むかしむかしこわい未来がありました
作者:竹内志麻子
所収:時間怪談
廣済堂文庫747 い6-10 平成11年5月1日初版
ISBN:4-331-60748-8
魘されそうな悪夢の世界。何の変哲もない学校の教室が、これほど怖い場所になるとは。それもいわゆる「学校の怪談」的な条件があるわけではなくて、ほんとにごく普通の授業中の教室が。
ロッカーという、学校の中で生徒が持てるごくわずかな専用空間。そこに放り込まれた石膏像は、授業で作りたくもないのに作らされた自分の頭像だ。けれども、人の形を写したもの、まして文字や絵ではなく、三次元で象ったものには、作り手との間にどれほど強い霊的な絆があるだろう。いやいや作られたものであるなら、「自分」の好きでない部分がそこに表されているやもしれぬ。そして、普段自分のいやなところを心の奥底に放り込んであるように、その頭像はロッカーに放り込まれている……。考えようによっては、ヴードゥの呪いに用いる人形などよりずっと、妖しい力を引き寄せそうではないか。
〈1999/04/15〉