四篇


誹諧武玉川私考ホームへ

【底本】 
  岩波文庫  誹諧武玉川(一) 山澤英雄校訂 岩波書店 1984

【凡例】
  通し番号 篇-丁
  (本文)
  (解説)

【注意】
  字・は字が底本通りでないことを示す
  ☆はコメントや引用

2247 4-2 
  燈明に ゑひすの顔ハ ありの侭 
  ☆冬嶺秀孤枩 ゑびす講 
2248 4-2 
  雲水へ 大たはに出る わたし守 
  大たはに出る→大きな態度をとる 渡し賃をまけてやった? 
2249 4-2 
  二王か出来て 赤い夕暮 
  二王→仁王 朱塗りの仁王様と門に夕日が照り返して 
2250 4-2 
  いんきんに 成た夫か 気に掛リ 
  いんきん→慇懃 何かあやしい 
2251 4-2 
  魔のさす文を 筋違に遣ル 
  筋違→すじかい 斜め 花魁からの文が家の正面を避けてこっそりと届く 
2252 4-2 
  うそをつく日に いさみある皃 
  大晦日の借金の言訳にやる気満々
2253 4-2 
  浜屋敷 筆を舐れハ 塩はゆき
  浜屋敷→海辺に面した大名の下屋敷 海辺なので
2254 4-2 
  哀なりけり 金を苦にする 
  なければその苦労無し 
2255 4-2 
  鵜の面ラハ 人の心の 外へ出し
  潜った鵜は意外な所から出る 
2256 4-2 
  洗髪 脇の下から 人を呼
  洗髪→あらいがみ 頭を下げて洗髪中に用事 
2257 4-2 
  姿見に 用のなき身と 也にけり
  子育てとかに追われて 
2258 4-2 
  額を抜くと やせる惣領 
  元服で月代を剃ると顔が長くみえる 
2259 4-2 
  芋の葉へ書く 梶の下書 
  七夕に梶の葉に歌などを書く 芋の葉の露を硯に入れるという
2260 4-2 
  傀儡師 おのれか舌を 切に出シ 
  切に→終りに 最後に鼬の皮を出して驚かすという 
2261 4-2 
  踏れた形て 醒る明店 
  形→なり 明店→あきだな 酔いつぶれて長屋の空家で目が覚める
2262 4-2 
  親類の そろ〳〵逃る 十二月 
  金の工面に来そうで 
2263 4-2 
  行そうな 顔のすくない 念仏講 
  念仏講→葬式代の頼母子 冥土へは 
2264 4-3 
  玉のうこかぬ 庫裏の十露盤 
  庫裏→くり 寺の台所や住居 十露盤→そろばん 滅多に使わない? 
2265 4-3 
  馬てさへ 見せに行日の 前後 
  馬市へ行く時は馬もお洒落に 
2266 4-3 
  雪隠を 戻れハもとの 物わすれ 
  せっかくトイレで思い出したのに 
2267 4-3 
  影膳の 心のうちに 皃か見へ 
  旅姿を思い描きながら供える 
2268 4-3 
  淀屋の隠居 隠居てハなし 
  大坂の豪商淀屋辰五郎 先代が豪遊して取り潰し? 
2269 4-3 
  関取の 質ハ流れて 怖かられ
  これは鬼の羽織か?と 
2270 4-3 
  面白い 役に当ツて 駒むかい
  駒迎え→朝廷に献上された馬を役人が逢坂の関に迎えに行く 
2271 4-3 
  後悔の また有うちハ 貧乏也
  貧乏でなければ後悔なし? 
2272 4-3 
  降通される 下駄の開帳 
  御開帳が雨続きで皆下駄で参詣 
2273 4-3 
  縄目の恥ハ 狸なれとも 
  縄目の恥→捕らえられて縄をかけられる恥 狸の身でも恥は恥
2274 4-3 
  先腹の子か 独精進 
  先腹の子→先妻の産んだ子 独→ひとり 先妻の命日
2275 4-3 
  聲を直して 戻る風呂吹 
