【底本】
岩波文庫 誹諧武玉川(三) 山澤英雄校訂 岩波書店 1985
【凡例】
通し番号 篇-丁
(本文)
(解説)
【注意】
字・は字が底本通りでないことを示す
☆はコメントや引用
江語辞→江戸語の辞典 国大→国語大辞典(小学館)
9608 15 -2
丸山や 女によめぬ 文か来る
☆是天地諛根 丸山→長崎の遊廓 遊女に客の異人の文が
9609 15 -2
返して着ても 一夜寝兼
寝兼→ねかねる 夜着の蚤か何かか?
9610 15 -2
恐れ多いと いふか病付キ
恐れ多い事ではありますがが口癖に
9611 15 -2
宿下の うまい壱分を 八重むくら
宿下→やどおり 武家屋敷等の薮入または薮入 給金で博打とか?
9612 15 -2
狸に迄ハ 化る人間
狸親父とか
9613 15 -2
毛も見覚る 馬工良の婆〻
馬工良→ばくろう 馬喰牛馬の売買を業とする者 毛一本で馬を見分ける
9614 15 -2
綻ひを 唇て縫ふ さよ衣
綻ひ→ほころび さよ衣→女の浮気の意 糸を歯で切る
9615 15 -2
此雪に 来たか門にて 傘の音
大雪の日の来客が雪を払う音
9616 15 -2
出来秋の 毛見の袂ハ 面白し
出来秋→できあき 実りの秋 ☆国大 毛見→けみ 検見役人が稲の刈入れ前に作柄をみて年貢高を定める 袖の下が大繁盛
9617 15 -2
田植歌 聞て乳守を 起別れ
大坂住吉大社の御田植神事 堺の乳守遊郭の遊女が田植
9618 15 -2
店衆を 先供にして 西の空
店衆→たなしゅう 商店の奉公人たちの丁寧称☆江語辞 先供→さきとも 行列で先頭に立って供をする人☆国大 大店の旦那の葬列
9619 15 -2
温泉の山の 人を男鹿の 鳴へらし
温泉→ゆ 妻恋う鹿が鳴き騒いでうるさい
9620 15 -2
光陰も 女の子にて 矢のことし
女の子は成長が早くすぐ嫁に行ってしまう
9621 15 -2
仕付苧の 一度口へ 立もとり
仕付苧→しつけそ 着物のしつけ糸として用いる麻糸 一度→ひとたび口にくわえながら作業
9622 15 -2
鉄漿付けて なふらるゝ身と おとし付ケ
鉄漿→かね おはぐろ 女性の半元服で初めてお歯黒をつける時のお約束
9623 15 -3
鎰さきの 翌ハ言るゝ 事はかり
鎰さき→かぎざき 何で出来たの?誰が縫ったの?
9624 15 -3
八景に はいらぬ寺の 櫨もみち
櫨もみち→はじもみじ ハゼノキの紅葉 恥の洒落? 近江八景に入らぬ寺は面目がない
9625 15 -3
からくりて 皆納りし 十二月
からくり→やりくり算段 計略の意も 掛取にやりくりと計略で
9626 15 -3
ひとりに見せる 髪に半日
お妾の身づくろい
9627 15 -3
むけ〳〵と 質の流るゝ 天の川
むげ→冷酷 無意味 師走の質が八ヶ月で流れる?
9628 15 -3
三符に寐て居る 乳母も狼
三符→みふ みちのくの十符の菅菰七符には君をねさせて三符にわれ寝む☆川柳辞彙 狼→外面優しく内心邪悪な人 ☆江語辞 子守りで昼寝
9629 15 -3
新川ハ 上戸の建た 蔵はかり
新川→霊岸島を南北に分ける堀で酒問屋多し 「下戸の建てた蔵もなし」☆諺 をきかす☆俳説ことわざ辞典
9630 15 -3
初物の うちも胡瓜ハ 馬鹿にされ
胡瓜→きうり 初物では茄子が珍重されたので?
9631 15 -3
長キ日を 餅にもつかす 女形
長き日→春分後日が長くなること☆国大 餅に付く→もてあます☆江語辞 女性のように身の廻りの事で一日過ごす
9632 15 -3
後の世を 急かぬ皃の わたし守
後の世→将来 あの世☆国大 昔から同じ?
9633 15 -3
毒断に千鳥の聲の歯にしみる
毒断→どくだて 病気に毒となる飲食物を一切飲食しないこと☆江語辞 千鳥→千鳥足の略☆川柳辞彙 酔漢の声を聞くと酒が
9634 15 -3
牡丹さへ派の きかぬ庵室
仏御前の庵とか?
9635 15 -3
蛤の 塩ハ内儀か 持て居ル
内儀→町家の妻の敬称☆国大 ???
9636 15 -3
うしろ帯 錦木のよい 立所
うしろ帯→素人女 前帯の玄人女には錦木は無用
9637 15 -3
都かハりの 怖される脈
怖される→おどされる ???
9638 15 -3
当付て かへる山とハ 古いやつ
当付て→あてつけて 山→語につけて洒落る? 帰るというのに
9639 15 -3
未得か留守に ひらく朝皃
未得→みとく 石田未得江戸前期の俳人・狂歌師 身の留守に来ては折り取るこの花は残る鳥をば敵にするのみ
9640 15 -3
しのふ山 戸さゝぬ御代て 面白き
しのぶ山→夜這の意 天の岩戸が閉じていない代? 岩戸はバレの意☆川柳辞彙
9641 15 -4
辛皮に 口を利せぬ 欲の皮
辛皮→からかわ 山椒の若い小枝の樹皮で薬や香辛料にする☆国大 毒消しになるという☆川柳辞彙 利せぬ→きかせぬ 欲の皮には効果なし
9642 15 -4
十五日 余所の柳ハ しつか也
余所→よそ 三月十五日梅柳山木母寺大念仏 木母寺を柳という
9643 15 -4
おとこの聲に 成寄し尼
尼さん暮らしも長くなると男に近くなってきた
9644 15 -4
木のやうな 飯振廻て さよ鵆
振廻て→ふるまって さよ鵆→さよ千鳥 木飯→気ままの意? 浮気?
9645 15 -4
籔入の 顔をあたりへ 持ありき
籔入→薮入 ご近所に挨拶廻り
9646 15 -4
女房か女房 誉る極月
極月→ごくげつ 十二月 お互いよく亭主に金を工面させたと?
9647 15 -4
妾こそ うそも付ねハ ならぬ也
うそも仕事のうち
9648 15 -4
葛の葉の うらから覗く かよふ神
葛の葉の→裏返ることから裏心などにかかる枕詞 通ふ神→遊女が客に送る文の異称☆川柳辞彙 文使いが裏から窺う?
9649 15 -4
小言の皃も 大事ない皃
まだ勘当にはならなそう
9650 15 -4
手ぬくひを くハへた声の 地紙うり
地紙うり→扇の地紙を売り歩く商売で陰間上がりや勘当息子がなる☆川柳辞彙 手拭のすみをくわへる地紙うり☆柳七・42
9651 15 -4
恋せしと 何にこりてか ちかひてし
恋せしと→恋せじと 大失恋で?
9652 15 -4
二ツ三ツ 冬の糺に 乞食の灯
糺→ただす 下賀茂神社の糺の森 樹木が生い茂っていたという 冬は人がおらず?
9653 15 -4
おはくろ親の そつとわる口
御歯黒親→初めて鉄漿を付ける儀式の世話をする婦人 結婚のいきさつが?
9654 15 -4
物干を 付て隣を いやからせ
隣家を見おろす
9655 15 -4
来る迄ハ 利口に見へし 年忘
年忘→忘年会 日頃きちんとした人が乱れて
9656 15 -4
草市の はかなき物を 直切リ詰
七月十二日仲の町の草市 早朝からまこも・蓮の花・瓜・茄子・桔梗などを売る
9657 15 -4
物くれたかる 本復の人
死にかけて欲心が減り
9658 15 -4
松風と 召れて壺の 蓋を明け
須磨の松風村雨と明石の蛸壺 ? バレか
9659 15 -5
その訳ケハ 呑込んて居て 火焚鳥
火焚鳥→ひたきどり ひたき鳥の名 火打石を打つような鳴声 悋気が感じられる
9660 15 -5
後家若く とつち付すの 天の河
逢引しようか貞節を守ろうか
9661 15 -5
恋聟の 行かぬ先から 地黄丸
地黄丸→強精剤 婿入り前に腎虚の心配
9662 15 -5
草津の留守ハ しらぬ親類
内緒で梅毒湯治
9663 15 -5
剃た夜ハ きのふのまくら きたなくて
出家して枕の俗気が気になる
9664 15 -5
切杭の 噂かやむと 蛙鳴く
切杭→きりくい 木の切り株 ☆国大 徒然草だと堀池になるので
9665 15 -5
赤子に蝿の たかる阿部川
川人足や餅作りで親が多忙で ?
9666 15 -5
殿のみやけの 白人か着く
白人→素人? 玄人女でないお妾を江戸から連れて来る
9667 15 -5
鉢たゝき 都の町を さむからせ
鉢たゝき→年末に鉦や瓢箪を叩き勧進する半僧半俗の空也僧 空也堂から出て京の内外を勧進☆江戸商売図絵
9668 15 -5
恋すれは 一ツおとりの 親をもち
一つ踊り→同じ踊りばかり? 親の小言はマンネリ
9669 15 -5
子を抱しめる 大佛の前
大仏→高輪如来寺の芝の大仏 東海道旅送りの拠点
9670 15 -5
千体ハ おハしませとも かんこ鳥
人気のない千体仏堂?
9671 15 -5
さくらかり 燈籠それから 灯かきへて
桜狩→花見☆国大 ???
9672 15 -5
御息所の 屋ね板か飛ふ
御息所→みやすどころ 源氏の六条御息所生霊? 嫉妬?
