十二篇


誹諧武玉川私考ホームへ

【底本】 
  岩波文庫  誹諧武玉川(三) 山澤英雄校訂 岩波書店 1985

【凡例】
  通し番号 篇-丁
  (本文)
  (解説)

【注意】
  字・は字が底本通りでないことを示す
  ☆はコメントや引用
  江語辞→江戸語の辞典  国大→国語大辞典(小学館)

7749 12 -1
   雨もりに 鼻紙入れて 詠めけり
   ☆有女顔如玉 詠める→ながめる 感情をこめてあるいは観賞的な態度で見つめること☆国大 これも風流
7750 12 -1
   けいせいを 親に云せて 夜をふかし
   ???
7751 12 -1
   また起ぬ 格子のうちに さくら草
   春の朝吉原の格子の内にも 桜草が
7752 12 -1
   淋しさハ 向ふの顔へ 寄りかゝり
   振られた
7753 12 -1
   髪結の 下駄の緒はかり 都鳥
   鴎のように足が赤い?
7754 12 -1
   古い壱分の 冷へきつて居る
   壱分だけ持って吉原へ行きたいと思えど
7755 12 -1
   甲子に 呼るゝ筈の 橋大工
   甲子→きのえね 大黒の縁日 橋板の三枚目に大黒の像を刻み祭れば富貴になるという ☆江戸文学俗信辞典
7756 12 -1
   禿の聲の 高い口書
   口書→くちがき 奉行所で関係者を訊問して作る調書 ☆江語辞 花魁の脱廓一件で調べられ
7757 12 -2
   仲人の 十人並も 合点也
   十人並→容貌や技芸が人並みであること☆江語辞 合点→承知☆江語辞 そこをうまく云うのが仲人
7758 12 -2
   玉川も 一ツハ合ぬ ところてん
   六玉川のうち高野の玉川は毒水という
7759 12 -2
   勘当を 尋る親も 中の町
   中の町→吉原仲の町 親が危篤で勘当息子を探す 行方不明の娘を探す親もいるが
7760 12 -2
   残た所ハ 目から請とる
   全額は返せぬが後は負けてくれと懇願?
7761 12 -2
   虫付ぬ 娘の紋に いてうの葉
   銀杏→葉が書物などの虫除けになる☆川柳辞彙 振袖の紋が男除けに
7762 12 -2
   谷汲からハ めつきりと肥ヘ
   谷汲→たにぐみ 谷汲山華厳寺 西国三十三カ所巡りの満願札所 巡礼も終わり
7763 12 -2
   振上る 手を神主に 押えられ
   神楽巫女とトラブル?
7764 12 -2
   八味丸 その咎人か 持て出る
   八味丸→強精薬 腎虚の原因の美人妻が薬を
7765 12 -2
   家老ハ負て 戻る尼寺
   怒った奥方が出家したのを 説得に?
7766 12 -2
   昼皃の 翌ハ手を出す 柴小舟
   翌→あす 翌日 柴小舟→柴舟? 柴木を積ん だ小舟☆国大 ???
7767 12 -2
   泣時の 櫛ハ向へ 落てゐる
   結った髪をがっくりと落として
7768 12 -2
   前歯二枚に 三分取らるゝ
   喧嘩で怪我させであるいは 入歯師の義歯の代金? 上下で二両くらいしたらしい
7769 12 -2
   去ル時ハ 暦に沙汰も せさりけり
   去る→離縁する 沙汰→検討☆国大 結婚とちがって吉日などを考えない
7770 12 -2
   配当の にらむ所か 口はかり
   配当→配当座頭の略称☆川柳辞彙 祝儀不祝儀の家を廻り金をねだる 口をきわめて?
7771 12 -2
   しのんたる 穴を左官か 塗て居ル
   夜這がばれて
7772 12 -2
   側に毒か あるとハ医者も 云かねて
   美人妻か病人の毒
7773 12 -2
   溜息ハ 恋しい所へ 突あたり
   恋煩い
7774 12 -2
   上草り 思ハせふりの 音かする
   上草り→うわぞうり 吉原の花魁の上草履 今来るか来るかと
7775 12 -3
   縫上へ 最う来年を 畳こみ
   縫上→ぬいあげ 子供の和服の肩や腰の上げ 最う→もう 来年の成長を計算に入れて
7776 12 -3
   日も袖も みしかく成て 初しくれ
   短日→冬の日中の時間が短い 日☆国大 袖を留める? ???
7777 12 -3
   いつ迄か 十九十九・の しら拍子
   白拍子→ここでは踊り子の意 年をごまかす
7778 12 -3
   水汲の 来て誉らるゝ 仏の日
   水汲→水を汲み取る人? 仏の日→仏事を営む日?
7779 12 -3
   母親の 口癖にいふ みかん籠
   みかん籠→捨て子の意 お前は本当はね
7780 12 -3
   男気・の 明て云れぬ 損をして
   男気・→男気 昨夜は勢いで格好良いことを言ったが朝になって冷静になってみると
7781 12 -3
   たとへる顔に こまる仲人
   誰に似ていると訊かれ
7782 12 -3
   娘の脊負て 逃る物申
   脊負て→しょって 物申→ものもう 男子が戸口で案内を請う語 ごめんください☆国大 留守番で男の客が来たので妹等を背負って奥へ逃げる
7783 12 -3
   かさゝきの 一羽飛んてハ 常の鳥
   橋になってこそ
7784 12 -3
   国家老 かふろを連て 行たかり
   こんな幼い子を悪所においてはおけぬ
7785 12 -3
   凩は あらしの年の 寄た物
   嵐が老いて木枯に
7786 12 -3
   さよ衣 こそこそ・留守を 嗅・に来
   さよ衣→小夜衣 女性の不倫の意 嗅・に→かぎに 間男が様子を窺いに?
7787 12 -3
   惜しい顔 十万篇て 立て行
   浄土宗の念仏の会 百万遍の途中で美人が退席
7788 12 -3
   松にたき 小笹にとほす 赤とんほ
   松にたき→松に焚ぎ 小笹→こざさ 丈の低い笹☆国大 とぼす→点ず 松や笹にとまった赤蜻蛉が火の粉のよう?
7789 12 -3
   秋さひて 俵へつめる 松の風
   さびる→それらしくなる 薪や炭に
7790 12 -3
   客をいなせて 夜着のうしろ手
   去なす→帰らせる 追い払う ☆国大 うしろ手→背面 両手を背中にまわすこと☆国大 ???
7791 12 -3
   母へハ先へ あかす青梅
   つわり 嫁入りした娘が妊娠
7792 12 -3
   舟宿の 戸棚に光る 太刀作
   太刀作→たちつくり 刀をつくることやつくる人 ☆国大 ここでは刀の意か? 船宿で変装して吉原へ?
7793 12 -4
   さし懸られて うつくしく行
   花魁道中
7794 12 -4
   軽業の 止めた咄の をそろしき
   度胸がある筈の軽業師が止めるきっかけの怖い話
7795 12 -4
   たち花の さハつた袖を 嗅・て見
   嗅・て→嗅で 柑橘系の香りが
7796 12 -4
   五月から 明るく成し 柏の木
   やっと枯葉が落ちて
7797 12 -4
   冬瓜にやねの くほいうそつき
   冬瓜→とうが 冬瓜は結実しない徒花が多い 窪い→劣っている 安っぼい ☆江語辞 冬瓜に屋根を乗せたような嘘つきの意味か
7798 12 -4
   正直な手て たゝく鰐口
   子供の袴着のお参りとか
7799 12 -4
   振て見たかる 毛見の鑓持
   毛見→検見 検見のお供が退屈して?
7800 12 -4
   あんこう迄を あふなかる母
   河豚中毒が心配で
7801 12 -4
   蝙蝠ハ 短気な所か 御意に入
   蝙蝠→こうもり ??? 扇子のこと?
7802 12 -4
   踏れた侭て 古郷へゆく
   草鞋を履いて農村へ? ???
7803 12 -4
   一死死ぬと ねかひ事利く
   一死→ひとしに 利く→きく 自殺騒ぎで恋の願いが あるいは蘇生した親父が結婚を許す?
7804 12 -4
   その顔て 中直りとハ 恥かしき
   色気をきっかけにしようとは
7805 12 -4
   呵られて 親父のよめぬ 本をよみ
   放蕩息子だが学問は親よりある
7806 12 -4
   業さらし 業さらし・めと うつくしき
   業さらし→恥さらし ろくでなし☆江語辞 どうしても離縁できぬ美しい悪妻
7807 12 -4
   みんな手織て 仕廻ふ三夫婦
   手織→ており 自宅で織った 織物☆国大 仕廻ふ→しまう 三夫婦→みみょうと 親子孫三代の夫婦が揃っていること 機織ができる年寄りも居て?
7808 12 -4
   蔵二ツ迄 呑て内損
   内損→酒のため内臓をを損なうこと☆江語辞 蔵二戸前飲み潰し
7809 12 -4
   伯父坊主 又かさゝきに ちやゝを付ケ
   伯父坊主→伯父の嘲り語が ちやゝ→ちゃちゃ ちゃちゃを付ける→邪魔する ☆江語辞 逢い引きを邪魔する
7810 12 -4
   長く取のを 代脈のしほ
   代脈→代診 しほ→しお よい機会 診察の最後にもっともらしく長く脈を取ってみせる 診断がつかぬので交替?
7811 12 -5
   悋気の飯を くらやみて喰ふ
   待てど帰らぬ亭主 行灯もつけず飯を喰う女房
7812 12 -5
   鮫てさへ 親かなけれは あなとられ
   刀の柄に巻く鮫の皮の粒に大粒つまり親が混じるのが上等 ☆川柳風俗志の刀剣師の項
7813 12 -5
   宇治川を 鵜てゐる皃の 又太良
   鵜で居る→呑み込んでいる 熟知しているの意☆江語辞 又太良→またたろう 田原又太郎忠綱 頼政の妨害に抗して宇治川を越す平家方の侍
7814 12 -5
   けふハあちらの 岸にうかれ女
   うかれ女→娼妓☆国大 あちらの岸こちらの岸と
7815 12 -5
   弘法ハ 石屋たをしの 草まくら
   石屋倒し→石屋でないのにそのことで相手を屈服させる意?
7816 12 -5
   夫婦して 玉子をくへは おかしかり
   精力剤
7817 12 -5
   恋衣 さあといふ時 うろこ形
   恋衣→恋する人の衣服☆国大 鱗形→三角模様 娘道成寺で清姫が蛇体になることを表す衣装の模様☆国大 言い寄ったら豹変
7818 12 -5
   さつき雨 寝て居た形に 膳をすへ
   形→なり 雨をながめながら食事
7819 12 -5
   新宅に 疵を付たる 鑓おとり
   祝いに来て粗相?
7820 12 -5
   ささやき・も 持て廻れは 道具也
   ささやき・→ささやき 大勢ですれば圧力
7821 12 -5
   御哥か出来て 直に御帰り
   直に→すぐに 和歌の題を見に行った高貴な方か殿様?
7822 12 -5
   あみたに成て 乳母の食傷
   あみだ→阿弥陀くじ☆江語辞 食傷→食べ過ぎていやになること 子供らが飽きずに遊ぶ?
7823 12 -5
   はにふの小屋に 時過た觸
   時過た→さだすぎた 時機を失した☆国大 觸→ふれ ふれがき☆国大 村はずれの家には廻って来るのが遅い
7824 12 -5
   てつきうに 巻るゝ文も 時節也
   鉄灸→火の上にかけ渡し魚等をのせ炙る細い鉄の棒☆国大用済みの手紙を鉄灸に巻いて片付ける?
7825 12 -5
   角力取 それから先ハ 鳴子引
   角力取りが故郷へ帰ったがあまり役に立たない
7826 12 -5
   気を付て 見れハおかしき 柏餅
   一枚の蒲団にくるまって寝ることも柏餅という☆川柳辞彙
7827 12 -5
   火を手てつかむ 大つゝみうち
   大鼓を組み立てる前に皮を炭火で乾燥させる
7828 12 -5
   狐か付て 越後屋の損
   付て→ついて 狐憑きで縁談が破談になって嫁入り衣裳の注文がなしに? 越後屋が三囲稲荷を信仰したことを利かす?
7829 12 -6
   うそか嫌らいて 顔かさひしい
   正直すぎて面白みなし
7830 12 -6
   青漆に 取立らるゝ 赤合羽
   青漆→せいしつ 青緑色の漆青漆合羽→青緑色の漆を塗った紙合羽で足軽が着用する 赤合羽→武家の下僕が雨中に着用 中間の異称☆江語辞
7831 12 -6
   坐頭の坊 飛弾の内匠を 撫て見
   坐頭の坊→ざとのぼう 飛弾→飛騨 内匠→たくみ 名工の作を触れて観賞?
