☆長野県南佐久郡臼田町・山の神☆
当時長野におられたKさんに教えていただいた、黄鉄鉱の産地です。
石英脈の中から、非常にシャープで輝きの強い結晶が出ます。
既にかなり掘り込まれているので、採集は容易ではありませんが、
細かいものならまだ採れるようです。
☆長野県南佐久郡佐久町・余地鉱山跡☆
ズニ石の産出で有名な蝋石鉱山です。
真田町の信陽鉱山と同様、山の尾根をざっくりと削って大々的に露天掘りをしていましたが、
数年前に採掘を中止してしまいました。
現在は植林された木がだんだん茂ってきている状態です。
松原聰著『フィールド版 続鉱物図鑑』(丸善1997)に案内がありますが、
現在では入口に立入禁止の看板があったりしますので、ご注意ください。
鉱山に向かう途中の事務所で許可を取ってから入りましょう。
採集対象となる種類は、ズニ石のほかに黄鉄鉱、石英(高温石英仮晶)、褐鉄鉱類、葉蝋石などがあります。
ほかにも赤鉄鉱や鉄明礬石、トパーズなども出るらしいのですが、まだお目にかかっていません。
名物のズニ石は最上段にまだ多く産出しています。
葉蝋石の空隙に結晶が付いているタイプと、褐鉄鉱中にびっしりと含まれているタイプがあります。
ズニ石は特徴的な正4面体に結晶する鉱物で、
本来は無色透明てすが、褐鉄鉱類により色がついているものもあります。
たいていはごく細かい結晶ですが、ここのものは最大3o程度まであり、
ズニ石としてはかなり大きなほうではないでしょうか。
画像上段右は葉蝋石中の結晶、下段左は褐鉄鉱中のもの(左)と、葉蝋石中のもの(右)です。
その他、ぜひ採集しておきたいものとして、高温石英(正確には、高温石英の仮晶の石英)があります。
ここの高温石英は非常にシャープな結晶で、透明感があり輝きも強く、最大1cmに達します。
ズニ石と同様、褐鉄鉱類に鉱染された葉蝋石中に多産します。
画像上段左は褐鉄鉱中の算盤玉形のきれいな結晶です。
また、ここの褐鉄鉱類には、いわゆる“虹の石”と呼ばれるタイプがあり、
ごく薄い皮膜状ですが、とてもきれいです。
雨の日に路面にできる油膜にも似ています(笑)
画像上段の中3枚がそのバリエーションです。
鉱石として採掘されていた葉蝋石は、白色塊状のなんでもないタイプですが、
時々空隙があり、そこにごく細かい結晶が出ています。
国産の葉蝋石の結晶は珍しいものです。
画像下段右の、純白の部分が結晶です。
画像では分かりにくいですが、実物はチカチカと光っています。
石英 Quartz |
針鉄鉱1 Goethite 1 |
針鉄鉱2 Goethite 2 |
針鉄鉱3 Goethite 3 |
ズニ石1 Zunyite 1 |
ズニ石2 Zunyite 2 |
葉蝋石 Pyrophyllite |
☆長野県南佐久郡佐久町・本郷鉱山跡☆
硫砒銅鉱の産出で有名な産地で、
松原聰著『フィールド版 続鉱物図鑑』(丸善1997)に案内があります。
数年前までは、沢沿いに幾つか坑道が口を開けていたんですが、
最近になって、危険防止の目的で金網が張られてしまいました。
ズリもあるにはありますが、良い硫砒銅鉱は坑道内からしか採れませんので、絶産ということになります。
ほかに、石英や黄鉄鉱も産出していました。
画像左は塊状のもの、右は左下に細い結晶がついています。
☆長野県南佐久郡佐久町・大日鉱山跡☆
蛇紋岩中のクロム鉄鉱を露天掘り?で採掘していた鉱山で、現在は草木も生えないまま土留めされ放置されています。
蛇紋岩鉱物やクロム鉱物が豊富で、水滑石、コーリンガ石、クロム鉄鉱、クロム苦土鉱、苦灰石、霰石、アルチニ石、