9673 15 -5
陰間の咽を しこく二上り
二上り→三味線の二の糸を一全音高く調律☆国大 成長し高音が出しずらく
9674 15 -5
魂棚を いやかる母の 頼もしき
生活重視?
9675 15 -5
五両〳〵と 二度諌言
諌言→いさめごと 五両は間男の示談金
9676 15 -5
物こし聞は とふか浜萩キ
聞は→きけばとふか→どうか どうやら☆ 江語辞 浜萩キ→ここでは伊勢者の意 吝嗇っぽい
9677 15 -6
はしらのうこく 馬の洗足
洗足→せんそく 汚れた足を湯水などで洗うこと☆国大 馬を繋いである小屋の柱が
9678 15 -6
恋のなみたも 同しほた餅
ぼた餅→見目麗しくない女性 本当に泣く時も恋の涙も同じに見える
9679 15 -6
ありくかと 酢貝見てゐる うらゝかさ
酢貝→巻貝の一種 あるいは貝の酢のもの☆国大 汐干狩の光景?
9680 15 -6
うなされた 夢を女房に とかめられ
聞かれてまずいうわ言
9681 15 -6
永代蔵を よみたかる聟
永代蔵→えいたいぐら 日本永代蔵の略☆国大 井原西鶴の町人物 一財産築きたいと
9682 15 -6
いさらこに 足のきれいな 若いもの
いさらご→伊皿子高輪の地名で麩が名産 足で踏んで作るので
9683 15 -6
しやら解ケの 帯を届て 振むかせ
しやら解ケ→しゃらどけ 帯が自然に解けること☆江語辞 女に意味深な帯を贈る
9684 15 -6
三ツ物屋来て さあ道かなし
三ツ物屋→古着の行商人☆江語辞 担った竹に着物を掛けているので路地がふさがる
9685 15 -6
台所て見る ほや〳〵の娵
娵→嫁 新妻の初々しい様子
9686 15 -6
物忘れ する姑女の うそらしき
姑女→しゅうとめ あら忘れてたわ
9687 15 -6
おとこ気になる 尼の挑灯
男気→義侠心☆江語辞 挑灯→ちょうちん 手助けしたくなる? あるいは男勝り?
9688 15 -6
遠目鏡 耳をあてたく 思ふ也
話しているのは見えるが中身は聞こえぬ
9689 15 -6
にきやかに日の くれる椀久
椀久→椀屋久右衛門 大坂の豪商で新町で放蕩して破滅賑やかに破滅
9690 15 -6
夜着をかふれハ うまく出る智恵
夜着→着物形の蒲団 ☆そのまんま
9691 15 -6
裸て呼んて 皃にたをれる
裸て呼ぶ→持参金なしで嫁にもらう 倒れる→損害をこうむる☆江語辞
9692 15 -6
けいせいの 蒔て見たかる 年の豆
年男が節分の豆を撒く
9693 15 -6
隣へ上かる 江戸のあきらめ
大見世の隣の安い見世に登楼 ?
9694 15 -6
先からも 蚫と書て うまい中
蚫→あわび 片恋の意☆川柳辞彙 片思いを文で打ち明けたら相思相愛だった
9695 15 -7
人の四十や 葛の松はら
葛の松原→くずのまつばら 福島にある松原 歌枕 世の中の人には葛の松原とよばるる名こそうれしかりけれ ☆覚英 四十才などまだ屑
9696 15 -7
筒井筒 母ハまんさら 知て居る
幼馴染みの男女が仲良くなるのを
9697 15 -7
ていねいに 五文ならへる 松ケ岡
松ケ岡→駆け込み寺東慶寺 道中に買った餅か何かの代金 ? 鶴見の米饅頭はひとつ三文籠代二文という
9698 15 -7
借金も 苦になるうちか 頼母しき
苦にならなくなったら終り
9699 15 -7
請取と 乳母かかけ込 子安札
子安札→こやすふだ 安産のお札か?
9700 15 -7
かさゝきの 橋ハ降られて 穴か明く
七夕に雨が降り
9701 15 -7
傘へ 口をすほめて いとま乞
雨中の挨拶 一方が傘をすぼめて
9702 15 -7
船頭に 口を利せる 都とり
伊勢物語 これなむ都鳥
9703 15 -7
古市の 古い遊ひも 思ひ出し
古市→伊勢神宮近くの遊廓 久しぶりの伊勢参宮で
9704 15 -7
蚤とんて ふたりなからか 拍子ぬけ
迫り迫られの最中に
9705 15 -7
秋風に こりて〳〵と しら拍子
謡曲仏原の妓王と仏御前 世を秋風の音更けて
9706 15 -7
やくそくを 枕とこはて 呑込せ
枕とこは→枕詞 ???
9707 15 -7
ふたり寐た 時の蚊屋釣る 草の庵
今は独り
9708 15 -7
どろ〳〵と 小原女たかる 蕗のとう
どろどろ→ぞろぞろ☆国大 黒木売りの小原女が大勢集まる
9709 15 -7
谷汲へ よくたくハへた 鰹ふし
谷汲→谷汲山華厳寺 西国三十三カ所巡りの満願札所 一番は紀州那智山 紀州で特産の鰹節を買った
9710 15 -7
ふんどしきらい 気に弓ハなし
ふんどし→褌や腰巻 ???
9711 15 -7
口ひるか 味にはたらく いもせ山
口ひるか→唇が 味に→色っぽく 妹背山→妹背山婦女庭訓の略 饒舌な官女が出る浄瑠璃 ☆川柳辞彙 饒舌な女性
9712 15 -7
とほすと内の いやな六月
とぼす→点す 日が暮れると家の中は暑い
9713 15 -8
三井寺も 一日ハ咲く 女良花
女良花→おみなえし 遊女や女の意 謡曲三井寺で子を誘拐された狂女が女人禁制の三井寺の鐘を撞く
9714 15 -8
入相の 襟髪つかむ 秋のくれ
入相→いりあい 日没の鐘 襟髪→えりがみ 首の後方☆ 国大 引きずりこむように暗くなる
9715 15 -8
五六間 飛ての果か 蓮の主
清水の舞台から飛んで死んだ ? 13mありもう少し高いが
9716 15 -8
浩然の 気をと出かけて たをさるゝ
浩然の気を養う→のびのびとして解放された心持になる☆国大 倒す→金銭上の損害を与える☆江語辞 遊びに行って
9717 15 -8
切溜へ そつとうとんの 袖たゝみ
切溜→きりだめ 料理の材料や料理を入れる木箱☆江語辞 袖畳→和服の略式の畳み方 うどんを畳むように盛る
9718 15 -8
柊に 咲せ鰯の 冬こもり
柊→ひいらぎ 節分に門口に柊と鰯の頭をさす
9719 15 -8
分散の 家にひか〳〵 針かくし
分散→破産 ???
9720 15 -8
三ツめはるかに 旅のよめ入
三つ目→婚礼から三日目の祝事☆国大 婚礼三日目に実家へ帰る里開きに行くといっても
9721 15 -8
夜遊ひの 帰るを母の 水鶏聞
水鶏→くいな 鳴声が戸を叩く音に似ている 放蕩息子がこっそり帰宅
9722 15 -8
世の中ハ 親と金とに しはられて
☆そのまんま
9723 15 -8
朝皃や 命ハ耳の よれぬうち
日が経つと花の端がよれてくる?
9724 15 -8
尻目つかひの 縫物に倦
尻目→しりめ 目だけ動かし後方を見やる事 流し目☆江語辞 倦→あく縫い物に飽きてよそ見
9725 15 -8
うつふけは 異見ハ下を 通る也
異見の下を潜る
9726 15 -8
老僧ハ うそを付く日を 覚悟して
いずれ閻魔様の前で?
9727 15 -8
かさゝきか 来ると出る皃 かくす顔
七夕関係? ???
9728 15 -8
皆留守と たからの山へ 呼子鳥
女房の留守に悪友を呼んで賭博などを
9729 15 -8
銀て見て 淋しき物ハ くすり鍋
銀煙管なら良いが銀の薬鍋は
9730 15 -8
伯父の異見の 届く旅状
旅状→たびじょう 旅の手紙 ? 銚子で貰う手紙?
9731 15 -9
三ヶの津 遣ひ果して 八重むくら
三ヶの津→さんがのつ 京大坂江戸の三都をさす☆川柳辞彙 各地の遊廓で散財して破産
9732 15 -9
声かはり 口上迄を 忘れけり
歌舞伎の子役が育って声が出にくくなり焦る
9733 15 -9
手尓葉はかりの 高い相談
手尓葉→てには 言い回し 言訳☆江語辞 言い訳ばかりのあぶない相談
9734 15 -9
うつくしい うそとうそとを くらふ山
比ぶ→比べる☆国大 くらぶ山→山城国の山 歌枕 うまいこという遊女の嘘の比較とか
9735 15 -9
悋気する 妾ハ寐るか 勝手也
寝てしまうのが抵抗
9736 15 -9
小あみ町 すこい男を ふちまける
茅場町と小網町の間の鎧の渡し 源頼義が鎧を投ずる ☆川柳辞彙
9737 15 -9
御屋敷へ 又なふられる 腹て行
妊娠して帰休する挨拶か?
9738 15 -9
酢ハ物に 心の付くか をもしろい
心が付く→気絶している者が正気づく☆江語辞 味が引き立つ
9739 15 -9
胸算用て ありく金借し
胸算用→心の中で見積もること☆江語辞 金借し→金貸し あそこはそろそろ返してくれそうだから寄ってみるか
9740 15 -9
尼寺へ 来ると雀の 口まめに
尼寺→駆込み寺東慶寺☆川柳辞彙 安心して何でも話す
9741 15 -9
目の埃に 口迄明いて いはて山
埃→ちり 岩手山→いはでにかかる枕詞 ☆国大 目のゴミを取るため乳をさして欲しいかあるいはさしてあげたかったか
9742 15 -9
似た人か 来ても淋しき 精進日
誰かの命日
9743 15 -9
浪人の 三十日に付る くすりなし
三十日→みそか 金策に打つ手なし
9744 15 -9
けいせいの 身のうへ語る 遠廻し
小出しに身の上話をする花魁の手管?