  風呂吹→風呂吹大根? 蒸風呂の息を吹きかける垢擦り?
2276 4-3 
  利た〳〵と 辷るあま乞 
  待望の雨に泥濘で小躍り  
2277 4-3 
  四十二に 太子の顔の また残 
  厄年の聖徳太子? ??? 
2278 4-3 
  妾か死ンて 鶯も死ぬ 
  妾の可愛がっていた鶯も後を追うように 世話する人がおらず?  
2279 4-3 
  蛸くらけ 俵藤太に 膝をくみ 
  蛸くらけ→蛸と海月 俵藤太→たわらとうだ 竜宮へ行った 膝をくみ→対座する
2280 4-3 
  泊はしめの 分ンな夕くれ 
  分ンな→ぶんな 格別な 旅の初日の夕暮れの気持ち 
2281 4-3 
  後生願ひも 生て居たかる 
  まだ極楽よりも浮世が  
2282 4-4 
  樽酒に なれハ蛙の 遠さかり 
  宴たけなわで蛙の声も聞こえない? 
2283 4-4 
  娵も田植の よい思ひきり 
  娘と違って農作業も嫌がらず  
2284 4-4 
  小刀鍛冶の 口か利過 
  小刀鍛冶→こがたなかじ 小柄の穂を専門に作った鍛冶 利過→ききすぎ 腕自慢 
2285 4-4 
  惚られて居る 瞽女の罔両 
  罔両→かげぼし 影法師 姿が良い 
2286 4-4 
  茶碗て呑も 女一疋 
  鉄火な女の茶碗酒?  
2287 4-4 
  大文字 梢の色の 付はしめ 
  夏の大文字の送り火の色は紅葉の前触れ 
2288 4-4 
  きん玉に寐て あたゝかな朝 
  狸?  
2289 4-4 
  仲人の あつたら口へ 風を引 
  あつたら→あったら 惜しくも あったら口へ風を引く→言ったことが無駄になる意☆俳説ことわざ辞典 余計なことを言って破談
2290 4-4 
  言ハて只 京の余波の けふ斗 
  余波→なごり 斗→ばかり 口には出さない京への名残? 
2291 4-4 
  立田姫 佐保姫よりも 慾かなし 
  立田姫→秋の神 佐保姫→春の神 秋の方が地味? 
2292 4-4 
  釿遣ひを 珠数て見て居 
  釿→ちょうな 木材を平らにする大工道具 珠数→数珠 寺の普請を和尚が見て居る
2293 4-4 
  北條九代 永い御利生 
  北條九代→鎌倉執権北条氏 御利生→ごりしょう ご利益 
2294 4-4 
  請状か 済とくつすり 着かへさせ 
  請状→うけじょう 奉公人の身元引受証書を雇主に渡す ぐっすり→ごっそり 田舎から出て来た形なので? 面接用の小袖を仕事着に?
2295 4-4 
  朝食を 母の後ロへ 喰に出ル 
  朝食→あさめし 息子の朝帰り 
2296 4-4 
  正直過て 紙子着せられ 
  紙子→かみこ 紙の衣服 安いので貧乏な人が使った 正直で貧乏した? 
2297 4-4 
  若葉の笛の 前に百銭 
  若葉の笛→平敦盛の青葉の笛 百銭→ひゃくぜに 銭さしに差した百文の銭 須磨寺賽銭
2298 4-4 
  一口て 躍をおとる 唐からし 
  躍→おどり 辛くて 
2299 4-4 
  傘を 掛る柱ハ 行とまり 
  毎日は使わないので奥の方に  
2300 4-5 
  大判は 懐に居る 金てなし 
  大判は流通用ではなかった 
2301 4-5 
  たらいの雨を 屋根葺・に見せ 
  こんなに漏るぞ 
2302 4-5 
  うくひすの 飽られる比 はり上る 
  比→ころ 本当に良く啼く頃には飽きられる 
2303 4-5 
  正月に かき廻される 十二月 
  正月が普通の月なら十二月ももっとのんびり 
2304 4-5 
  鰒の師匠の 桶伏に逢 
