3.買うとき〜多角的な検討及び宅地建物取引業者との交渉
2.買うとき〜不動産業者を訪ねてから、現地案内を経て、重要事項説明書若しくはそれと同様の書面の交付を口頭による説明(解説)を受けた後、買主である消費者において行なった方がよいことを解説していきます。
本当に買うべきなのか
- 本当に買うべきなのか?(総論)
意外に思うかもしれません。しかし、よくよく考えて欲しいと思います。グローバルスタンダードと言われ、自己責任が厳しく問われる風潮にあります。経済の動きは半年1年先がはっきりしないような中にあります。そして成長する企業ほど「ダイナミックに」「スピード」などとその会社概要などに言葉が並んでいます。そうして意気揚揚と社会に登場した企業があっという間に退場する時代でもあります。そうした時代にあって、個人が最大で35年もの返済期間のある融資を受けるのは如何でしょうか。大手企業は私的整理で銀行から債権放棄を受けますが、個人にはありません。大手には法的整理があって、法的な債務免除もあります。個人にも法的整理の道筋はありますが、殆ど使い勝手のよい物ではありません。個人が長期高額の債務というリスクの引き受け手として、景気の浮揚のために犠牲になるのは如何でしょうか。全般的な地価下落はある一定の商業地等を除いて大部分で止まっていません。「不動産税制」や「贈与・相続税制」を緩和して土地の流動化を図り、相変わらず住宅取得目的の土地取得を勧めようとしています。
しかし、これで景気が浮揚すると思いますか?一時的には税金などが安くなって買いやすくなったとしても、デフレを奨励する向きもあります。価格が安いのはよいことだと。全般的な地価下落はある一定の商業地等を除いて大部分で止まっていません。下落が止まらないのはバブルの後遺症もあるとは思いますが、基本的には需給バランスが一致していないからです。最早不動産は車と同じような扱いになったといっても過言ではないでしょう。新車は買ってもナンバーをつけて使い出せば、日々その価値は下落していきます(もっとも価値云々で車を購入するわけではないのはおことわりしておきます)。不動産に目を向ければ建物の価値はどんどん下がりますし、それを補う地価も下落の一途です。つまりは、購入価格と元利込みの住宅ローン融資残高は常に融資残高の方が大である期間が非常に長いのです。現金で購入されても同じです。現金ならばまだ金利が払われますので受け取ることができますが、購入されれば価値の下落と機能低下を補うためや保守修繕固定経費のために逆に金利の何十倍の経費を負担することとなります。つまり不動産に置き換えた現金はどんどん目減り
しそれどころか持ちが出しがどんどん続いていきます。
そして長い人生の間には色々なことがあると思います。その時に、住宅ローン融資残高とその時現在の資産価値を天秤にかけて資産価値が上回っていればよいですが、現状では常に融資残高の方が上回っているでしょう。つまり、個人の場合には住宅ローンで不動産を購入しそこに住んだ場合にはほぼ間違いなくその殆どが債務超過の状態でしょうし、現金の場合には資産状況の悪化と高いコスト体質に陥ります。言わば、企業がバブル崩壊の打撃を受けたのはバランスシート不況と言われましたが、今なおこの時代になってそれを個人レベルまでにそれを押し付けて景気浮揚させようとしているのです。
しかし、それだけでは語れないのも、不動産の購入ではあると思います。そういった、購入をしようかと考えている人それぞれが、自身の状況と自身なりによくよく考えていただきたいものです。個人は企業ではありませんから、高配当或いは安定的な配当を要求する株主の顔色をうかがう必要は当然ありません。目先の事情でころころ変わる必要もありません。ただ、2003年1月現在を考えたときには、上記のことを考えてなお、買うべきかとお考えいただければと思います。上記のことは言わば総論的なことで、各論的なことは購入される方個々人の事情を十分に検討することは言うまでもありません。
当然にそこに住むこととなるご自身と、ご家族の状況をよく検討し、物件の比較を行います。
- 本当に買うべきなのか?(各論・論証)