7832 12 -6
   いろいろ・の 中を流るゝ ひとへ帯
   一重帯→裏地をつけない夏の帯☆国大
7833 12 -6
   つゝはたち 若衆にすれは 老の坂
   つづはたち→十九二十 陰間は十八才迄が限り☆川柳江戸歌舞伎 川崎へ参る陰間はもふいけず☆柳二二・24
7834 12 -6
   草りとり ほの字はかりて 仕廻けり
   草履取→武家で主人の草履を持つ供 ご主人のお供で吉原へ 登楼するのはご主人だけ 自分は素見
7835 12 -6
   ごうはらな 事を見て居ル 峯の寺
   業腹→ひどく腹が立つこと☆江語辞 峯の寺→山頂の寺 峯の寺小僧があればこそ笑ひ☆柳二・17 下に花街が見える とか
7836 12 -6
   乞食の鼾 さわらひの中
   早蕨→芽を出したばかりの蕨暖かくなって外でも寝れる
7837 12 -6
   さすられて ぢきにあやまる 柏餅
   直に→直接 すぐに☆江語辞 ???
7838 12 -6
   うくひすの 舌も廻らす かいわり菜
   貝わり菜→アフ?ラナ科の発芽鶯の舌鼓を打つような笹鳴 鶯の鳴きがまだ幼い頃に
7839 12 -6
   革羽折 女の年も くれは鳥
   革羽折→鳶や棟梁が着る くれは鳥→くれはとり 呉服 呉の国から来た機織女で呉服物の意☆川柳辞彙 暮れるの洒落か 歳の市へ男装して
7840 12 -6
   さそふ水もと 舟か出て居ル
   誘う水↓小野小町の歌から誘惑の比喩☆雑俳語辞典 舟比丘尼か?
7841 12 -6
   うつみ火に 一生のうそ 書て見ル
   埋火→灰の中に埋めた炭火☆国大 ???
7842 12 -6
   蓮のうへ行 根津のとむらい
   不忍池の端を通る?
7843 12 -6
   初旅の 先鶴見から 喰はしめ
   先→まず 鶴見名物米饅頭から 江の島行きか
7844 12 -6
   阿部の文珠て 仕送りに逢
   文珠→文殊 大和の阿部文殊院 文殊菩薩は智恵を授ける 阿部清明の出生地ともいう 仕送り→大名などの財政再建担当者 智恵を借りに
7845 12 -6
   駕舁の 息次にする 旦那様
   駕舁→かごかき 息次→いきつぎ 休憩がてら酒手をねだる
7846 12 -6
   生ケ垣に ふきんの白き 法事過
   座敷の掃除に使った布巾を干す
7847 12 -7
   むす子のうまく はまる鳴川
   鳴川→なるかわ 木辻に近い 奈良の遊廓らしい
7848 12 -7
   尖ぬいて 貰ふを恋の 橋かゝり
   尖→とげ ☆そのまんま
7849 12 -7
   うつゝにも 枕ハ客の 方へこけ
   うつつ→仮睡してうつらうつらしている状態☆国大 邪魔な物は客の方へ
7850 12 -7
   寒念仏 竹なら折るゝ 夜もあらん
   寒念仏→かんねぶつ 修行の人間なればこそ深い雪の夜も
7851 12 -7
   若衆見事に 恥をかゝせる
   若衆→男色の弟分 ???
7852 12 -7
   ぬれ仏 はしめてぬれて 人たかり
   濡仏→露天の仏像☆川柳辞彙 濡仏としての趣きは如何に
7853 12 -7
   草りにも 我光陰を 振かへり
   草履の減ったにも自分の歩んだ歳月を感じる
7854 12 -7
   竹門に 預り者の 女良花
   竹門→たけもん 下谷の佐竹右京大夫上屋敷の西側の小路 女良花→おみなえし 女や遊女の意 ???
7855 12 -7
   うつみ火へ 鼠ハ声を しほりかは
   埋火→灰の中に埋めた炭火☆国大 しほりかは→絞り皮? ???
7856 12 -7
   うき人の 裾から綿も 春の物
   憂人→つれない人 悲しみ悩み疲れ果てた人 風雅を理解する人☆国大 綿入れの裾が綻んで綿が出ているのも春の情景?
7857 12 -7
   おとり子の 木馬に乗て おかしかり
   留守居役と馴染みで屋敷に出入り?
7858 12 -7
   大きなうそを かつくかう薬
   かう薬→こうやく 荷物を重く見せる?
7859 12 -7
   柳原 傘をさす日ハ 淋しくて
   柳原→土手を背に古着などの床見世が出る 雨の日は店が少ない?
7860 12 -7
   おそろしき 女のちゑも 昼ハなし
   夜の方が勘がするどい
7861 12 -7
   煮へ切らぬ 足も片々・ 今井橋
   片々・→かたかた 片方 片一方☆江語辞 今井橋→今戸橋の誤りが それなら真崎稲荷へ行くか吉原へ行くか迷う?
7862 12 -7
   悋気の飛ひ火 小遣ひへ行
   憂さ晴らしに無駄遣い?
7863 12 -7
   箔代か 出来て仏の 行衛なし
   箔代→はくしろ はくだい ☆江語辞 仏像の金銀箔の費用 行衛なし→行方なし 途方にくれる 行方が知れない 際限がない☆国大
7864 12 -7
   生酔ひとり 妻のしこなし
   生酔→なまえい 酔っばらい しこなす→馴れ馴れしく自由に扱う 毎度のことで慣れてます
7865 12 -8
   中のほり 浜をきといふ 名をわすれ
   中のほり→なかのぼり 上方から江戸に奉公に来て居た者が年季の途中帰郷する事☆川柳辞彙 浜をき→浜萩 伊勢の浜萩を忘れ
7866 12 -8
   土蔵へ入れて 母のあら事
   放蕩息子を座敷牢へ
7867 12 -8
   山はつかりて 今の河竹
   山→計略☆江語辞 はつかりて→ばっかりで 河竹→川竹の流れの身の略 遊女の生活をいう☆川柳辞彙 もくろみの多い遊女の生活
7868 12 -8
   新関てくふ 新しい棒
   新しい関で新しい棒で突かれる
7869 12 -8
   材木に なれは寐に来る 鳥もなし
   木の頃は鳥も集まり
7870 12 -8
   此壱分 女房のしらぬ 有かたさ
   吉原の最低料金
7871 12 -8
   籔入の 二日ハ顔を 与所に置キ
   籔入→薮入 与所→よそ 芝居とかに行って家に居ない
7872 12 -8
   母の小判の わひ言に出る
   放蕩息子のわび言に甘い母が取っときの小判を出す
7873 12 -8
   わる口を やけた火箸て 追廻し
   その口を焼くよ
7874 12 -8
   おとり子て見た 時ハない尻
   商売衣装では尻を小さく見せ
7875 12 -8
   ためなんと 引込紫衣の 御分別
   引込紫衣→ひっこみじえ 引込→引退☆江語辞
7876 12 -8
   御組屋敷に 似た皃なをり
   組屋敷→くみやしき 御家人の集団住宅☆江語辞
7877 12 -8
   升呑に 舌を出させて 取肴
   升呑→ますのみ 取肴→とりざかな 手が空かないので?
7878 12 -8
   天の河 せかれた事も 一むかし
   子供が小さい頃は七夕飾りをせかされたが
7879 12 -8
   かゝる時 灯を消す虫ハ 通りもの
   通りもの→魔物☆江語辞 都合良く真っ暗に
7880 12 -8
   せんたくを 頼むも女房 あいしらい
   あいしらい→あしらう 程よく取り合わせる
7881 12 -8
   入智恵されて 師走さく梅
   暖かくして早咲きさせる?
7882 12 -8
   恋と酒 めくりめくり・て たゝき鉦
   叩鉦→念仏にあわせて叩きならす鉦☆国大 さんざん遊んだ果ての念仏三昧
7883 12 -9
   十二銅 尻へあたれは 面白し
   神楽巫女に投げ銭
7884 12 -9
   朝皃ハ 両手の入らぬ 詠物
   詠物→ながめもの ながめて楽しむもの☆国大 懐手で観賞する
7885 12 -9
   よもきふの 所々・に みたけ銭
   蓬生→草深い荒れた地の家 みたけ銭→みだけぜに 緡を通さないばら銭☆国大 小博打か?
7886 12 -9
   思ハすも 世をつれつれ・の 膳のうへ
   徒然→物思いにふける 変化がなく単調 物寂しい☆国大 日々の食事も単調といえば単調
7887 12 -9
   うしろ手に 杖つく畑の あたゝかさ
   農夫が春の畑で腰を伸ばす
7888 12 -9
   玉のこし 内に居ルにも 取かさり
   取かざる→かざると同意 玉の輿に相応しく家の中でも変な格好はできず
7889 12 -9
   おもひに痩せて つまむ秋の蚊
   物思いしながら弱った蚊をつまんでみる
7890 12 -9
   ふり袖の手の 置所なし
   袂をいじってみたり
7891 12 -9
   鶯を飼ふ 後家のほやほや・
   はじめは
7892 12 -9
   腹のたつ時 もとの京談
   京談→きょうだん 京言葉 日頃は江戸言葉だが
7893 12 -9
   六月の 風に土蔵の 腹か鳴る
   土用干しで蔵が空腹に
7894 12 -9
   うまい事にハ 遠いらうそく
   暗がりで都合が良い?
7895 12 -9
   紙燭して 大事の闇へ 穴を明ケ
   闇に紛れた逢い引きか?
7896 12 -9
   冬至の梅に 鳥のむた口
   むた口→むだぐち
7897 12 -9
   腎虚する 京を見て居 ひかし山
   祇園を下に眺めて
7898 12 -9
   七十五日と 誉る献立
   初物を食べると七十五日長生き
7899 12 -9
   かたみの扇 捨てをく嵯峩
   捨て→捨てて 嵯峩→嵯峨 仏御前が
7900 12 -9
   しかられた 腹を直しに 弾かたり
   弾かたり→ひきがたり
7901 12 -10
   谷七郷を うめる去り状
   谷七郷→やつしちごう 鎌倉の意 松ヶ岡
7902 12 -10
   冶聾酒を 呑て咄か ひくゝ也
   冶聾酒→治聾酒 じろうしゅ 立春から五番目の戌の日に土地の神に供える酒やこの日に呑む酒 この日酒を呑むと耳の遠いのが治るという☆国大
7903 12 -10
   ふし穴へ 時宜をして行 大かくら
   時宜→じぎ 大かくら→太神楽 覗いている観客にも
7904 12 -10
   都をよくハ 云ぬ母親
   若い頃京で嫌な目に? あるいは娘の上方役者道楽を呵る?
7905 12 -10
   さひしさに じつとして縫ふ たはこ入
   亭主の旅支度?
7906 12 -10
   食傷も たなはたつめの 数に入
   たなはたつめ→たなばたつめ 機を織る婦人 織女☆国大 ???
7907 12 -10
   にきりこふしの 這入る銭筒
   銭筒→ぜにづつ 竹筒に穴を明けて貯金する銭を入れる筒☆国大 いくらでも出せるので貯まらぬ
7908 12 -10
   うくひすの また口先て さむからせ
   春浅く鳴きが幼い
7909 12 -10
   妾と口の 合ぬ十月
   口が合う→話しが通じあう 云う事が一致する☆国大 宗派違い?
7910 12 -10
   行燈を まずい咄の 中に置キ
   相談が長引いて夜になった
7911 12 -10
   三月ハ 皃に胡椒を あてかハれ
   出替りなど泣く機会が多い?
7912 12 -10
   飯綱の鱚も 三河丁から
   飯綱の鱚→いずなのきす 三河町→鎌倉河岸の北 魚市あり☆江戸文学地名辞典
7913 12 -10
   たそかれの 鳥ハねちれて 峯の松
   夕暮の鳥の群れの飛ぶ様子?
7914 12 -10
   刈らるゝも しらいて招く 糸薄
   糸薄→いとすすき すすきの一変種☆国大 ☆そのまんま
7915 12 -10
   恋くさや 蚊の喰ふ足を 打ちかへ
   恋草→草が茂るように恋心のつのること☆国大 蚊に喰われるのもかまわず夜明けまで立ち尽くす
7916 12 -10
   狸から 狐の中に 垣ハなし
   狸寝入りの客と女郎狐?
7917 12 -10
   嵳峩の町 湯水に釈迦を 遣ふ也
   嵳峩→嵯峨 京都洛西の地で大覚寺や清涼寺や天龍寺など有名な寺が多い
7918 12 -10
   うしろから 鶏のくハへる あらい髪
   結ってないので長く垂れる
7919 12 -11
   干からひて居る 関とりの耳
   稽古で潰れて
7920 12 -11
   根岸の寮に 金の出た顔
   寮→別荘 隠居所 妾宅など ☆江語辞 ここは妾宅か
7921 12 -11
   ほうつきの ケンに成ル日ハ 罪かなし
   けん→料理のつけあわせ☆江語辞 禿が欲しがる?