9745 15 -9
物さハかしき 御油の衣〳〵
御油→東海道御油宿 飯盛女で有名 道中なので朝慌ただしく出立
9746 15 -9
潜るにこはき 張物の下
張物→布地を洗って糊をつけ伸子や板などに張って伸ばし乾かすこと☆国大 水が滴る?
9747 15 -9
行く年を 呼かけて呑む 年忘
年忘→忘年会 今年一年いろいろあった
9748 15 -9
恋痩の 身に憚からぬ さよ衣
恋痩→こいやせ 恋の悩みでやせ細る☆国大 さよ衣→女性の不倫の意 隠しおおせぬ恋心
9749 15 -10
朝精進を 又わすれ艸
朝精進→朝食に生臭ものを食べないこと? 忘れ草→身につけると憂さを忘れるという萱草 憂さや心配を忘れさせるもの☆国大
9750 15 -10
頃日すゞめ 竹に入聟
頃日→このごろ 竹に雀は伊達家の紋 伊達綱宗関係か
9751 15 -10
女房の 歳ハととへは 葛の花
葛→くず 葛の花→二日酔いの薬? まだ酔ってるの?
9752 15 -10
尾長鳥 にくまれ口を 利て居
利て→きいて 尾長鳥が鳴くと雨が降るという 明日は花見なのにとか
9753 15 -10
呵られぬ 事か積て 年か寄る
人の知らぬ後悔が積み重なり
9754 15 -10
ものいひか 直ると江戸て 死たかり
京に来た江戸っ子が年老いて
9755 15 -10
畳たゝけは 二階から皃
何やってんだ
9756 15 -10
つく〳〵と 木槿見て居ル その日過
木槿→むくげ 観賞用に生垣や庭木にする ???
9757 15 -10
人間の尾の 見へる冬枯
冬枯れ→冬に客が減って不景気になること 化けの皮がはがれて来る?
9758 15 -10
にくいとハ そのうら通る 捨ことは
憎いは愛してる?
9759 15 -10
地紙うり 久しふりにて 柏もち
勘当息子や陰間がなる商売 家庭的な食べ物は久し振り
9760 15 -10
行燈に あふなく舌の あいしらい
行燈→あんどん あいしらい→あしらう 化け猫か?
9761 15 -10
磯千鳥 波のたもとに 見へかくれ
磯千鳥→磯辺にいる千鳥 浜千鳥☆国大 浜千鳥は波に千鳥の着物の柄か?
9762 15 -10
おくさま・と 言れて皃か 別になり
☆そのまんま
9763 15 -10
五分拂いても 奥ハ三味線
五分→半分☆国大 借金を半分しか返せぬのに暢気なもの
9764 15 -10
蝸牛 是て呑めとハ 御免なれ
蝸牛→かたつぶり 御免あれ→勘弁しておくれ☆江語辞 ☆そのまんまか
9765 15 -10
けいせいに 指を切らせて 寒くなり
心中立ての指切り よく考えるとあとが怖い
9766 15 -10
弓二張 取て貞女へ 壁訴訟
二張→にちょう 壁訴訟→かべぞしょう 訴えられず壁にむかって苦情をいう 遠まわしにあてこする ???
9767 15 -11
闇のうらみの 惜しけなくいふ
惜しけ→おしげ 暗い所では恨みを言い易い
9768 15 -11
並んても 振袖たけハ 明て置
???
9769 15 -11
灸のすへてに こまる蓬生
蓬生→よもぎう 独り身で据え手が居ない 蓬は艾の原料をきかす
9770 15 -11
皆酒くさひ 千垢離の息
大山詣り前の両国橋の袂での千垢離 酒の勢いを借りて
9771 15 -11
ふところの 皆面白き 春の人
行楽で財布の紐も緩む
9772 15 -11
蓼の穂を もらいにやれは 付ケ込れ
蓼の穂→たでのほ 辛い酒の肴になるらしい 俺にも呑ませろ
9773 15 -11
たま〳〵に 水のにこりや 仏の日
仏→仏事を営むこと☆国大 仏事の日? ???
9774 15 -11
幽霊・を こハかる奴も 一ツ穴
悪事の片棒を担いだ奴?
9775 15 -11
籔入を 覗は只の 皃てなし
籔入→薮入 奉公先で深刻なことが?
9776 15 -11
五十一てハ めんほくもなく 腹かたち
五十一→いそい? ???
9777 15 -11
口へ戸を とふ〳〵立て うしろ帯
うしろ帯→素人女 過去を隠し通して女房に
9778 15 -11
丸木橋 むす子に口を 利レけり
丸木橋→平通盛と小宰相の故事? 利レ→きかれ 口を利く→幅をきかす☆大辞泉 落とした恋文で蘊蓄を?
9779 15 -11
うは玉の 低く明く戸を 口はしり
うは玉→ぬばたま ぬばたまのは黒などの枕詞 夜や夢夜這関係?
9780 15 -11
落葉する うき世を笑ふ 枯かしは
柏は枯葉が落ちずに残る
9781 15 -11
手招キて かハる垣間見 面白し
垣間見→かいまみ 隙間からのぞくこと おいこれ見てみろよ
9782 15 -11
牽頭か女房 明らめて居
牽頭→たいこ 幇間 明らめて→あきらめて 無理を言われる商売なので
9783 15 -11
しのふ山 付ケ木とほると 常の皃
しのふ山→夜這の意 付け木→火を移すのに使う とほる→とぼる 点る 夜這の時と違って朝食の準備が始まればいつもの下女の顔
9784 15 -11
ゆすふれは 身重き梅の 落る音
☆そのまんまか
9785 15 -12
金になる 顔四ツ五ツ 初さくら
初さくら→十八・九才頃の少女を例えていう語☆国大 あるいは初花の頃か? 将来支度金嫁や花魁になれそうな美人もちらほら
9786 15 -12
寐るといふ 人にもたれて しのひ駒
しのび駒→三味線の音を高く響かせないようにする駒☆江語辞 男女もたれあう色っぽい場面
9787 15 -12
おさない声を 誉る棚経
盂蘭盆で幼子が僧と一緒にお経を
9788 15 -12
伊達染の 志賀ハ今降る 青あらし
伊達染→だてぞめ はでな色や模様に染めること☆国大 青嵐→青葉の頃吹く強い風 ???
9789 15 -12
何となく 物なつかしき 寒念仏
☆そのまんま
9790 15 -12
呑込んて 一ツ穴から 医者か来る
一ツ穴の狢で放蕩息子の意を受けて幇間医者が取りなしに
9791 15 -12
山鳥の ましり〳〵と あまの川
まじりまじり→目をパチパチさせてじっとしているさま 知らん顔しているさま☆江語辞 かささぎではないので
9792 15 -12
敵から 使者ハ女て おもしろし
敵→かたき 普通は虚無僧単独?
9793 15 -12
問詰て 跡のさひしき 丙午
問詰て→といつめて 何で嫁に行かないのかと
9794 15 -12
後添の 頃日知て 火たき鳥
後添→のちぞい 頃日→このごろ 火たき鳥→ひたき 鳥の名 火打石を打つような鳴声 別に女が居るのを知って悋気
9795 15 -12
二分ぐつ〳〵と 夢のうきはし
二分→踊り子が転ぶ枕代 ぐつぐつ→不平をいうさま☆ 国大 夢の浮橋→夢の中のあやうい通い路 はかないもののこと
9796 15 -12
二度来た馬の 傘てしくぢる
馬→妓楼の附馬? ???
9797 15 -12
降る迄も 面白い名の 寒四郎
寒四郎→かんしろう 小寒の四日目のこと この日雨だとその年は不作という
9798 15 -12
つれ〳〵の 指をのれんに くハへさせ
徒然→物思いにふける 変化がなく単調 物寂しい☆国大 徒然に指を絡めて
9799 15 -12
夢か合たと 茄子買ふ婆〻
茄子→なすび 一富士二鷹?
9800 15 -12
かけろふの 消れは跡に こほれ銭
祭りの跡?
9801 15 -12
ざせん豆 飛脚の膳を 飛廻り
ざぜん豆→座禅豆 黒大豆を甘く煮しめたもの 煮豆 ☆江語辞 急いで食べようとして箸から転げる
9802 15 -12
精進きらい 松風を引く
松風→琴の音 引く→贔屓にする☆江語辞 ☆そのまんまか
9803 15 -13
後家連を くらやみにする 初時雨
???
9804 15 -13
かたいうしろに 夜昼の顔
薬研掘の後ろに橘町? 薬研はかたい 橘町は昼は踊り子夜は売春 橘丁に夜昼の顔 ☆武一・40
9805 15 -13
あすか川 妾の方へ なかれ込み
飛鳥川は心変わりの象徴 ☆謡曲飛鳥川 妾の浮気
9806 15 -13
漸〻と 囲いあふせて 城か落
漸〻と→ようようと やっとのことで☆江語辞 四方八方から手を尽くして口説き落とす
9807 15 -13
振袖も はたち過れは 哀也
この時代では婚期遅れ
9808 15 -13
耳のありとハ しらぬ合壁
合壁→がっぺき 壁一つで仕切られている隣り☆国大 壁に耳あり
9809 15 -13
坊主落 欠落よりも 面白き
坊主落→ぼうずおち 坊主還 ? 坊主還→坊主が堕落して還俗すること☆江語辞 欠落→かけおち 家出 逐電 ☆江語辞
9810 15 -13
箒にかゝる 本堂の銭
賽銭箱を飛び越した銭を掃き集める
9811 15 -13
棒遣ふ 人の見て居る かたつふり
棒術遣いが蝸牛を見ている 隙がない? 鑓を遣う?