ここまで来ると、当然に通勤であるとか仕事のことであるとか、家族の通勤通学や買物や生活施設等の検討は行なって絞り込まれていると思います。ただ、あの時にここを妥協していなければなあ・・・という点は後によく聞くことです。具体的にその個別事例を挙げるのは広範囲すぎて具体性に欠けるので挙げませんが、例えばあることについてご夫婦で意見が分かれ、その意見の相違についてお互いがきちんと論証できないときは、お互いが論証できるような状態におくべきであり、また論証できるまでは購入への動きは当然に停止することが望まれます。
好きか嫌いかで判断することもあるでしょうし、感じ方もあるかもしれません。それも大事なことでしょう。例えば、ある動物がいたとしてその動物が好きな人は肯定的な思考で見るのと、嫌いな人は否定的な思考で見るかもしれません。確かにそれも大事なことです。不動産といえどもそのような見方で、物件の購入対象かそうではないかの選別がされた上でこの時点まで進んできていると思います。ましてや、ご夫婦の場合には双方のこのような見方というフィルターを通して残った物件が、今この時点まできていると思いますので、論証する事柄というのは、細かい些細な部分で且つ「この物件のこのようなところが気に入らない」「その気に入らない部分はこのような造作をすれば補える」「しかしこのような造作をするとこれだけの費用がかかる」「これだけの費用は補えない」「故に購入対象からはずす」というような結論が導き出せるような論証が必要です。
- 本当に買うべきなのか?(各論・主導権)
この時点に至るまでを振り返ってください。次の項目にイエスかノーか答えて下さい。
@ 宅地建物取引業者或いは担当者に言いづらいままにしていることはありませんか?
A 宅地建物取引業者或いは担当者に舐められてはいけないと思っていることはありませんか?
B 宅地建物取引業者或いは担当者と話をしていていい気分になったことはありませんか?
C 宅地建物取引業者或いは担当者の面倒をみてやろうという気分になったことはありませんか?
以上のうち一つでもイエスがあったら、主導権は恐らく宅地建物取引業者或いは担当者側にあるかもしれません。ということは、多少のところは目をつぶっていると考えられます。
さらに、次の行為の一つでも当てはまることがあったら、宅地建物取引業者そのものを変える必要があるかもしれません。
*重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
*不当に高額の報酬を要求する行為
*手附について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為
*利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為
*契約を締結させ又は契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるための相手方等の威迫
*契約の目的物である宅地又は建物の将来の環境又は交通その他の利便について誤解させるべき断定的判断を提供すること
*正当な理由なく、当該契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒むこと
*電話による長時間の勧誘その他の私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者を困惑させること
*契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒むこと
*手付を放棄して契約の解除を行うに際し、正当な理由なく、当該契約の解除を拒み、又は妨げること
以上根拠法令宅地建物取引業法47条及び47条の2
・宅地建物取引業法施行規則16条の12
主導権がこちら側にないと思われるとき、以上のような法令事項の遵守をしないコンプライアンスが希薄な宅地建物取引業者或いは担当者が、正確な購入の判断に資する情報をきちんと正確に伝えてくれているかどうか
?また、本当のアドバイスやコンサルがされているかどうか?よく考えていただきたいです。
- 本当に買うべきなのか?(各論・自省)
少々不快かもしれません。今までの自らの行動を思い出してみることも必要です。要求があまりに高度になってはいないでしょうか?
或いは要求が実現不可能なもの、或いは不確定なものになってはいないでしょうか?
