| ジャンゴ2/いつかは往きたや「極楽ガーデン」 |
ジャンゴガーデンの花には、お盆のお墓や仏壇の供花として利用されるものが数多くあります。秋田では、グラジオラス、ミソハギ、オミナエシ、オオアワダチソウ、リヤトリス、ルリタマアザミ、ナツギク、アスター(エゾギク)、ケイトウなどが代表的です。これらの花は農家の庭先(一応、ちゃんとした花壇)にもありますが、それ以上に屋敷畑の端っことか、村から遠く離れた畑にも進出しています。遠目には、華麗なイングリッシュ・ボーダーのように見える時もあり、期待して近寄ったら、そうでないことがわかり、がっかりすることしばし((^^;ほんとはがっかりどころかそれなりに綺麗なのだが)。
このお花畑は、あの世に往ったご先祖様に奉げる為の花を栽培している畑の一種なのです(その証拠に、多くの場合、畝に植わっている)。従って、カラースキームや丈の高低配列など現世花壇の作成ルールには縛られません。要は咲けばそれでいいのです。
これに関連して、蚊園のいなばやさん(鳥取県)のコメント。
「あの手の花壇は仏さんの花を植えてるので、いつかは往きたい極楽ガーデンです。何しろジャガイモ、ナスの嫌地組がスキな所に転々とします。花は末席。しかし最近のあばはちこっとカラースキームしてますぞ。時折ドキとするような彼岸の岸に出会います。ナムアミダブナムアミダ・・・。」
最近のあば達の斬新なカラースキームは、また別の機会にご紹介するとして、今回はありのままの「極楽ガーデン」を訪ねてみましょう。
2001年8月下旬。北秋田郡。
手前、ヒャクニチソウ、その背景には、アカジソ。2001年8月下旬。北秋田郡。
畑に列植されたグラジオラス。右列、アスター(エゾギク)はまだ咲き初めでした。
2001年8月下旬。仙北郡の某山間地。
伸び伸びと咲くオミナエシ。
手前にアラゲハンゴンソウ Rudbeckia hirta var. pulcherrima 。
背景のピンクはアルストロメリアでした。2001年8月上旬。河辺郡。
ここのリヤトリスは丈が2mもありました。
手前の黄はオオアワダチソウ(セイタカアワダチソウに似てますが、別種です)。
[仏様に最も近い花]
お盆の頃、東北地方の農村部を訪ねると、庭先や道端でナツズイセンをよく見かけます。この花は、葉の無い状態でニューッと花だけ咲かせるので、ちょっと薄気味悪いところもあります。そのせいでしょうか、庭先だけでなく、村はずれの墓地でもよく見かけます。墓場と言えば、真っ赤なヒガンバナの方が相応しいのですが、こちらは秋出葉なので、秋田のような雪の積もる北国では野生できません。それどころか園芸的にもなかなか維持の難しいところ。それに対し、ナツズイセンの方は、春に葉を出しますので、雪国秋田でも大丈夫、人家の周辺なら、野生化することもあります。ただし花は不稔(種が出来ない)で球根で殖えます。それなのにお墓にあるのは、これは球根がノコノコ這い出して墓まで歩いて行ったのではなくて、昔、誰かが墓地に植えたんだと思います。それが、鍬で掘り返されたりする度に(かつては土葬が一般的だった)、球根が散らばって殖えたのでしょう。あんまり気持のいい殖え方ではありませんが、ただ先にご紹介した仏花類よりも、ずっと密接した場所でご先祖様をお慰めしていることは確かです。しかも生身(植わったまま)で・・・。
2001年8月下旬。山形県鶴岡市郊外で見たナツズイセンの大株。右の穂花はミソハギ。 2001年8月下旬。酒田市郊外の溜池で見かけたハス。その葉や花、実はお盆の必需品。
[魂を呼ぶ花]
オオハンゴンソウRudbeckia laciniata は北米原産の多年草です。八重咲きタイプはハナガサギクと言い、昔はよく庭に植えられたものですが、最近は原種に相当する一重咲きタイプの方が圧倒的に優勢です。庭に植える人も居ますが、秋田や山形など東北地方では、田畑の跡地や道路、線路沿いに猛烈な勢いで広がっております。
オオハンゴンソウの名は、同じキク科のハンゴンソウ Senecio cannabifolius (日本在来植物)に雰囲気が似ていて、大きな花を咲かせることに由来するものと推察されます。著名な植物写真家の冨成忠夫先生は、ハンゴンソウの「反魂」とは、死人の魂を呼び戻すことであり、ハンゴンソウは葉の形とその垂れ下がり具合が幽霊の手を連想させることから、付いた名ではないかと言ってました。
オオハンゴンソウの葉は、そんな形はしてませんが、お盆が近づく頃から初秋にかけて咲くことや、たまたま付いた名前のせいでしょうか、私にはあちら(彼岸)の国の花のイメージがあります。
ハンゴンソウ。
こちらは日本在来の野草です。
(1988/09/10、乳頭山)2001年8月中旬。山形県最上郡。 オオハンゴンソウ。
列車もめっきり走らなくなった奥羽本線の線路脇は、夏の間中、この花で埋もれます。
ジャンゴ系○部作 モウ両親のジャンゴ庭 ジャンゴGへのいざない 極楽ガーデン アバ達の豪快カラースキーム シークレット・ガーデン 花コレクション1(2001夏)
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(本頁は2001/09/08に初アップしました。)