【底本】
岩波文庫 誹諧武玉川(三) 山澤英雄校訂 岩波書店 1985
【凡例】
通し番号 篇-丁
(本文)
(解説)
【注意】
字・は字が底本通りでないことを示す
☆はコメントや引用
江語辞→江戸語の辞典 国大→国語大辞典(小学館)
8430 13 -3
妹に 禿か似たて さひしけれ
☆有女顔如玉 花魁が故郷の妹を思い出す
8431 13 -3
鍬形を 古鉄買の 持余し
鍬形→兜の眉庇正面に打つ前立物 古鉄買→ふるがねかい使い古しの金属器具等古物を買い集める商人☆江語辞 買ったはよいが潰すわけにも
8432 13 -3
縫上を おろせは縞に 好キきらい
縫上→ぬいあげ 子供の和服の肩や腰の上げ大きくなると着物にも好みが
8433 13 -3
たそかれに結ふ 元日の娵
結ふ→ゆう娵→嫁 元日の明け方まで忙しくて一眠りした後に
8434 13 -3
乳母の仕廻の 逆葛西を乗る
仕廻→しまい しまう→終える☆江語辞 逆葛西→さかさい 逆井か 乳母奉公を終え中川の逆井の渡しで故郷へ帰る☆江戸文学地名辞典
8435 13 -3
去ル方へ 上たとはかり 伯母の口
去ル方→然る方? 本当はお屋敷奉公でなさそう
8436 13 -3
御局の うハへハ銭を 二ツ指
御局→御殿女中取締り役の老女 乳母へ銭を二枚指す? どこかへ遣いにやる橋銭の二文?
8437 13 -3
立のまゝ 貰たかるに 思案顔
立のまま→普段着のまま 持参金なしで嫁に来てほしいというのに良い返事がない
8438 13 -4
せんたくを なふりちらかす 雪の翌
翌→あす 朝? 干し物に雪が積もって?
8439 13 -4
蚊柱に 巻たをされる しのふ山
信夫山→歌枕 忍ぶ意か 外で逢い引き
8440 13 -4
怖かりの 松をはなれて 高笑
松の上に熊坂長範でも居るかと思い
8441 13 -4
住吉へ 来て秋風の 行あたり
秋風の果て
8442 13 -4
内から出ぬ 親の煩ひ
出ぬ→いでぬ 悩みは家の中にあり放蕩息子 あるいは家に籠る息子の労咳が心配?
8443 13 -4
預り物に 恥る虫干
預かっている変な物が人目に
8444 13 -4
かつらになるも 罪深い髪
かつらになって坊さんが医者に化けて吉原行きの破戒の手助けを
8445 13 -4
雪の峰 小町か口も 恐しき
深草少将の百夜通い
8446 13 -4
裸て呼た 皃へ毒断
呼ぶ→めとる☆江語辞 毒断→どくだて 持参金なしの美人嫁を貰って腎虚になり房事を断つ羽目に
8447 13 -4
燃る火を しつと尻目に 寄かゝり
尻目→しりめ 目だけ動かし後方を見やる事 流し目 ☆江語辞
8448 13 -4
司召 借りちらかして 稲荷山
司召→つかさめし 秋の除目 稲荷山→謡曲稲荷あをかりしより思ひそめてき あを→襖 雨具 ???
8449 13 -4
黒鯛ハ うき世を狭く 老にけり
黒鯛→堕胎効果ありという ☆江戸文学俗信辞典 真鯛でもないし 堕胎薬だし
8450 13 -4
初虹や 官女の裾へ 燃かゝり
初虹→三月頃春に初めて現れる虹 雛人形の官女の緋袴?
8451 13 -4
うまそうな 喰物もなく 鬼籠
鬼籠→おにこもり 謡曲黒塚の安達が原 陸奥の安達が原の黒塚に鬼籠もれりと 屍とか人骨とかなら
8452 13 -4
北辰の 爰にうこかぬ 古やりて
北辰→北極星☆川柳辞彙 爰→ここ 北極星の如く居座る遣手婆 花魁達は変っていくが
8453 13 -4
さくらさく 目医者の庭の 静也
満開でも目の悪い患者ばかり
8454 13 -4
寝勝手ハ いつか忘れて 三ふとん
三蒲団→吉原の馴染女郎に贈る立派な蒲団 放蕩も昔話に?
8455 13 -4
我物を 他人の手から 親の慈悲
勘当息子を人づてに援助?
8456 13 -5
派の利ぬ物 旅の傘
旅では笠
8457 13 -5
戻りにハ 合点して行 うつの山
丸子と岡部間の東海道の難所宇津谷峠 帰りの道中は覚悟して行く
8458 13 -5
憎れ者の 多い公家領
公家領→くげりょう 江戸時代の公家の領地のことらしい ???
8459 13 -5
武士の 是も数也 赤合羽
武士→もののふ 赤合羽→あかがっぱ 武家の下僕が雨中に着用中間の異称☆江語辞 仲間も武士のうち
8460 13 -5
誓文ハ 十年前も かハらすに
誓文→せいもん起請文 証文 花魁の起請文は昔から同じ 遊女になった昔も年季明けが近い今も
8461 13 -5
露霜に 先の丸まる 小柴垣
小柴垣→柴垣の低いもの ☆そのまんまか
8462 13 -5
ふんとしも 戸垣もゆるき 桑門
桑門→よすてびと 何もかも緩い
8463 13 -5
青梅に 聲の高いハ 成り上り
新造の袖留め関係?
8464 13 -5
手の裏を 返して見たり 古暦
手の裏を返す→またたく間に変わるさま☆国大 世の中の変化に思いをはせる
8465 13 -5
鐘の音に 身をつめらるゝ 袖の露
袖の露→悲しみの涙で袖がぬれることのたとえ☆国大 鐘を聞くと身を抓られるよう
8466 13 -5
金を敵と 仕廻ふ疳癪・
仕廻う→しまう 終える 疳癪・→かんしゃく みんな金が悪い
8467 13 -5
枝椿 むこくされても 情知り
枝椿→枝についた椿? 情知り→なさけしり 人情をよくわきまえること☆国大 ???
8468 13 -5
今摘むと いふ汁の實に 蝶の夢
菜畑の蝶 荘周の胡蝶の夢
8469 13 -5
辛崎へ ちやゝの付く日に 糊を付
辛崎→近江八景 唐崎の夜雨 ちやゝ→ちゃちゃ ちゃちゃを付ける→邪魔する ☆江語辞 晴れた日に糊で洗い張を?
8470 13 -5
金の生る 木ハ枯果て 草の庵
生る→なる パトロンを失って貧乏に?
8471 13 -5
むす子の部屋の ゆれる入相
入相→いりあい 日没の鐘 日が暮れると気もそぞろ
8472 13 -5
一くたり つゝに植行 しのふ艸
しのふ艸→夜這? 並んだ蒲団の間を行く?
8473 13 -5
稲葉の中へ 寝に帰る僧
稲葉→刈り取る前の田の稲 ☆国大 村はずれの寺?
8474 13 -6
しのふ山 尻の来るのも 面白し
しのふ山→夜這? 後ずさりながら来る?
8475 13 -6
片〻の 傘をすほめて 耳へ口
片〻→かたかた 片一方 ☆江語辞 雨中の耳打ち
8476 13 -6
籔入の 中一日を こそくられ
籔入→薮入 こそぐる→つくろう くすぐる☆江語辞 着物を繕って貰う?
8477 13 -6
慥雨 あさきさくらの 透通り
慥雨→俄雨 にわかあめ 浅黄桜→里桜の一種で淡黄緑色に見える☆国大
8478 13 -6
心地よく 隣の餅の 上ル音
暮の餅搗き 次はうちへ餅搗が廻って来る
8479 13 -6
又ひとり 乳母の殖たる みなの河
みなの河→男女川 筑波山の歌枕 見ないの洒落☆江語辞 恋の意 また子ができて
8480 13 -6
大からくりの 目て糸を引
からくり→計略 たくらみ やりくり☆国大 大仕掛けの計略を目で指図
8481 13 -6
駕籠に役者の 匂ふ池上
駕籠→かご 池上→日蓮宗池上本門寺 歌舞伎の市川家と片岡家の墓所あり
8482 13 -6
かこハれの 名のある内ハ 淋しかり
囲れ→僧の隠し妻 日陰の身の間は
8483 13 -6
尾長鳥 小町か雨の 跡て啼
尾長鳥がなくと雨が降るという 小町の神泉苑の雨乞い和歌
8484 13 -6
抓られた 人も一所に 淀へ着く
三十石舟の中で女性に求愛 返事とは関係なく同じ港へ
8485 13 -6
諫言ハ 又木くらけの 耳に風
木耳→耳の意☆国大 馬耳東風の類いか
8486 13 -6
傘に 腰よりうへの 恩を知り
上半身はぬれない
8487 13 -6
いつか内證の 済んたにし木〻
にし木〻→錦木 結婚が正式に決まる前に
8488 13 -6
羽衣に 気をもむ皃の うつくしき
謡曲羽衣の天人の様子
8489 13 -6
瓜を二ツに かたられた顔
美人の妹に瓜二つの姉と仲人にだまされ
8490 13 -6
酔せた先を 呵る女房
うちの亭主に呑ませたら駄目じゃないの
8491 13 -6
雨の夜ハ 鵜飼か宿も 灯か見へて
鵜も鵜匠もお休み
8492 13 -7
自前に成て 御白洲へ出る
自前→じまえ 芸娼妓が自力で営業すること☆江語辞 青ざし十貫文とかの親孝行の表彰?
8493 13 -7
夏秋の 唇ぬれる 御祓川
御祓川→みそぎがわ 六月晦日の夏越の祓い 夏から秋へ ???
8494 13 -7
女良花 なんそ言たひ 名なりけり
女良花→おみなえし 女や遊女の意 女郎花と来ては
8495 13 -7
やとひ禿も 通ふ七ツ屋
七ツ屋→質屋☆江語辞 箕輪あたりから雇った禿も花魁のお使いに
8496 13 -7
袖留て 繋ぬ駒と なりにけり
袖を留める→結婚して振袖をやめる 繋ぬ→つながぬ 結婚したらかえって奔放に
8497 13 -7
いけぬ手ぶしの 方へ御返事
手節→腕前 てなみ☆江語辞 手跡☆川柳辞彙 誠意に引かされ御意が?
8498 13 -7
看病の 三人寄れば 淋しかり
俺はそんな重病なのか あるいは多過ぎて手持ち無沙汰?