例を挙げるにもあまりに個別的なのでピンとこないかも知れませんが、その辺は常識で判断していただきたいと思います。が、敢えて実際にあったようなケースを述べてみます。
「物件の隣家で飼っている犬をなんとかしてください」ご本人は至ってまじめに言われました。犬が嫌いだったのでしょう。ですが、売却物件が数年に一度出るか出ないかという極めて希少価値の高い住宅地でした。資料段階での説明、現地案内、重要事項に準じる内容の書面の交付まで行きました。
次には売主側に伝える契約に際しての条件提示の協議の席上でした。お気持は十分に分かります。しかし、その犬は敷地の前を通ったくらいでは吠えません。そのお宅の呼び鈴を鳴らすと初めて吠える良識?ある犬でした。直接物件に関係しないことは難しいとお答えすると「せめて室内での飼育をお
願いしてください」こちらとしては、その物件が売主側の宅地建物取引業者を通じて媒介していたものですから、このお客様の要望を伝えるか躊躇しました。しかし、一応伝えました。返答は失笑と嗜めるように諭されるものでした。
「隣の家の木を切るように言ってください。占いによると南西の方向に高い木があるとだめなのです。それも何月何日までに」
占いなど個々人の信条などは尊重します。また、隣家の木の枝などが敷地を越えている場合などには枝の剪定等をお願いします
(民法233条竹木剪除)
しかし、それを以って取引とは直接関係しない隣家の木を伐採することは別問題であることはお分かりいただけると思います。
「そこの曲がり角の家に、角を削るか、角を削る部分の敷地を買いますから、削るように頼んでください」
その物件に至るまでに一箇所角を曲がらないと到達できない道路形態でした。その角にある家の敷地の角が切り取られていれば、確かに車が曲がりやすくなります。確かにこれから何十年の毎日
のことですからそのお気持は十分に理解できます。しかし、その物件そのものもやはり道路の角に位置しており、この物件の角に対しても同じように思う人がいるであろうことが多いと想像に難くない立地であり、また古くからの市街地で密集地ですのである意味お互い様のところで成り立っているよ
うな土地柄です。
「幾ら負かりますか?こっちは金払うんだ。めいいっぱい!負けてもらわないとね!!」このお気持もよく分かります。安く購入できればそれに越したことはありません。ですが、通常気に入られた物件ならば、他に気に入る方もいらっしゃいます。ここまでならば負けれ
くれるでしょう・・・という目安はありません。価格交渉に応じてくれる売主さんもいれば、まったく応じない売主さんもいます。こればかりは、何ともいえません。提示を受けた媒介価額に対してその額で購入したいと思う物件もあるでしょうし、そうではなくその価額から幾ら引いた額であればなあと
思うこともあるでしょう。そこはきちんと希望値を言っていただくほかありません。それに対して売主さんが応じるか応じないかということではないでしょうか。そしてその為に宅地建物取引業者も存在します。逆に売主さんから買主さんへの条件提示もあるかもしれません。またあります。具体的な価額
の提示のない価格交渉はできないと思ってください。オークションではありません。媒介価額はその額であれば契約に応じるということで売却に出しており、媒介価額という具体的な数字によって売主さん側の条件提示が既に為されていて、それによって買主である消費者が物件を探し、気に入って購入に値
すると思ったからこそ購入検討対象として交渉に入っているわけです。
和風の庭園を指して「趣味に合いません。洋風に全部作り変えますので、庭木・庭石は全て撤去してください」分からないまでもないのですが、撤去するには結構費用のかかりそうなお話でした。ではある程度の価額の引き下げで対応しましょうという売主さん側からの誠意ある
回答を頂きました。ある意味お互いに痛み分けのような趣旨です。しかし、買主さんはこだわりました。「自分の関わった庭木や庭石ではないのに、
自分が関わるとろくなことがないと聞いたので絶対に売主さんの方で・・・」そういったことが言われていることも承知していますが、それで本当
に禍事があったとは聞いたことがありません。神社仏閣墓地などは、禍事云々というよりも作法とか習慣の問題で非常に大事にされる方や非常に大
事にされるかたが多く、また普通に行なわれていることなので大事にしていきますし、応じていきますが、これはちょっと難しいところでした。
これについては売主さん側から明確にお断りがあり、この方との契約には至らず、他のお客様と契約になりました。