9812 15 -13
此おふくろも 拝れた顔
放蕩息子の懇願に甘い顔
9813 15 -13
おとり戻の 伊達なうたゝ寝
踊りから帰って疲れてそのまま寝てしまう
9814 15 -13
ふとんより 夜着の情か 重い也
夜着→掛け布団にする着物型のもの 三蒲団の花魁よりも
9815 15 -13
その悋気・ 唾を呑〳〵の 物語
唾→つ 口角泡を飛ばして喋る
9816 15 -13
ぬく〳〵と 置去りにして 帆懸舟
ぬくぬく→労せず自分だけうまいことするさま☆国大 風が出て帆掛舟だけが動く
9817 15 -13
鼻にあてゝ 齅へからすハ 髱の事
齅→嗅ぐ 髱→たぼ 日本髪の背の側に向かって張り出した部分☆国大 鹿茸を鼻に当てて嗅ぐべからず☆徒然草百四十九段
9818 15 -13
手のひらに 赤いうそつく 西大寺
西大寺→南都七大寺の一つ 豊心丹という丸薬を製す ☆川柳辞彙 ???
9819 15 -13
闇の夜の 咳はらいにも 二通り
単なる咳と何かの合図と
9820 15 -13
入智恵の くあいか合て 面白キ
くあい→具合 入れ知恵が見事に奏功して
9821 15 -14
幟見て 妾と妾 うしろ向
幟→のぼり 奥様に男の子ができてライバルが一緒に敗北
9822 15 -14
遠めかね 側から口を きゝたかり
側→そば おい何が見えるんだ
9823 15 -14
九十九度 めて面白く 草臥る
草臥る→くたびれる 深草少将の百夜通いは九十九夜で挫折
9824 15 -14
鵲を 今の娘ハ 待て居る
鵲→かささぎ 七夕のかささぎの橋のような逢瀬の機会を
9825 15 -14
ときわ御前ハ よく売れた人
源義朝と平清盛と一条長成に
9826 15 -14
いもとハ白く すハるうは玉
いもと→妹 うは玉→ぬばたま ぬばたまの は黒などの枕詞 夜? 色白の妹?
9827 15 -14
難波の芦ハ 伊勢て欠落
難波の芦は伊勢の浜荻☆諺 欠落→かけおち 家出 逐電 ☆江語辞 大坂者が伊勢で駆落しただけのことか?
9828 15 -14
夜目遠目 紅粉白粉も うそを付キ
紅粉白粉→べにおしろい 夜目遠目笠の内→実際より美しく見える どれも容姿を偽るもの
9829 15 -14
物思ひ くらやみといふ 養生所
養生所→御薬園内の施養所 物思う人は暗い所が落ち着く
9830 15 -14
辛崎の 腰を押けり 五月雨
腰を押す→後押しする そそのかす☆国大 唐崎の夜雨でも見物するか
9831 15 -14
尾長鳥 空に見所 あるかして
見所→めじるし☆国大 尾長鳥が鳴くと雨が降るというが空に雨のめじるしが
9832 15 -14
人参に 惜しまぬ金の 哀也
朝鮮人参は精力剤とも あるいは 病に金を使わなければならぬとは
9833 15 -14
子の柄杓 手を持そへて 夫の墓
夫→つま ☆そのまんま
9834 15 -14
言かねる 所を乳母の くつわ虫
がちゃがちゃうるさく口添えを
9835 15 -14
咡も 広けて聞は こはい物
咡→ささやき 大っぴらに言えば怖い内容
9836 15 -14
よい物乗せて にこ〳〵と舁
舁→かく 四手駕篭が酒手をはずむ客を乗せて
9837 15 -14
物忘れ いつち仕廻に かしこまり
仕廻→しまい 思い出せずにしゃがみこむ
9838 15 -14
初登り 吉田の二階 ふりかへり
初登り→京の本店から江戸に奉公後本店へ初めて上ること 江戸に戻ると手代に 吉田→東海道吉田宿 二階から招く 帰りには寄るぞ
9839 15 -15
おし鳥に 添へて御部屋へ あてこすり
御部屋→大名の愛妾で子を持ってからの称☆江語辞 お仲の良いことで
9840 15 -15
親椀を むさんに遣ふ 山帰来
親椀→大型の飯椀☆江語辞 山帰来→さんきらい 梅毒の薬
9841 15 -15
袴腰 あてる娘は 物ありげ
袴腰→はかまごし 袴腰を当てる→袴の後の台形部分を正しく当てる 物有りそう→何か訳がありげ☆江語辞 女房のような振る舞いなのは
9842 15 -15
友達はかり 知た精進
馴染みだった花魁の命日とか
9843 15 -15
出すに居て借ス 柴の戸の傘
出す→でず 柴の戸→粗末な住居 そこにあるから持ってけよ
9844 15 -15
耳ハやけどの 行所也
行所→ゆきどころ 指を耳たぶに持って行く
9845 15 -15
伴頭も 少ハくさい 仲間也
伴頭→番頭 放蕩若旦那と一つ穴の狢
9846 15 -15
跡押へ わつかな事を 長く言
後押え→大名行列後尾の警護役 殿様の名などを言って歩く
9847 15 -15
逃込みもせす 雨の侍
俄雨に遭っても平然と
9848 15 -15
わる口な 人に別るゝ 小笹原
小笹原→こざさはら 小笹の一面に生えた原 謡曲芭蕉? ???
9849 15 -15
角文字の ぬるき思ひハ かたつふり
角文字→角を生やすこと☆江語辞 弱い悋気は蝸牛の角
9850 15 -15
橋一ツ わたれは恋の 直か下り
直→ね 値 吉原と比べて深川はとか?
9851 15 -15
巾着の 小玉の狂ふ 秋のくれ
小玉→豆板銀の異名 紅葉見物から吉原や品川とか ?
9852 15 -15
あちな異見を 他人から言ふ
味な→色っぽい 第三者が異見を
9853 15 -15
奉公に あいた印か 袖たゝみ
あいた→飽いた? 袖畳→和服の略式の畳み方 だらしなくなり
9854 15 -15
竹田見にとハ 妻のからくり
竹田→からくり人形芝居? からくり→計略 外出の言い訳にはふさわしい
9855 15 -15
去り状の くさびに這入る 女の子
去り状→離縁状 子は鎹
9856 15 -15
箒てつゝき 明る柴の戸
柴の戸→粗末な住居 ☆そのまんま
9857 15 -16
時鳥 我衣手に 鳴ならひ
君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪は降りつゝ ☆百人一首 ???
9858 15 -16
二上りの 座敷に酒の 名とり川
二上り→三味線の二の糸を上げた調子 明るく派手やかな感じという名取川→歌枕で狂言の演目 足を滑らせる?
9859 15 -16
あら金の 土持給ふ 御信心
粗金の→土にかかる枕詞☆国大 ???
9860 15 -16
恥かしい 塩にも袖ハ 遣れて
塩→潮 愛らしさ よい機会 ☆国大 振袖で顔を隠す仕草が
9861 15 -16
十九の娵の 長い行水
娵→嫁厄年で思う事あり? あるいはそのまんまか
9862 15 -16
ゆく娘 帰りにも逢ふ 渡し守
??? 娘なので松ヶ岡でもないし
9863 15 -16
はつ厂かねの 物なれぬ聲
厂かね→かりがね まだ出始めで練習不足?
9864 15 -16
馬も打身の 發る冬枯
發る→おこる 冬枯れ→冬に客が減って不景気になること 仕事が減って運動不足で? ???
9865 15 -16
付木から 浅間のもへる 暮の鐘
付木→杉等の薄片の端に硫黄を塗ったもので薪などに火を移すのに使う 暮の鐘→夕暮れの鐘煙の立つさま? ???
9866 15 -16
湯治場はかり さへる御隠居
冴える→派手に騒ぐ 賑やかに遊興する☆江語辞 湯治場での気晴らしが楽しみ
9867 15 -16
後家やかましく ありく極月
喧しい→騒がしい わずらわしい☆江語辞 ありく→出歩く 極月→十二月 借金の返済を迫る?
9868 15 -16
喰くらに とふ〳〵勝て かんこ鳥
喰くら→くいくら 大食い競争? 託卵で郭公の雛の勝ち
9869 15 -16
筆をなめるか 兄娵の癖
商売にも口を出す?
9870 15 -16
そろ〳〵と 派の利て来る 鳴子綱
鳴子の音ははじめは小さいがだんだん派手に
9871 15 -16
棒の稽古の 音のする寺
棒術の盛んな寺? 道光庵の蕎麦打ち?
9872 15 -16
陰法師 さへ物すこき 青葉陰
もの凄い→気味が悪い 陽光強いので陰が暗い
9873 15 -16
そねむ気か あつてこいつも 美しき
そねむ→ねたむ☆江語辞 悋気も色気?
9874 15 -16
おとなしく 六日から降る 夏の雨
六日→五月五日端午の節句の翌日 幟やらが濡れぬよう
9875 15 -17
あくる日も 髪持のよい 物思ひ
髪持→かみもち 眠れず横にならないので髪が乱れぬ
9876 15 -17
松風の たまる所に 炭俵
松尾芭蕉一門の俳諧七部集の一つ炭俵?
9877 15 -17
そつと出た 向ふに虹の つんとして
知らず遠くに出た虹のさま
9878 15 -17
母のはなして みかん籠知る
みかん籠→捨て子の意 母が実はお前は拾った子だと
9879 15 -17
坊主にハ ならふ物なり 皃替り
かおがわり→人相が変ること ☆国大 剃る前と後で
9880 15 -17
切もくさても 蓬生の宿
切もくさ→切艾 きりもぐさ灸に使うため紙で巻き細かく切った艾☆国大 蓬生の宿→草深い荒れた地の家 蓬は艾の原料
9881 15 -17
子を連れて 出ると女房の 思ひ川
思川→思いが深く絶える間もないこと☆国大 浅草橋場を流れ隅田川に合流する小川☆江戸文学地名辞典 亭主がよからぬ事を あるいは離縁した女房が子供を連れて行くと思ったが残していった?
