〜まりちゃんシリーズ スペシャル〜

 

「まりちゃんシリーズ」、それは小学館学習雑誌(「小学○年生」のたぐい)に掲載されていた、バレエもののマンガ。
これを読んで「私もバレエ習いたい!」と思った女の子もきっと多いだろうと思われる。もちろん私も毎月、つづきをとても楽しみにしていた。当時の小学生に与えたインパクト、影響はかなり大きいのでは、と私は思っているのだが・・・。

なんといってもこのマンガの魅力は
華やか(古臭さはいなめないが)すぎる絵、
「起承転結」の「転」が延々と続く、素晴らしすぎるストーリー、
そして花王「愛の劇場」のようなクサイ泣かせ。

ちょっと資料(単行本のてんとう虫コミックスのことね。)が手に入ったので、豪華本や文庫になって欲しいなあと思いつつ、この素晴らしいマンガをご紹介したいと思います。
読んでいてあまりのすごさにフリーズすること数回。
この作品からマンガに入ることのできたお子様たちはじつに幸福なのです(?)。

シリーズで何作か出ているのですが、今回は元祖「ハーイまりちゃん」から取り上げていこうと思います。


「ハーイ!まりちゃん」
(上原きみこ 作/1〜2巻小学館てんとう虫コミックス・初版1986年)

バレエ教室に通う元気な小学2年生、早乙女まり(まりちゃん)が、死んだといわれていたママ(有名バレリーナのマヤ・サオトメ。実はおばあちゃんとの折り合いが悪くて追い出されたの。)を探し、バレエの道を究め、パートナーのカッコイイ男の子と恋をするお話。そこに華麗なるバレエシーン、過剰な演出(イジワル、病気、怪我&手術、親子兄弟のゴタゴタ等)をほどこし、えもいわれぬ味わいのある作品となっている。

(たぶん、自分がリアルタイムで読んでいたのはこれじゃないと思うんだけれどいまいちはっきりしないんだよな。登場人物名は同じだったんだけれど・・・)

 

 

怒涛のストーリー。

序盤はまあいいとして、途中から七転八倒の展開を見せるこのマンガのとくにお気に入りのシーンを時系列に沿って挙げてみる。

・おばあちゃんやライバルの妨害を振り切り、マヤ(まりちゃんのママ)のバレエ公演を見にいくことが出来たまりちゃんは大感激。マヤはカーテンコールでトゥシューズを脱ぎ、客席のまりちゃんに投げる。楽屋に会いに行くまりちゃん、しかしマヤはすでに公演会場を出たあとだった!
タクシーを追いかけて転ぶまりちゃん、号泣。マヤが投げたトゥシューズをふと見るとそこにはメッセージが!!!

「まりちゃんバレエがんばってね そしていつかふたりでおどりましょうね。」
・・・泣けるぜ。

 

・まりちゃんのパートナー、ジョエル君(フランス人)のいとこ、リンダが日本にやってくる。もちろんジョエル君をめぐって争いになるのだが、そのうえ唐突に、リンダのパパと早乙女マヤが結婚する(!)という展開に。読者は置き去り。フォローはなし。

それを知ったまりちゃんは当然、教会に乗り込み結婚式をブチ壊す作戦にでる。庭の木に昇りそこから教会の高窓へ。そして叫ぶ。「ママ!およめにいっちゃいや!」

「神父さま、私 ちかえません!」と逃げた花嫁マヤは庭の木に登っていき、まりちゃんを助けようとするが・・・。
あと一歩というところで木が折れてマヤさんは転落。足の骨が折れてもうバレエは踊れないとの診断が・・・。(バカバカバカバカァ!)

 

・バレエコンクールで認められたまりちゃんは「バラ物語」の主役、紅バラ姫に抜擢されるものの、レッスンのために住み込んだバレエ学校で毎晩のように幽霊に脅かされる。
実は本来紅バラ姫を踊る事になっていた少女、千加子が病気で踊れなくなったのを不憫に思った千加子のパートナーのしわざということで解決したのだが・・・
公演当日、舞台の上には千加子が現れ、紅バラ姫を踊っている!!!幽霊?と思い病院に電話すると、千加子はベットで寝ているとのこと。踊り終わると千加子は舞台から消え、病院で寝ていた千加子が目を覚ます。

「久しぶりに踊ったから、足から血が出ちゃった。」とな。

ナレーション「こんな不思議な事があるのでしょうか?」(オイオイ)
理由付けは一切なし。ちょっとホラー入ってますね。

 

・バレエ教室の夏合宿のときに、溺れたのを助けられたのがキッカケでバレエ好きの姉弟と知り合うまりちゃん。姉にせがまれバレエを踊ってみせるが・・・。

「お人形より あの子のほうがいい!」

「オーケー、姉さま!!つかまえてあげるよ!」
「きみは今日から姉さまのオモチャだからね。ここで暮らして毎日姉さまのためにバレエを踊るんだ。」

と哀れなまりちゃんは監禁(ひえ〜)されてしまう。よいこの為のマンガだよなぁ、これって、と思わずにいられないぜ。そしてまた唐突に、この姉さんはじつは心臓病で、一緒にバレエを踊ったら発作おこして突然死(!)、というおまけつき。

 

・さらに今度は、監禁されたまりちゃんを探していたジョエル君が古井戸に落ちてしまう!
たいした怪我もしてないから大丈夫、と先生は言うのだが

「あかりをつけてよ」

「電気ついてるわよ。明るいでしょ。」
ガビーン、ジョエル君の目が・・・。そして大切なコンクールがあと4日に迫っていた・・・。
(もちろんその事実を隠してコンクールに出場するものの、舞台の上で完全に見えなくなってハデに転落してしまうんだなこれが。)

 

・子役オーディション(怪我から復活したマヤも出演する公演なのだ)を受けにパリに行くまりちゃん。目が治らずにパリに帰ったジョエル君と再会する。実はジョエル君の失明の原因、頭の中の悪性のできものの所為で、はやく手術しないと手後れになってしまう。
しかし手術が失敗したら生命の危機が・・・。

「手術を受けるということは、エッフェル塔のてっぺんに登るより勇気がいるのよ。」

「でも・・・このままじゃ・・・。」

「じゃあ、あなたは、エッフェル塔に登る勇気があるの?」

 

「きゃあああ、エッフェル塔に子どもが・・・・・!!」

もう、まりちゃんの勇気には脱帽だぜ。

 

と、単行本2冊の中にこんな感じでエピソードが盛り込まれていて、お子様でもまったく飽きさせる事無くストーリーが進むのであります。
ラストは手術室とオーディション会場の二元同時中継。非常に盛り上がります。
そして衝撃のどんでん返し。泣いて笑って、よかったよかったとまた泣いて。

本を手に入れるのは難しいのかな、と思いますがもし見つけたらぜひゲットすることをお勧めします。強引な泣かせがなぜか心地よく感じる、そんな気分が味わえることでしょう。


※「まりちゃんシリーズ」このほかの作品について

・「ハーイ!まりちゃん 愛のエトワール」(初版1989年)

(※あいにくまだ1巻しか手に入っていないのですが・・・。今回もママは死んだ事になってますが、実は外国で行方不明、さらに記憶喪失とのこと。ママ探しと記憶を取り戻すことがストーリーのヤマね。)

・「ラブリーまりちゃん」

・「銀のトウシューズ」

などがあります。手に入り次第ご紹介していきたいと思いますのでお楽しみ?に。


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