7922 12 -11
   あさつきに 向ふと物か 云にくし
   浅葱→三月四日に浅葱膾を雛に供えてから仕舞う この日は奉公人の出代りでもある☆川柳辞彙 別れの日
7923 12 -11
   角田川 うきねの鳥も 下戸ならす
   角田川→隅田川 浅草並木町の銘酒の名
7924 12 -11
   新関守の しけい小便
   しげい→繁い 多い☆江語辞 座っているのがまだ落ち着かない
7925 12 -11
   呑人かなくて 馬鹿な曲水
   呑人→のみて 曲水の宴で盃が流れても誰も呑まねば無意味
7926 12 -11
   蘇生した かハりに臍か いぼう也
   いぼう→灸をすえた痕が化膿する☆江語辞 臍に灸を据えて蘇生 別に蘇生のツボという訳ではないらしいが
7927 12 -11
   恋せしと みたらし河に くさいやつ
   みたらし河→御手洗川 神社の近くで参拝者が手を清め口をすすぐ川 賀茂神社等にある☆国大
7928 12 -11
   冨士や浅間に あきる傘持
   傘持→貴人の行列などで長柄の傘を持つ供人☆国大 ここでは大名行列の爪折傘か
7929 12 -11
   此度ハ水を あひるもへ杭
   此度→こたび もへ杭→燃え杭? 焼け木杭に火がついたのを今度は消される?
7930 12 -11
   手近い寺へ すへたかる母
   すえる→住まわせる☆国大 同じ出家するにしても?
7931 12 -11
   箱から明る うら嶌か年
   うら嶌→うらしま 浦島太郎 普通は元日が明けて年をとるが浦島太郎は玉手箱を明けて
7932 12 -11
   利生か過て ふたり浪人
   利生→りしょう 利益 りやく☆江語辞 ???
7933 12 -11
   食粒ひろふ 蝉・丸の膝
   食粒→めしつぶ 蝉・丸→盲目の琵琶法師と伝わ る
7934 12 -11
   上下着ると よく鼻をかむ
   ついあらたまって
7935 12 -11
   道連の 柱にひとり 墨衣
   道連→みちづれ 柱→中心になる人☆国大 道中余計な場所に行かないよ うに僧を一人連れていぐ
7936 12 -11
   三十日ハ明て 帰る鵜つかひ
   三十日→みそか 掛取があきらめて帰る? 掛取を鵜飼の鵜匠に見立て?
7937 12 -12
   江戸ても立て 見たい錦木
   立て→たてて 錦木は奥州の求婚の風習
7938 12 -12
   つつくりと 鳴尾短き あかり鶏
   つっくり→つくねんと ☆江語辞 あかり鶏→あがりどり 上がり→商売がうまく いかなくなる☆国大 老いた鶏の様子か
7939 12 -12
   かたみ送りに 出来ぬ三味線
   形見送り→死者の形見を送りとどけること☆江語辞 遊び関係なので
7940 12 -12
   こしかたを 思ふなみたの 耳に入リ
   枕を濡らす
7941 12 -12
   口ハ妹か 先へ生るゝ
   口は妹の方が達者
7942 12 -12
   姫君の めつらしそうに 赤合羽
   赤合羽→中間の異称☆江語辞 普段は中間を見る機会などないので
7943 12 -12
   鎮守の宮へ 出来たての飯
   お供え?
7944 12 -12
   寺々・の 鐘に名をさす 按广取
   按广取→あんまとり 按摩 ☆江語辞 療治をしながらあれは何寺の鐘ですな
7945 12 -12
   あしたの晩ハ 内て大名
   長旅の苦労も今日迄
7946 12 -12
   うき世の端を ありく生酔
   生酔→なまえい 酔っばらい 塀際とか
7947 12 -12
   泣ほくろ 死ほくろより よけれとも
   泣黒子→目の下や目尻にある 黒子で不運の相という 死黒子→鼻下の人中に黒子あるは短命という☆江戸文学俗信辞典
7948 12 -12
   掃除人 皃も明るき 正燈寺
   正燈寺→吉原近くの紅葉の名所 散った紅葉の照り返しで
7949 12 -12
   けふハ程なく ほた餅をくふ
   ぼた餅→四十九日の牡丹餅? 死んだ姑への遠慮が減って?
7950 12 -12
   獅子の口から 吹かける文
   獅子口→石橋等に使う凶暴な面相の能面☆国大 花魁からの催促の文か
7951 12 -12
   傘に うそを突せる 通り町
   通り町→とおりちょう 通り筋の町 あるいは 日本橋と京橋の間の通一丁目から四丁目の大商店街☆江語辞 駿河町の越後屋の貸し傘?
7952 12 -12
   寺を出て むかしに帰る 上り馬
   上り馬→あがりうま 故人の愛馬を寺に納める 寺から売られて?
7953 12 -12
   三の糸 何にかけても 器用也
   三の糸→三味線の三の糸 ここは踊り子の意か?
7954 12 -12
   舞葉のかほる 下リ在番
   舞葉→まいば 煙草の舞留の中位の質のもの☆国大 在番→勤番で国元または江戸で勤務すること☆江語辞☆川柳辞彙 江戸勤務?
7955 12 -13
   縫仕廻 顔の淋しき 時あかり
   縫仕廻→ぬいしまう 時あかり→雨天に雲が薄らいで明るくなること 明け方東の空が明るくなること☆国大縫い上げて達成感と淋しさと
7956 12 -13
   住吉の 松も松也 升も升
   摂津住吉大社の九月十三日の神事宝の市 升市ともいい升が売られた
7957 12 -13
   からかさの 五本並んて をもしろき
   白浪五人男は文久二年初演なので違うが何か勢揃の先行があったか? 難波五人男?
7958 12 -13
   土用干 只の奉公と 見へぬ也
   奉公にしては良い着物が沢山妾奉公?
7959 12 -13
   ぬくめ鳥 戸の明く音に あちら向
   ぬくめ鳥→鷹が小鳥を掴み足を暖めてから放すという ☆川柳辞彙 暖め鳥さなどといって油断させていたが
7960 12 -13
   よいちゑハ 一ツも付けぬ 云名付
   云名付→いいなずけ 心安いだけに
7961 12 -13
   みしめさハ にハか座頭の 蜆汁
   目が悪くなり黄疸にもなった
7962 12 -13
   酒の地こくの 親椀か出る
   親椀→大型の飯椀☆江語辞 これで呑めとは酒地獄
7963 12 -13
   九十九夜 棒の出そうな 闇を行
   深草少将の百夜通い 番人などに棒でこづかれそうな?
7964 12 -13
   さゝくれハ 唇迄の あいしらい
   ささくれ→爪際のさかむけ☆江語辞 あいしらい→応対 取り合わせ☆国大 噛み切るまでの付き合い?
7965 12 -13
   うくひすの 氷鳴わる 五十鈴川
   五十鈴川→いすずがわ 伊勢神宮近くの川で参拝者が身を清める
7966 12 -13
   先もかてんの からかさをさす
   がてん→合点 承知 ☆江語辞 雨の中をしめしあわせて? ???
7967 12 -13
   土用に入て 浪人の恥
   鎧も質入して土用干できぬ
7968 12 -13
   闇の喧嘩・の あたつてハ折レ
   喧嘩・→喧嘩 棒切れを闇雲に振り回し?
7969 12 -13
   凩に 突出し物の 一ツ松
   突出し物→邪魔者☆江語辞 一ツ松→唐崎の一ツ松
7970 12 -13
   煙のうすい 志賀の晴天
   志賀→近江の地名 ???
7971 12 -13
   身に叶ふ 事ならハとハ 古いやつ
   身の程に合うのであれば?
7972 12 -13
   居風呂も しつんて見ねハ 知れぬ也
   居風呂→すえふろ 風呂桶でわかす風呂 肩迄つかって真価がわかる 何事も経験して理解できる
7973 12 -14
   松嶋ハ 米を買ふにも をもしろき
   松島は米の産地である仙台候の領地にある ???
7974 12 -14
   出代リの 箸を折のも にくい物
   折→おる
7975 12 -14
   あたまから 撫られそうな 柳はら
   柳原→土手を背に古着などの床見世が出る 柳多し 垂れ下がった柳の枝に?
7976 12 -14
   ゑひすこう 去年の意趣を 追廻し
   一年経って無礼講の続きを? 去年はよくもあんな大盛りに飯を盛ったなとか 去年の胴上げの復讐で大飯を盛るとか
7977 12 -14
   尼のはなしを 尼か聞ほす
   聞き干す→すっかり聞きつくす意が 同じ境遇同士?
7978 12 -14
   棹に成 厂の跡なる はした厂
   厂→かり はした→端数の☆国大 棹になった雁のあとにはぐれ雁が 端銭を借りることの洒落?
7979 12 -14
   見たい程 見て供に遣る 遠めかね
   なかなか貸してくれない
7980 12 -14
   身うちか馬鹿に 成て納る
   家族が馬鹿を見て騒動が解決
7981 12 -14
   狆を見たかる 本陣の婆々・
   本陣→宿駅で大名などが泊る大旅館☆国大 大名の家来が御妾の狆の話をするので?
7982 12 -14
   乳母壱人 法事のうちハ 山めくり
   子供は法事の邪魔なので乳母が散策へ連れ出す 「山姥の山廻りするといふ事を」☆謡曲山姥 をきかす
7983 12 -14
   やけけいせいと 伯父の高聲
   やけ→焼 他の語に付けてそ れをののしる意を添える ☆国大 焼傾城
7984 12 -14
   地うたひハ 並んて口を 明にけり
   地謡→能で謡曲の地の文を舞台右で大勢で謡う人々☆国大 ☆そのまんま
7985 12 -14
   一部始終を 泣通す恋
   聞くも涙語るも涙の
7986 12 -14
   大福帳を 書たかる後家
   主人の替わりをしてみたい
7987 12 -14
   氏よりも なる程そたち 杜若
   水辺に育ってこそ
7988 12 -14
   みしかいハなし 立番の顔
   立番→たちばん 立って見張りをする人☆江語辞 仕事柄伸び上がって顔が長くなる?
7989 12 -14
   くらまの伯父を 呵るせんたく
   ???
7990 12 -14
   悋気の顔の 三日さひしき
   しばらく不機嫌
7991 12 -15
   斗る手へ 松葉を立る 曾根の塩
   菅公手植えの曽根の松で有名な播磨の曽根天満宮には曽根の塩田の神様の塩釜社あり 曽根は製塩業が盛んだった
7992 12 -15
   六部頼むて をそろしいうそ
   六部→ろくぶ 廻国の修行者 ☆江語辞 ???
7993 12 -15
   銭をつく 音もさひしき 切しきみ
   銭を突く→銭を一文二文と数えつつ出す☆江語辞 しきみ→枝葉を仏前に供える木 仏事用なので
7994 12 -15
   懸た医者の 門を葬礼
   懸た→かかった 藪医者の門前を患者の葬列が通る
7995 12 -15
   恋の闇 明るく成と 吝く成
   恋の目処が立つとケチ心が
7996 12 -15
   古郷恋しく うたふ足軽
   ☆そのまんまか
7997 12 -15
   入聟の 狂哥出来たり 小ぬか雨
   小糠三合あるならば入婿すな 男はわずかでも財産があれば入婿にならず一家をたてるべきという意☆国大
7998 12 -15
   剃刀の 合ふも哀な 松ヶ岡
   合う→刃物がよく切れる☆国大 黒髪をおろし尼になる
7999 12 -15
   若衆つれなく 字はかりて書
   若衆→男色の弟分 つれなく→無情に?☆国大 字→漢字☆江語辞 字と痔の洒落が
8000 12 -15
   在鎌くらの 鰹食あき
   在→地名の上についてその地に居ること☆国大 鎌倉は漁村で鰹が揚がる
8001 12 -15
   てうと坐当て かハる御銚子
   てうと→ちょうど 坐当→ざとう
8002 12 -15
   籔入の なしみの壁に 針をさし
   籔入→薮入 実家の壁に帽子の針を?
8003 12 -15
   元ハ念者と 咄す斎僧
   念者→男色の兄分 斎僧→ときそう 仏事に来る僧?
8004 12 -15
   事問ん 鳥もまた来す 十五日
   事問ん→こととわん 事問ん鳥→隅田川の都鳥 三月十五日は梅若忌
8005 12 -15
   ためすにも 当事のない 蛍火丸
   当事→あてこと 心当てにする事 目算☆江語辞 蛍火丸→けいかがん 五兵白刃の難を除く効ある薬というが☆川柳辞彙
8006 12 -15
   樒もつ はしたの手にも 品かつき
   樒→しきみ 枝葉を仏前に供える木 はした→下女や下女より下級の雇女☆江語辞 品→しな ちょっとした仕草や振舞☆国大
8007 12 -15
   妾迄 入れて持たき はさみ箱
   挟箱→武家の公用の外出に調度装身具を納めて従者に棒でかつがせた箱☆国大 妾もこっそり持って行きたい
8008 12 -15
   小粒てためる 恐しい金
   小粒→小粒金 一分金☆江語辞 小額づつ貯めるので怨念が
8009 12 -16
   ひよ鳥に 云込られて 一葉ちる
   ひよどりの鳴く木から一葉が落ちる? ???
