強い人ですか?」と聞いてきた。彼女も数珠をしていて、"感"が強いらしく……わかるらしい。
 昔から、良い人悪い人を自分の"感"で決め付けるのは私の短所ではあるけれど、大人になるにつれて鈍くならないように心を清めるのも大事な自己防衛だと、自分に素直である事と塩撒きや数珠はかかさないでいる。曾曾ばあちゃんはそういう仕事をしていたし、私も嫌な予感など外れた事はないから、何かの気配やどうにもならない力をすごく信じてもいるのかもしれない。CMの合間にも話してくれたけれど、さぶいぼが立っていたらしい……まずいなぁ……。それでも彼女のすごーく明るい笑顔にすっかり乗せられ、本番はなんとかクリアしたが、帰宅してもそれがやっぱり気になる。このところ外出も多く、カビの胞子や大家さんの撒いた除草剤が怖くて、あまり窓を明けていなかった。確かに最近困った事はたくさん起きているし、気の流れも悪かったのかなと、大量の塩と掃除などもしてみたりした。でも一番恐ろしいのは生身の人間! ちゃんと確認しながら鍵もかける。
 ある日の23:00過ぎに、家の外に不審者を見つけた。それも玄関の前ではなく、裏の窓と隣の塀の30cmもない隙間にだった。はじめはカーテンの隙間に白い丸が見えて、いつもと違う風景に「ん?」と思ったくらいだったが、両目1.5の私にはすぐに坊主頭の顔が発見できた。近くにお墓も多く「まさか〜」とは思ったけれど、一瞬にして人間だと確認し、家族を小さい声で冷静に呼んだのだけれど、立て付けの悪い家なので、気づいた事に気づかれ……逃げられてしまった。すぐに110番通報したけれど、こんなのは現行犯じゃなきゃ意味がない! たいした確認もしないまま、おまわりさんもそそくさ帰ってしまった。翌日、大家さんの家に足跡を発見したものの、警察に報告する前に「今度来たらちゃんと足跡が残るように」って耕してしまうし、周りの犬も朝の4時からワンワン大合唱するわりに、肝心な時は吠えてはくれない。前の家などに状況を説明しても、「へぇ〜」なんて返ってきたからおかしいなと思っていたら、よくよく調べるとこの近所はここ十年の間にのぞきはん3人が捕まっていて、それ以外にも犯人が明らかになっていないものが何件もあるらしい……ウソーん。また空き巣やちかん……が集中しているらしい。やっぱり「家賃を払いに行ってキャッシュバック!」なんて話、おかしいと思ったんだ! また二階の奥さんの話じゃ私の前にこの部屋に住んでいた家族は、いい新車を買ってすぐ、その車と奥さんが失踪したらしい。笑うしかないけれど、不動産屋さんも少しは教えてくれたらいいのにと、やるせない気持ちになる。
 今では一日に何度かは、「異常ありません」のパトロールカードがポストに届けられ、玄関前の電信柱には『パトロール強化中。町内会』の派手なポスターが輝いている。