8499 13 -7
おもしろい 事にハ跡に 残る婆
たいてい爺が先に逝く
8500 13 -7
年かさな やつか起ても 朝戻
年嵩→年長☆江語辞 ???
8501 13 -7
出してハ泣て 仕廻ふ香筥
香筥→こうばこ 香を入れる箱☆江語辞 亡くなった娘を思い? あるいはバレか?
8502 13 -7
うそ付ぬ 心か終に 尉と姥
尉と姥→じょうとうば 夫婦仲良く友白髪
8503 13 -7
さゝのひと夜を 公事の手懸リ
ささ→酒☆江語辞 公事→訴訟☆江語辞 手懸り→手をつけるいとぐち ☆国大 接待で有利に?
8504 13 -7
尼か聞干す 鵙の草くき
鵙→もず 草潜→くさぐき 百舌の草潜→百舌が春に山に移り人里に姿を見せなくなるのを草の中にもぐり隠れたという☆国大 閑寂な尼寺?
8505 13 -7
久しい願ひ 元日に来
久しい→日が経っている☆江語辞 あたりまえで陳腐な なじみ深い しばらくぶり☆国大 ???
8506 13 -7
畳む衣に 近い鳥影
鳥影→鳥の飛ぶ影 鳥の姿 ☆国大 障子の鳥影は来客の前兆☆江戸文学俗信辞典 ???
8507 13 -7
言で只 いろ〳〵に夜の 更る也
言で→いわで 同じ夜も人それぞれに更ける
8508 13 -7
吉原ハ 拍子木迄か うそを付
九つに引け四つとして拍子木を鳴らす☆川柳辞彙
8509 13 -7
うま過て 仕廻の付ぬ さし向ひ
男女差し向かいの酒で終わりがない
8510 13 -8
伊勢の乞食ハ 小蝿なす神
小蠅なす→さばえなす 陰暦五月の蠅のように騒がしく煩わしいさま 神→幇間 伊勢参宮の旅人に乞食がつく
8511 13 -8
立て居て 捨るかことし 袖畳
袖畳→そでだたみ 和服の略式の畳み方 疲れて帰って
8512 13 -8
ひんつるの 撫れは笑ふ 心持
お賓頭盧様を撫でると
8513 13 -8
吉原の 足か這入て 堂か出来
足→利息 情夫 情婦 ☆江語辞 ???
8514 13 -8
新地のまくら 石にたとへる
新地→深川新地 石枕→旅人を誘って泊め石の枕をさせて打ち殺し金品を奪うという伝説☆国大 客は餌食
8515 13 -8
船引の 目口へ這入る 枯尾花
船引→ふなひき 川沿いの茂みもかまわず船を曵いていく
8516 13 -8
傘借りに 沙汰の限な 人か来
俄雨で傘を借りに無沙汰な奴が尋ねて来る
8517 13 -8
覗かれもせぬ 居風呂の顔
居風呂→すえふろ 風呂桶でわかす風呂 牡丹餅な下女?
8518 13 -8
分別も くらい所て くらく成
分別ある人も暗い場所では
8519 13 -8
見ぬ人も 贔屓の多い 志賀の里
志賀→近江の旧都で和歌で有名 実際行った人は少ないが
8520 13 -8
物畳む 妹か手元に 蝶小蝶
☆そのまんまか
8521 13 -8
呉服後藤ハ にやけて聞へる
呉服後藤→呉服商の後藤縫殿助ぬいのすけ 絵島を山村座に誘う にやけて→にゃけて にゃける→男の容貌が女性的である☆江語辞
8522 13 -8
二人来る 夜に壱人来ぬ 鉢扣
鉢扣→はちたたき 年末に鉦や瓢箪を叩き勧進する空也僧 ???
8523 13 -8
喰ふ人ハ 年〻老て 初鰹
毎年初鰹は同じだが人は
8524 13 -8
帰りをらいて 翌は餅搗
忘年会のなぐれで居続け?
8525 13 -8
家内喜樽 籔入こかし 煩せ
家内喜樽→やなぎだる 籔入→薮入 こかす→くすねる☆江語辞 薮入りの小僧が柳樽を失敬?
8526 13 -8
紙雛ハ 雛の中ての 通り者
紙雛→紙を折って作った雛人形☆国大 通り者→博徒 通人☆江語辞
8527 13 -8
馬かたの 少こたハる おとこへし
おとこえし→男郎花 男の意か? 「馬方の一大事也女良花 」☆武十一・19
8528 13 -9
痛い所へ 廻る若党
若党→武家屋敷の雑用をする身分の低い家来 中間の上 ☆江語辞 若侍が馬場訓練の手伝い?
8529 13 -9
十月の 風の中行く 雑司ヶ谷
雑司ヶ谷→鬼子母神五色の風車を売る 十月は日蓮上人の法要御会式あり
8530 13 -9
女房の にきり拳ハ その日きり
言っても聞かないしあきらめた
8531 13 -9
陽炎に ひよ子の息の うす煙
地面が暖かくなりそんな風に見える
8532 13 -9
貧乏神の 肥る死跡
死跡→死後 しにあと 配偶者の死んだあと☆国大 旦那が死んで店が傾く
8533 13 -9
飛すに叶ふ 江戸の清水
飛す→とばず 寛永寺の入り口の清水堂 京の清水寺みたいに飛び降りずともよい
8534 13 -9
秋更て 蝿取蜘の 下手に成
虫を取る機会が減って
8535 13 -9
思へはおかし 三輪の衣〳〵
衣〳〵→きぬぎぬ 謡曲三輪の妻訪い神話 苧環に針をつけ裳裾に綴じつけて夜来る男の正体を探る
8536 13 -9
恋しき人の 夢て憎まれ
夢の中でなら恨み言を
8537 13 -9
首丈ケに 伸たる馬の 草の原
首丈ケ→くびたけ 足もとから首までの高さ☆国大 馬が頭だけ出るくらいに首を伸ばして草原を行く
8538 13 -9
傘の 前へ廻れは 土たんこ
土たんこ→土団子 瘡守稲荷の梅毒治癒祈願で供える 鼻が梅毒
8539 13 -9
鋸の わつかに成て せはしなき
切り落とす寸前動きが速く
8540 13 -9
廿日艸 次の十日ハ 根なし艸
廿日艸→牡丹 人に見せて廻るので
8541 13 -9
大三十日 例の火宅と 成にけり
火宅→この世の汚濁と苦悩に悩まされて安住できないことを燃えさかる家にたとえた仏語☆国大 掛取が来るので
8542 13 -9
瓜の花 是も少しハ うそを付キ
冬瓜は結実しない徒花が多いのでうそつきの意 瓜も徒花あり?
8543 13 -9
貧乏の 引言に出る 蝶に鳥
引言→ひきごと 説明のため他から引用する文句☆国大 蝶々とんぼも鳥のうち?
8544 13 -9
呪を よく〳〵見れハ 寿の字也
呪→まじない 岩田帯の寿の字か? 達筆で読めん
8545 13 -9
翠簾のふくれる 鵺の翌ル日
翠簾→みす 鵺→ぬえ 源三位頼政の紫宸殿の鵺退治 殿上人がこわごわ見物
8546 13 -10
神の留守 よい事にして 仏達
神無月は仏事多し
8547 13 -10
仕合よしの 尻馬に乗
仕合吉→しあわせよし 駄馬の腹当に染め抜いた語☆国大 幸せ者のおこぼれを
8548 13 -10
関越る 時に女を 見せ付て
男の多い関所の連中に
8549 13 -10
茂右エ門に 地黄の合ハ 知れた事
東金茂右衛門の吉原貸切? 地黄→じおう 地黄丸の略 強精剤☆川柳辞彙
8550 13 -10
雨乞をして 帰る仲人
夫婦喧嘩の仲裁で雨降って地固まる?
8551 13 -10
京のことはの ひとり目に立
関西弁は江戸では目立つ
8552 13 -10
何が不足か 寺へ寝に行
すねて旦那寺へ逃げ込む? 駆け込み寺松ヶ岡東慶寺か?
8553 13 -10
聟になる 顔ハ静な 女坂
女坂→男坂より傾斜の緩い方の坂 そんな感じ
8554 13 -10
不沙汰な足を まくるかう薬
道中で膏薬をめくって久し振りに我が足を見る
8555 13 -10
顔の直うちの 下る物前
直うち→ねうち 物前→節季や紋日の前
8556 13 -10
うき世そや 鉦も太鼓も 遣ひやう
その子の玩具で迷子探し
8557 13 -10
度〻の うそかこうして 薄紅葉
薄紅葉→紅葉し始めの木の葉 赤面する意か?
8558 13 -10
うくひすも 姉か小路へ 食に付キ
姉か小路→あねがこうじ 大奥上臈御年寄? 食→めし 飯につく→奉公人が目見えをする☆江語辞 ???
8559 13 -10
あつさりと いふハうき世の 取廻し
取廻し→扱いぶり 処置 振舞☆江語辞 素っ気ないのが浮世
8560 13 -10
二百十日 目へ乳をさす 日也けり
嵐で目にゴミが入って 目に乳をさすのは目にゴミが入った時の治療法
8561 13 -10
うそむきたかる 浮艸の顔
うそむく→うそぶく 口笛を吹く そらとぼける 強がりをいう☆国大 浮草→不安定で落ち着かない生活のたとえ
8562 13 -10
仲人へ 先沙汰なしの 風ほろし
風ほろし→かぜぼろし 風邪の熱のためにできる発疹 ☆国大 急な風邪で婚礼が延期
8563 13 -10
灸点も 所に寄て 恥かしき
淋病や避妊の灸点あり☆江戸文学俗信辞典 「せうかちの灸はときんの所へすへ」☆柳八八 31 「白毫の所コへすへても又孕み」☆末四15
8564 13 -11
今度の娵も 浅漬の押
漬物石のような
8565 13 -11
出て也と 忘れたいとハ ほんの事
辛い事を家出して忘れたいと
8566 13 -11
石芋に 二度めの僧も おそろしき
弘法大師に芋をめぐまなかったら食べれない堅い芋になった 次に来る僧にも何をされるかわからん
8567 13 -11
西の下 名のありそうな 顔か見へ
芝居見物の西桟敷の下?
8568 13 -11
それ限に 乳母の貰た かきつはた
それ限→それぎり せっかく貰っても放ったらかしで枯れてしまった
8569 13 -11
かくら堂 顔か替ると いそかしき
巫女が新しくなればまた人気が
8570 13 -11
黒吉ほとに 見へぬ奉公
黒吉→くろきち 妊娠した女の異称☆川柳辞彙 評判の役者や男前も云う 乳房の黒ずみほどには奉公しなかった下女?