8010 12 -16
   筒井つゝ 黒い顔てハ 取合す
   取合す→とりあわず 伊勢物語の筒井筒 幼馴染でも
8011 12 -16
   母親の 付すに出れは うたかハれ
   付す→つけず ???
8012 12 -16
   むら雨ハ かたみもなくて 猶哀れ
   在原行平 汐汲の松風村雨姉妹と契る 都へ戻る時烏帽子狩衣を形見に残す 能の松風では松風が形見を着ているので
8013 12 -16
   時鳥 四月過れは やりはなし
   時鳥→ほととぎす やりはなし→ほったらかし 時鳥の初音は三月末から四月 それまでは聞いたかなどと話題になるが
8014 12 -16
   さまさま・喰て 狐落たり
   さんざんあれが食いたいとかこれが食いたいとか云って
8015 12 -16
   面白い 事も仕廻て よい親父
   しまう→終える☆江語辞 いい年になって道楽も卒業
8016 12 -16
   子か出来て あふない聟も ゆりすハり
   揺り据える→揺り動かして動かない位置にとどめる☆国大 子供が出来て入聟安泰
8017 12 -16
   ゆすりの金の 二上りに減
   ゆすり→おどかして金品を出させる事☆江語辞 二上り→ 三味線の二の糸を上げた調子 明るく派手やかな感じという 悪銭身に付かず
8018 12 -16
   猪牙を女の しけしけ・と見
   猪牙→吉原通いの舟 何があんなに良いのやら
8019 12 -16
   皃みせを 見に行皃も 宵に出来
   顔見世興行は十一月朔日 客も前の晩から化粧
8020 12 -16
   智職さひしく 蠅になふられ
   智職→智識 ちしき 徳の高い僧☆国大 徳も蝿には通じず
8021 12 -16
   見せ物買の 三人て来
   騙されないように? ???
8022 12 -16
   思ふさま 泣せて置て 中直り
   さんざん泣いたら落ち着いて
8023 12 -16
   吉原を 横に見て行 終の道
   終の道→ついのみち あの世への道☆国大 日本堤から三ノ輪の火葬場へ向かう葬礼
8024 12 -16
   二月から ちひちひ・泣て 品か付キ
   品→しな ちょっとした仕草 や振舞☆国大 出代りが近くなり?
8025 12 -16
   よみ人しらす 帯をする下女
   妊婦の岩田帯 子は作者不明
8026 12 -16
   気違に して松山も 寝付かれす
   大坂の豪商椀屋久兵衛 放蕩し座敷牢に入れられ新町の傾城松山を追って狂乱
8027 12 -17
   卯の花か 咲は苦に成 足のうら
   咲は→さけば 卯の花は陰暦四月 参勤交代の季節?
8028 12 -17
   新造の おかしい事を 気に懸て
   縁起かつぎか何かこだわりが
8029 12 -17
   奥様の 毒を本屋か 置て行
   貸本屋があやしい本を
8030 12 -17
   食傷の その梢とハ 梅青し
   梢→枝の末☆国大 ???
8031 12 -17
   唇を 見込に尼ハ 抱込れ
   抱込む→味方にする☆国大 唇が薄くないのでおしゃべりではないだろうと?
8032 12 -17
   世をちいさかる 所化の元日
   所化→しょけ 修行中の僧 僧の年礼は四日から それまでは外出をひかえる?
8033 12 -17
   京を出て 京にたとへる 皃かなし
   顔→面目☆国大 京を出奔してしまっては何かにつけ京の自慢もできない?
8034 12 -17
   中日に 死たやりても ふしき也
   中日→ちゅうにち 彼岸の中日 法会多し 因業な遣手婆なのに
8035 12 -17
   かんこ鳥さへ 派のきかぬ三井
   かんこ鳥→かっこう 派が利く→幅がきく 勢力がある☆江語辞 三井→みい 近江の三井寺☆川柳辞彙 近江八景 三井の晩鐘が名高く?
8036 12 -17
   若旦那 皆寐セ付て 御分別
   分別→物事をわきまえること 道理善悪損得を考えること ☆国大 皆寝静まってから夜遊びに
8037 12 -17
   御はらいの 明るく見へる 軽業場
   軽業場→かるわざば 曲芸の興行前にお祓いをするのは景気良い?
8038 12 -17
   利休か誉て 直の上る松
   直→ね 値 千利休が誉めれば只の松も 箱崎松原の利休釜掛松?
8039 12 -17
   緋ちりめんにハ 負る男気
   緋縮緬の腰巻のお姐さんには
8040 12 -17
   都鳥 翌のうそへ 行あたり
   翌→あした 吉原から朝帰り
8041 12 -17
   辻番の 昔忘れぬ 合セ鬢
   辻番→武家地の警備番所の番人 経費削減で老人多し 合セ鬢→あわせびん 享保末期から老人の間に行われた男髪 昔の流行
8042 12 -17
   寒声の 朝から笑ふ 声かハり
   寒声→冬の夜や早朝戸外でする音曲の稽古 修行中に変声期になって
8043 12 -17
   越路のなみた 升てあてかふ
   越路→こしじ 越後は角兵衛獅子や遊女の出身地☆川柳辞彙 越後獅子の哀れ?
8044 12 -17
   もすそに針か 有て入聟
   謡曲三輪の妻訪い神話 苧環に針をつけ裳裾に綴じつけて夜来る男の正体を探る 夜這男の正体がばれて
8045 12 -18
   傘を 伊達にさゝせる かきつはた
   雨の杜若見物
8046 12 -18
   夢のあたひか 広蓋て出る
   広蓋→客に飲食物を出すのに使う角盆☆江語辞 金次第
8047 12 -18
   立田姫 自由にならぬ 三ケの津
   竜田姫→秋を司る神☆国大 三ケの津→さんがのつ 京 大坂 江戸の三都をさす☆川柳辞彙 山より紅葉が少ない?
8048 12 -18
   隣のなみた かゝる破广弓
   破广弓→はまゆみ 棟上式で屋上に破魔矢と立てる弓形の飾り☆国大
8049 12 -18
   大事のむす子 長崎て死ぬ
   勘当して幾年
8050 12 -18
   十人並も ますい挨拶
   十人並→容貌や技芸が人並みであること☆江語辞 誉めてることにならない
8051 12 -18
   女の聲の 高い霜月
   顔見世興行
8052 12 -18
   帰たて 結句箒の こはく也
   帰たて→かえったで 長尻の客を帰すのに箒を逆さに立てかける呪い☆江戸文学俗信辞典 呪いが効いて不気味
8053 12 -18
   けいせいの 指を見て居る 廿日過
   花魁の年末の金策 小指切りの心中立てでもするが
8054 12 -18
   御耳にもたつ 仲間の智恵
   仲間→ちゅうげん 武家の下僕☆江語辞 夜遊びの仕方とが
8055 12 -18
   かてんした子を 拝む極月
   がてん→合点 承知☆江語辞極月→十二月 娘を売って暮れの金策
8056 12 -18
   舟宿も出て 貰ふ丸薬
   酔い覚ましの袖の梅?
8057 12 -18
   やつと戸の明く 能因の庵
   奥州へ行かず白河の関の歌を詠み家に籠って日焼けしてから披露した
8058 12 -18
   手のくほを 母のして居 さくら艸
   手の窪→掌に飯をのせて喰うこと☆江語辞 桜草売りから桜草を買う様?
8059 12 -18
   子に気の付ぬ うつくしい乳母
   乳母にみとれて子が見えぬ?美しいが不注意な乳母?
8060 12 -18
   考へて 雪へ飛込む 寒念仏
   寒念仏→かんねぶつ 寒中三十日間夜中に念仏を唱えて歩く行 雪の下が溝や川ではないかと
8061 12 -18
   あみ笠を 窓から渡ス 御乳の人
   御乳の人→おちのひと 貴人の子を育む乳母☆川柳辞 彙 覆面などで顔を隠して授乳したというが
8062 12 -18
   検校の 久しい事を うれしかり
   久しい→日が経っている☆江語辞 あたりまえで陳腐な☆ 国大 出世しすぎて普通のことが嬉しい?
8063 12 -19
   しけしけ・と見る 婆々・もくせ物
   しけしけ・→しげしげ 婆々→遣手 関所婆 産婆 ☆江語辞 遣手が客の懐具合を探る?
8064 12 -19
   妾の山の 違ふ丸薬
   山→もくろみ 計略☆江語辞 四つ目屋の淫薬長命丸か 逆に自分が
8065 12 -19
   御内儀の 藝を見て居 供廻り
   御内儀→町家の妻の敬称 ☆国大 供廻り→ともまわり 供の人々☆国大 ???
8066 12 -19
   あくた河 飛鳥川にハ まのあたり
   芥川は業平の恋の逃避行 飛鳥川は心変わりの象徴 恋と心変わりは近い関係
8067 12 -19
   姉ハかしこく 仕廻ふ針筥
   針筥→はりばこ 内緒のものを隠す
8068 12 -19
   去り状を 持て淋しく 食に付き
   食→めし 飯に付く→奉公人が目見え奉公をする☆江語辞 離縁されて下女奉公に
8069 12 -19
   行衛か知れて 母の看経
   行衛→ゆくえ 看経→かんきん 仏壇の勤行 放蕩息子の行方が知れてご先祖にお礼かお詫びか
8070 12 -19
   柴の戸へ 念の入たる 咳はらい
   柴の戸→粗末な住居 今から訪問しますよ せめて格好をつくろう暇を
8071 12 -19
   生酔を うら山しかる 鉢たゝき
   生酔→なまえい 酔っばらい うら山し→羨まし 鉢たたき→年末に鉦や瓢箪を叩き勧進する空也僧 かたや年忘れ
8072 12 -19
   青田へほうる 妓夫の傘
   妓夫→ぎゅう 遊女屋の若い衆 夜鷹の客引き☆国大 吉原の客引きに一杯くわされ ?
8073 12 -19
   芍薬も 牡丹か咲て 口惜き
   牡丹は花王 芍薬は花相
8074 12 -19
   二度ふりて 命めて度 尼に成
   二度振り→二度 振は数量の語について相当する意☆国大 めて度→めでたく 二回目で松ヶ岡へ逃げ込めた
8075 12 -19
   親椀に 取付て立 病上り
   親椀→大型の飯椀☆江語辞 ☆そのまんま
8076 12 -19
   引はられ行 袴着の坂
   十一月十五日男児五歳の袴着で親に手を引かれてお宮詣り
8077 12 -19
   錠口の やかましく成 男帯
   錠口→じょうぐち 御錠口 江戸城や大名邸で表と奥の境にあった出入り口☆国大 男帯→男が用いる幅の狭い帯☆国大 男子禁制
8078 12 -19
   うまい事 云て聾を 證據人
   事情を知らなかった人を?
8079 12 -19
   仰山に夜の 明る皃みせ
   仰山→ぎょうさん 大袈裟 ☆江語辞 十一月朔日の顔見世興行は暗いうちから始まる
8080 12 -19
   芝居見と 山を懸たる 古狸
   古狸→老獪な人☆江語辞 嫁の芝居見物を姑が見破る
8081 12 -20
   妾の味方 うすい唇
   唇の薄い者は多弁という☆江語辞 口先で勝負
8082 12 -20
   うしや二度見る 子をろしの皃
   憂しや中條流の常連に
8083 12 -20
   あつま屋を いつしか馬の 喰たをし
   屋根藁を少しずつ引き喰って
8084 12 -20
   杓子定矩ハ 乳母のゑて物
   杓子定矩→杓子定規 得手物→得意技☆江語辞 坊っちゃんのこと以外は私の仕事ではありませんので?
8085 12 -20
   小豆飯 上下程の 事てなし
   娘の初花 めでたいが裃を着るほどでは
8086 12 -20
   からくりハ 女に付た 病なり
   からくり→計略 たくらみ やりくり☆国大 やりくりして体裁を整えても内実の身上は苦しいこと☆川柳大辞典
8087 12 -20
   能のほたんの 廻る錠口
   能の石橋の牡丹? 錠口→じょうぐち 御錠口 江戸城や大名邸で表と奥の境にあった出入り口☆国大 ???
8088 12 -20
   うくひすも 役者にしてハ 若衆形
   若衆形→わかしゅがた 歌舞伎の少年役で年若い役者が主に扮した☆国大 鳴きが幼い
8089 12 -20
   まよひ子の 親ハ米屋に して仕廻
   米屋→ここは搗き米屋か 忙しいので子供の相手をしていられない?