「ごみ捨て場を移動してください。ごみ捨て場の前は嫌です」非常に見識の高い方でした。良識もあるし、話していて気持のよい方でしたが、再度案内した日がごみの日であったのでしょう。ごみ捨て場があることは、初めての案内の時にもご説明をしてありましたが、現実に鳥や犬猫の
いたずら防止ネットのかぶったごみを見るにつけ、そのように主張し始めて譲りません。たまたまこのごみ捨て場は@ごみ捨て場が持ち回りで1年毎に各家の前を移動していくこと。A何故そのようになったというと、ごみ捨て場に近い家の人がいつも掃除や周辺の整備などをしていたのであるが、通り抜け道路などに
近いことからモラルの低い地域外の人が車などで捨てにきたり、近所にあるアパートの住人でモラルの低い人が昼夜指定日の別なく捨てにくることから、B場所を移動し衆人環視のもとにおいて利用する人全てで清掃維持管理と周辺の整備をすることになった。と説明をしても納得いただけませんでした。そうすると、
ごみを所管する地元の地方自治体の責任であると、いつのまにか論点が相違し「自治体にごみ捨て場の決着を求めてください」と別に決着を求める問題ではないにも関わらず、そのようにしてごみ捨て場の移動に固執されました。ごみ捨て場は必要。でも自分の周囲には要らない。そんな話でした。
以上6例は何れもその例示の発言をされたお客様は契約には至らず、売主さん側からお断りがあったか、或いは他のお客様と媒介が成立しました。そして6例のうち、4例までのお客様が購入できなかったことについてお客様自身が何らかのことを後でお考えになったようです。
いずれにしても、よくよくお考えになっていただきたいものです。社会通念に照らし合わせておかしいことは勿論、そうまでもないことであったとしても、わがままやひとりよがりに近いような要求をしているのではないか?ということは、考えていただいたい点です。
現地等再調査
この段階にまで来たときには、建物で売主さんが居住中である以外には、物件そのものを自由に訪れたり、再度建物の内覧などを積極的に行なうようにしたいものです。
そして、買主さん個々人の着目する点は違うとは思いますが、主にここだけは再度確かめていただきたい点を挙げていきます。勿論宅地建物取引業者の調査が万全でなければならないとの前提はありますが、実際に住む人と着眼点が微妙に相違していることもあります。
ここに挙げることは、通常は宅地建物取引業者の調査範囲内ではありますが、ご自身で確かめていただきたい点でもあります。それは宅地建物取引業者或いは担当者が伝えたことであったとしても、伝え方と受け取り方で温度差があると一つの事柄でも感じ方が大きく
異なることもあるからです。
罹災の事実など→周囲を歩くこと・地元市区町村役場の防災担当部署・地元町内会長或いは自治会長など
近くに中小の河川や水路、暗渠(水路に覆いをしてその上が遊歩道などで整備されているものなど)がある場合には、過去の浸水被害(床上・床下)が疑われます。
マンションなどの場合には管理人に聞いてみましょう。地元市区町村役場などの防災担当部署は、阪神淡路大震災以降防災地図を作成しているところが多く、概ね次
の事項が分かるようになっているようです。
防災地図記載概要※市区町村により異なる場合もあります
| 崩落危険区域又は箇所 | 急傾斜崩落危険区域又は箇所 | 活断層の所在と活動履歴 | 防災備蓄倉庫 |
| 床上浸水被害地域と箇所(道路冠水個所) | 床下浸水被害地域と箇所(道路冠水箇所) | 一時避難施設(短期) | 二次避難施設(中長期) |
| 水防倉庫 | 防災機関 | 救護所が設置される場所 | 医療機関 |
しかし、浸水などについては地図上において道路冠水があったと記載があっても現実にはなかったり、記載がなくとも現実には道路冠水があったりときめ細かに把握して地図に記載する
のは困難なようです。崩落や急傾斜などの丘陵地などについても同様です。実際のところどのようであったのかは、売主さんは勿論のこと宅地建物取引業者或いは地元の市区町村役場に町内会長や自治会長などの連絡先
を聞き、尋ねてみるのもよい方法です。地元町内会長や自治会長さんに聞くとよいでしょう。
また、罹災とは異なるかもしれませんが、事件事故なども聞くとよいかもしれません。物件内における自殺・殺人・火災・火災による死亡。或いは物件周辺にお
ける殺人事件や死体遺棄事件等で、そのような事件や事故があった場合、或いは周辺でそういったことがあった場合には避けたいとする気持もあるかもしれません。