8571 13 -11
入相ハ 同し鐘ても 世をせはめ
入相→いりあい 日没の鐘 寛永寺の入相の鐘は花見客を追い出す
8572 13 -11
辛崎の 咄して居 傘屋
近江八景唐崎の夜雨
8573 13 -11
袖褄ハ ふり切といふ 罪もあり
袖褄→そでつま 着物の袖と褄 袖褄を引く→異性に言い寄る 男を振り付けるという罪
8574 13 -11
怖かりし 十九の年も 無事て過
女の厄年が無事 しかし婚期が
8575 13 -11
温石も 悋気・の内に 火に成て
温石→おんじゃく 焼き石を布に包んだ懐炉 悋気・→りんき 悋気の炎で懐炉も熱く
8576 13 -11
深爪と 母を偽る 神参リ
血判の起請文を書いて百度詣り?
8577 13 -11
口寄の 詰る所ハ 悪くいふ
口寄→くちよせ 巫女が霊をおろす 結局生きている人に文句を
8578 13 -11
次第にこゞむ 瞽女の行水
人の気配がして
8579 13 -11
黄昏て 昼見た所 皆涼し
黄昏て→たそがれて 暑い中を見物して廻ったが
8580 13 -11
植たその 余りをうとふ 田草取
うとう→いとうの誤りか? 厭う→いたわる☆江語辞 植えてないところを世話する
8581 13 -11
分別の 内外を行 琵琶の海
琵琶の海→琵琶湖 ???
8582 13 -12
皆逃る 狂女の帯の 解た時
☆そのまんま
8583 13 -12
雨もりの 所定めす 歩行好
歩行好→ありきずき 雨漏りが家中を散歩
8584 13 -12
昼顔ハ ねむらせる草 起ス艸
昼に寝る奴もいれば昼に起きる奴も居る
8585 13 -12
上田一束 使めてたし
上田→じょうでん? 一束→いっそく 上田五歩で稲一束が収穫できる☆大宝律令 田地を授かった?
8586 13 -12
五月雨の 竈へくへる 口小言
竈→かまど 口小言→ぶつぶつと不平をいうこと☆国大 湿った薪を文句云いながらくべる
8587 13 -12
恥かしい 気を入替る 百ヶ日
百ヶ日の法要が済んで後家さんが図々しく?
8588 13 -12
銭行とまる 嵳峩の御寺
行とまる→ゆきどまる 嵳峩→嵯峨 謡曲放下僧 西は法輪 嵯峨の御寺廻らば廻れ 大道芸人に変装して仇討ち
8589 13 -12
早乙女の 咄しハ近く 植て来
おしゃべりしながら植えると苗の植えた線が寄る
8590 13 -12
脊中から 重りのかゝる 真土山
真土山→まつちやま 待乳山聖天宮 吉原へ流れる圧力が
8591 13 -12
風車 子のある神の もて遊ひ
雑司ヶ谷鬼子母神のお土産
8592 13 -12
蛤に 成て萑の 京奉公
萑→雀 雀海中に入り蛤となる☆諺 京奉公→京に奉公に出ること ? 近郷の田舎娘が一人前になって?
8593 13 -12
玄関を 持てハ尖の ある婆〻
尖→とげ 大きな家を建てたら嫌味を
8594 13 -12
口もとを行 正月の銭
口元→手近か☆江語辞 家庭内博打?
8595 13 -12
衣に成て 言訳ケか立
出家してお詫びがかなう
8596 13 -12
燈明を 消して戻れハ 抱付れ
待ってました
8597 13 -12
了簡の 皆喰違ふ 五月雨
急な雨で予定が狂う
8598 13 -12
若代夫婦の 旅をしたかる
若代→わかよ 若主人☆国大 隠居夫婦の目から離れたい
8599 13 -12
仕着セ物 今年ハ丈の 長短
仕着セ物→しきせもの 長短→ながみじか 大きい丁稚も小さい丁稚も居る
8600 13 -13
娵か姑に 成て寒かり
娵→嫁 歴史は繰り返す
8601 13 -13
もとの目顔へ もとる兄弟
目顔→顔の表情☆国大 仇討ち後の曾我兄弟?
8602 13 -13
朝寝の度に 侘る浪人
出勤もなく次第にだらしなく
8603 13 -13
日くらし限て 帰る番伴
日暮→終日? 蜩? 限て→ぎりで 番伴→ばんとも ? ???
8604 13 -13
二ツめの 路次を抜れは 隅田川
本所二ツ目?
8605 13 -13
奥家老 しなひ尽して 御意に入
奥向きの仕事なので枯れ果てた老人なればこそ殿の信頼が得られた
8606 13 -13
下心 有て蚫に 当こすり
蚫→あわび 当こすり→かこつけて云う悪口や皮肉☆江語辞 片思いを訴える
8607 13 -13
勘当の 印の残る 入ほくろ
入れ黒子→入れ墨☆江語辞 放蕩していた頃の名残 腕に相手の名を彫ったり
8608 13 -13
からし酢の 世をなめ過て 当こすり
辛子酢→初鰹につけて食す 当こすり→かこつけて云う悪口や皮肉☆江語辞 高値の今買えるのは俺くらい
8609 13 -13
伯母の気を 合点して出る あつゆ散
熱湯散→牛込御門前牡丹屋彦右衛門の血の道の薬人参熱湯散? 伯母が察して
8610 13 -13
うし込の 猪牙にあからむ 葉をつまみ
赤らむ→赤くなる☆国大 麹町あたりの赤穂浪士が牛込から猪牙舟で本所へ集結?
8611 13 -13
桟敷て泣を そはて詠める
芝居の上等席で泣く人 詠める→ながめる 感情をこめてあるいは観賞的な態度で見つめること☆国大 込み入った事情が
8612 13 -13
きけんよく 親に銚子の 咄しして
銚子→勘当息子預け先の定番 初回の勘当が許されて
8613 13 -13
仮橋も 欲な所ハ 伊勢に似て
仮橋は有料 伊勢屋は吝嗇の代表
8614 13 -13
しけ〳〵と 我妻に飽く 五月雨
ずっと家で顔をあわせて居て
8615 13 -13
虫うりの 中に蛍ハ 通りもの
通り者→博徒 通人 他の虫とは一味違う
8616 13 -13
ほた餅に 男の骨ハ なかりけり
まあ左党のものではない
8617 13 -13
鍛冶屋の弟子の 稲妻を打
飛び散る火花
8618 13 -14
都の口に 遠いよし原
京は島原とか祇園とか
8619 13 -14
此侭て 死なはあの世も 蚫にて
蚫→あわび あの世でも独り身か 口説き文句?
8620 13 -14
立田姫 一葉〳〵に 世話をやき
秋の女神が一枚一枚紅葉に染める
8621 13 -14
子を寝せ付て 葛の葉かくれ
葛→くず 葛の葉に化けた白狐は子を寝かせて姿を消す
8622 13 -14
玉味噌ハ 旅のうきめの 先へたち
玉味噌→たまみそ 大豆と塩から作った団子状の保存食☆江語辞 臼で搗かれたり藁苞で炉辺に晒されたり苦労する
8623 13 -14
うそ付きも 雇れて行 十二月
掛取対策要員?
8624 13 -14
身まかり給ふ 迄集の事
集→しゅう 平忠度は都落ちの際に狐川で引き返し藤原俊成に自詠の和歌を託す 千載和歌集に詠み人知らずで載る
8625 13 -14
去年の異見を 元日の夢
去年→こぞ 去年された説教は夢のようにさらりと忘れて
8626 13 -14
から縄の 方へ娘ハ かつかれて
から縄→? かつぐ→誘拐する☆江語辞 合意の上で ???
8627 13 -14
乱焼 恋する人の 性に合
乱焼→みだれやき 乱れうねった形状の刃文 ☆国大
8628 13 -14
柴の戸に 鬼のやうなる 給仕人
一種の座敷牢か?
8629 13 -14
利口過たハ 誉ぬ女房
多少抜けている方が亭主には
8630 13 -14
また神の名ハ なくて神主
勤める神社が決まっていない ?
8631 13 -14
黒木より 相人のはやき 杜若
黒木→大原女の売る黒木? 相人→あいて 大原に隠棲した惟高親王は業平の親友 同じ風流人だが業平の方が手がはやい?
8632 13 -14
恋衣 謎のやうなる 紋を付
恋衣→恋する人の衣服☆国大 心から離れぬ恋のたとえとも 歌舞伎の八百屋お七の紋である丸に封文の紋?☆川柳江戸砂子
8633 13 -14
なけなしの 野道を盗む 花薄
花薄→はなすすき 穂の出たすすき やっと見えている道を覆い隠す
8634 13 -14
かんこ鳥 うき世へ合ぬ 声を持
かんこ鳥→かっこう 世間ばなれした鳴き声?
8635 13 -14
草の庵 死ぬ気・に成て 年を喰
世を捨てたのに長生き
8636 13 -15
うつ蟬の むなしき中の 捨ことは
うつ蟬→遊里の空床の異称 ☆川柳辞彙 花魁来ず
8637 13 -15
叶ふ日ハ 思ひの種を 書残し
叶う→望んでいたことが成就する☆国大 ☆そのまんまか
8638 13 -15
俤ハ 立さらすして みなの川
俤→おもかげ 記憶に残っている姿☆国大 みなの川→ 「筑波嶺の峰より落つるみなの川恋ぞつもりて淵となりぬる」 ☆百人一首 恋の意
8639 13 -15
闇を出て 闇に落付く しのふ山
夜這は闇から闇へ忍ぶ
8640 13 -15
惣仕廻 聞も恐し つくも髪
惣仕廻→惣仕舞 遊廓を貸し切りにすること つくも髪→老女の白髪 またその人☆国大 遣手と相談すれば大散財?
8641 13 -15
公事に成ても 引ぬはま萩
公事→訴訟 浜荻→伊勢者の意 吝嗇で
8642 13 -15
大小に 野鼠の付く 喜連川
大小→刀と脇差☆江語辞 喜連川→きつれがわ 下野国塩谷郡の地名で足利国朝の子孫の姓 武鑑の最後に載るという☆川柳辞彙
8643 13 -15
恋病の 薬に遣ふ 当こすり
恋病→こいやみ 恋わずらい ☆国大 当こすり→かこつけて云う悪口や皮肉☆江語辞 思いを知らせたい
8644 13 -15
ちから艸 女に成て 根をたやし
力草→力と頼むもの☆江語辞 女を頼りにして共倒れ?