8090 12 -20
   中垣の 上へによきによき・ 人の口
   中垣→隣家との隔ての垣根☆国大 噂は垣根を越えて行く
8091 12 -20
   顔よせて 馬の粥喰ふ 夕日影
   夕日影→夕日の光☆国大
8092 12 -20
   こそくる心 よい橋か出来
   こそくる→繕う☆江語辞 着物の綻びを繕って貰ったのが縁で
8093 12 -20
   いさゐかまハす 坐当寐に行
   徹夜の宴会で草臥れ?
8094 12 -20
   尺八を あハさの烏 鳴ならひ
   あハさ→阿波座 大坂新町北部☆川柳辞彙 阿波座烏→大 坂新町をぞめき歩く素見の客☆川柳辞彙 浪花の侠客雁金文七は尺八を挿す名月五人男
8095 12 -20
   鎌倉へ 行と火箸て 書て見せ
   松ヶ岡へ逃げると脅す
8096 12 -20
   腹のたつ時 精進をおち
   つい我慢できず
8097 12 -20
   槙たつ里へ かよふ文箱
   檜などの生い茂っている里? 文箱→書状を入れて持ち運ぶ小箱 ふばこ☆国大 三夕関係?
8098 12 -20
   古郷からも 祈る奉公
   ☆そのまんま
8099 12 -21
   坊主に成て うそに實か入
   實か入→みがいる 夢中にな る 一心になる☆江語辞 説教も見方を変えれば
8100 12 -21
   ます穂まそうの 戻リにハ晴
   徒然草一八八段 ますほの薄まそほの薄など言ふ事あり 登蓮法師は雨の中を渡辺の聖にこのことを聞きに行った
8101 12 -21
   小舅二人 あつい物喰ふ
   冷飯食は家督を相続しない次男以下の男の意☆国大 冷や飯食いなのに温かい飯を食べている
8102 12 -21
   唐の声もる 石町の窓
   日本橋石町の長崎屋は阿蘭陀人や唐人の旅館
8103 12 -21
   関の椽 婆々・ハ静に 畏り
   椽→縁 えん 婆々→関所婆か 女性の旅行者を調べる人見女が待機?
8104 12 -21
   また世をかさる 尼の目のうち
   世→世間の評価☆国大 まだ外聞を飾る気持ちが
8105 12 -21
   けいせいを 甘く覚て 哀也
   最初から良い目をみると後が怖い
8106 12 -21
   目鼻の間の かゆい立聞
   目と鼻の間→距離のきわめて近いたとえ☆国大 かゆい→皮膚を掻きたくなる 物足りない☆江語辞 すぐ近くで身動きならず
8107 12 -21
   うしろ帯 脇へ廻て うたかハれ
   芝居見物の平土間の切おとしで隙間を明けるため帯を廻す 変な事をしているのではど
8108 12 -21
   奴の律義 用か弁せす
   用を弁ずる→用事をすませる 必要な事項を処理する☆国大 奴が律儀でも仕方がない?
8109 12 -21
   捨た身と 思へとすこき 九十川
   凄い→気味が悪い 九十川→くじゅうがわ 大井川や天龍川等の異称 川越しの肩車の最高賃料が九十文だった☆川柳辞彙
8110 12 -21
   二百十日の 古骨を買ふ
   古骨買い→古傘買い 嵐で壊れた傘を買い集める
8111 12 -21
   落る葉の とこへも行ぬ うしろ帯
   うしろ帯→素人女 年季が明けて堅気に
8112 12 -21
   引摺て来る 精進のうそ
   精進中などと言い訳をする 付き合いの悪い奴を吉原へ
8113 12 -21
   異見の奥儀 女房持せる
   奥儀→おうぎ 放蕩の最終解決策
8114 12 -21
   二世懸る 夫に隠す もみ大根
   懸る→かける 揉大根→間引いた大根を塩で揉んで漬けたもの☆江語辞 堕胎の意☆雑俳語辞典 夫に内緒で
8115 12 -21
   身帯を 足から崩す きりきり・す
   身帯→身代 しんだい 全財 産 きりぎりす→吉原通いの二挺立の屋根のある小舟☆江語辞 吉原通いで身上が揺らぐ?
8116 12 -21
   行ぬかと いふも新地を はちもみち
   はじもみじ→黄櫨紅葉 かさねの色目の名☆国大 ハセ?ノキの紅葉 恥の洒落? 新地→深川の岡場所☆川柳辞彙 誘ったが吉原ではないので?
8117 12 -22
   高砂や 朝茶を呑て 掃に出る
   ☆遂平生志 謡曲高砂 箒を持った尉と熊手を握った媼
8118 12 -22
   小粒四ツハ 気にかけぬ妻
   小粒→小粒金の略 一分金☆江語辞 一両一度に使うとばれるが一分づつ四回ならばれない?
8119 12 -22
   此度の和尚 池を菜にする
   此度→こたび 池を埋めて畑に 風流よりも実質本位
8120 12 -22
   口なめずりて 長崎へ供
   丸山遊廓? カステラの本場?
8121 12 -22
   両六原て 誉る堪忍
   両六原→りょうろくはら 鎌倉幕府の南北六波羅探題
8122 12 -22
   春雨も あゝ・聞はよし 院の御所
   あゝ・聞はよし→ああきけばよし 雨が降って鬱陶しいと思うのではなくお公家の気分で
8123 12 -22
   久しい中へ 見附から声
   久しい→なじみ深い☆国大 見附→江戸城外門の監視所 見附の菖蒲革の番人の知り合い?
8124 12 -22
   柳原にて 蜘の振廻
   柳原→夜は夜鷹多し 蜘→くも 振廻→ふるまい 蜘蛛は待人の来る前兆 夜鷹の客の様子?
8125 12 -23
   三ヶの庄の うこく廻状
   三ヶの庄→さんがのしょう 今度から佐野源左衛門っちゅ う殿様がご領主様になるとな 謡曲鉢木の三ヶ庄
8126 12 -23
   光陰も うくとしつむに 遣ひ分
   光陰→年月 遣ひ分→つかいわげ 浮かぶ人もあれば沈む人も
8127 12 -23
   今戸橋 上より下を 人通り
   今戸橋→山谷堀の隅田川口に かかる橋 吉原通いの猪牙舟が下を通る 渡る人より舟でくぐる人が多い
8128 12 -23
   古着を買て 出れは日中
   日本橋富沢町の古着屋の朝市
8129 12 -23
   節句を脊負も 丑三ツの頃
   脊負→しょう 花魁に紋日を仕舞うのを約束させられる
8130 12 -23
   そつと明ても 口まめな錠
   こっそり操作しても明くときは大きな音が
8131 12 -23
   あつまくたり 降らぬつもりの 傘袋
   傘袋→長柄の傘をおおう布袋 大名行列か 雨が降ってもすぐには使えまい
8132 12 -23
   明石の礫 須广へ飛ふ鳥
   須广→須磨 飛ぶ鳥が明石からの礫のよう ?
8133 12 -23
   女房になしむ 馬のをとろへ
   昔は馬鹿にして暴れたが
8134 12 -23
   今吐た鵜の 皃を詠る
   詠る→ながめる
8135 12 -23
   くらい廊下に 馬の足音
   歌舞伎の楽屋? ???
8136 12 -23
   やりてか宿に 残る若党
   若党→若侍 武家屋敷の雑用をする身分の低い家来 中間の上☆江語辞 ご主人の遊興の間待つ 吉原のお供部屋よりは良い扱い?
8137 12 -23
   むらさきに 染残さるゝ 都鳥
   江戸に住むが紫でない 足が赤いので?
8138 12 -23
   五人男の 橋に吹空
   吹空→ふきがら?煙草の吸殻 歌舞伎の勢揃らしいが?
8139 12 -23
   こほれ松葉の うへに升うり
   摂津住吉大社の九月十三日の神事宝の市 升市ともいい升が売られた
8140 12 -23
   子を持てから 幅な寐乱
   幅→威勢 わがもの顔☆江語辞 寐乱→ねみだれ 女房の寝相
8141 12 -23
   上を見るのか 放下師の智恵
   放下師→ほうかし 手品や曲芸をなす大道芸人 観客の視線を逸らす?
8142 12 -23
   夜着やまくらも 鳥のした事
   夜着→着物形の蒲団 ???
8143 12 -24
   借金も寝て 見れは夢の世
   借金も夢のまた夢
8144 12 -24
   兜巾をとれは 元の主従
   山伏姿の義経と弁慶
8145 12 -24
   桟敷へ落る 冨の傘
   桟敷→芝居見物の左右の一段高い上席 土間に対する語
8146 12 -24
   庫裏にさひしく 溜まる綻ひ
   縫い物をする人がおらず?
8147 12 -24
   蓬生へ着く 横にする帯
   蓬生→よもぎう 草深い荒れた地の家
8148 12 -24
   六原を出て 聞ぬ明六
   六原→六波羅 平家一門の邸宅が軒を並べた☆国大 都落ちして
8149 12 -24
   馬を呵ると 皃を見る乳母
   馬が怒るかと
8150 12 -24
   門徒のあみた 後光過たり
   門徒→浄土真宗 後光がびっしり描かれている
8151 12 -24
   顔を放下に 遣ふ三月
   放下→ほうか 手品曲芸☆国大 花見での隠し芸が
8152 12 -24
   人の子の 瘤も我子の かゝみ山
   鏡山→近江国の歌枕 鏡の意 他人の子のたんこぶを見て我が子の行状を知る
8153 12 -24
   とり上婆々・の 男湯へ行
   すいている時に入る
8154 12 -24
   十月の 亥ノ日に隙ハ なかりけり
   十月の初めの亥の日は玄猪の祝いで炬燵開き炉開き牡丹餅大名登城と行事多し
8155 12 -24
   人の物着て かつらきの神
   葛城の神→一言主神 役の行者に岩橋を造らされるが醜いので夜活動した☆江戸文学俗信辞典 変装して夜這?
8156 12 -24
   手のくほて世を わたる木食
   手の窪→掌の中央の窪んだ部分 掌に飯をのせて喰うこと☆江語辞 木食→木の実や草を食べて修行する人☆国大 それだけでこと足りる
8157 12 -24
   歯か抜てから 皃の静さ
   そんな感じ
8158 12 -24
   痞を持て ありくくらがへ
   痞→つかえ 悲しみや悩みで胸がふさがること 癪☆国大 鞍替→芸娼妓が抱主を替える こと☆江語辞 悩みも癪も一緒に
8159 12 -24
   橋一ツ 医者免して 出養生
   医者→くすし 免して→ゆるしで 出養生→転地療養☆国大
8160 12 -24
   はつに旦那と 云てうつふく
   新婚
8161 12 -25
   釣鐘を 引上ける迄 うまからせ
   道成寺 白拍子が鱗形模様の蛇体に
8162 12 -25
   かハゆい子 旅から憎く 成そめて
   可愛い子には旅をさせろと云うが抜け参りから帰ったら妙に大人びてしまい
8163 12 -25
   西の五六に くらい盃
   芝居の西二階桟敷の番号か 絵島? 新五郎西の五六をじろり見る ☆明六梅1☆川柳江戸歌舞伎
8164 12 -25
   御知行に 五丁町ほと 穴か明キ
   御知行→おちぎょう 知行→領地や扶持☆国大 五丁町→吉原 吉原で遊んで五丁町ほどの土地を失う
8165 12 -25
   壱分つれなき 井出の山吹
   つれない→無情な☆国大 山城井出の里は山吹の名所 井出の玉川あり☆川柳辞彙 遊廓で壱分金が無情に散る?
8166 12 -25
   孝行に 淋しい銭を はなし鳥
   親の追善になけなしの銭で鳥を放生
8167 12 -25
   山師か付て 狐出て行
   山師にだまされ損して花魁に見放される
8168 12 -25
   酒屋の遠き いなの笹はら
   有馬山の猪名の笹原は歌枕 酒造りで有名な播州の池田は猪名川の東岸
8169 12 -25
   一日口の とかる笠縫
   笠縫→かさぬい 割った竹の骨に菅や竹皮などを縫いつけて菅笠などの縫い笠を作る☆江戸商売図絵 針を通す時の顔つき?
8170 12 -25
   くすりに椀か 入て是まて
   入て→要りで お椀で大量の薬を飲まねばならぬようになっては
8171 12 -25
   極てゐる くらかへの面
   極て→きわまって 決まって ☆江語辞 鞍替→芸娼妓が抱主を替えること☆江語辞 不機嫌な顔に決まっている?
8172 12 -25
   五人組迄 詰る雨乞
   詰る→つめる 失敗すると連帯責任?
8173 12 -25
   親分か来て いなあふせ鳥
   親分→博徒の頭☆江語辞 いなあふせ鳥→稲負鳥 いなおおせどり 黄鶺鴒の古名 和歌の三鳥の一つ☆川柳辞彙 ???
