| She Saw 花図鑑2 (ラショウモンカズラ、キランソウ編) |
今回は少し見応えのある花達(ただし野草ばかり)を揃えてみました。
ラショウモンカズラ Meehania urticifolia は国内原産のシソ科としては最大級の花です。名の起こりは、花を横から見た姿が、その昔、渡辺綱(頼光)の切り落とした鬼女の腕を連想させることから、切った場所の羅生門に因んで付いたと聞きます。ちょっと怖いお話ですが、カズラの方は、花が終わった後、走出枝(ランナー)が出て、蔓(かずら)のように這い回るからでしょう。
嗚呼!花の羅生門
秋田では五月の半ば〜下旬頃、山に行くと、湿った林の縁などでよく出くわします。花がでかいので、最初はちょっとたじろいでしまいます。少し時間が経ち、慣れてくると、今度は、何故こんなに立派な花が園芸植物として利用されないんだろうと疑問を感じ始めます。その理由のひとつは、先にも述べた通り、花が終わった後、蔓が広範囲に這い回るせいでしょうか。狭い庭ではちょっと難しそうですが、うまく誘引すればなんとかなるかもしれません。どなたか試してみませんか。
A ラショウモンカズラの花アップ
1992/05/24 北秋田郡にて。B ラショウモンカズラの群生。1992/05/24 北秋田郡にて。
キバナイカリソウやアキタフキの葉も見えます。
ミニ・ストーリー「羅生門の嫁探し」
A 「お〜い。みんな。」
B 「なんだ〜い?」
A 「門の下でピンクの綺麗なお姫様見つけたよ〜。誰か嫁さんにしないか〜。」
C 「うふっ(*^o^*)皆さん、初めまして。私の名はオドリ子よん。」
D ラショウモン達「わっ。(^^)ほんとだ。綺麗だな〜。でも・・・(TT)」
カメ婆「フン(`o´)何さ。私って女がありながら、ちょっと若けりゃ、
鼻の下ダラ〜ンと伸ばしやがって・・・。(`´メ)た〜だじゃ置がねえがらな〜!」
ラ達(小声で)「(^^;)おお怖!みんな、花終わったらちゃっちゃど逃げ出すべ〜!」C オドリコソウ Lamium album var. barbatum
1988/05/30 男鹿市にて。D ラショウモンカズラとタチカメバソウ(ムラサキ科)。1990/05/11 山本郡にて。
地獄の釜の蓋を取れば・・・ キランソウAjuga decumbens は「き(糸へんに奇)欄草」と書くようですが、その意味はよくわかりません。さらにこの草には、イシャコロシとかジゴクノカマノフタと言う物々しい別名もあります。イシャコロシの方は、医者を殺すと言うよりは、この草が薬草としてよく効くので、医者が要らない、すなわち医者を失業させると言った意味合いなのでしょう。ジゴク・・・はヒキオコシ同様、瀕死の病人を蘇生させるほどの薬効があるため、付いたと書いてある本もありましたが、他に、地面にベターッと這い広がる草姿が何か地下(地獄)の穴に蓋をしたように見えることから、付いたとの説もあります。私は個人的には後の方の説を支持します。しかし、こんなに可愛い花を地獄の釜の蓋にするのはあまりにも可哀相。私ならメルヘンチックに「おむすびころりん穴の蓋」とか、「田舎猫座布団草」or「猫の寝茣蓙(ねござ)」とでも名付けたい。
右写真はキランソウ 1992/05/11 由利郡にて。
キランソウの仲間には、一転して優美な名前の花もあります。
ニシキゴロモ Ajuga yezoensis(下写真)やジュウニヒトエ Ajuga nipponensis(青木先生の写真参照)などは、(^^;)野草にしては勿体無いすぎるほどいい名前です(昔の人は良いにつけ悪いにつけ大袈裟すぎます)。
ところが最近、園芸シーンでは、欧州原産のアジュガ レプタンス Ajuga reptans が十二単(じゅうにひとえ)の名で流通しております。これは初め、園芸関係者のよくある勉強不足とかうっかりミスかなと思いました。しかし最近はそうではない、れっきとした陰謀ではないかと思うようになりました。
アジュガ レプタンス嬢の日本への本格進出を目論んだ園芸関係者は、学名をカタカナにした名前では売れにくいと判断。ちょうど似たような花(野草)で名前だけはえらく立派なのがあるから、その衣装をこっそり剥ぎ取り、レプタンス嬢に着せ・・・。
レプタンス嬢は総じて勢いがよく、近所のお宅では、庭じゅうを席巻した後、セメントの路地にもはみ出すほど。しかし、うちでは何故か弱く、居着いてくれません。二回ほど試してみましたが、植えた翌年にちょろっと咲いただけで後は消えてしまいました。着替えの時にひいた風邪をこじらせたのでしょうか。
左写真はアジュガ レプタンス斑入り品種 1997/05/03 自宅庭。
ニシキゴロモ 1992/04/19 秋田市にて。
花は白の他に薄紅紫もあります。上のキランソウの花アップ 1992/05/11 由利郡にて。
この株はかなり大きい方です。その広がりは優に1mを越してました。
本頁作成にあたっては、創元社・刊、自然の花「春の山野草」(田代道や・解説)を参考にさせて頂きました。
またジュウニヒトエの画像へのリンクを了解して頂きました群馬大学の青木先生に御礼申し上げます。
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(本頁は2001/12/09に初アップしました。)