8645 13 -15
秋の鐘 眠かる人を 撞たをし
撞たをし→突き倒しの洒落 ???
8646 13 -15
青く呼るゝ 大内の武士
青い→未熟だ☆江語辞 大内→大内義隆 文弱に流れ臣の陶晴賢に攻められ自刃 ☆川柳辞彙
8647 13 -15
子のない母の むこいうたゝ寝
むごい→痛ましい 子を亡くした母がふと目覚めた時我が子を探す?
8648 13 -15
初瀬を祈て 人参を引く
初瀬→はせ 人参→強精剤 引く→贔屓にする☆江語辞 初瀬の長谷寺は恋の祈願の寺
8649 13 -15
吹度の おしへに叶ふ 川柳
柳に風と
8650 13 -15
高尾か泣て 落かゝる城
まさに傾城
8651 13 -15
男はかりに 舟ハせはしき
渡し守は男の客だと急かせる
8652 13 -15
二布に縫ハ 伊達の大木戸
二布→ふたの 女の湯文字☆江語辞 大木戸→四谷や高輪の大木戸 江戸の入り口 緋縮緬の腰巻こそ伊達の入り口
8653 13 -15
石を割る 音もするとき あはら家
するとき→するどき あはら家→あばらいえ 何をしているのか不気味
8654 13 -16
城下へ近い 男一疋
城下→城壁の下や外 城下町 ☆国大 男一疋→一人前の男子☆国大 ???
8655 13 -16
顔かハり させる手柄の 櫛(くし)田川
顔変→人相がかわる事☆国大 櫛(くし)田川→伊勢飯南郡の川 類句から櫛(くし)の意か☆川柳辞彙 櫛(くし)で見た目が変る?
8656 13 -16
秋の蝶 最う是迄と あばれ喰
最う→もう あばれ喰→あばれぐい もう長くないので
8657 13 -16
逗留客に 味な名か付く
味な→色っぽい 湯女の噂話?
8658 13 -16
上と下とに 夫婦四人
二世帯同居?
8659 13 -16
いかな達者も こまる長崎
異人相手
8660 13 -16
六日の馬場に 落書か立
五月五日の賀茂の競馬の翌日か?
8661 13 -16
急度云ふ 時ハ紺屋も 明後日
急度→きっと 確かに 念を押されると紺屋の明後日もあらたまってみょうごにち
8662 13 -16
空拝み 一はい宛ハ くハせけり
空拝み→うわべだけで尊敬しているように見せかけること こびへつらうこと☆江語辞 物貰いに?
8663 13 -16
母親の 茶碗て呑むも 病也
親不孝の酒好き よりによって
8664 13 -16
十二月 今年も死ぬと 笑せて
年忘れで来年こそは死にますと
8665 13 -16
禁酒して 何を頼ミの 五月雨
味気ない
8666 13 -16
待侘の 心に遣ふ 有ツたけ
胸いっぱい
8667 13 -16
仲人と 云れて人ハ 古くなり
仲人をする年配で一人前
8668 13 -16
瘧ふるひ 取越橋に 寄懸り
瘧→おこり マラリア 取越橋→鳥越橋 浅草御蔵前近くの鳥越川にかかる橋 外出中に瘧の震えが
8669 13 -16
灯を消た うそを付のハ おもしろき
夜中にこっそり何か読む?
8670 13 -16
地主と中の わるい哥よみ
芸術家でも家賃の払いが悪い
8671 13 -16
銭くふて 水青くさき なめり川
滑川→鎌倉の東の川で青砥左衛門尉藤綱が落とした銭十文を二分の松明で探したという ☆川柳辞彙
8672 13 -17
新関守の にきやかな顔
なったばかりの頃はいろんな表情をするが
8673 13 -17
金借しを 狸といふも 狐なり
金借し→金貸 狐→遊女
8674 13 -17
南風 恋といふ字を 吹付る
南風→南から吹く暖かい風 ☆国大 南風は暖かくだらけかかるという☆誹諧武玉川四・五篇輪講 夏に恋心が芽生える
8675 13 -17
まくらか隙て 茶屋の喰込ミ
食込む→熱中する☆江語辞 元手が減る☆大辞林 お客が少なく引手茶屋が赤字
8676 13 -17
病上り 笑て寺の 土を踏
棺桶に入ってではなく
8677 13 -17
くすり呑 日ハ誓文の 怖く也
起請文の灰を呑まされることを思い出し
8678 13 -17
分別の 外て麦飯 喰ならひ
麦飯→赤坂田町の私娼の意 田舎の常食☆川柳辞彙 勘当されて田舎で辛抱?
8679 13 -17
鴛の 口舌を鴨の 蹴ちらかし
鴛→おしどり 鴛鴦の夫婦の痴話げんかに鴨が乱入 あるいは 鴨→下僕の黒鴨の略称☆川柳辞彙
8680 13 -17
筑波も江戸て 見れは江戸もの
遠い筑波山も江戸から見えるので江戸の者
8681 13 -17
分別の 納め所を しのふ山
熟慮の上で夜這
8682 13 -17
門口の 塵に目の付く 独住
独住→ひとりずみ隙で細かい所に目が行く?
8683 13 -17
吉原へ 腹立に行 人もあり
腹立に→はらたてに 振られに行く
8684 13 -17
もとの若衆と 聞て見たかる
若衆→男色の弟分 出世した役者に?
8685 13 -17
衣〳〵に 又といふ字か 五六遍
衣〳〵→きぬぎぬ 遊里の朝の別れまた来てね 浮気しちゃ嫌よ
8686 13 -17
しろ〳〵と日の くれる行水
じろじろ?
8687 13 -17
勘当の うちに年号 又かハり
幾年も勘当が許されず
8688 13 -17
食と汁とに 笑ふ落鬮
食→めし 落鬮→おちくじ 鬮→籤 ???
8689 13 -17
雨もりの 中を紙燭の 舞て行
雨だれが当たらぬよう舞うように歩く
8690 13 -18
御油赤坂も 義理のある所
東海道御油宿と赤坂宿 飯盛女で有名 通る度の馴染み客?
8691 13 -18
夢を見て ひとり悦ふ 懸人
悦ふ→よろこぶ 懸人→かかりうど 居候肩身の狭い暮らしでせめて夢くらいは
8692 13 -18
一生を 軽く捨たる 手挑灯
手挑灯→てぢょうちん 手さげ提灯☆国大 慣れた吉原通い?
8693 13 -18
肘まくら 膝枕ほと 派か利す
利す→きかず 肘枕は楽しみ亦た其の内にありと論語にもあるなどと云っても膝枕にはかなわない
8694 13 -18
引懸た 茶碗に恋の 忘れ草
引懸た→ひっかけた 忘れ草→憂さを忘れる材料 ☆江語辞 失恋で茶碗酒
8695 13 -18
辛崎の 松ハ合羽て 面白し
唐崎の一つ松と夜雨
8696 13 -18
奉公人 とつち付すの 食を喰
食→めし 奉公人の目見えの食事 奉公先が気に入ったような入らないような
8697 13 -18
御拂に そろ〳〵出る 御懸物
そろ〳〵→ぞろぞろ? 御懸物→おかけもの 懸物→掛軸☆国大 御不勝手な武家で掛軸を売り支払い?
8698 13 -18
あちな所を つめる産神
味な→色っぽい つめる→つねる☆江語辞 産神→うぶがみ 出産の場に立ち会い見守る神☆国大 産婆の所作?
8699 13 -18
針うりの あれも昔を しのふ山
針売→裁縫針を売り歩く商い ☆川柳辞彙 信夫山→歌枕 ここは偲ぶ意か? 後家とか?
8700 13 -18
垣間見の 突目と人に 語られす
垣間見→かいまみ 隙間からこっそり見ること☆国大 覗いて突っつかれたとは
8701 13 -18
恋風ハ 畳のうへを おもにふき
恋風→恋の切なさが身にしみわたるのを風にたとえた語 ☆国大 野原よりも家の中で吹く
8702 13 -18
言ふも百日 後家の葉かくれ
葉隠れ→木の葉や草木のかげになって見えなくなること ☆国大 百ヶ日も過ぎれば籠ってばかりもいられない
8703 13 -18
奉公も 松坂縞を 越てけり
松坂木綿の伊勢縞の仕着せを着る丁稚を辛抱して 「やす/\と堀をば越てげり」 ☆太平記
8704 13 -18
水の咄しも ならぬ癲癇
水を見ると発作を?
8705 13 -18
厄年に こハかる物ハ 芹はかり
芹は四十二年めに尽るといい四十二の厄年に芹を食べるのを忌んだ☆江戸文学俗信辞典
8706 13 -18
爰ハの時も 京ハ唇
爰→ここ ここはの→いざという場合の ここが大事という時の☆国大 京の人は口先で勝負?
8707 13 -18
むせうに惚れて 見れハ仕当
むせう→無性 仕当→しあてる 思い通りにする☆国大 一念が通じて?
8708 13 -19
おとこに惚れて 真實の錠
他の人には心を閉ざす?
8709 13 -19
恋の闇 急に明るき 人に逢
思いがけなく想う人に逢い?
8710 13 -19
うき事か なくて不沙汰な 物詣
困った時だけ神頼み
8711 13 -19
梅干に うなされて居る 女形
梅干→老人の異称☆川柳辞彙 お年寄りの贔屓筋に? あるいは 本当の女と違って酸っぱいものは嫌い?
8712 13 -19
加茂川へ 夕へなくした 下駄か浮
加茂川近くの遊廓で羽目を外して
8713 13 -19
さま〳〵に 遣へは遣ふ 咳はらい
合図とか
8714 13 -19
云事を 銭に言せて しのふ山
金の力で夜這
8715 13 -19
ある夜せつなき 長持の君
嫁入り道具が立派だったお嫁さん
8716 13 -19
人に寄り 年に寄るもの 水鏡
水鏡に映る姿は人様々 そして年齢で変る
8717 13 -19
あつまてくろむ 京の手拭
あつま→東 上方出身者が江戸で汚れる?
8718 13 -19
木綿うり はしたに着せる 恋衣
はした→中途半端☆江語辞 恋衣→恋する人の衣服☆国大 心から離れない恋 絹を着せるわけでもなく
8719 13 -19
武士も うしろを見せる 十二月
掛取から逃げる
8720 13 -19
女房の異見 門出に出る
門出→かどいで かどで ☆国大 変な所へいったら駄目よ
8721 13 -19
へちまとハ 腹立時の ことはにて
へちま→役に立たない 美しくない 拙劣な☆江語辞 たいていけなす言葉
8722 13 -19
元録の頃迄 恋ハ命つく
元録→元禄 命つく→命ずく いのちがけ ☆国大 曾根崎心中は元禄十六年
8723 13 -19
樒問屋の 伊豆を手のもの
??? 伊豆にも樒が生えているが産地だったか?