8174 12 -25
   すき櫛の 通り心も やよひ空
   梳櫛→髪を梳いて垢を取るのに用いる目の細かいつげ等の櫛☆国大 霞がかかったような?
8175 12 -25
   大屋に書て 貰ふ去り状
   去り状→離縁状 無筆で
8176 12 -25
   きん玉たけに ふへる居風呂
   金玉→手拭の端に顔を磨く糠を包んだのを睾丸にたとえていう☆江語辞 居風呂→すえふろ 風呂桶でわかす風呂 ???
8177 12 -25
   さむいといふ字 隠居から出る
   ???
8178 12 -25
   にくむものなき 大年の鐘
   これで正月 掛取もここまで 寛永寺花見の入相の鐘や吉原の後朝の鐘と違って嬉しい鐘
8179 12 -26
   煩ふ衛士の 昼起て居
   衛士の仕事は夜なので普段は昼寝ている
8180 12 -26
   夕べ・を寝せぬ 鹿を見に行
   夕べ・→ゆうべ 鹿聞の妻恋う鹿を見に行く?
8181 12 -26
   女の智恵の 火を細く焼
   吝嗇で?細かい? ???
8182 12 -26
   子を抱て 唇さむき 仏の日
   仏→仏事を営むこと☆国大 仏事の日は乳母は子供を連れ外に?
8183 12 -26
   女房の目にハ 高い盃
   外での飲酒は高くついてもっ たいない?
8184 12 -26
   中陰に 笑たかるも うつくしき
   中陰→死後四十九日間あるいは四十九日目☆国大 若く美しい後家?
8185 12 -26
   集る乳母ハ 娵の入札
   入札→いれふだ 入札☆江語 辞 来たお嫁さんの品評会
8186 12 -26
   正直に鳴く 関の庭鳥
   鶏が鳴くと開く函谷関で孟嘗君一行は鶏の声を真似て夜中に関を通る☆川柳辞彙
8187 12 -26
   ころひ合 あじな所に 起て居
   転合→男女が密かに肉体関係を結び仲人なしで夫婦になること☆国大 味な→色っぽい ???
8188 12 -26
   女房に損の 廻る厄年
   十九と三十三 お産とか
8189 12 -26
   年忘 さらに師走を よせ付す
   年忘→忘年会 騒いで何の会やらわからぬ
8190 12 -26
   恥かこうして 隙な極月
   隙→ひま 極月→ごくげつ 十二月
8191 12 -26
   突出した 手のむつ痒き 放し鳥
   むつ痒き→むずがゆき 放し鳥→放生の鳥☆江語辞 放す前からばたつくので
8192 12 -26
   母の顔をは しらぬはま萩
   をは→をば 浜萩→伊勢の意か 幼くして江戸へ奉公に出た商家の丁稚?
8193 12 -26
   たち花町に 夕べ・見た顔
   たち花町→橘町 裏店に踊り子と称する転び芸者が住む☆ 江戸文学地名辞典 夕べ・→ゆうべ 昨夜の宴会で見た顔
8194 12 -26
   天文台て なふらるゝ星
   天文台→頒暦調所または測量所ともいい牛込の藁店から天明に新堀と三味線堀の間に移った☆江戸文学地名辞典 星を見てあれこれ論議
8195 12 -26
   寄りさハり ちびちび・呵る つくも髪
   つくも髪→老女の白髪 また その人☆国大 こうるさい小言婆
8196 12 -26
   足駄てありく 木食の意地
   足駄→高足駄☆国大 木食→木の実や草を食べて修行する人☆国大 空腹でふらついても
8197 12 -27
   近い使に くねる寒声
   寒声→冬の夜や早朝戸外でする音曲の稽古 お使いに行きながら?
8198 12 -27
   波うち際に 公達の馬
   敦盛
8199 12 -27
   申子と 云れて顔か はつかしき
   申子→もうしご 神仏に祈って授かった子☆江語辞 父に似ていないとか
8200 12 -27
   須广の三とせに 入らぬ小つかひ
   須广→須磨 行平の中納言三年はこゝに須磨の浦☆謡曲松風 在原行平 松風村雨姉妹のおかげで遊びにいかず
8201 12 -27
   おもひ切る日の 両方か酔ふ
   去る者も残される者も
8202 12 -27
   干シたら何そ 云そふな夜着
   夜着→掛け布団にする着物型のもの 秘密をしゃべりそう
8203 12 -27
   もらふ結納を 遠く見て居
   結納→ゆいれ 結納☆国大 娘から見ると他人事のよう
8204 12 -27
   仕廻とさむい こねとりの顔
   仕廻→しまう 終る☆江語辞 こねとり→餅搗の時臼の中の餅をこね返す人☆江語辞 餅搗きの間は紅潮しているが
8205 12 -27
   留守と云せて 薬喰する
   隠れて猪などを
8206 12 -27
   知つきに 成て淋しき 女形
   知つき→ちかづき 芝居で見てこそ
8207 12 -27
   寒念仏 子のない母を 寒からせ
   寒念仏→かんねぶつ
8208 12 -27
   とのもりの 眼薬に成る 松柏
   とのもり→とのもりづかさ 殿司 後宮の灯火などを司る女官☆国大 松柏→四季に緑を保つ常磐木の総称☆国大 宿直明けの目に緑が優しい
8209 12 -27
   二羽たつ鴫に 跡のない音
   鴫→しぎ 心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮 ☆西行
8210 12 -27
   二ツハとかく 敲く鰐口
   敲く→たたく 鰐口→神前の鳴物 何故か一回ということはない
8211 12 -27
   漏から這入る 庵の稲つま
   漏→もり 雨漏りのとこから見える
8212 12 -27
   仏御前も 同し朝食
   朝食→あさめし 御膳の洒落?
8213 12 -27
   云切て 見れハことはも 捨小舟
   捨小舟→すておぶね 乗る人もなく置きざりにされた小舟 ☆国大 口から出た後も壊れて残る
8214 12 -27
   異見の状に 筆もくたひれ
   書いて楽しいものでもなし 気も使うし
8215 12 -28
   遠里小野て 炭の入札
   遠里→とおざと 遠くへだた った村里☆国大 小野→京都 八瀬大原一帯の古名☆国大 入札→いれふだ 入札☆江語辞 大原の黒木売り ???
8216 12 -28
   五十を越て さむい寝所
   ☆そのまんまか
8217 12 -28
   北山て舞 鎌くらて舞
   舞→まい 舞→まう 主馬判官盛久 重盛の北山の茸狩で舞い頼朝に助命されて舞い☆川柳辞彙
8218 12 -28
   男てハなし 日蓮の顔
   ???
8219 12 -28
   その癖志賀ハ 晴る雨性
   志賀→滋賀の古名☆国大 雨性→あめしょう 外出するとよく雨に降られる人☆国大 唐崎の夜雨とか降ってほしい所で晴れる
8220 12 -28
   辞世の筆を 人参か持
   人参飲んで首縊る☆諺 高価な人参で病は治ったが借金で首をくくる 先をよく 見通して事をなさないと善い事も災いに☆江語辞
8221 12 -28
   白子の落馬 親子三人
   白子→しろこ 伊勢街道鈴鹿の宿場町 伊勢古市の白児党の三人共に赤威の鎧に赤注付た武者 宇治橋の合戦で落馬 ☆源平盛衰記
8222 12 -28
   むかしを誉て 廻る大寺
   今は寂れているが由緒は沢山
8223 12 -28
   おとりに穴を 明る廻状
   廻状→領主が村々へ年貢取立てや夫役などの用件を通達する書状☆国大 急な知らせで踊りの輪が乱れる
8224 12 -28
   わるく呑てハ 毒な玉川
   高野の玉川か由井正雪が ???
8225 12 -28
   呵る親 たまる親皆 薬にて
   たまる→黙る? 異見を云うも黙って見て居る も子のため
8226 12 -28
   草津へ立ハ いとま乞なし
   梅毒の湯治なので
8227 12 -28
   世の中を 見限て聞く 鹿の声
   見限て→みかぎって 鹿聞をするような人は
8228 12 -28
   鳩吹き習ふ 猟人の妻
   鳩吹く→両方の掌を合わせて吹き鳩の鳴き声に似た音を出すこと☆国大 猟師が合図に用いる 猟人→かりうど 離れた場所から合図の練習
8229 12 -28
   彼岸から出る 百性の智恵
   百性→百姓 稲刈りの頃から年貢対策
8230 12 -28
   勘へて見て 笑ふ去り状
   勘へて→かんがえて 勢いで書いてはみたがよく読み返してみると
8231 12 -28
   虫干を 詠めて僧の 欲か出来
   ながめる→感情を込めて見つめる☆国大 僧正になって緋の衣が欲しい ?
8232 12 -28
   につと笑て 帯をとく海士
   海士→あま 仕事とはいえ少し照れくさい
8233 12 -29
   惚られて 柳に餅の あいしらい
   あいしらい→あしらい 柳にあしらう→さからわず応対すること☆江語辞 柳に風ではなくベタベタと
8234 12 -29
   八十氏人の 帰る青山
   八十氏人→やそうじびと 多くの氏の人々☆国大 青山百人町は道の左右に小身の屋敷町☆江戸文学地名辞典
8235 12 -29
   また朝皃も 咲ぬ上首尾
   朝帰りで親父が起きぬうちに家に
8236 12 -29
   四條糺は あてかつて夏
   糺→ただす 下賀茂神社の六月祓 六月晦日糺川に五十串の御幣を立てる 四条糺ハ六月の川☆武六27 あてがう→ うまくあてはめる☆国大
8237 12 -29
   子に臥し寅に 寐入河たけ
   子→午前零時頃 寅→午前四時頃 河竹→川竹の流れの身 遊女のこと 客を帰して一眠り
8238 12 -29
   またかれ損に 成しうたゝ寐
   放ったらかし
8239 12 -29
   人の問ふ迄 二服つゝ呑む
   聞いてほしい理由があり? 煙草?粉薬? ???
8240 12 -29
   家守の袴 只事てなし
   家守→やもり 大家☆国大 長屋の娘が玉の輿とが 単に婚礼か葬式が
8241 12 -29
   抱守の 来ると何そに 寄かゝり
   抱守→抱いて守をするだけの乳母☆江語辞 もり☆国大 子供ながら草臥れている
8242 12 -29
   郭公 吉野を青く して通り
   郭公→ほととぎす 桜から新緑へ
8243 12 -29
   瘡守て 出逢た先も あちら向
   瘡守→谷中感応寺前瘡守稲荷 こっちも向こうも梅毒治癒祈願で気まずい
8244 12 -29
   隠し町 うまく寐過て 原と成
   隠し町→私娼の巣窟の異称 寺の門前などの岡場所 ☆川柳辞彙 油断して取り締まられ原っぱに?
8245 12 -29
   盗れた 程又貰ふ 世捨人
   盗まれてもたかがしれている
8246 12 -29
   立田姫 きのふの名越 見て通り
   立田姫→秋を司る神 名越→なごし 六月晦日の夏越の祓 七月になり次第に秋めく
8247 12 -29
   我胸の 火を押んと さしも草
   押んと→おさえんと さし艾→蓬☆国大 かくとだにえやはいぶきのさしも草さしもしらじなもゆる思ひを☆百人一首 恋心を鎮めにお灸を
8248 12 -29
   親に解せる 年の尾の謎
   解せる→とかせる 年の尾→年末☆国大 内緒の借金?
8249 12 -29
   鐘つきか飼ふ 鶏も派かきく
   鶏→とり 飼い主と同じ仕事
8250 12 -29
   宿借さぬ灯を 見へぬ迄見る
   旅の空で宿を断られ
8251 12 -30
   娘の鷹て ちらほらと金
   とんびが鷹を産んだ自慢の娘 おかげで親に金が入る
8252 12 -30
   借りるか最期 いなのさゝ原
   いなのさゝ原→猪名の笹原 伊丹有馬山の旧蹟 猪名と否を掛けて 借りるだけ借りたら云う事をきかぬ
8253 12 -30
   柏もらいの 木の上て声
   柏餅に使う葉を貰う人 日頃は木登りなどしないので降りられなくなり
8254 12 -30
   うれしさを 仕立て居れハ なふられる
   嫁入り衣裳を自分で縫う娘
8255 12 -30
   廿日草 十日ハ与所を 見てありき
   廿日草→牡丹 与所→よそ 自慢の牡丹を人に見せて廻る
8256 12 -30
   禿か聞て 堤くつれる
   禿のおしゃべりで秘密が漏れ
8257 12 -30
   三くたり半て 隙な荒神
   隙→ひま 荒神→こうじん 竈の神 女房を離縁して炊事できず
8258 12 -30
   聟に成 筈のくさめか 風に成
   くしゃみで誰かが自分の噂をしていると思ったら風邪
8259 12 -30
   生るをころす 人の六月
   暑くで
8260 12 -30
   女衒と間の 近い仲人
   娘を連れて来て金を貰う点で は
8261 12 -30
   吉次か供の 一はいに行
   吉次→金売吉次 三条の両替商 一杯に→したい放題に☆江語辞 金があるので
8262 12 -30
   朝寝を呵る 鐘の大声
   起きろとばかり
8263 12 -30
   粥へあたりの つよき木からし
   風で弱火が難しい?