こういった場合には当事者から聴取するのはほぼ不可能ですから、宅地建物取引業者が調査済みであればそれでよいと思いますし、若しそうでなければ地元町内会長
や自治会長さんに浸水被害等とあわせて聞くとよいでしょう。
嫌悪施設等の有無・時間帯による環境変化→周囲を日時・天候等で条件を変えて歩く
嫌悪施設は
「2.売るとき 媒介契約→現地調査(土地)以下を参照」にもあるような施設が主ですが、他には臭気を発生するものもあれば、
振動を発生するものや音を発生させるものもあります。そしてなによりも、生活するご自身をイメージして何が嫌悪施設になりうるか?それは,その人自身が迷惑である
と感じる施設のことです。住民運動に発展する迷惑施設や嫌悪施設は別ですが、ここでは特にその人自身が迷惑であり嫌悪を感じる施設を取り上げます。どのようなもの
かといいますと・・・文筆業の方が土地付建物(土地付建売住宅)を購入したのが8月中頃でした。自宅で執筆するこの方は閑静な住宅街を選びました。車の通行が激し
い大通りからは離れ、静かな環境を気に入っています。ところが9月に入ると事態が変わります。それは100メートル先にある小学校でした。朝と夕方、清掃の時間に
構内放送で音楽が流れます。休み時間は児童のどよめき。運動会シーズンになると、連日校庭で練習のために流される音楽と指導する先生のマイクの声と児童のどよめき
と、砂埃がたまりません。仕方なく離れたところに執筆する部屋を確保しました・・・。大げさに聞こえるかもしれませんが実例です。実態を把握する為に現地調査に赴
いた結論は「嫌な人には嫌なのだ」ということです。
また、時間帯による環境変化で一番顕著なのが道路です。幹線道路でも月曜日の7時30分と土曜日の同時刻では車の交通量に差があるように、物件もその時々で大きく顔が変わるものです。
例えば物件を見に行ったのが日曜日の午前中。気に入って購入。いざ新築し入居してみると、道路向かいの新聞店が毎日深夜1時になると作業を開始。新聞輸送のトラックが到着。
がたがた荷降ろし、配達のオートバイが何台もエンジンをかけ朝までがさがさうるさくて眠れなかったとか・・・。また、雨が降ると一帯の水はけが悪くその後2、3日も水がなか
なか引かずに湿っぽいなんてこともあります。時間帯による環境変化は、早朝・日中・夕方・夜・深夜と区分することができますし、天候の変化も見逃せないところと言えます。
つまりは、時間帯の変化によってそれまでは何とも思わなかったものが言わば嫌悪施設に変化することがあるということです。
このような事例を見つけるには、日時・時間帯・天候・季節に合わせて周囲を歩いてみることです。しかし、時間的な制約もあるでしょうし都合もあることでしょうから、そういった場合には
宅地建物取引業者或いは地元の市区町村役場に町内会長や自治会長などの連絡先を聞き、尋ねてみるのもよい方法です。
価額の妥当性
上記の事例「幾ら負かりますか・・・」ではないですが、基本的にその物件の価額が妥当であるか否かについて正確に把握したいと思うのは当然です。ただ、購入希望価額を提示せずに幾ら負
かりますかはだめですが。
しかし、価額そのものの妥当性を図るのは取引事例を比較するのが一番ではないでしょうか。
媒介契約の
趣旨から
媒介の物件に関しては相場から突出することもまた相場より著しく安価という極端なことはないと思います。ですから、物件が戸建の場合には同様類似物件の価額を比較し、またない場合には
更地の価額から勘案してみてください。戸建の土地の面積を更地で購入したとしてそこに建物を建てると幾らになるだろうか?と。建築業者やハウスメーカーの広告なども随分とあると思いま
すし大掴みでの価額の推定は可能であると思います。そして、この際には宅地建物取引業者の協力を仰いでよいと思います。また、宅地建物取引業者は
国土交通大臣指定指定不動産流通機構レインズ
を利用しています。レインズには各地域毎のあらゆる不動産物件の売買と賃貸と成約事例のデータが収集されています。このデータベースから、取引前1年間の同様類似物件の成約した事例の
情報を元に提供を受けるのもよいでしょう。不動産価格には様々な指標や調査(官民問わず)等がありますが、こと一般住宅地或いは新築中古についてはこの
レインズと
と住宅情報誌及びそのWEB版各種、そして新聞や折り込み広告の中から比較して考えるのが一番妥当かなと思います。何故ならば他の指標や調査は全て後追いで且つ包括的で概括的であるからです。