8724 13 -19
また稲妻の 青い義仲寺
義仲寺→ぎちゅうじ 大津の寺で芭蕉と木曽義仲の墓が背中合わせ いまだ木曽義仲の無念が?
8725 13 -19
女房の口て 草鞋か売れ
草鞋→わらんじ 親爺が黙って売っていてもさっぱり売れぬ
8726 13 -20
なまなかに 四十二の子の 美しき
美しい→かわいい いとしい ☆国大 父が四十二才の時二才の男児は親を喰うというので仮親に預ける☆江語辞
8727 13 -20
うなされた 夢を水鶏に 助られ
水鶏→くいな 鳴き声が戸を叩く音に似ているという☆国大 夜の訪問者の比喩☆雑俳語辞典
8728 13 -20
世の誠 こまめ鱠に 畏り
ごまめ→片口鰯を真水で洗って干したもの☆国大 大量虐殺
8729 13 -20
夜更のなみた 只事てない
人前で泣くのではなく
8730 13 -20
姉の物 妹に着せて 夕薬師
夕薬師→茅場町薬師 病気平癒の代参?
8731 13 -20
疱瘡病に しかられる医者
疱瘡病→ほうそうやみ こんなよくある病もわからんのか
8732 13 -20
分限者の 身を不自由に 世をわたり
金持ちには金持ちの苦労?
8733 13 -20
かハゆかられる 舌も三寸
舌先三寸
8734 13 -20
寒念仏 あなめ〳〵と 蹴て通
寒念仏→かんねぶつ 寒中三十日間夜中に念仏を 唱えて歩く行 あなめ→ああ目が痛い ああたえがたい☆国大 蹴て通→けてとおり
8735 13 -20
行燈て 縫へは女房の 古く見
見→みえ なんとなく所帯じみて
8736 13 -20
銭をいしると 手を洗ふ尼
俗世の銭が汚く感じて
8737 13 -20
夜か明て たんたいて見る 小夜碪
たんたいて→探題で 探り取ったくじの題で詩歌をよむこと☆国大 小夜碪→さよぎぬた 夜打つきぬた☆国大 ???
8738 13 -20
地黄を呑めと 余所て云せる
地黄→地黄丸 強精剤腎虚の夫に人づてに
8739 13 -20
婚礼に 親の單笥の 若く成
嫁に行った娘の箪笥が余ったので?
8740 13 -20
異見する 側に火のしを あふかせて
火のし→炭火を入れて使う片手鍋型のアイロン あふぐ→仰ぐ 上のほうを向く☆国大 皺を伸ばすが如き説教
8741 13 -20
かうやく張て 気の詰る肩
こわばった感じ
8742 13 -20
女房の 植てこハかる とうからし
辛いので? 強精効果も?
8743 13 -20
三十三ハ 乳母に出る年
女の厄年で
8744 13 -21
から鮭を 売つゝ行は ゑもん坂
から鮭→乾鮭 行は→ゆけば 衣紋坂→日本堤から吉原大門に下る坂
8745 13 -21
姑のきけん 幟このかた
きけん→機嫌 男の子ができて
8746 13 -21
くれは鳥 あやなす妹か 針仕事
くれは鳥→くれはとり 呉服呉の国から来た機織女で呉服物の意☆川柳辞彙 あやなす→巧みにあつかう☆ 国大
8747 13 -21
庫裏の静まる 方丈の咳
方丈→住職の居室 ☆そのまんま
8748 13 -21
餅をは喰ぬ 高札の聟
高札を立ててある条件にかなう婿を募集 狂言に類例あり ???
8749 13 -21
庵の灯の こほれてうこく 乱萩
乱萩→みだれはぎ 萩の乱れ咲いた様? 庭の萩に灯がこぼれると萩が動いたように見える
8750 13 -21
馬の療治に 枯る夕皃
貧家の夕顔の世話が疎かに?
8751 13 -21
飛上らせる 居風呂のうそ
居風呂→すえふろ 風呂桶でわかす風呂 誰か来たよ
8752 13 -21
温泉の戻り 奢の止ぬ 草り取
温泉→ゆ 奢→おごり 主人と気安くなって
8753 13 -21
絵にしても 源氏の蔀 覗たし
蔀→しとみ 静御前とか
8754 13 -21
百万遍の ぬかる吉原
抜かる→だらしなくなる ☆国大 あまり信心深い場所ではない
8755 13 -21
船人ハ 雲に近付 有そうな
近付→しりあい☆国大 雲や天気を読む
8756 13 -21
呵る跡から うまい口上
このような至らぬ奴ではありますが
8757 13 -21
女房に とはしりかゝる 御祓河
とばしり→しぶき とばっちり☆国大 御祓河→みそぎがわ 六月晦日に川原に斎串を立てて祓いをする神事☆川柳辞彙 亭主の不始末の?
8758 13 -21
むす子を喰て 廻るかうやく
???
8759 13 -21
乳母を跨て 通る岩はし
岩はし→川の飛び石 大部屋への夜這か?
8760 13 -21
みなの河 腰元迄か とうからし
みなの河→男女川 筑波山の歌枕 見ないの洒落☆江語辞 皆の洒落? 恋の意? ???
8761 13 -21
八ツ山も 今ハむかしの 立田越
八ツ山→品川入口の海に臨む丘☆江戸名所図会 立田越→たつたごえ 業平の河内通い 「風吹けば沖つ白浪たつ田山夜半にや君が一人越ゆらん」 業平気分で品川遊廓行き
8762 13 -22
捨人の 蚊やりをあふく 舞扇
捨人→すてびと 世捨人 隠者☆国大 蚊遣り火を必死にあおぐ様が舞扇のよう
8763 13 -22
三夫婦の うちに二人ハ 衣着て
三夫婦→みみょうと 親子孫三代の夫婦が揃っていること 祖父母は僧衣?
8764 13 -22
御難の餅を 母のこねとり
御難の餅→日蓮宗で九月十二日に供える餅 こねとり→捏取 餅つきの時餅をこね返す人 牡丹餅娘の母
8765 13 -22
大とむらいの 寺に馬工良
馬工良→ばくろう 牛馬の売買を業とする者 故人の馬が奉納され売られるので?
8766 13 -22
利キそうな 口へ小判を くハへさせ
利く→よく働く☆国大 口封じ
8767 13 -22
地にあらは 鳥とぬかして まふり詰
「天にあっては比翼の鳥となり地にあっては連理の枝とならん」☆長恨歌 まぶる→まぶす ☆江語辞 格好つけて変な事を言って口説く?
8768 13 -22
そこか釈迦 倚子て死ぬ場を 寐ころんて
倚子→椅子 僧は椅子で臨終する? ???
8769 13 -22
出雲へうこく 母の唇
縁談がまとまりますように
8770 13 -22
与所の女房に なるを見に出ル
与所→よそ 町内の小町娘の婚礼を見物
8771 13 -22
尼に成ても かき立て寐
寒いのは寒いので囲炉裏の火をかき立てて
8772 13 -22
薺の日 行先〳〵ハ こほれ松
薺→なずな こぼれ→こわれ☆国大 正月六日七草の前日に薺売りが来る頃には松飾りは半壊れ
8773 13 -22
兼好に 咄まい物 四十一
咄まい物→はなすまいもの 四十二の二つ子の心配 徒然草第六段「子といふものなくてありなん」などと言われそう
8774 13 -22
梺へ二仁 見せる木からし
梺→ふもと 二仁→にじん? ???
8775 13 -22
四人部屋を 枯尾花飛ふ
四人→よったり? 蹴鞠? ???
8776 13 -22
生れた家を きたなかる僧
それは信心の無い家でして
8777 13 -22
夫婦して 一ツ宛づゝ 三寸徳利
三寸徳利→みきどくり 神棚のお下がりを一本づつ
8778 13 -22
朝つきを 立派に喰ふも 哀也
朝つき→胡葱 あさつき 三月四日雛をしまう時浅葱膾を供える 三月五日は奉公人の出替り日 恋人も居ず口が臭くなっても平気?
8779 13 -22
行人も 人百夜とハ 馬鹿〳〵し
百夜→ももよ 深草少将の百夜通い 言う方も従う方も
8780 13 -23
借り着の裾へ をた巻を付ケ
☆遂平生志 をた巻→苧環 おだまき 謡曲三輪の妻訪い神話 苧環に針をつけ裳裾に綴じつけて夜来る男の正体を探る ???
8781 13 -23
いつれ懺悔の 有そうな顔
後ろ暗い様子?
8782 13 -23
小町か読て 売り切る傘
売り切る→売り切れる 神泉苑の雨乞いの和歌で雨が降って
8783 13 -23
四十の紙子 十日着て倦
紙子→かみこ 紙子 紙の衣服 貧乏な人が使った 倦→あく もうたくさんだと思う ???
8784 13 -23
度会に 入は他人の 心なし
度会→わたらい 伊勢神宮の地 伊勢参りで仲間意識が
8785 13 -23
茅の輪を越スと うこく唇
六月晦日夏越の祓の茅の輪くぐり 「水無月の夏越しの祓する人はちとせの命のぶといふなり」とか唱えたりするという
8786 13 -23
地黄はやりて 天下泰平
地黄→精力剤 ☆そのまんま
8787 13 -23
鱚釣る女 人に見らるゝ
鱚→きす 釣りをする女性は珍しかったか?
8788 13 -23
あつまからけを おろす三條
あつまからげ→東紮 着物の腰の両脇をからげて帯にはさみ裾高にする☆国大 東海道終点三条大橋に着いて旅姿をゆるめる
8789 13 -23
大釡ハ 燃て仕廻て 飛鳥川
仕廻て→しまって 飛鳥川は心変わりの象徴 「世の中は何か常なる飛鳥川昨日の淵は今日の瀬となる」 ☆謡曲 飛鳥川 ???