9882 15 -17
夏も袷て くらす九十九
袷て→あわせで 老人は寒がり
9883 15 -17
妾まじ〳〵と いけぬ分別
まじまじ→平然たるさま☆江語辞 いけぬ→いけない よくない ☆江語辞
9884 15 -17
三階ハ ひとみがちなる 入日影
三階→芝居の立役の部屋? 人見→客席を見る幕の隙間? 入日影→いりひかげ 夕日の光☆国大 ???
9885 15 -17
物さしに 余るまくらの 面白キ
共寝用の長枕
9886 15 -17
福の神 爪の明りか 御好にて
爪に火をともすような家にこそ福の神が
9887 15 -17
木からしに 付木の灯さへ 盗ミ物
付木→杉等の薄片の端に硫黄を塗ったもので薪などに火を移すのに使う 手で隠すようにして
9888 15 -17
千夜を一夜に 寐ちかへる襟
千夜を一夜→ちよをひとよ 伊勢物語二十二段 千の夜を一夜とみて そんなに長く寝たら寝違える ?
9889 15 -17
大赦にて 戻れは海の 恥かしき
島流しから赦免されて? ???
9890 15 -17
朝つきも また生煮の 皃と皃
朝つき→胡葱? 生煮→なまにえ 三月四日雛をしまう時浅葱膾を供え出替りは三月五日 別れがつらい奉公人同士?
9891 15 -17
時鳥 銭くさい茶て 目を洗ひ
灌仏会の甘茶で目を洗うと視力を増すという 時鳥は灌仏会の頃
9892 15 -17
表へ出ると 乳母てない乳母
外出先では派手で別人のよう
9893 15 -18
くすり魚 この手柏の 塩かけん
くすり魚→? 児の手柏→このてがしわ 観賞用の木 いづれとも予測できない状態をいう☆国大 ???
9894 15 -18
二所に寐て 夢のうきはし
夢の浮橋→夢の中のあやうい通い路 はかないもののこと 在原行平と松風村雨?
9895 15 -18
いやな日の 手紙に虫を かふらせる
虫がかぶる→産気づく 腹が痛む☆江語辞 ここは腹の虫に噛み付かせる意か?
9896 15 -18
やりてといふも いせのはま萩
難波の蘆は伊勢の浜荻→所かわれば名や習慣が違う意 遊里によって遣手の習慣が違う?
9897 15 -18
女なけれは 凄いてんかく
凄い→気味が悪い てんかく→田楽 真崎稲荷で田楽を喰うのはそれから吉原へ行ってこそ
9898 15 -18
年忘れ こすい所て 呑て居
こすい→ずるい けちである ☆江語辞 暮れの支払いで金欠?
9899 15 -18
薬くひ 喰て仕廻て 畏り
獣肉を食べたので心苦しい
9900 15 -18
とう突の 聞へる寺に 哀なし
とう突→胴突き 地固め工事 儲かって普請するような寺には風情なし
9901 15 -18
蟷螂ハ 頼ぬ斧を 入れたかり
蟷螂→とうろう かまきり 頼ぬ→たのまぬ 頼む→信頼する 依頼する☆ 国大 弱い者に限って蟷螂の斧を
9902 15 -18
母ひとり 隣の蔵を かこち艸
かこち草→託種 恨んだり嘆いたりするもと☆国大 隣の息子は家の放蕩息子とは違って座敷牢には縁がない
9903 15 -18
山帰来 けいせい買の 湊川
湊川→楠正成討死 女郎買いの終焉の地
9904 15 -18
強飯の わけハしらすにめてたかり
強飯→こわめし 小豆飯 娘の初花あるいはそのまんまか
9905 15 -18
柴の戸の 冬ハ庵に 風を焚
柴の戸→粗末な住居 風しか焚くものなし
9906 15 -18
剃たわけ 言ぬ出家の うつくしき
出家した理由を言わない
9907 15 -18
欠落の 身のくらかりも 廿日艸
欠落→かけおち 家出 逐電 ☆江語辞 廿日艸→牡丹 二十日でほとぼりがさめる?
9908 15 -18
衣〳〵を 告る木辻の さらし臼
衣々→遊廓の朝の別れ 告る→つげる 木辻→奈良の遊廓 奈良晒という晒し布を作る
9909 15 -18
さくらに延る 寺の葺・がへ
延る→のびる 葺・がへ→葺きがえ 桜が咲いたので工事が延期
9910 15 -18
隙と〳〵の 出合ふさみたれ
隙→ひま 雨で仕事できず暇人が集まる ?
9911 15 -19
光陰を せはしく鉦に うつの山
光陰→年月 宇津山→宇津谷峠あり 東海道丸子と岡部間の難所 ここでは打つの洒落 鉦が減るほど長年念仏
9912 15 -19
鯲汁 女の箸に をそろしき
鯲汁→どじょうじる 丸のまま入っていて怖い
9913 15 -19
焼鉄も あててによつて 面白キ
焼鉄→やきがね 烙印☆国大 誰が追い立てるかによって
9914 15 -19
とろほうに 脊負せ済して むくと起
脊負せ→しょわせ 泥棒が身動きしにくくなってから
9915 15 -19
母の目ハ 按广とる手に 付まとひ
按广→あんま 娘の療治を監視?
9916 15 -19
桃のやう〳〵 をくれ籔入
籔入→薮入 桃の季節になって遅い宿下?
9917 15 -19
葛の葉の 合羽も襟の うらを見せ
葛の葉の→裏返ることからうらみなどにかかる枕詞 ???
9918 15 -19
隠れたる よりあらハなる 山帰来
山帰来→梅毒の薬 すでに鼻に出ている
9919 15 -19
ため息の 下拵に ふところ手
下拵→したごしらえ まず懐手してから溜め息を
9920 15 -19
突袖の よめぬか道理 みたけ銭
突袖→つきそで 袖の中に手を入れて袂の先を前方に突き出すこと みたけ銭→みだけぜに 緡を通さないばら銭☆ 国大 小博打か
9921 15 -19
逢方の 手にゆれて居る 手挑灯
逢方→あいかた 手挑灯→てぢょうちん 手さげ提灯☆国大 ???
9922 15 -19
わひ言に 皆梅干の皃 はかり
旦那が下女に手をつけて交替した下女は老婆ばかり
9923 15 -19
女房に馬鹿を 尽すさみたれ
亭主が雨で仕事に行けず家に居て
9924 15 -19
三度めハ 裏からはたく 惚くすり
なかなか効果がないのでいろいろ試してみる
9925 15 -19
又夜の更る 堪忍の二字
更る→ふける 亭主の帰りが遅い?
9926 15 -19
京戻り 噂の通り 痩こけて
京の人は吝嗇なので?
9927 15 -19
伊吹山 前をうしろに して向ひ
伊吹山→艾? 着物を後ろ前にして子の背中に灸を? あるいは灸を据えてもらう時背中を向ける意?
9928 15 -19
われ鍋に とち蓋共の 弥生来て
とち蓋→とじぶた 落ち目の家に相応の奉公人が
9929 15 -20
妹山と 脊山の間に うしろ帯
妹背山→歌枕 妹山と背山 妹背は夫婦や恋人や兄妹 うしろ帯→素人女 男が女を後ろから抱く姿? 夫婦間に別の女性が?
9930 15 -20
禁酒した 咄を聞は 恐しき
酒で体を壊したか失敗した話
9931 15 -20
抱て居る子を 誉る狼
狼→外面優しく内心邪悪な人 ☆江語辞 乳母のことか?
9932 15 -20
御茶の給仕か 岩橋となる
岩橋→一言主神が夜造る橋 夜這の手引き?
9933 15 -20
向ふへあらく すハる山伏
調伏に来た山伏のさま?
9934 15 -20
針箱の うちからけふも くれは鳥
くれは鳥→呉服 呉の国から来た機織女で呉服物の意☆川柳辞彙 針仕事で一日暮れた?
9935 15 -20
古郷へ向て 怪我の言訳
怪我をするのは親不孝
9936 15 -20
二尊院 心ゆかせに 葉のしくれ
二尊院→嵯峨野の寺で奥に定家の時雨亭跡あり 心ゆかせ→気晴らし 心遣い ☆国大 時雨亭の名の通り
9937 15 -20
へらの實も 十夜のうちの 坊主数
へら→しなのきの異名 実は卵状球形☆国大 十夜→じゅうや 鎌倉光明寺など浄土宗の寺で十月におこなわれる念仏法会
9938 15 -20
正直に 鱠のさむき 伊勢の秋
鱠→なます 伊勢参宮は春が多かったので宿の食事の膾も秋は貧弱?
9939 15 -20
よい程に すれは悋気も 道具也
焼き餅も程が良ければ愛嬌に
9940 15 -20
人の身の くすれはしめハ 一ツ前
一ツ前→重ね着した衣類の前をまとめて合わせて着ること 格好がだらしなくなると暮らしも
9941 15 -20
姉の思案を またぬ妹
姉が迷っているうちに妹が先に嫁に
9942 15 -20
雛か立たて 瞽女の手を引
いつもは無い雛壇にぶつからぬよう
9943 15 -20
夜な〳〵に 下駄の音する 町か出来
雨が降り?
9944 15 -20
とうからし 草の中なる 燃しさり
燃しさり→もえしさり 燃え退り 燃え残る意か 叢の中の燠のよう?