8264 12 -30
   恋にふさかる 水入の口
   水入→みずいれ?硯にさす水を入れる器 水滴☆国大 恋文を書いているのに水が出にくい
8265 12 -30
   水をあひせた 聟か湯に行
   新郎に水を浴びせる水祝いでびしょぬれに
8266 12 -30
   御油と吉田の 間か寐所
   東海道御油宿と吉田宿 どちらも宿場女郎で有名 間で休憩
8267 12 -30
   日もてらてら・と 榛の木を積
   てらてら→日や月が照り輝く さま☆国大 榛の木→はんのき 薪炭や建築に使う 乾燥させる?
8268 12 -30
   今年の物ハ くハぬ元日
   みな去年用意したものばかり
8269 12 -31
   駕から声の 懸る近道
   走ってついて来る草履取りに近道をいくぞと
8270 12 -31
   狐か落て 古いことつて
   正気になって伝言を思い出す
8271 12 -31
   梢から 隣へほうる 蚊遣艸
   蚊遣火に燃す木や草を取ってよこす
8272 12 -31
   雪とこたへる 竹の大声
   大雪で竹が割れる音?
8273 12 -31
   脊中の塵を なふらるゝ乳母
   おぶった子に
8274 12 -31
   二本這入ると さける袖口
   袖口に両腕入れると
8275 12 -31
   追分へ来て 出来る分別
   追分→道の二つにわかれる所 ☆国大 中山道軽井沢の追分なら飯盛女関係か?
8276 12 -31
   人の身の うしろへ向ぬ 冬の雨
   みな前を向いて歩く
8277 12 -31
   百夜の傘の かはく松風
   深草少将の百夜通い 雨の日も風の日も通ったが九十九夜で倒れる 百夜目は傘が乾く 通小町では百夜目で遭難か?
8278 12 -31
   蚊屋をはつせは 分る主従
   道中で主人も家来も同じ蚊屋の中
8279 12 -31
   柴の戸も 我喰ふほとの いなは雲
   柴の戸→粗末な住居 稲葉の雲→田の一面に稲穂が垂れて風に揺れなびくさまを雲にみたてる☆国大 相応の小さな田を持っている
8280 12 -31
   秋をちびちび・ つまみ込む庵
   すきま風で秋を感じる
8281 12 -31
   神前さして 祢宜の小遣ひ
   さす→両手であげて持つ ☆国大 祢宜→神職☆国大 お賽銭を神前にお供えしてから小遣いに
8282 12 -31
   わる口を 帯てなくれは こほれ萩
   なぐる→薙る? 横にはらって切る☆国大 萩見物で振り向きざまに?
8283 12 -31
   物思ひ 琥珀の塵を さひしかり
   琥珀は塵を引きつける ☆現代なら静電気 そういう当たり前な事も
8284 12 -31
   屏風に衣 人音もなし
   人音→ひとおと 屏風の陰が気になる
8285 12 -31
   石てない 枕か今ハ 人を取
   石枕→旅人を誘って泊め石の 枕をさせて打ち殺し金品を奪うという浅茅が原の一ツ家の伝説 今は宿場女郎とかに
8286 12 -31
   たき付られて 千日の萱
   萱→かや 千日の萱を一日→ 千日かけて刈った萱を一日で焼いてしまうように長い間苦労したことを一瞬で失うこと☆諺 そそのかされて失敗
8287 12 -32
   馬鹿なくすりを 拾ふ舟着
   舟着→ふなつき 四つ目屋の淫薬長命丸とかを吉原に持ち込もうと?
8288 12 -32
   七府に寐せて はきたをす也
   七府→ななふ みちのくの十符の菅菰七符には君をねさせて三符にわれ寝む☆川柳辞彙☆夫木集 十符の菅菰→菅草を編んだ敷物 共寝して有り金を剥ぎ倒す
8289 12 -32
   世を捨て 振向く所 皆さひし
   昔を思いおこすと
8290 12 -32
   祇園の蛍 宵ハ石垣
   蛍→祇園で夜袖を引いた下級 遊女☆国大 石垣→賀茂川の四条から五条に至る両岸の家並を西石垣・ 東石垣という
8291 12 -32
   外科と一所に 立て行蝿
   怪我人の往診
8292 12 -32
   また年も 四十て居れハ 面白き
   まだ老いてはいない
8293 12 -32
   虫うりの 我寐る夜を 淋しかり
   賑やかだった虫を売ってしま い
8294 12 -32
   かさゝきに 成る人連て 夕薬師
   鵲→七夕の鵲の橋の意 夕薬師→茅場町薬師 黄昏から参詣人多し☆川柳辞彙 そこから遊びの先輩と夜遊びに
8295 12 -32
   大津の聟も 絵心て取る
   大津→鬼の念仏等の大津絵で有名☆川柳辞彙 絵の上手い聟を
8296 12 -32
   たまたま・京へ 煩に来
   江戸煩いでなぐ ???
8297 12 -32
   赤子を抱は かゆい手のひら
   抱は→だけば 何かこそばゆい感じ
8298 12 -32
   あほう遣ひに 松風も逃
   あほう遣い→金銭を浪費するこど☆誹諧武玉川三篇輪講 松風→琴の音☆川柳辞彙 ご主人の浪費に奥様が逃げた?
8299 12 -32
   腹をたゝいて 見せる江戸もの
   俺に任せな 江戸っ子だぜ
8300 12 -32
   女良花 馬子か落ても たはいなし
   女良花→おみなえし 遊女や女の意 落ちる→陥落する なびく☆江語辞 たわい無い→取るに足りない 相手とするに容易☆国大
8301 12 -32
   紅閨に うつくしい手の 二ツ鳴リ
   紅閨→婦人の寝室☆国大 下女を呼ぶ
8302 12 -32
   鳶と云れに 罷出る母
   罷出る→まかりでる 鳶が鷹を産んだと
8303 12 -32
   冬籠 意地のきたない 雨か降
   雪でないと
8304 12 -32
   若衆の手から わたす袖形
   若衆→男色の弟分 袖形→袖の形? ???
8305 12 -33
   売れはなみたに 買へは御機嫌
   女房の着物?
8306 12 -33
   棒ちきりて 武士の婚礼
   棒ちぎり→棒乳切木 棒と乳切木の意 乳切木は両端を少し太く中央を少し細くした木☆江語辞 賊の後の棒乳切り木→時機を逸したたとえ ???
8307 12 -33
   うす着に成と 髪の湯かわく
   化粧の支度?
8308 12 -33
   人形の 裾と裾とハ 小松原
   小松原→松原
8309 12 -33
   ねはん像 庫裏から見へる 足のうら
   寝釈迦の足の裏が
8310 12 -33
   起請に一羽 引けるかさゝき
   引ける→気おくれがする 臆する おびえる☆江語辞 起請文の烏にかささぎが混ざっていてもう一つ本気でない
8311 12 -33
   母のはたらく 仲人の膳
   働く→尽力する 骨折る☆江語辞 なんとか話しを纏めたいと
8312 12 -33
   古御所へ あかれはうこく 物はかり
   古御所→貴人が昔住んでいた住居☆国大 古くて建付が悪い
8313 12 -33
   湊の飯ハ 風を見て焚ク
   出船や入船は風次第
8314 12 -33
   京のこゝろの 知れる塗箸
   京は吝嗇 塗り直せばまた使える
8315 12 -33
   出来上る 長柄に見世の かくれけり
   長柄→ながえ 長柄の傘 花魁道中に使う☆江語辞
8316 12 -33
   茶の葉つむ 側にさひしき 墨衣
   謡曲頼政? 喜撰法師?
8317 12 -33
   御上屋しきて 鐘ハ湯と成
   御上屋しき→おかみやしき 上屋敷→大名の江戸における本邸☆江語辞 湯→溶かした金属☆国大 奥方の悋気?
8318 12 -33
   茶碗て呑むも 口のいたつら
   徒→わるさ 奔放☆江語辞 茶碗酒 ☆武十一17
8319 12 -33
   涼しい乞食 柳から出る
   夏の薄着の乞食の様子?
8320 12 -33
   鳳凰も 尾に身代を 入あけて
   鳳凰→吉原の太夫の意☆川柳 辞彙 身代→しんだい 花魁が衣装に金を使う?
8321 12 -33
   元祖高尾に 馬て来る客
   初代高尾は仙台高尾という説あり☆川柳辞彙 伊達綱宗?
8322 12 -33
   屋敷ありきの 尼もかさゝき
   ありき→歩行? 縁結び? ???
8323 12 -34
   太刀持ハ 毛虫の下に 畏り
   太刀持→武家で主人の刀を持ってそば近く仕える役 ☆国大花見のお供?
8324 12 -34
   兄弟の ゐんきんに成 御油泊
   ゐんきん→慇懃 御油→東海道御油宿 飯盛女で有名 朝は何となく他人行儀に
8325 12 -34
   結城へ落る 不断着の金
   結城→結城縞の略☆川柳辞彙地質染色ともに堅牢で手堅い商人や大家の手代が着た 不断着→家にいて日常着る着物☆江語辞
8326 12 -34
   かんこ鳥 伯母か帰ると 飛んて行
   かんこ鳥→かっこう☆国大 和歌三鳥の一つ呼子鳥☆川柳辞彙 縁談などまだ眼中にない娘?
8327 12 -34
   うき世の尻か 中條へ来
   尻が来る→後になって責任を問われる☆江後辞 中條→堕胎専門の女医者
8328 12 -34
   凩の 籔を吹くのか をん詰り
   おん詰まり→物事のゆきつくところ 終局☆国大 凩の果はありけり海の音☆池西言水 そこらへんの木枯の果て
8329 12 -34
   世の中や 今をはしめの たはこ見せ
   今をはじめの旅衣☆謡曲高砂 今はじめての旅に出て☆新潮日本古典集成 謡曲集 中
8330 12 -34
   衣うつ 里もへちまの 片折戸
   片折戸→蝶番で折り畳める片開きの扉 みよし野の山の秋風さよふけて故里寒くころもうつなり ☆百人一首 砧 ???
8331 12 -34
   他人の谷へ 子を投て見る
   獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすというが 他人に揉まれる奉公へ出す
8332 12 -34
   なにはつや 物書く事も よし悪し
   なにはつ→難波津 手習いの初歩の意☆国大 難波津に咲くや此の花冬ごもり今は春べと咲くや此の花☆王仁 手習いの始めに用いた
8333 12 -34
   御里から 御夫婦合を 嗅・に来
   夫婦合→夫婦間 ふうふあい夫婦仲☆国大 嗅・に→嗅ぎに 武家の夫婦仲を里から様子見に お世継ぎがまだ?
8334 12 -34
   うらみわひ 袖を見てゐる 五月雨
   うらみわびほさぬ袖だにあるものを恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ☆相模 百人一首 相模下女関係?
8335 12 -34
   行くれた 所にとまる 拂物
   行き暮れる→行く途中で日が暮れる☆国大 拂物→はらいもの 売り払うべき品物☆国大 ここらで売ってしまおう
8336 12 -34
   尻ほともなき 乳母の傘
   尻がはみでる
8337 12 -34
   吐く雲も 呑込む雲も 秋の峰
   秋の峰→出羽三山の山伏修行?
8338 12 -34
   うそをつく 人に三十日の 用か足り
   三十日→みそか 大晦日の掛取対策用嘘つき要員
8339 12 -34
   さつまの客の 影て内損
   内損→酒のため内臓を損なうこと☆江語辞 薩摩屋敷の武士は酒呑みなので?
8340 12 -34
   箸紙に名か 出来て分散
   分散→破産 吉原の三会目の馴染みになり
8341 12 -35
   三室の岸を 祢宜の松明
   三室→みむろ 嵐ふく三室の山の紅葉ばは竜田の川のにしきなりけり☆能因 百人一首 紅葉散る竜田川の岸に三室山の神岳神社の神職が?