宅地建物取引業者との交渉
資料選考→現地案内→本当に買うべきなのか→現地等再調査を経て、購入対象物件が絞り込まれました。
そうなってきますと、残すは契約へと向かっていきます。宅地建物取引業者或いは担当者は売主さん或いは売主さん側の宅地建物取引業者と売買契約の条件及び日時などの調整に入っていきます。
買主さん側からすると、この時点において宅地建物取引業者と協議したことが、契約の内容に反映されていくものですし、また条件になったりもします。
協議交渉などの過程を全て紙にしてから行なうようにするのが望ましいのではないでしょうか。
弊社は、次の点を留意しています。
・言った言わないを防ぐために必ずメモを取り、それを打合書としてまとめます。→必ず両者の解釈の相違があります。解釈の相違、見解の相違をなくします。その為に、メモなどをとった場合には必ず打合せ書として残し、同じものを弊社とお客様で所持します。
実際にあった相談を受けたケースです。レアケースですが、打合せにおいて解釈見解の相違をなくすことの重要性が分かります。
相談者:「公共下水道なんですよね?工事とかはいらないんですよね?」
担当者:「はい建築するときに建築業者が市役所の下水道課に申し込めばいいんです。それで工事してくれますから」
相談者解釈:「家を建てるときに建築業者に一緒に依頼しよう(無償)」
担当者解釈:「下水道課に申し込めば、道路内にある下水道管が宅地内に引込工事される(有償)。」
真相:現場は確かに下水道であったのですが、方式が違いました。通常公共下水道というのは都市計画の一環で行な
われ予め整備される地域が決定され、面積あたりの負担金を納めて工事が行なわれているものであり、既に宅地内にい
つでも使えるように(更地の場合には建物を建てて接続すればいつでも使えるように)なっています。
しかしこの土地のあった地域は確かに下水道がつかえる地域ではありましたが、コミュニティプラントと呼ばれるの厚生
労働省補助事業の生活排水処理施設の整備地域で、このコミュニティプラントの使用については市区町村役場に使用の申
請を行い、その申請に基づき1宅地あたりで負担金の計算があり、その負担金を収めなければ下水道を使用するどころか、
宅地内への下水道を使用するための工事さえ行なわれません。そしてこの土地の所有者は、使用の申請を行なっていませ
んでした。
問題:結局負担金と工事費用その他が発生することが分かったのは、取引を終えて建物を建てるためにハウスメーカーと
打合せを始めた頃でした。以上の話から、相談者は下水道を使うのに負担金も工事費(別途実費)が必要であるのならば、
その分の値引き要求をするか、或いは他の使用できる土地という選択もあったと話していました。こうなってきますと、
厳しい見方をすれば、相談者の建物を建てるために土地を買ったという目的が達成されないという解釈も成り立つかもしれ
ません。直ちに契約に反するとか、そういうことではなくとも、お金と工事のかかることはあらかじめ承知していれば、購入
対象物件の選択肢が他にあったと思います。 この担当者がその解釈をきちんと告げなかったことが故意か或いは過失かは今と
なっては分かりません。ただ、いずれにしても批判は免れません。
土地の場合には許可関係が必要な場合が多分にあります。また許可がなければ目的が達成されない場合が殆どです。
争いになるのは「大丈夫と言ったではないか」「必要な段取りや申請を行った場合は許可が出ますよということです」という具合です。
これが口頭だけで売買契約に移ってしまうと後述しますが重要事項説明でもほぼ口頭のままの文章化で終わっている可能性があります。
何かをするには許可が必要であることを認識の上しつこく尋ねることも重要です。
そして打合せの最後にお互いの解釈や見解、理解度の相違をなくすことが絶対に必要です。そうして、お互いの解釈や見解、理解度が
一致した時点で、業者に文書化を求めるか始めから文書化するような業者が理想的です。当然2部作成し、買主・業者が1部ずつ所持
することによってトラブルは回避されます。ですので、些細な打合せでも契約に向かっていくときには必ず打合せ書の作成を求めてく
ださい。
買付申込書(不動産購入申込書)
〜物件を購入する意思表示です。物件購入、売買契約等は、実質ここからスタートします。〜
物件を購入することに決した場合、購入する意思を明確にします。
但し、ここで言う購入の意思とは、物件を購入するにあたっての希望条件を相手方に提示することで始まります。