9945 15 -20
佐野のわたりに 出来る居酒屋
謡曲鉢木 上野の国佐野の渡に着きて候あら笑止や又雪の降り来りて候 此処に宿を借らばやと
9946 15 -20
大根に きへるむす子の 二三人
大根→湯島の岡場所大根畠の異称☆川柳辞彙
9947 15 -21
うき世小路に うき世ものなし
☆三珠之部 浮世小路→日本橋室町三丁目の新道 昔湯女という遊女あり 浮世者→? 浮世人→当世風の人☆国大
9948 15 -21
けふ祭 葵を馬の 喰たかり
葵祭り
9949 15 -21
妾かいへは 馬になる鹿
秦の宦官趙高の故事 胡亥に鹿を献上して馬と云った☆史記 妾が無理をいう
9950 15 -21
あやめ貰ふて 供ハ立詰
立詰→たちづめ 長いので座れない
9951 15 -21
筒井筒 いつゝ挟んて 声替り
幼なじみが互い成長
9952 15 -21
岩戸のうちに 神も聞耳
天の岩戸の中で天照大神が
9953 15 -21
追人に明けて 見せる蒸籠
追人→おって 生島新五郎みたいに隠れていないかと
9954 15 -21
吹矢ても 吹たいやうな 雲の峰
雲の峰→入道雲 ☆そのまんま
9955 15 -21
金の手形て 越す年の関
金が新年への通行証
9956 15 -21
恋のやつこの 牛肉を呑む
精力剤? ???
9957 15 -21
席書に 一日かゝる 華清宮
席書→せきがき 宴席で即興に書画を書くこと☆国大 華清宮→玄宗の驪山の離宮 楊貴妃と宴会
9958 15 -21
百人からハ 音のする飯
???
9959 15 -21
とふ鳥の 落た長屋も 壁か落
飛ぶ鳥も落ちる→威勢のさかんなさま☆俳説ことわざ辞典 長屋→細長い家? 棟割長屋? 飛ぶ鳥落とす勢いの家も
9960 15 -21
おとこ坂行く 瞽女の大願
男坂→神仏参道の二筋の道のうち表の急な坂道 あえて困難な男坂を上がる
9961 15 -21
日の科の やうに三十日を 呵リけり
科→とが 何でもう大晦日が来るのだ
9962 15 -21
ひとり子に 我身をつめる かゝみ山
ひとりご→ひとり息子またはひとり娘☆江語辞 つめる→ つねる☆江語辞 鏡山→近江国の歌枕 鏡の意 我が子の不始末で自分を責めるよう
9963 15 -22
布さらす やうな気に成 大槃若
大槃若→だいはんにゃ 大般若経転読の法要 大般若経六百巻を複数の僧侶で転読する 転読が布晒しのよう
9964 15 -22
食に小言の 出るも君か代
食→めし 平和な世なればこそ好き嫌いが言える
9965 15 -22
妹もくるて 昼の岩はし
岩橋→一言主神が夜造る橋 夜這の意か? 妹が遊びに来ているので夜は行けない?
9966 15 -22
明らめて 寐に行く皃へ さかり蜘
さかり蜘→さがりぐも 蜘蛛は衣通姫に御幸がある兆候 もう少し待てば想う人が来るかも
9967 15 -22
めかけひそかに 臍の緒を干ス
父親に疑義あるがため? 胎盤には父親の紋が出るというがひょっとして臍の緒にも
9968 15 -22
町内を さそひわめいて 姥さくら
姥さくら→うばざくら 年老いてなお色っぽさの残っている女 娘盛りを過ぎただけの年増美女☆江語辞 ☆そのまんまか?
9969 15 -22
十三鐘ハ 帯をする鐘
十三鐘→じゅうさんがね 興福寺菩提院の鐘で明け七ツと暮れ六ツに撞いた 着替えをする時刻ではあるが 十三鉄漿→じゅうさんがね 十三才で初鉄漿をつける 十三の女子元服時伯母から紅の湯文字を貰う習慣あり☆俳説ことわざ辞典
9970 15 -22
持参金 むすふの神の うらを行
結ぶの神→縁結びの神 持参金で縁のない話もまとまる
9971 15 -22
すまひ戻りの つまむ綻ひ
すまひ→相撲? 相撲観戦で興奮して着物が綻び
9972 15 -22
若党に 取立られて きり〳〵す
若党→武家屋敷の雑用をする身分の低い家来 中間の上 ☆江語辞 平身低頭する?
9973 15 -22
あふむ石 是かと聞ハ 最うまねる
あふむ石→鸚鵡石 伊勢の度会にある反響する石 最う→もう ☆そのまんま
9974 15 -22
子の夜歩行に 親の草臥
夜歩行→よありき 草臥→くたびれ 放蕩息子の夜遊びに親が心労
9975 15 -22
始終見て居る 酒呑の皃
目がすわっている?
9976 15 -22
梺から 髪結のほる 児の舞
梺→ふもと 児→ちご 山の神社で稚児舞?
9977 15 -22
光陰の 脇を見て居る 女形
光陰→年月 女形だけはいつまでも若い
9978 15 -22
来る春も 不断さくらハ 常の皃
不断桜→伊勢白子観音の桜 一年中どこかの枝が咲くという
9979 15 -22
役者の顔の 青い水無月
芝居小屋の中は暑くて? 六月土用は芝居休みという☆ 東都歳時記
9980 15 -22
いてうの乳へ 乗物て来
いてう→銀杏 乗物→引き戸付きの駕篭 神社の銀杏に乳が出る願掛け 高貴な方が願掛けに
9981 15 -23
小判か下に 居ると元日
???
9982 15 -23
湯女のことはの 分る頃日
頃日→このごろ 長湯治で方言がわかるように
9983 15 -23
金剛杖を 誉る居酒屋
金剛杖→修験者や巡礼者が持つ杖☆国大 ???
9984 15 -23
下戸青〳〵と 帰る曲水
青青と→いかにも青いさま ☆国大 曲水の宴では盃が流れるのみで下戸は食べるものなし
9985 15 -23
三人寄ると ろくな事なし
さあ吉原へでも
9986 15 -23
天晴智職 瞳するとき
天晴→あっぱれ 智職→智識 善知識 仏法指導者? するとき→鋭き ☆そのまんまか
9987 15 -23
薬喰 相人かなくて むさん也
相人→あいて 独りで猪などを喰うと後ろ暗い感じが拭えぬ
9988 15 -23
雫迄 もれぬめくみの 五十鈴川
五十鈴川→いすずがわ 伊勢神宮近くの川で参拝者が身を清める 伊勢神宮の恵み
9989 15 -23
恋の闇 真の闇より むつかしき
暗かった昔の闇よりも
9990 15 -23
悋気とハ よく〳〵煎し 詰にけり
煎じ詰める→考えを最後まで押し詰める☆国大 焼餅は考え過ぎだ
9991 15 -23
若さかり 味に朝寐を なふらるゝ
若盛り→若くて血気盛んな年頃☆国大 味に→色っぽく 夜遊びで朝寝あるいは朝身体の一部が?
9992 15 -23
煩ふ馬を 覗く御端女
御端女→おはした 武家の下女 馬といえども奉公仲間
9993 15 -23
店をろし 済とそろ〳〵 馬鹿に成
店をろし→店卸 在庫調査で正月上旬と七月に行った☆国大 無駄遣いをし出す?
9994 15 -23
あさちか宿に 子売ろ子買ふ
浅茅が宿→チガヤなどの生い茂って荒れはてた家☆国大 買ふ→かおう 人さらいの隠れ家か?
9995 15 -23
毒断て 手前て免す 天の川
毒断→どくだて 病気に毒となる飲食物を一切飲食しないこと☆江語辞 免す→ゆるす ???
9996 15 -23
抱をろされて 馬方の皃
馬方が乗掛の女客を抱きおろす時顔が会って気まずい
9997 15 -23
夕べ・ハ人を 入れた蒸籠
生島新五郎は蒸籠に隠れて大奥へ
9998 15 -23
あまりてなとか 弾なから寝
浅茅生のをののしの原忍ぶれどあまりてなどか人の恋しき ☆百人一首 思いは余ってどうして三味線を弾きながら寝てしまった
9999 15 -24
髪結ふ膝の 夜なへほと出
着物から膝が出る?
10000 15 -24
めかけも共に 御門弟入
御門弟→ごもんてい 門弟→門人 弟子☆国大 入→いり 真宗などに宗旨替え?
10001 15 -24
ほたんを懸て かるた打寺
打→うつ 牡丹を賭け物に寺で博打
10002 15 -24
母の鬼門に あたる夜さくら
鬼門→東北の方角 嫌な場所 ☆国大 息子が夜桜見物と称して桜を植えた吉原へ
10003 15 -24
ほうつきを 無理にとられて うれしかり
口移しで?
10004 15 -24
伊勢へ来て すたり物なる 墨衣
すたり者→使い道のない人間 ☆江語辞 神社の土地なので 伊勢神宮に僧形は入れないし
10005 15 -24
伯了に 下着の儘の 恥かしき
伯了→謡曲羽衣の漁師 羽衣のない天女
10006 15 -24
和尚の肝に あたる傘
肝→心 最も重要な所☆江語辞 傘一本で寺を出ていく覚悟
10007 15 -24
女の聲に はつす墨そめ
はずす→遠慮してその場を離れる☆江語辞 墨染→僧 女性はどうも苦手で
10008 15 -24
朝日さひしく 居るめくら子
居る→すわる 陽が当たっているのでなお
10009 15 -24
女の欲の 殖る皃見せ
顔見世興行であの役者にもこの役者にも目移りして
10010 15 -24
遠くの事を 腮て呑込む
腮→あご 扶持米 生活費 ☆江語辞 お妾が故郷の家族の扶持をねだるとか? ???
10011 15 -24
雪吹の戸 きのふの儘に 立て有
雪吹→ふぶき 立てる→しめる☆国大 誰も開けないまま雪が張り付いている
10012 15 -24
一しきり 唐へ行たき 物思ひ
行たき→ゆきたき どこか遠くへ行ってしまいたい
10013 15 -24
芦の丸屋に 吉原の夢
芦の丸屋 →あしのまろや 葦で屋根をふいた粗末な小屋 ☆国大 没落する前の放蕩を思い
10014 15 -24
緋ちりめん 形身にしても 行キ所
緋縮緬→緋縮緬の褌か腰巻 行キ所→ゆきどころ こんな伊達なものを誰にやればよいのか?
