番外編見聞録
「星の瞳のシルエット 番外編 ENGAGE−エンゲージ−」(柊 あおい 1991)
「星の瞳のシルエット 番外編 ENGAGE−エンゲージII−」(柊あおい 1996)
昭和から平成、80年代から90年代への過渡期において「イライラ・ドキドキ・ハラハラ・ラヴラヴ」少女漫画界において奥手な女の子からの熱烈な支持を受け、「200万乙女のバイブル」と称されていたマンガ、それが「星の瞳のシルエット」である。もちろん私も読んでました。ただ途中からあまりにドロドロに(私的には)なって読むのがつらかったけど。その名作マンガに番外編(続編)があったと言う事を知って、これは是非読まねば!と当時の気分を思い出して読んでみました。
サブタイトルからしてうれしはずかしい感じの番外編「エンゲージ」は、本編から2年後(どうもやつらはほぼリアルに年をとっていたらしい)、香澄たちが大学に入学した頃のお話。ちなみに2つの作品のあいだに大分時期があいているけど、1と2は続きものでほとんど同じ時期の話。
メイン登場人物は、香澄と啓子(香澄の高校時代の友達)、遠野(香澄の大学の同級生)、と久住(香澄の彼)。
2年前にすったもんだの末に結ばれた香澄と久住は、お互いの夢を叶えるために別々の大学へ入学し、遠距離恋愛中。なかなか会えないが、久住の事を信じて毎日を一生懸命に生きる香澄。そんな香澄に大学の同級生の遠野が好意を持って近づいてくる。そして遠野に興味を持つ、香澄の友人の啓子。
さあ、彼らの恋の行方は・・・。
テーマとしては、「エンゲージ」では、香澄と久住の結びつきの強さとその理由、「エンゲージ2」ではモラトリアム無気力人間の遠野の内面的成長と新たなスタート、が主に描かれている(はず)。
ただ「エンゲージ」だけでは尻切れトンボで、主人公2人以外はどうでもいいのか!という感じは否めない。また、実際に遠距離恋愛をしていてそれをぶっ壊した(された?)私にとってはいろいろ思い出したりや〜な気分になる・・・。
で、「エンゲージ2」はメッセージ性が強いというか、恋愛がどうこういうよりも大学へ行く目的、ひいては人生の目的まで各登場人物が悩んだり語ったりするシーンが多く出てくるのだが、ここで描かれる香澄の優等生ぶりには、私はあんまり共感できなかったりもする。いや、ほんとにいい子なんだけれどね・・・。
が、とにかく最後まで読むこと。ラストはパターン炸裂だけれど、ちょっと私は不覚にも感動してしまいました。
また、遠距離恋愛ものの定番小道具
「薬指の金の指輪」「手紙」「誕生日プレゼント」
などの使い方がさすがに素晴らしく、見逃せません。
マンガのお約束として、美人で性格もいい友人の啓子がひたすら香澄の引き立て役になっているのも、可哀相だけれど王道でたまらないです。
絵は、線が細くてふわふわしてて春っぽい雰囲気が出ていてすごくいい感じ。
本編を知ってるひとで高校生・大学生の人には特におすすめ。
ちなみに集英社のコミック文庫の「星の瞳」6巻に、1,2と両方とも収録されていますのでご参考まで。