例えば物件の売主が業者自身であれば相対していますが、媒介物件の場合は相手方が見えません。
媒介業者を通じて、相手方に購入の意思と購入に先立つ条件を書面にまとめて提示します。
これを買付申込書とか買付証明書と呼称しています。その一例ですが、
1.買付申込書の作成年月日
2.購入の意思表示をした人の署名捺印
3.購入希望価格
4.売買契約の締結を希望する日時及び購入に際しての条件
5.住宅ローン等の利用の有無
6.その他(特記事項)
7.購入希望物件の表示
以上の項目を満たしたものであれば、何でも構いません。
書式は業者によって異なりますが、概ね上記項目が記載してあることを要します。
但し、ここで注意しなければならない点があります。
買付証明書或いは買付申込書は買主が作成するものですが、その性質は、買主側の購入希望条件等を売主に提示し、売買の交渉を円滑にするための道具に過ぎないということです。購入物件の検討のために、買主が様々な資料の提示を受けたり、また求めたりするのと同じです。
売主も買主の契約についての希望条件等を明確に把握するために必要であるというものに過ぎません。故に、法的な拘束力はありません。
作成に当って金銭を要求する業者がいます。〜証拠金・予約金などと称して、金銭を預かることを要求する場合があります。それによって、正式に相手方と交渉に入るということですが、金銭を要求するような宅地建物取引業者は如何かと思います。そもそも売却に付されている物件を購入するために買主は物件を見て回っています。言うなれば正式に売却に付されているからこそ、買主もその物件を見にきていると思いますし、購入したいとの意思を表明したわけです。金銭の授受は売買契約の時でよいと思います。
そして買付証明書の性質は、売買の交渉を円滑にするために存在します。その時に誰も金銭を要求しないはずです。金銭を要求するのは、心理的な規制を、つまりもう断れないという心理的な圧力を買主に対してかけているとしか思えません。
また、証拠金・予約金等の金銭を預かり金等と称して宅地建物取引業者が預かった場合に、仮に買主が買付証明書或いは申込書を撤回した場合にも法律により
(宅地建物取引業法47条の2の3号ほか)返還しなければならないことになっています。
宅地建物取引業者は売買契約の締結なくして金銭を預かっても買主を拘束できませんし、買主はどうしてもその物件が欲しくてその物件を拘束しようと思って金銭を預けても、売主やその物件を拘束することは出来ません。つまり、預かっても預けても何ら用をなさない金銭です。
預けない、預からない方がスマートです。
買付申込書或いは買付証明書の位置付けやその性質は各業者間において明文の規定があるわけでもなく、別な取り決めはありません。
商慣行としては、特定の媒介業者を優先したり、他の媒介業者を取引から排除するものとしての効用はないと考えるのが一般的です。
相手方に購入希望者がいますので契約してくださいと伝えても、購入希望者が様々な資料や現地案内や調査を経て購入を決意したのと同様、売主である相手方に対し売主自身の媒介の依頼内容に沿うか(例:価格・支払条件・引渡条件)などを精査し、より条件のよい購入希望者と購入するために用意された相手方の唯一の判断材料なわけです。
ですから、買付申込書の交付日時が早いまたは購入希望価格が最高額であるとしても、何ら売主を拘束するものではありません。
したがって、物件を気に入って購入したいと決めたら様々な資料を得て物件を検討したときと同じように、なるだけ詳細に希望条件をまとめた上で買付申込書を作成し、相手方に交付することは必須ですし売買という取引を円滑に行なうためには必須です。
なお、買付申込書に対する売主の回答期限を必ず設けるようにしましょう。いつまでもずるずるとやっていても仕方ありません。逆に、売主から条件の再考と再提示するように求められている場合や、相手方から条件に対する提案や交渉の申し入れがある場合があります。
この時、媒介した宅地建物取引業者から連絡がありますので、遅滞なく結論や条件の再提示を回答する必要と再度買付申込書の作成と交付が必要になる場合もあります。
また、売主が買主の提示した条件にて売買契約に応じる場合には、売渡承諾書の交付を求めます。これにより、売主は売却の意思があり売却に応じることの意思を書面にて確認することとなります。
買付申込書書式(pdf)

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