10015 15 -24
高い妾と 思ふ極月
極月→十二月 年末の支払いが多額で 簪や着物代とか?
10016 15 -24
仲人の 頬はつて来る いなは雲
稲葉の雲→田一面の稲穂が揺れるさま 縁談に訪ねた農家で飯を沢山ご馳走になり
10017 15 -25
してやつた 気て灯をにくむ 天の河
せっかく晴れても灯りがあると?
10018 15 -25
あさつきも 内證ハくるて 面白し
あさつき→胡葱 内證→ないしょ くる→ぐる 共謀者☆江語辞 奉公人の出代り関係? ???
10019 15 -25
瀧にうたせる 早乙女の足
田植えで泥だらけの足を洗う
10020 15 -25
二度めの旅ハ そしるうつの谷
うつの谷→宇津ノ谷 東海道丸子と岡部間の難所 一度目は名所見物だが二度目は難儀なだけ
10021 15 -25
せまい所に 又乳母か尻
坊っちゃんと寝ていて邪魔 乳母は太っているのがお約束 あるいは芝居の切おとし席か
10022 15 -25
辛崎に こゝろの残る 雨かへる
唐崎の夜雨に親しんでいたので
10023 15 -25
師走を脊負て 志賀の道行
志賀→滋賀の古名☆国大 近江の地名 借金で江戸から京へ逃げる?
10024 15 -25
まことかありて 恥かしの森
恥かしの森→羽束師の森 恥ずかしい意 本当に惚れて恥ずかしい
10025 15 -25
看病の ある夜おかしき 陰ほうし
陰ほうし→陰法師 病人が看病人と?
10026 15 -25
足留め出来て しらぬ夜さくら
三月いっぱいの仲の町の桜に間に合わなかった
10027 15 -25
きけん取る手ハ 下手からくむ
男の機嫌を取るため下から腕をからめる
10028 15 -25
松買て 植れは琴か ほしくなり
松風は琴の音の意
10029 15 -25
何に狂ふか 笹買て行
能の狂女は笹を持つ
10030 15 -25
盗れた 皃も頃日 物まふて
頃日→このごろ 物まふて→物詣 駆け落ちして隠れていた娘がそろそろ外出? ☆武五・30
10031 15 -25
音羽町 建るとすれは そのはらや
音羽町→護国寺門前の岡場所 園原屋→団扇屋か版元? 遊女を浮世絵に?
10032 15 -25
人に飽 人にあかれて 松の風
飽→あき 遊びにも飽きて風流の方に
10033 15 -25
一言に あつちら向か かんこ鳥
???
10034 15 -25
小袖を齅て 味に御異見
齅て→嗅いで 味に→色っぽく 誰の小袖ですかな
10035 15 -26
人の身も 紙子にかれて むら千鳥
紙子→かみこ 紙の衣服 群千鳥→群れの千鳥 千鳥が点々と飛び交う模様☆国大 ???
10036 15 -26
思ひ寝も 少忘れて 三輪の神
思寝→恋しい人を思いながら眠ること☆国大 謡曲三輪の妻訪い神話 苧環に針をつけ裳裾に綴じつけて夜来る男の正体を探る
10037 15 -26
うそ迄を 遣ひつふして みなの川
みなの川→恋の意 嘘も使い尽くして
10038 15 -26
はんし物也 闇に三人
どういう状況か判じ物のよう
10039 15 -26
人のうき世を 見んと遁れる
世を捨てて浮世を眺めようと ?
10040 15 -26
急く時 田の中を行く 法輪寺
法輪寺→嵯峨の虚空蔵法輪寺 嵯峨は田舎なので?
10041 15 -26
江戸てなくなる 長崎のうそ
江戸まで来れば嘘かどうかもわからぬ
10042 15 -26
阿部の童子か 赤い飯喰ふ
安倍童子→安倍清明の幼名 白狐葛の葉の子 稲荷に赤飯を供えるから?
10043 15 -26
返す所を 言ぬ塗下駄
塗下駄→漆塗りの下駄 多く女が用いる☆国大 どこで借りたのやら
10044 15 -26
先内を 覗て置て ほらの貝
先→まず 山伏が子供が寝ていないか確かめてから
10045 15 -26
十四五に なると手水に 念か入
手水→ちょうず 洗面 小用 ☆そのまんま
10046 15 -26
志賀の人 今もむかしを 鼻に懸
志賀→大津の宮の旧都
10047 15 -26
岡崎へ 来て身のうへを 弾習ひ
岡崎→東海道岡崎宿 また 唄三味線の練習曲 弾習ひ→ひきならい 岡崎女郎衆はよい女郎衆
10048 15 -26
十夜ハしけて泣つらか崎
十夜→じゅうや 十月六日か十日間念仏をする浄土宗の法要 鎌倉光明寺に参詣☆川柳辞彙 しけて→しけで 稲村ケ崎が時化で?
10049 15 -26
女の夜に怪我のない京
???
10050 15 -26
つゝき込んたる 神鳴の蚊屋
神鳴→かみなり 蚊屋は落雷を避けるという 子供をみんな蚊屋に押し込む
10051 15 -26
居眠て居る 尼のたしなみ
眠っていてもきちんとしている
10052 15 -26
馳走に女房 呵られて居
もっと見栄えのよいものを?
10053 15 -27
雨をふらせて 伊達な傘
雨乞いに成功した山伏の得意なさま?
10054 15 -27
うかりける 子のなつかしき 嶋干物
嶋干物→しまひもの ? 漁村へ行っている勘当息子を思い? うかりける人を初瀬の山おろしよはげしかれとは祈らぬものを☆百人一首
10055 15 -27
燈籠をすへた その夜降る雨
燈籠→とうろ さっそくおあつらえむきな雨が
10056 15 -27
煩ふ馬を もてあます寺
上り馬を奉納されたが
10057 15 -27
仲立の よもやそれとハ しら羽の矢
仲立→なかだち 仲介 仲人 ☆国大 しら羽の矢→知らないの洒落か
10058 15 -27
売られたる 時ハ小判も 恐しき
女衒に買われた時
10059 15 -27
あつまくたりも 今ハそろはん
上方の酒とかを江戸へ輸送
10060 15 -27
人の子抱て 臆病になる
怪我でもさせたら大変
10061 15 -27
河千鳥 酒屋はかりか 戸ハ立す
川千鳥→川にいる千鳥 千鳥足の酔客に酒を売る?
10062 15 -27
九十川 越た命に 人たかり
九十川→くじゅうがわ 大井川や天龍川等の異称 川越しの肩車の最高賃料が九十文だった☆川柳辞彙 脇の下まで水で九十文 九十の賀に利かせる?
10063 15 -27
親椀へ 皃の隠れる 八重むくら
親椀→大型の飯椀☆江語辞 八重葎→ やえむぐら 雑草が生い茂った草庵 何でも一つの椀で済まし顔を突っ込む
10064 15 -27
持て苦にする うつくしい皃
それはそれで悩みが
10065 15 -27
抱守の 世をちいさかる 五月雨
抱守→抱いて守をするだけの乳母☆江語辞 もり☆国大 雨で行けるところがない
10066 15 -27
出水か引て 寐ぬ夜かそへる
出水→でみず 洪水☆国大 気がつけば何日も寝ていなかった
10067 15 -27
やかて見よ そろ盤に乗 いなは雲
稲葉の雲→田一面の稲穂が揺れるさま 秋の収穫を計算に入れる
10068 15 -27
一所 花野喰ぬく めくら馬
動かずに食べるので
10069 15 -27
早乙女丸く 九ツの影
九ツ→正午 日が高く影が小さい
10070 15 -27
一生を 是ても済ぬ うしろ帯
うしろ帯→素人女 前帯は商売女か老女 素人でも年とれば前帯に
10071 15 -28
傘を借そうと 毒のこゝろみ
後家を庫裏に誘い込むとか
10072 15 -28
湯女の笑ひの 日〳〵に減
日〳〵→にちにち 毎日 日ごと☆国大 湯治客はどうせ一回り七日で別れるので
10073 15 -28
人のうしろへ 廻ることつて
内緒の伝言
10074 15 -28
たまされた 目にうらめしき あすならう
あすならう→あすなろ 樹形が檜に似ている☆国大 明日は檜になろうというがならない
10075 15 -28
下戸沢山て 馬鹿な曲水
沢山→たくさん 曲水の宴で廻るのは盃だけ 下戸ばかりでは意味が無い
10076 15 -28
御しら洲へ出て 持た女房
御しら洲→奉行所の裁き場 揉め事を経て?
10077 15 -28
百度参の 供も百度
百度→ひゃくたび ☆そのまんま
10078 15 -28
撫子の りんとして居る 夏河原
撫子→なでしこ 大和撫子は河原撫子という 夏咲く
10079 15 -28
さむそうな 形を集て 冬籠
形→なり 粗末な着物を重ね着して?
10080 15 -28
すたれほと 皃の床しき 干うとん
床しい→どんな様子か見たい ☆国大 干しうどんが簾のよう 向こうの顔が見たい
10081 15 -28
互に二度め 精進を聞
再婚同士で互いの相手の命日をきく
10082 15 -28
ひよつと立子に 家中かたつ
立子→たつこ 幼子が初めて立って
10083 15 -28
うそを書く とて取よせる 硯水
硯水→すずりみず 色恋系の証文?
10084 15 -28
御舌拝みに ない道か付き
御舌拝み→おしたおがみ ? 法華宗関係か? 参詣者で道ができる?