8790 13 -23
御油に二日ハ 目も鼻もなし
御油→東海道御油宿 飯盛女で有名 目も鼻もない→目がないの強調 大好物である☆江語辞
8791 13 -23
せきれいを 見て居て何か 云たかり
伊邪那岐・伊邪那美二神にせきれいが男女の道を教え奉ったと☆川柳辞彙
8792 13 -23
宇治のみやけを 誉るくら闇
蛍がお土産
8793 13 -23
立花に 寝られぬ夜も 二度ハなし
紫宸殿の鵺関係か? 右近の橘
8794 13 -23
うれしい飯を らうそくて喰
何か良い事があって遅くなり
8795 13 -23
来ると日あたり くさい馬工良
馬工良→ばくろう 牛馬の売買を業とする者 屋外の仕事なので
8796 13 -24
昼結ふ 夢の向ふも かんこ鳥
夢でも現でも郭公が鳴く?
8797 13 -24
見せる向ふに 指のくたひれ
ほらあれだよと指差し続け
8798 13 -24
平等院ハ 京へ筋違ふ
筋違う→すじかう 斜めに向かい合う そむく 源三位頼政
8799 13 -24
異見を聞に 戻るたそかれ
家へ帰るのが遅くなって
8800 13 -24
駕を下ルと 所化てない顔
駕→かご 所化→しょけ 修行僧 僧の品川遊廓行き?
8801 13 -24
六月さむく かの顔か出る
???
8802 13 -24
是からハ 仏に膝を 折る斗
斗→ばかり
8803 13 -24
柳にせりを 付る麻の葉
迫り付く→迫り近づく☆国大 麻は成長が速いので?
8804 13 -24
長いまくらも 鳥のした事
長枕→二人寝用の長い枕 「夜着やまくらも鳥のした事」☆武十二・23
8805 13 -24
木登りを 笑へは悪く 気・を廻し
下から何か見えるか?
8806 13 -24
八十七も なふらるゝ年
あと一年で米寿
8807 13 -24
朝風くるみ 呉竹を買
呉竹の束を持ち運ぶと風がおこる?
8808 13 -24
僧ハおしえる 迄の妙薬
???
8809 13 -24
雛にも男 女良花寄る
女良花→おみなえし 遊女の異称☆川柳辞彙 女の意
8810 13 -24
坐頭のすハる 夜の始り
宴会
8811 13 -24
身のからくりに 見せるからくり
からくり→計略 たくらみ やりくり算段 やりくり算段のため計略を
8812 13 -24
うたゝ寝に夜の 明る星逢
星逢→ほしあい 星合 七夕に牽牛織女の二星が会うこと☆国大 短い逢瀬
8813 13 -24
逃そこないの 鐘に溜息
駆落ちか夜逃げの失敗?
8814 13 -25
師走しらすの 闇をしこなす
しこなす→当然顔でする なれなれしくする ???
8815 13 -25
とつち付すの 大坂の顔
江戸でも京でもない?
8816 13 -25
尖針の ありとハ里も しらま弓
尖針→とげばり 八里→箱根峠☆川柳辞彙 しらま弓→白真弓 ここでは知らないの意か ???
8817 13 -25
六月の 日ハ人形に 突あたり
夏越の祓いの人形?
8818 13 -25
忘れた用の 小指から出る
書き付けてあった?
8819 13 -25
口とめに なる綻の おもしろき
綻→ほころび
8820 13 -25
御顔ハお皃 たけの袖笠
袖笠→袖を笠がわりにする 若様か姫様の仕草?
8821 13 -25
湯殿の音に 欠て行娵
欠て→駆て 娵→嫁 姑が呼びつける?
8822 13 -25
口なめすりて 笙の弟子入
準備運動
8823 13 -25
侘ぬれは 堀の煮花も 忘れ草
煮花→煎じたての香りの高い茶 でばな☆大辞林 忘れ草→憂さを忘れる材料 ☆江語辞
8824 13 -25
狸迄出す 村の追従
追従→ついしょう 検見のお役人に?
8825 13 -25
時〳〵に あたりの怖い 水かゝみ
後ろに!
8826 13 -25
さま〳〵な 事を請負ふ 放し鳥
放し鳥→放生の鳥☆江語辞 一羽に追善をいろいろ託す
8827 13 -25
なみたの耳へ 這入るおもひ寝
☆そのまんま
8828 13 -25
斯う死たいと 頭陀の手まくら
頭陀→衣食住に対する欲望をはらいのける修行☆国大 修行者が涅槃の真似を
8829 13 -25
又二はんめか あふらとらるゝ
油を取られる→しかられる ☆江語辞 最初にしでかした奴は呵られず
8830 13 -25
義理で別れた 恋も葛の葉
葛の葉の→うらみの枕詞 裏返ることから裏心にかかる枕詞
8831 13 -25
昼ハ見られぬ 程ヶ谷の顔
程ヶ谷→保土ヶ谷 東海道の神奈川と戸塚の間の宿 飯盛女 足弱の一泊目 飯盛女の厚化粧?
8832 13 -26
かくれ課せて 長い溜息
課せて→おおせて 逃げれたのはよいが何でこんなことに?
8833 13 -26
居なしむ娵の 尻に實か入
実が入る→熟する☆大辞泉 安定感が
8834 13 -26
今度の養子 聞干て遣ル
聞干て→ききほして 前の入り聟が逃げたので今度は事情をよく聞いた上で
8835 13 -26
二ツの耳に 二度のさゝやき
右の耳にも左の耳にもおねだり?
8836 13 -26
谷へ咄を こほす底倉
底倉→底倉温泉 箱根七湯の一つで痔に効験あり☆川柳辞彙 山間の湯治場ですぐそこが谷
8837 13 -26
笛あたゝめて 松風を聞
笛方が準備しながら謡の松風を聞く?
8838 13 -26
きのふ見し 稲妻をこく 最上川
「最上川上れば下る稲舟のいなには非ずこの月ばかり」☆古今集による?「五月雨を集めて早し最上川」 ☆芭蕉 舟がぎざぎざに進む?
8839 13 -26
絹張も さし出の磯の 干うとん
絹張→絹布を物の表面に張ること またそれに使う棒 さし出の磯→海や川に突き出ている磯 笛吹川河畔の地名とも☆国大 ???
8840 13 -26
二十五の 暁近く 踏のはし
人は二十五の暁まで背が伸びるという☆川柳辞彙 「男は二十五の暁まで丈がのびる」☆諺☆俳説ことわざ辞典 男の厄年? ???
8841 13 -26
別に草履を わたす仇し野
仇し野→あだしの 京の嵯峨の奥の墓地あるいは墓地や葬場一般 ☆川柳辞彙 埋葬の後履物を捨てて帰る習慣?
8842 13 -26
異見の耳の いたい台所
横で聞いていても呵られている気持ちに?
8843 13 -26
うらみの骨ハ 枕から出る
骨→意志を貫く気力☆国大 寝て物思うと恨みがつのる?
8844 13 -26
ことはに奢る 朔日の夫
夫→つま 式日で堅苦しい言葉遣いを?
8845 13 -26
暮をつく 寺から夜と 云はしめ
暮れの鐘が夜の始まり
8846 13 -26
筑波迄見て 欲の付く夢
初夢 冨士ならよかった
8847 13 -26
廿年 むかしに同し 笑ひ声
一世代あとの吉事
8848 13 -26
手を握るのも 天の逆鉾
天の逆鉾→あまのさかほこ 高千穂峰の頂上にある 天孫降臨 若旦那が下女を口説く?
8849 13 -26
なま呑込て 綻ハ切れ
呑込て→のみこみで 下手な裁縫?
8850 13 -27
荒ても志賀に 人を呼松
荒ても→あれても 唐崎の一つ松
8851 13 -27
面長な 顔か揃て 駒むかへ
駒迎え→朝廷に献上された馬を役人が逢坂の関に迎えに行く 馬も宮人も顔が長い?
8852 13 -27
楊枝を遣ふ 口へ袖笠
袖笠→袖を笠がわりにする エチケット
8853 13 -27
剃気に成て 細い侍
剃気→そるき 出家?
8854 13 -27
古郷てなくて なつかしき奈良
古郷→こきょう 故郷ではないが懐かしい感じ
8855 13 -27
湯立の跡を かきさかす鳥
湯立→ゆだて 釡に湯をわかし巫女が湯をふり神託を告げる 湯で死んだ虫とか?
8856 13 -27
卯月の腰を たゝく朔日
卯月朔日 越中鵜坂祭 鵜坂の杖で関係した男の数だけ参詣した女子の尻を叩く
8857 13 -27
さむしろに 御運のよはい 琴の音
さむしろ→狭筵 筵 小督?
8858 13 -27
朝寝の坐頭 ふるひ出ス蚊屋
いつまでも寝てないで もうかたずけるよ
8859 13 -27
筑波か低う 成て入相
入相→いりあい 日没の鐘 夕刻筑波山が見えにくくなり
8860 13 -27
月のいなはを 瞽女の大連
稲葉→稲の葉 田に生育している稲☆国大 大連→おおづれ 多人数で連れ立つこと☆国大
8861 13 -27
溜て縫せる 寺の綻ひ
女手がないのでまとめて
8862 13 -27
分別のある やうな枝折戸
枝折戸→しおりど 小枝などを並べて作った簡単な開き戸 自然に閉じたり開いたり
8863 13 -27
人にする気・て 伊勢の浜萩
難波の蘆は伊勢の浜荻→所かわれば名や習慣が違う意 一人前の商人にするために伊勢縞の仕着せを着せて奉公させる?
8864 13 -27
隣か寺て 気・の弱い公事
公事→くじ 訴訟 寺との境界争いで不利?
8865 13 -27
うかと来て 女の逃る 川社
川社→かわやしろ 夏越の祓いの御祓川 褌姿の男衆に出会って
8866 13 -27
屋ね屋見て居る 昼の岩橋
岩橋→一言主神が夜造る? ???
8867 13 -27
三十日の鵜舟 気・懸ハなし
三十日→みそか 気・懸→きがかり 晦日に月は出ない 鵜飼は闇夜のほうが良い
8868 13 -28
股曵に うき寝の町の 灯かきへる
股曵→ももひき 浮寝→水鳥が水に浮いたまま寝ること 心が落ち着かず安眠できないで横になっていること☆国大 宿場町?
8869 13 -28
倚子押のけて 僧正の春
倚子→椅子 病気が治って? 僧は椅子で入寂するのか?
8870 13 -28
常入らぬ戸を 洗ふ魂・棚
入らぬ→要らぬ 盂蘭盆の魂棚に戸板を使う
8871 13 -28
うつくし過て 長い名を取
名→名声☆江語辞 名声は長いが実利は伴わず?