水苦土石、ダイピング石、コーリンガ石、灰クロム柘榴石、透輝石、斜緑泥石(菫泥石タイプ)などが産出しています。
現在ではあまり良いものは採れず、クロム鉄鉱や灰クロム柘榴石などの並品が時々採れる程度ですが、
たまに変わったものがふと採れたりして、なかなか飽きない産地です。
画像上段左はクロム鉄鉱(またはクロム苦土鉱)と思われる鉱物で、大きな塊として出るタイプと、
画像のように黄色の蛇紋岩中に数oの黒い粒として含まれるタイプがあります。
時々、灰クロム柘榴石や菫泥石を伴います。
その隣は霰石と思われる結晶、次はダイピング石と思われる白色魚卵状の鉱物で、
この標本採集後何度か訪れていますが、あれ以来どちらもお目にかかっていません。
次は、鮮やかな緑色が特徴的な脈状の灰クロム柘榴石と、紫色が特徴な菫泥石です。
いずれも、必ずクロム鉄鉱に伴っています。
灰クロム柘榴石はガーネットの一種ですが、
大きな結晶が採れないので宝石としてはほとんど出回っていません。
国産品ではせいぜいこの程度が限界でしょう(泣)
一方、菫泥石は紫色の斜緑泥石のことで、ここでは灰クロム柘榴石より更に稀な存在です。
下段左画像は母岩の蛇紋岩です。
蛇紋岩は、リザード石、温石綿(クリソタイル)、アンティゴ石など、
何種類かの鉱物によって構成されていますが、
ここのものはどれを主体にしているのか分かりません。
(自分は暫定的に、黄色っぽいものをリザード石、黒っぽいものをアンティゴ石としています)。
山のように産出していて、色も質も様々です。
この標本は特に色がきれいなもので、鮮緑色の部分は透輝石かもしれません。
下段右は、温石綿です。
灰緑色の蛇紋岩の表面にくっついていたのをひっ剥がしてきました(笑)
まだたくさん産出しています。
ちなみにこの鉱山の蛇紋岩はすぐ西側で断層になって途切れており、その向こうは中生代白亜紀の泥岩露頭で、
「石堂」という名前で有名な化石産地があります。
巻貝類、二枚貝類、アンモナイト類、ウニ類の化石が産出します。
クロム鉄鉱 Chromite |
霰石 Aragonite |
ダイピング石 Dypingite |
灰クロム柘榴石 Uvarovite |
斜緑泥石 Clinochlore |
アンティゴ石 Antigolite |
温石綿 Chrysotile |
☆長野県南佐久郡南相木村・栗生採石場跡☆
美しい草緑色のガーネットの産出で有名な産地です。
山の斜面に巨大な大理石(糖晶質石灰岩)塊がゴロゴロしていて、
その間にスカルン鉱物が転がっています。
一昨年、デマントイドが多産するポイントが発見され、
あっと言う間にかなりの人が入り、大穴が空いてしまいました。
おかげで現在では、立入禁止措置が取られてしまいました・・・。
入口に鎖が張られ、管理業者名義で立入禁止の札が付けられています。
無茶なことをする一部の採集者によって、また良い産地のひとつが犠牲になってしまいました(怒)
したがって、この産地での採集は厳禁です。
下記の画像を観て楽しんでください。
ここの名物のガーネットは、黒色〜褐色〜緑色系の色彩変異があり、
共産鉱物や結晶形から、灰鉄柘榴石と思われます。
特に草緑色のものはデマントイド、蜂蜜色のものはトパゾライトと呼ばれ、
珍しい宝石として珍重されています。
大きな結晶では、径3cmほどにもなります。
画像上段右2枚〜下段左3枚はそのバリエーションで、大理石に直接ついているものは黒褐色系が多く、
デマントイドは大きな塊で産出し、空隙部に結晶ができています。
トパゾライトは、デマントイドの間にちらほらとついているものが多いです。
画像の上段左は、砂鉄が集合したような感じの磁鉄鉱です。