10085 15 -28
人の子を 見ても淋しき 精進日
子の命日
10086 15 -28
うしろへさすハ うまい盃
うまい→情欲をそそられる 仲睦まじい 巧みな☆江語辞 踊り子にこっそり盃を?
10087 15 -28
誉るむす子に 馬道て逢
馬道→うまみち 浅草寺から吉原行きの道 堅い息子と思っていたら
10088 15 -28
あくる日ハ 店をおハれる 年忘
店→たな 忘年会で羽目をはずし長屋から店立て
10089 15 -29
悋気の蚊屋を あてかつて釣
あてがう→うまくあてはめる 適当に見積もって与える ☆国大 悋気の表現として蚊屋を
10090 15 -29
異見の名所 はつかしの森
はづかしの森→羽束師の森 恥かしの森 恥ずかしい意 異見されて恥ずかしい
10091 15 -29
しうとの知れぬ 女房うつくし
遊女あがりの女房
10092 15 -29
高縄迄ハ 聲かつきぬけ
高縄→たかなわ 大山詣りでこの辺り迄はまだ威勢が良い
10093 15 -29
むくらの宿に 折檻の聲
☆五珠部 葎の宿→荒れた家 折檻→せっかん 貧乏で気の荒んだ家?
10094 15 -29
余所の夜をは しらぬ孝行
余所→よそ 夜遊びしない孝行息子
10095 15 -29
異見の模様 かハる元服
成長に応じて異見の中身も変わる
10096 15 -29
あふない口を ふさく母親
放蕩息子が勘当されそうな事を親父に言いそうで
10097 15 -29
枝を覗て 廻る伯了
伯了→はくりょう 謡曲羽衣の漁師 また羽衣が掛かっていないかと
10098 15 -29
大屋の念を 入るそのはら
入る→いれる 園原や伏屋に生ふるははき木のありとは見えてあはぬ君かな☆坂上是則 大屋の心得か何か?
10099 15 -29
うつくしい 女の四十 物すこき
物凄い→気味が悪い 美人なのに独り身なのが?
10100 15 -29
八日の釈迦に 馬鹿な気か付く
四月八日の灌仏会 ???
10101 15 -29
姑をいぶし 通す蚊やり火
姑→しゅうと 日頃の恨み?
10102 15 -29
しら刃を踏んて 末のまつ山
末の松山→契り変らぬ意 危ない恋?
10103 15 -29
昔の椀に 尼のなふられ
俗気のある椀
10104 15 -29
子の誉やうの あらい石女
石女→うまずめ ☆そのまんま
10105 15 -30
此うハ言ハ 医者もあきるゝ
場違いな怪しいうわ言
10106 15 -30
短夜や 宵の所に かたつふり
短夜→みじかよ 明けやすい夏の夜☆国大 昨夜の蝸牛が朝になってもあまり移動していない
10107 15 -30
夕飯はやき 衛士の当番
夜の仕事なので早めの夕食
10108 15 -30
江戸へ出て 都の花をいけの坊 見る人舌を ふるふ獅〻口
☆後宴狂哥 池ノ坊の投入の花を見侍りて ☆紀逸 舌をふるう→大いに驚き感嘆するさま☆江語辞 獅子口→ ししぐち 竹製花筒☆江語辞
10109 15 -30
毒のない こゝろてわれる ねり玉ハ 似せさんこ珠の しるしなるへし
☆近習の者緒〆を割侍し時 ☆臺簫 珊瑚珠は毒に触れると割れるという
10110 15 -30
投入も はへたことくに いけのほう しらぬ目からも 花のうへ人
☆池の坊の花会へ罷りて ☆仝 投入→なげいれ 自由な花の生け方☆国大 雲の上人→殿上人☆国大 花の植え人?
10111 15 -31
遊ふ事 鮓なお皃に つけこんて 皆あんはいも よしの椀哉
☆紀逸庵に遊ひて探題鮓 ☆仝 探題→くじの題で詩歌をよむ☆国大 鮓→すし 好きの洒落 吉野椀→桜模様の椀 塩梅も良し
10112 15 -31
豊作の 続たうへを まんさくの 花ハ黄にして あたひいかほと
☆まんさくといふ花を見て ☆仝 満作→早春黄色い花が枝いっぱいに咲く☆国大 豊作の上に満作
10113 15 -31
神風の いせやいなりへ のほりたつ その甲斐坂の しるしあるへし
☆貝坂伊せ屋何某か樽拾ひ初午に予か鎮守の稲荷へもめん幟を奉納せしを ☆仝 伊勢屋稲荷に犬の糞☆諺
10114 15 -31
網のめを もれぬめくみの 御つかひ 三ツ指突て 四ツ手いたゝく
☆四手の魚とて給りけるに ☆紀逸 四つ手→四つ手網の略☆国大 四ツ手網で取った魚?
10115 15 -31
くれなゐハ 老のくすりと きくゆへに ちはんらしくも まいらする也
☆臺簫君より紅ミの襦袢を給るとて ☆臺簫 紅ミ→もみ 紅色に染めた絹布 襦袢らしくと自慢らしくの洒落? 参る→献上する
10116 15 -32
下されし 紅のしゆはんを 着て出は あかいものにも 負ぬ年寄
☆御返事に ☆紀逸 あかいものは若い者の洒落か
10117 15 -32
あたゝかに もはや成ても よかんへい やつこも雨も けふてふりやめ
☆二月中ふり続キけるに ☆仝 よかんべい→良かろうの関東方言☆江語辞 奴→武家の下僕 下男☆江語辞 けふて→今日で ???
10118 15 -32
江戸に掃く 程ある物を 送る身ハ 箒に笑ひ たてられやせん
☆駿河の産の椶櫚箒を送るとて ☆紀袁 椶櫚箒→しゅろぼうき 棕櫚毛を束ねた箒☆国大 掃く程ある箒を
10119 15 -32
仕合を 掃あつめよと 駿河なる 冨士の麓の 箒たまハる
☆御返しに ☆紀逸 仕合→しあわせ? 幸せを掃き集めよと
10120 15 -32
先生の けふ見物に 何かなと こゝろはかりの 尻をもちくわし
☆紀逸子一両人の連にて芝居見物のよしを聞ていさゝかの品を送る ☆紀袁 連→つれ もちくわし→餅菓子 尻を持つ→後押しをする☆江語辞
10121 15 -32
八ツ橋の その三河路を 領すれは 仰に恥を かきつはた哉
☆去方より杜若を望れしに所持せされハ ☆紀亮 領する→自分の所有とする☆国大 仰→おおせ? 恥をかくの洒落
10122 15 -33
いかゝそと とうふを覗く すたれ海苔 いつもの皃と 格別なもの
☆自生庵ゟ出雲のすたれ海苔を送られけるに ☆紀亮 すだれ海苔→簾海苔
10123 15 -33
御馳走の 礼に狂哥の よみ習ひ また口はしも 青いうくひす
☆一昨日の御礼迄に ☆仝 口はし→くちばし
10124 15 -33
はいかいの 闇を道ひく武玉川 ひかる蛍を てうちんにして
☆武玉川に蛍の題を得て ☆路長 道ひく→導く? てうちん→提灯 誰か禿頭の指導者が居たか?
10125 15 -33
十六ハ さゝけの年の ひめ瓜を きうりせしとハ 西瓜ふ西瓜
☆八百屋の娘十六斗なるを勘当せしと聞て 斗→ばかり ささげ→初花の赤飯に入れる 久離→縁を切る 粋か不粋か 八百屋尽くし
10126 15 -33
芝らくと 息つく人ハ 車屋の 涼しい所 てんとたまらす
☆ところてん ☆立路 芝らく→しばらく てんと→まるっきり ところてんの洒落
10127 15 -33
甘口な とし玉なれと 松の葉の こゝろのたけを 送る鶴亀
☆年玉に砂糖を送るとて ☆紀穂
10128 15 -34
我片男 波〳〵ならぬ お田鶴に 使のあしへ 届く此筆
☆和哥の浦の芦軸の筆を送られしに ☆立路 片男浪→ 和歌の浦に潮満ち来れば潟を無み☆山部赤人のもじり 田鶴 →タツネ 我が方をお訪ねに
10129 15 -34
子ハ誰か子 何となるみの しほり染 果報ねてまつ 運ハありまつ
☆参宮の子共に浴衣とらするとて ☆狼牙 東海道名産鳴海の有松絞り
10130 15 -34
句おしみの さしつめ爰ハ 両あんし 書抜け龍を とらんたくみか
☆龍安寺の鴛見に罷りて点取なとせしに遅吟の人に対して ☆狼牙 爰→ここ抜け龍→寛永寺鐘楼の甚五郎の龍? ???
10131 15 -34
少〻ハ かよひの手前 恥かしき 喰ふもいく世の 餅の数〳〵
☆いく代餅を振廻れて ☆市町 両国橋西詰の幾世餅
10132 15 -34
約束ハ さら〳〵如在 あらねとも 一寸のびと なりし御不沙汰
☆さらさのきれを人に遣すとて ☆仝 如在→じょさい 気を使わないために生じた手落ちがあること 更紗とさらさらの洒落
10133 15 -35
味もなく かたちはかりの 初茄子 汁にするかの 客は吸口
☆初茄子をもてなして ☆紀見 駿河の客?
10134 15 -35
よしあしの 筆のわかちハ しらねとも をくりてそゆる 和哥のうら浪
☆和哥のうらの蘆筆を人に送るとて ☆路長 和歌の浦波→和歌の意?
10135 15 -35
よるをきて たかれてみれハ あんとんの 蓋を見付て まな板といふ
☆文字に叶ひ侍るをふしきにおもひて爰に記す ☆正年六才團平八 あんとん→行燈 ???
10136 15 -35
田つくりの 娘なれとも 所から くしかきさして よねのなりふり
☆こまめ野老かちくり米四色をたて入て狂哥せよと侍りしに ☆紀逸 野老→ところ ひげ根を正月飾りに使う 四色→よいろ よね→遊女?