8872 13 -28
着た形て ふゐと出たる 西行忌
形て→なりで 西行忌→西行の忌日二月十六日 気軽な出家気分
8873 13 -28
明星ハ 鎧の袖に 明残り
戦の朝の鎧の金具?
8874 13 -28
借しなくしても 〳〵 牡丹咲
牡丹は富貴草という お人よしで貸し無くして貧乏になっても牡丹だけは咲く あるいは貸し倒れても身代は傾かない?
8875 13 -28
榊も二日 土を忘れる
山王祭や神田明神祭の行列に参加
8876 13 -28
欠落ふたり 寺の元日
掛取から逃げて旦那寺にかくまって貰った?
8877 13 -28
茄子か出ると 夜昼の夢
茄子→なすび 夜昼→夜も昼も
8878 13 -28
内から立て もめる錦木
錦木→男が女の家の門に立てる求愛の標で取り込むと受諾 娘も協力
8879 13 -28
松風寒き 古い瘡毒・
瘡毒・→梅毒 髪や鼻が寒い
8880 13 -28
只居ても 痒い時分に 練供養
練供養→ねりくよう 阿弥陀様の被り物が支度中から痒い 行列に出たらもう掻けない
8881 13 -28
又人間の 殖るさし汐
さし汐→満ち潮☆国大 汐が満ちる時産まれるという
8882 13 -28
紙合羽から 後世に入る母
紙合羽→桐油紙で作った合羽 ☆国大 安い庶民用の合羽? 後世→ごせ 合羽を着てお参りに行く?
8883 13 -28
顔を奇麗に 遣ふ朔日
式日か顔見世興行の初日か
8884 13 -28
市の夜か 今ておもへは 蟻の穴
浅草寺の歳の市の帰りに吉原 「蟻の穴から堤も崩れる」☆韓非子の諺 堅い息子の遊び始め
8885 13 -28
大津伏見ハ 京の両袖
☆そのまんまか
8886 13 -29
夜更の手柄 三ノ糸出す
三味線の三の糸が切れた時予備を持っていた 夜は買いにいけないので
8887 13 -29
淋しく仕廻ふ 追善の鞠
鞠仲間の追悼で蹴鞠を
8888 13 -29
ちよつと借りてハ 済ぬ傘
越後屋の貸し傘? 常客であればこそ
8889 13 -29
音頭さひしく 宵の侘言
多人数で詫びる? ???
8890 13 -29
火をする皃へ 行あたる橋
火を摺る→互いに仲が悪い ☆江語辞 ???
8891 13 -29
突棒に 顔恥かしく 酔か醒
突棒→つくぼう T字形の召捕道具 酔いつぶれて番所の番人に突っつかれる
8892 13 -29
麻の葉を 着ルと手代か 憎く成
お染久松のお染の衣裳が麻の葉文というのは少し後か
8893 13 -29
真中へ 昼夜坐頭の 巻込れ
宴席の中央になってしまって身動きしにくい? 昼夜なく宴席に呼ばれる?
8894 13 -29
捨たおとこを 拾ふたそかれ
淋しくて別れた男と復縁
8895 13 -29
八十以上 知て居る松
八十年前はあった松の何か? ???
8896 13 -29
女と合ぬ 三めくりの婆〻
三囲神社には吉原行きの男も
8897 13 -29
十月の 顔の中行 そうしかや
そうしかや→雑司ヶ谷 鬼子母神で十月八日から十三日に日蓮上人の法要 雑踏
8898 13 -29
病ほうけ 親に箏 ほらせけり
病みほうける→病気でぼける ☆江語辞 箏→笋 たけのこ の誤り? 雪の竹林に母の望む筍を求めた二十四孝の孟宗の逆
8899 13 -29
百夜たまかに 壱分つゝ減
たまか→つましいこと 実直 ☆江語辞 遊女に百夜通いでも?
8900 13 -29
二代の長者 餅をいやかり
餅を贈ったり貰ったりする相手が多いが金が不足 「長者に二代なし」☆諺→金持の二代目は凡庸で家財を守れない☆俳説ことわざ辞典
8901 13 -29
娘ひとりて 世界うこかす
娘の我が儘で周囲を振り回す
8902 13 -29
呼出して 我皃を見る 二月堂
若狭の呼水 二月堂の涸井から二月七日と十四日水が涌く 井戸が涌いて水鏡
8903 13 -29
都鳥 爪をかくすも 爪はつれ
爪はつれ→つまはずれ 身のこなし☆江語辞 爪を出さないのも技
8904 13 -30
口の揃ハぬ 凄い人間
すごい→気味が悪い ???
8905 13 -30
女良の追人 駕を釣らせる
女良→じょろう 追人→おって その駕篭は空か持ち上げさせて確認
8906 13 -30
和哥山の 顔ハ残て 枯尾花
枯尾花→榎本其角編の芭蕉の追悼集 ???
8907 13 -30
なまこうり つまんて見せて いやからせ
海鼠売り ☆そのまんま
8908 13 -30
雛を見に 行といふ日の 男ふり
父親になって一人前に
8909 13 -30
舟の着く迄 知れぬ気・違
舟の中では目立たずに あるいは謡曲隅田川?
8910 13 -30
三月ハ 黄色にくらす 井出の里
山城井出の里は山吹の名所
8911 13 -30
女房をちらと 見せる道具屋
見張りが居てまかりませんよ
8912 13 -30
うらみの瀧て 草履取振る
裏見瀧→日光山の名所 滝の裏を通れる☆川柳辞彙 草履取→武家などで主人の草履を持ち供をする下僕 下僕をまく?
8913 13 -30
秋の暮 名所て巧る 風の神
巧る→朽る くちる
8914 13 -30
曲水に 飯をくふのを おかしかり
曲水の宴のように飯を?
8915 13 -30
人先に 今朝の日を見る 時斗草
時斗草→とけいそう 享保の頃渡来した観賞用の草
8916 13 -30
厄を仕廻て 吝くなる人
厄も過ぎたし長生きするからには金は大切
8917 13 -30
子を借りて来る 関のつれ〳〵
徒然→手持ち無沙汰なさま 暇な関所
8918 13 -30
あて言の 当らぬ皃の うつくしき
当言→あてこと あてこすり☆江語辞 ここは当事か 当事→謎などをいい当てる事 謎かけが当たらない娘の真剣な顔
8919 13 -30
二十四孝ハ みんな無理喰
孟宗の冬の筍 王祥の冬の鯉
8920 13 -30
懸乞へ 奥からうそを はこはせる
懸乞→かけごい 掛け売りの集金人 大晦日に奥から指示して言訳を
8921 13 -30
本腹に 見れハ辞世の 恐しく
本腹→ほんぷく 治ってみると我が辞世ながらおどろおどろしく感ずる
8922 13 -31
御僧の 異見みしかき 猿の声
御僧→おんそう 一喝
8923 13 -31
丸薬呑んて 夜ハきへ行
精力剤か何か?
8924 13 -31
新しい 夢にきへ入る 若盛
若盛→わかざかり 若くて血気盛んな頃 いろんな夢に過ぎて行く?
8925 13 -31
をろかな顔の 並ふ反橋
反橋→そりはし 亀戸天神? おっかなびっくりの顔ばかり
8926 13 -31
何を拝むか はやい唇
☆そのまんま お百度か千垢離か
8927 13 -31
めてたい関の 立テ付か明く
立テ付→たてつけ 孟嘗君函谷関の鶏のそら音
8928 13 -31
通夜ほの〳〵と 口の草臥
草臥→くたびれ 夜通し話して
8929 13 -31
有卦に入のを きたなかる僧
有卦→うけ 干支による運勢が吉運の年回りで七年続く 陰陽道のことなので
8930 13 -31
在所迄 異見を送る 放し鳥
在所→郷里 放し鳥→放生の鳥☆江語辞 追善に放す鳥 ???
8931 13 -31
穴のむしなの 公界十年
公界→くがい 苦界 遊女の世界☆国大 同じ穴の狢として十年の年季
8932 13 -31
面うちハ 目出度皃に 骨を折
面打→能面作者 目出度→めでたい 翁とか毛が生えていて複雑
8933 13 -31
捨子の皃を 撫るなてし子
☆そのまんまか
8934 13 -31
舟虫の 這ふ中宿の 硯筥
中宿→遊所通い途中の休み場所☆川柳辞彙 硯筥→すずりばこ 船宿で花魁に手紙の返事を
8935 13 -31
御駕を見れは 火にくはる皃
くはる→くばる 火の中に入る☆国大 御妾?
8936 13 -31
説法の 横から堅い 雨か降
???
8937 13 -31
後見ハ ふたん桜の 糸を曳
不断桜→伊勢白子観音の桜 曳→ひき 後見人は常時糸を引いている?
8938 13 -31
咳て押えて 這入る芦の戸
芦の戸→葦で葺いた粗末な小屋? まず咳払いしてから
8939 13 -31
くらやみへ やふれかふれの みなの河
みなの河→男女川 筑波山の歌枕 恋の意 やけくそで夜這
8940 13 -32
錦木も もちつとにして 別れ霜
別れ霜→最後の霜 八十八夜ころ
8941 13 -32
妾を出して 気にかゝる蛇
恨みで道成寺みたいに蛇になって来ぬかと
8942 13 -32
二とせ余り 敷金と寝
敷金→しきがね 持参金 持参嫁と結婚して二年
8943 13 -32
二代なしとハ 神の云せる
「長者に二代なし」☆諺→金持の二代目は凡庸で家財を守れない☆俳説ことわざ辞典 あやまたず二代目で没落
8944 13 -32
庵の形身の しら鞘て来
白鞘→白木でつくった鞘 ☆国大 ???
8945 13 -32
人の命を 植る早乙女
米こそ全ての礎
8946 13 -32
糊の声 今年中ての 冨士筑波
法の声→読経・説法・念仏などの声☆大辞泉 糊売りの声?
8947 13 -32
暦に声の 高い仲人
吉日吉日はやく決心しろ
8948 13 -32
障子を明て 見せる錦木
錦木→男が女の家の門に立てる求愛の標で取り込むと受諾 こんなに錦木が立ったよ どう返事するの
8949 13 -32
けくハぬ娵そな 〳〵 うつの山
けくハぬ→けかぬ 娵→嫁 うつの山→東海道宇津山 人に逢わぬ意☆雑俳語辞典 ???
8950 13 -32
縞からに似ぬ 人の孝行
縞から→縞柄 派手な格好の割には孝行な人?
8951 13 -32
六日の加茂に たそかれか利
加茂→京都加茂神社の略 ☆川柳辞彙 五月五日の加茂の競馬の翌日? 喧噪の後の寂しさ?
