
GX1-G3
G3アップグレードで復活するGX1

─ 純白の貴婦人 ─
MPCシリーズの第1弾として満を持してリリースされた“MPC-GX1”は、誰の目に見ても、従来のいわゆる“パソコン”とは一線を画す存在であった。
重厚な存在感を醸し出す純白の筐体の下半分は、内蔵3Dスピーカシステムとして使われており、フロントメッシュグリル周辺は微妙で複雑な3次元曲面で固められている。ひとたび電源を入れれば、その起動音に人々は感嘆し、PowerPC 601プロセッサのパワーは複雑なグラフィックワークをこなすのにも充分なパフォーマンスを示していた。後に弟分とでもいうべき“MPC-LX100”(68040/33MHz)がリリースされたが、内蔵スピーカシステムの重厚かつ深みのある音質や、AVカード上に2MBのVRAMを搭載し、ロジックボード上の高密度モニタポートと併せて標準状態でもマルチモニタが可能であるGX1のスペックは、サウンドやグラフィックなどのクリエイティブワークに重きを置くユーザ達にとっては絶大なアドバンテージだったのだ。
一部の先進的ユーザ達の手によって、84MHz程度までのクロックアップは施されていたのだが、後に純正クロックアップ版である“MPC-GX1-80”が登場し、CPU性能のアップはロジックボードの限界や個体差上、これ以上は不可能であるというのが一般的な見解であった。しかし、64bitのデータバス幅を持つ601PDSに接続されたAVカード(AV機能を排し、より高画質・高性能なVCカードに交換するユーザも多かった)の性能は、LXシリーズに使用可能なLCIII-PDS用ビデオカードの比ではなく、「フルカラーが必要ならばGX1」というのがMPCシリーズファン達の常識と化していたのである。
GX1-80のCD-ROMドライブ前面。
MPCブルーの“80 LIMITED”ロゴが刻まれる。