8342 12 -35
   太夫の瘧 かふろ重なる
   瘧→おこり マラリア 震えを抑える 瘧のうへに乗て居る母☆武二・27
8343 12 -35
   正直に 咄せは長く 也たかり
   話せば長いことながら
8344 12 -35
   星の名を 覚て空も 伽に成
   伽な→とぎな 興が増ず ☆誹諧武玉川初編輪講 知識があれば興味が涌く
8345 12 -35
   虹を蛙か 張肘て見る
   張肘→はりひじ 手を懐に入れて肘を左右に張った様子 威張った態度☆国大
8346 12 -35
   着ぬきを買へは けふの細布
   着抜→脱ぎ捨てた着物☆国大けふ→狭布 細布→ほそぬの 奥州特産の幅の狭い布☆国大 けふのほそ布胸あはじとや☆能因 買った古着に帯が
8347 12 -35
   和尚のむかし 咄す台所
   昔はいろいろあった和尚 ☆武十一・6
8348 12 -35
   六分ハ銭て くらす一生
   金貨や銀貨を使うことは少ない 半分以上は銭で事足りる
8349 12 -35
   手付ケのうちハ 松風て置
   手附→てつけ 手附金の略 ☆川柳辞彙 松を買ったが全額払うまでは伐採しない? ☆武十一・15
8350 12 -35
   葉さくらに 成てハ鐘を 尻に敷
   寛永寺の暮六の鐘 花見の時は追い出しの嫌な鐘だがその時以外は只の鐘 ☆武十一・15
8351 12 -35
   女房の 売ル気を付る 石とうろ
   売ル気→うるき こんなもの売っちゃいなさい ☆武十一・15
8352 12 -35
   思ふにしてハ 長い寐すかた
   物思いで寝ているにしては随分長く寝ている ☆武十一・15
8353 12 -35
   稲つまや 女良の植た 田へ通ふ
   女良→女郎 大坂住吉大社の御田植神事 乳守遊郭の遊女が田植 稲妻も他の田よりは☆武十一・15
8354 12 -35
   やよひハ人の 真中を着
   衣更えの前なので? ☆武十一・15
8355 12 -35
   ならの都に 残る横平
   横平→横柄 昔は都だったので
8356 12 -35
   冬を目口へ 入れる浪人
  
8357 12 -35
   よく見れは 米の守りも 下卑た物
   米→よね 米の守り→米寿の祝いに搗き米と書いて人に贈る丸餅 ☆江語辞
8358 12 -35
   一思案して 前を合せる
   居ずまいを正して物を云う
8359 12 -36
   灸のけふりの 髱て横折れ
   髱→たぼ 日本髪の背の側に向かって張り出した部分☆国大 背中にすえたお灸の煙が
8360 12 -36
   異見功者の 蔵へ呼込ミ
   異見功者→いけんごうしゃ 終いに蔵の座敷牢に入る事になるぞと
8361 12 -36
   浪人の 三度諌た 物かたり
   諌た→いさめた 殿様に諌言 挙句に浪人 人臣三諫不聴 則其義可以去矣
8362 12 -36
   小侍 敷のし迄の 相手也
   小侍→旗本等の屋敷で使い走りをする帯刀の少年☆江語辞 敷のし→衣服を蒲団に敷いてしわをのばす☆国大 ???
8363 12 -36
   相傘へ よい相談を つゝき込ミ
   相傘→相合傘 一本の傘を男女でさすこと☆江語辞 ???
8364 12 -36
   気違も 借した物をハ 取たがり
   取る→徴収する☆国大 そこは現実的
8365 12 -36
   女乞食の 愚痴を云連
   云→云う 連→つれ 二人だとつい愚痴も
8366 12 -36
   茶呑伽 云ふた通の 裸にて
   茶呑伽→ちゃのみとぎ 茶呑友達→老後に迎えた女房☆川柳辞彙 何の持参もなし
8367 12 -36
   狐も壱本 所持の剃刀
   狐→女郎の意 手管に心中を迫る
8368 12 -36
   衛士の火へ なひかぬ文を 投給ふ
   源氏か誰かが恋文の振られた返事を焼く
8369 12 -36
   したゝかに 荒て朝日の 寐所迄
   台風一過で屋根が壊れ
8370 12 -36
   酢てとく薬 身を壁にして
   いんきんたむしの治療が 羊蹄根? 人に背を向けてこっそり塗る
8371 12 -36
   斯うあらふとハ 三千の衆徒
   斯う→こう 衆徒→しゅと 僧兵☆国大 三千の衆徒→比叡山の僧など大勢の僧を云う時の決まり文句 大体それくらいだろうと
8372 12 -36
   真中に 仏御前ハ 寐ころひて
   祇王祇女と嵯峨に隠棲
8373 12 -36
   恐しや 根太盛りの 手代共
   根太→ねぶと 脂肪の多い部分に生ずる腫れ物☆江語辞 精力の余っている若い連中
8374 12 -36
   垣根つたひに 杵の罔両
   罔両→かげぼし 影法師 餅搗きが夜も町内を渡り歩く
8375 12 -36
   継母ハ 人参の入る 皃てなし
   腎虚になるような美人では ない ☆武十一・11
8376 12 -36
   淋しさの また気に入らぬ 石燈籠
   せっかく買ったが日が経ってもどうしても気に入らぬ ☆武十一・11
8377 12 -37
   折た手を 前髪てふく とうからし
   前髪→元服前の男子☆川柳辞彙 ??? ☆武十一・11
8378 12 -37
   ふり袖の 帯たけ立て 真を切
   真を切る→真を打つ 寄席などで最も芸の優れた者として最後に高座に登る☆国大 着付けの最後の仕上げ? ☆武十一・11
8379 12 -37
   小判を雪に 喰かゝれたり
   吉原で居続けになり散財
8380 12 -37
   重たい夜着て うなされて居
   夜着→着物形の蒲団 ☆そのまんまか
8381 12 -37
   藝を仕廻て 王子迄駕
   仕舞う→終える☆江語辞 王子は歌舞伎俳優王子路考の出身地
8382 12 -37
   気に背たる まくら洗ハせ
   背たる→そむいたる 望みに合わなかった枕を
8383 12 -37
   物思ひ 小よりの犬も 痩かたち
   小よりの犬→紙縒の犬 紙縒で犬を作り尾に火をつけ尾が全部焼けたら待人が来るという☆川柳辞彙 恋しい人を待ちわびて痩せる
8384 12 -37
   朝をさひしく したる糊うり
   糊売りは老人も多い☆江戸商売図絵
8385 12 -37
   師走の旅の 只事てなし
   借金で夜逃げか
8386 12 -38
   はやまつて見る 元日の夢
   ☆勤向窓前読 初夢には一日早い
8387 12 -38
   めしろの台を 括猿行
   括猿→くくりざる 手足を括られた猿の人形で庚申様に祀る 目白坂の西の関口台町の幸神祠は有名な庚申堂☆江戸文学俗信辞典
8388 12 -38
   合羽着て寐る 不破の関守
   不破の関は壊れているので雨漏りが
8389 12 -38
   こね取の 皃か見へると 山かつら
   こねとり→餅搗の時臼の中の餅をこね返す人☆江語辞 山かずら→明け方山の端にかかる雲 明け方☆国大 徹夜の餅搗きで薄明るく
8390 12 -38
   舞てはかりハ 損な伯了
   伯了→はくりょう 謡曲羽衣の漁師伯良 羽衣を返すのに天人にもう少し要求しても良かったのでは
8391 12 -38
   たつた一ツハ 長い毒断
   毒断→どくだて 病気に毒となる飲食物を一切飲食しないこと☆江語辞 房事禁は長く思える?
8392 12 -38
   細工過たる 関守の顔
   営業用のしかめ面が過剰
8393 12 -38
   鬼門の女 裾を折込む
   そういう風習があっだ あるいは夜這除けが
8394 12 -38
   うくひすよ 寝てハならぬそ 月のむめ
   ☆歌仙行独吟 紀逸 春もややけしきととのう月と梅☆芭蕉 梅に鶯ともいうし月と梅と鶯を揃えたい
8395 12 -38
   宵から五ツ 迄か千両
   春宵一刻値千金☆蘇東坡 紀伊國屋文左衛門の吉原貸し切り?
8396 12 -38
   春なれや 絹て越たる 雨ふりて
   越たる→こしたる 木綿ごしでない絹ごしの雨 きめ細かい春雨
8397 12 -38
   とうから爰に 有てよい亭
   爰→ここ 亭→ちん 庭園のあずまや 庭のこの辺に四阿が欲しい
8398 12 -38
   てらてら・と 暮ぬ蛍の 行かよひ
   てらてら→日や月が照り輝く さま☆国大 提灯を持った人の流れ 日本堤が
8399 12 -38
   ふみ込む足の 痒き夏艸
   ☆そのまんまか
8400 12 -39
   縁日も 多田の薬師ハ 只の事
   多田の薬師→本所番場町の薬師河岸にあった薬師 ☆川柳辞彙 茅場町の夕薬師のように特別なことはない?
8401 12 -39
   うしろも向す 咄す石工
   石工→いしきり よそ見すると手元が危ない
8402 12 -39
   洗濯に けちを付たる 尾長鳥
   尾長鳥が鳴くと雨が降るという
8403 12 -39
   命と書けと 先キハしら壁
   書けと→書けど しら壁→知らぬの洒落か 誰それ命などと入れ墨しても先の事はわからぬ
8404 12 -39
   その時か 十七ならハ 二十一
   ???
8405 12 -39
   草の野上も 皆三ツふとん
   野上→のがみ 中山道の宿場 謡曲班女 野上宿の遊女花子は吉田少将に形見の扇を貰う 三蒲団→吉原の馴染女郎に贈る立派な蒲団
8406 12 -39
   初鮭の 色濃き時ハ めもはるに
   初鮭→夏末・秋初に取る鮭 めもはるに→目も遥に 目の届く限り遠く遥かなさま 目も張るに掛けだ 利根川の初鮭が珍重された
8407 12 -39
   いさよふ月の 今宵いさよひ
   いざよう→ためらう ぐずぐずする☆国大 いざよい→十六夜 十五夜より遅くためらうように出る
8408 12 -39
   灯火の ふときに合ぬ 虫の声
   灯が明るいのに バレか?
8409 12 -39
   むかしの残る 家のかすてら
   零落したが時には贅沢なものを
8410 12 -39
   約束か ちかひちかひ・て 花の雪
   季節はずれの雪
8411 12 -39
   つむほと袖の 丸くなる草
   摘み草を袂に入れて
8412 12 -39
   籔入の 目口に人を 釣リよせて
   籔入→薮入 目口→観察と批評☆国大 御屋敷奉公へ上がった娘の変わり様とか
8413 12 -39
   ふつとふく手か 文の品玉
   品玉→手品☆江語辞 思いが届くように
8414 12 -39
   かさゝきも 夏の間ハ 箱階子
   箱階子→はこばしご 側面を引き出しにした階段 ☆江語辞 かささぎの橋に利用される
8415 12 -39
   五人にひとり 聞しらぬ声
   蹴鞠仲間四人に幇間が一人? 五人つれ壱人ハたいこらしく 見へ☆天五仁1
8416 12 -39
   誰かための 祈?の連歌 夜をふかし
   安産や病気平癒などの祈祷の連歌があった
8417 12 -39
   松に時雨の 来てハ帰され
   松や雨脚の揺れる様
8418 12 -40
   恋の闇 側から杖か 借したくて
   側杖→とばっちり まきぞえ ☆国大 余計なお世話をしてまきぞえ
8419 12 -40
   木幡の馬子に なふり殺され
   木幡→こはた 山城の木幡の里に馬は有れども君をおもへば徒歩跣足 ☆謡曲通小町 たまには馬に乗れよおっさん
8420 12 -40
   ふところの そとのたるみハ 二百ほと
   二百文しか余裕がない?
8421 12 -40
   詰る所か 棄恩入無為
   棄恩入無為→きおんにゅうむい 棄恩入無為 真実報恩者 恩を棄て無為に入るは真実の報恩の者☆法華経 出家するのが一番
8422 12 -40
   朏の 夕にちらり 朝ちらり
   朏→みかづき 遊女に振られる 引付座敷で見て朝方見て それだけ
8423 12 -40
   またかりかねの 目見へ顔也
   雁金→雁 柴田勝家 雁金文七 九月蚊屋の雁 目見得→ 奉公人が雇い主の家で一日から数日試みに勤めること☆江語辞 ???
8424 12 -40
   秋風に とうもろこしの 寝乱て
   畑が荒れた様
8425 12 -40
   肘のつつ張る 二十五騎町
   内藤新宿の百人組の中央に二十五キという通りあり☆人文社嘉永・慶応江戸切絵図 鉄砲百人組が控えていたので ?
8426 12 -40
   弦を行く 子におふくろハ 弓を行
   弦→つる 弓と弦→弓は回り道弦は近道☆諺 つかず離れず見守っている?  あるいは母子の寝姿か 「母は弓子は弦に寝る枕蚊帳」☆柳四十・28
8427 12 -40
   あたりの聲も 高い物前
   物前→ものまえ 盆暮五節句など贈答諸支払で忙しい日の二三日前☆江語辞 町中みな喧噪
8428 12 -40
   偽らぬ これそ暦の 花さかり
   ???
8429 12 -40
   遊ふと来てハ 蝶の世の中
   遊ぶとなれば蝶のように花か ら花へ遊び歩く


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