8952 13 -32
胸くらの 手心違ふ 衣かへ
同じ胸ぐらを掴むにしても綿入れと袷では力の入れ具合が
8953 13 -32
杖提て 水の呑たい 鳳来寺
鳳来寺→三河の古刹 石段が長い
8954 13 -32
鐘撞の 手に覚ある 冬至の日
去年もこんな風に手がかじけていた
8955 13 -32
味な理屈の なくれ込む寺
味な→色っぽい なぐれる→横道へそれる ☆江語辞
8956 13 -32
直にくれゆく 神鳴の蚊屋
直に→すぐに 神鳴→かみなり 怖いので早く寝てしまう?
8957 13 -32
手拭を 買ハ慥に 年男
慥→たしか 元日若水を汲む時新しい手拭を使う?
8958 13 -33
昼明て 音のせぬ戸に 腹かたち
明て→あけて 夜這の時は音がせぬかと心配したのに
8959 13 -33
捨扶持の いまたに切ぬ 三ノ糸
芸者上がりの元御妾 扶持が切れそうで切れぬ
8960 13 -33
淀枚方へ もり分る秋
淀枚方→よど ひらかた 東海道の続き 淀宿から枚方宿は三里十二町 紅葉の時期が異なる?
8961 13 -33
吉原てない 所に吉原
住み替えした吉原の元花魁に岡場所で遭遇?
8962 13 -33
さし合の 際迄かする 仲人口
さし合→さしあい さしさわり☆江語辞 仲人口→なこどぐち 悪い事はいわず善い事のみ誇大にいうたとえ☆江語辞
8963 13 -33
母の筋目ハ 蓋をしてをく
筋目→家柄 素性☆国大
8964 13 -33
陽炎の 中に乞食の 五十年
宿無しで夢のような人生
8965 13 -33
麻の葉や 先半年の 厄はらい
先→まず 夏越の祓の茅の輪に麻の葉を使うこともあるらしい
8966 13 -33
死んて仕廻て 見れハよい人
生きていた時はいろいろあったが
8967 13 -33
夫婦しつかに 三輪の世かたり
三輪→三輪明神? 世語り→世間話 ???
8968 13 -33
命拾ひか 寺に寐て居
捕まった間男が預けられ?
8969 13 -33
光陰に 蹴つまつかせる 閏年
光陰→年月 ☆そのまんま
8970 13 -33
形身とハ 又泣けといふ 届物
☆そのまんま
8971 13 -33
気・のもめる 日ハする事か 喰ちかひ
集中力欠如
8972 13 -33
入聟の 名ハ角力から 広く成
あそこの家の聟はえらい力持でな
8973 13 -33
女良の泪 泣のてハなし
女良→女郎 泪→なみだ 手練手管
8974 13 -33
師走の目鼻 近道を行
目鼻→結果の予想が立つ ☆国大
8975 13 -33
若いか疵て 留守の柴の戸
疵→きず 欠点 難点☆国大 柴の戸→粗末なすみか 隠遁するには若過ぎて
8976 13 -34
又こねられに 京へ三年
こねる→難題を言いかける ☆国大 ???
8977 13 -34
ぬくめ鳥 とハむす子へ のきめ所
あとで放してやるからさと悪所へ誘う
8978 13 -34
衣屋を出る 落日の僧
衣屋→僧の法衣を商う 金が足りず衣を買いそびれた ?
8979 13 -34
とつちの義理に 行燈を消
早く寝てあげるのは誰のため ?
8980 13 -34
しつけくハへて 引たらす裾
しつけ→着物を仕立てる時仮に布の縁を荒く縫うこと 仕付糸をくわえて丈を見る
8981 13 -34
鵜つかひの 此世からさへ 闇を行
謡曲鵜飼 現実の鵜飼も闇夜を好む
8982 13 -34
へちまの水て 育ツ妹
へちまの水→へちまの茎から採取した水で化粧水や咳止めなどに用いる☆国大 咳をよくする子?
8983 13 -34
糺川 瓜もしはしの うきね鳥
下賀茂神社の六月祓 六月晦日糺川に五十串の御幣を立てる 浮寝鳥→水に浮いたまま眠る水鳥 瓜が水鳥のように丸く流れて
8984 13 -34
薄茶の前を はしる鳥影
薄茶→少ない茶でたてる抹茶 鳥影→鳥の飛ぶ影 鳥の姿 ☆国大 野点?
8985 13 -34
長崎を見て 一座見こなす
見こなす→みくびる 長崎? 長崎屋? ???
8986 13 -34
子を寝セ付て 神子の足とり
神子→みこ 神楽巫女のようにそっと後ずさり? 忍び足?
8987 13 -34
送り別れて 旅に實か入
旅送りの人達と別れてからが本当の旅
8988 13 -34
神国の 人をはなれて 墨衣
☆勤向窗前読 窗→まど 窓 墨衣→僧衣 日本人だが
8989 13 -34
夜迷ふ人の 多い元服
挨拶先で酒を呑まされ?
8990 13 -35
星を掃く 暁起きや うめの花
☆梅花篇 ☆平河社参吟 紀逸 麹町三丁目南裏の平河天神 ☆川柳辞彙 掃く→除き去る ☆国大
8991 13 -35
前にして 琢くかゝみや 梅の花
琢く→みがく 神殿の鏡?
8992 13 -35
御供所も 朝ハせんし茶 むめの花
御供所→ごくうしょ 神社などに付属して供物を調える所☆国大 せんし茶→煎じ茶
8993 13 -35
しら梅や 紺屋の手にも ふし拝ミ
白梅と紺屋の染まった手の対比
8994 13 -35
香にそゝき 花にすゝしめ 神の梅
そそぐ→水をかけてよごれを洗い落とす 清める☆国大 すずしむ→清める 祭事をおこなって神をなぐさめる ☆国大
8995 13 -35
杉と出る 場の和らきや 神の梅
神社の杉と梅の組み合わせ?
8996 13 -35
只たのむ 日ハ夜に起て 梅の花
夜参りに見る梅 ただたのめ☆ご詠歌とか
8997 13 -35
田つくりの 鱠ハさむし うめの花
田作→ごまめ 鱠→なます ☆武二・49
8998 13 -35
冬の日を 忘れさせてそ 梅のはな
春を実感
8999 13 -35
二日から 月も匂ふや うめのはな
☆武二・44
9000 13 -35
むら雀 躍らは着せむ 梅の笠
群雀→群れをなしている雀 ☆国大 ☆そのまんま ☆武二・45
9001 13 -35
年の夜を 寝ぬとハ見へす 梅花
年の夜→大晦日の夜☆国大 徹夜で咲いていても美しい
9002 13 -35
まんちうに 子の気も付す むめの花
まんちう→まんじゅう 付す→つかず 子も梅に見とれて
9003 13 -35
大年の 闇を出てや うめのはな
大年→おおとし 大晦日 出てや→いでてや 新年の気持ちも新たな梅の花
9004 13 -35
馬の目ハ 絹こそ限れ うめの花
☆照夜目四丈 四丈→振袖用の反物の長さ ???
9005 13 -36
人も出て いたちの皃や 闇の梅
夜行性のいたちが驚く
9006 13 -36
うくひすハ 言すと梅・の 弟かな
言すと→いわずと ☆そのまんま
9007 13 -36
立春の 十日ほとよし 梅の花
☆そのまんま
9008 13 -36
藁に釣る 蜆の口や 明ケの梅
☆貞丸君撰集 明→明け方 ???
9009 13 -36
葱いけて 通ふ道あり 夜の梅
☆応志静求 ☆そのまんま
9010 13 -36
うくひすの 相合傘や むめの花
☆そのまんま
9011 13 -36
闇の夜に くハせ物あり 梅の花
闇に浮かぶ梅の花
9012 13 -36
龜の脊の 建坪かけて むめの華
☆大厦高堂成て徙移の祝賀厳重たり 大厦→たいか 大きな建物 徙移→しい 移転 ???
9013 13 -36
うくひすの 行儀になりぬ 梅の花
行儀に→行儀よく☆江語辞 お約束の梅に鶯を決めて
9014 13 -36
鳥の先 遊んて見せつ うめの花
先→まず 人が見に来る前に鳥が遊ぶ
9015 13 -36
聟かねに 水を兼てや 梅花
☆寄梅祝 聟かね→むこがね 婿の予定者 婿☆国大 水祝いのように花が散る
9016 13 -37
影さらに 同し塵也 梅の藁
☆法楽 湖楽亭 法楽→和歌や芸能を神仏に奉納すること 梅の木が巻いた筵と親しむ 和光同塵
9017 13 -37
龜の脊に 開きそめるや 梅暦
☆壽老人賛 龜の脊→曲がった背の意か? 梅暦→うめごよみ 梅の花 ☆国大 長生きして今年も梅の花を
9018 13 -37
木柱の 匂ひも高し うめのはな
☆紀堤君新居 新築の材木の香りも
9019 13 -37
しらぬ日の 西を朝日や 梅の花
☆大久保西向天神法楽 大久保西向天神→社殿が西を向いている 夕日を朝日と勘違いする?
9020 13 -37
碁をもとる 人の明りや 薮の梅
夜更けの碁帰りの提灯で
9021 13 -37
神徳に 名をもひらくや 梅のかさ
☆そのまんまか
9022 13 -37
喰こほす 雀の口に 梅の花
☆そのまんまか
9023 13 -37
梅かゝや 昔といへは 酸かたまり
☆老 梅かゝ→梅がか 酸→す ???
9024 13 -37
月やあらぬ ある夜越たり 垣の梅
☆若 「月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身ひとつはもとの身にして」☆伊勢物語 梅の花盛りに去年を恋ひて行きて
9025 13 -37
十五から 梅齅ありき そと烏
☆男 齅→齅ぎ 嗅ぎ
9026 13 -37
密〻に はたらく糸や 梅衣
☆女 密〻→みつみつ きわめて秘密なこと 配慮が細かなこと ☆国大
9027 13 -37
梅か枝も 心置れん 育から
☆貴 梅が枝→源氏物語の一巻 心置→心づかい 遠慮☆国大 育柄→育てられ方 育った環境☆国大
9028 13 -37
知た皃 する程くらし 闇の梅
☆賎 知ったふりをすればするほど
9029 13 -37
一ことも さすか香し 風の梅
☆都 香し→かんばし 都では言葉一つも風雅
9030 13 -37
尖有て 尖なき人や 畑の梅
☆鄙 尖→とげ 田舎の人は言葉は荒いが気だては良い