ここは磁鉄鉱も良品が出ているようですが、自分はこの程度しか採集していません。
上段左から2番目は、二酸化マンガン鉱類の一種と思われる樹形状の皮膜で、母岩もやや違います。
このテのいわゆる“しのぶ石”は、わりとあちこちから出ますが、ここではこの1点だけでした。
なお自分は二酸化マンガン鉱類は一括して軟マンガン鉱として扱っています。
かなり乱暴ですが、面倒なので(笑)
上段中央は母岩の大理石(鉱物として見た場合は方解石)で、
比較的粒が粗く、ぽろぽろと崩れるものが多いんですが、
時々、画像のように緻密でやや緑色を帯びたものがあります。
下段いちばん右は灰鉄輝石と思われる黒褐色の結晶で、
塊状のものはたくさんありますが、結晶はこの程度です。
磁鉄鉱 Magnetite |
軟マンガン鉱 Pyrolusite |
方解石 Calcite |
灰鉄柘榴石1 Andradite 1 |
灰鉄柘榴石2 Andradite 2 |
灰鉄柘榴石3 Andradite 3 |
灰鉄柘榴石4 Andradite 4 |
灰鉄柘榴石5 Andradite 5 |
灰鉄輝石 Hedenbergite |
☆長野県南佐久郡川上村大深山・大深山鉱山跡☆
水晶の日本式双晶が採れることで有名な鉱山です。
同じ趣味を持つ茅野のSさんに案内していただきました。
現在は1ヵ所だけ坑道が開いており、命賭けで中に入っての採集となります(笑)
坑道の壁は石英などからできているのでわりとしっかりしていますが、それでも恐ろしいものです・・・。
名物の日本式双晶は、以前に比べるとめっきり採れなくなり、
時々坑道の天井についていたりしますが、ひじょうに母岩が硬くて採集は困難を極めます。
その他、かつては黄鉄鉱や磁硫鉄鉱も良品が採れましたが、最近では稀です。
画像左は石英中の黄鉄鉱で、この程度ならまだたくさんあります。
次のは石英で、画像でははっきりしませんが、ごく小さな日本式双晶がついています。
その隣は、まあどこにでもある、ごく普通の水晶です。
なんとなく、並べてみたらグラデーションがついてきれいだったので(笑)
右側2点は氷柱状の胆礬です。
色もきれいで、坑道の壁にざくざくついていたので採集してきましたが、
現在ではすべて粉になってしまいました(泣)
湿っていても、乾燥し過ぎていてもだめな、保存が厄介な鉱物です。
成分的には硫酸銅なので、しばらく手に持っていると皮膚が溶けて指紋がなくなります(恐)
中学校ぐらいの理科の実験で、ビーカーに溶液を入れて、
先に芯を付けた糸を垂らして結晶を作った人もいるでしょう。
理科室ではあんな見事な結晶ができるのに、自然界では滅多にできません。
不思議なものです。
☆長野県南佐久郡川上村大深山・大深山林道☆
大深山鉱山の上方にある新しく開削された林道で、山側の切り崩しにスカルンが露出しているポイントがあります。
やはりSさんの案内で行きました。
本当は日本式双晶を採る目的で行ったんですが、こちらはまったくのスカでした(笑)
画像上段左は、よくあるタイプの方鉛鉱(金属光沢のスポット部分)、
その隣はしのぶ石状の軟マンガン鉱(?)、真中は、石珊瑚状の方解石で、
いずれも地味な鉱物ですが、こんなものもあるということで(笑)
次は母岩にスポット状に含まれるガーネットの一種で、
色は鉄礬柘榴石っぽいが、産状や透明感からすると灰礬柘榴石でしょうか。
けっこうたくさん採れましたが、結晶はありませんでした。
いちばん右は、針状結晶が放射状に集合しているベスブ石で、なかなか見事なものです。
母岩が堅いため採集は大変ですが、まだたくさん採れるはずです。
下段は大理石上の珪灰石(白色繊維状結晶の集合体)で、露頭の一部から産出しました。