  鰒→ふぐ 桶伏→吉原の私刑 遊びのお師匠様 まあ万事そういうお方です 
2305 4-5 
  御つゝら馬の 首ハ正直 
  御葛籠馬→参勤交代等の葛籠を載せた馬 重そうに首を垂れて 
2306 4-5 
  十日めに 出れハ蓑さへ 面白き 
  「五風十雨」 五日に一度風が吹き十日に一度雨が降る 天下太平の意
2307 4-5 
  大工ハ屋根屋 よりも男気 
  ??? 
2308 4-5 
  百度参リの かわく唇 
  何か唱えて  
2309 4-5 
  向けられぬ 顔ハ濃くなり 薄く成 
  顔向けが出来ない人に言訳 赤くなったり青くなったり 
2310 4-5 
  挑灯さけて 底のある妻 
  挑灯→ちょうちん 底→実力? 心の奥? 
2311 4-5 
  一段聞て 帰る仲人 
  義太夫のお付き合い  
2312 4-5 
  目の赤い 人恥かしき 松の内 
  掛取り逃れで大晦日は徹夜? 
2313 4-5 
  逢ぬ恋 人に噺して 仕廻けり 
  叶わぬ恋を口に出して諦める? 
2314 4-5 
  海へ流れる 三保の鹿の音 
  三保の松原の三保神社の鹿?  
2315 4-5 
  浪人の 三十日〳〵ハ 主の恥 
  三十日→みそか 月末 主→しゅう 主君 浪人の貧乏は先の主君の恥 支払いごとの言訳で
2316 4-5 
  鰒も折〳〵 殿のいたつら 
  鰒→ふぐ 折〳〵→時々 やんちゃな殿様 
2317 4-5 
  十七日や 景清に逢ふ 
  十七日→観音縁日 平景清は清水観音信者で頼朝を何度も襲撃した 
2318 4-6 
  野分の屋根を ありく傘 
  野分→台風 台風の去った後傘をさして屋根を点検 
2319 4-6 
  谷中まて 文か届けハ 雨に成 
  花見にいくとの手紙が着いたがあいにく雨に 
2320 4-6 
  此年て 中直りとは 恥かしき 
  喧嘩して朝には仲直り 
2321 4-6 
  くら闇て 聞けハ按广も 細工也 
  細工→工夫? 
2322 4-6 
  珠数さら〳〵と からい世を経 
  珠数→数珠 数珠をもんで世間を渡る 数珠さらさらと押し揉みて☆謡曲船弁慶 山伏?
2323 4-6 
  貧乏神を せひるあり付キ 
  あり付き→生計を得る道 生活の糧 奉公口 貧乏神をせびるほど貧乏
2324 4-6 
  あふなく見える 神主の馬 
  日頃乗らないが神事でやむを得ず 
2325 4-6 
  氷室はるかに くさめ聞ゆる 
  氷室の奥でくしゃみが 
2326 4-6 
  帰厂 鳴る脇指の はらい物 
  帰厂→かえるかり 脇指→わきざし はらい物→売る不用品 音のする粗末な脇差売る浪人 借金の返済?
2327 4-6 
  本ンの名ハ 人にとられて 艸の庵 
  本来の名声を奪われて世捨て人? 
2328 4-6 
  相傘に 舌をちらりと 見せて行 
  相傘→相合い傘 すれ違う時 
2329 4-6 
  明て居る 眼へ稲妻の やり違 
  つぶっていた目を開けたらいきなり 
2330 4-6 
  桧杓て追て 廻る正月 
  桧杓→ひしゃく 柄杓を持って伊勢へ抜け参り 
2331 4-6 
  きせ川ハ 忘れてとまる 所也 
  東海道三島沼津間の黄瀬川 有名な三島女郎衆は此処から移ってしまったのを忘れて 
2332 4-6 
  最う門枩の 胸先へ立 
  門枩→門松 正月の前に借金取りの大晦日が迫る 
2333 4-6 
  懸乞に 大塔の宮ハ ましまさす 
  懸乞→かけこい 掛け取り 大塔の宮→護良親王 大塔の宮は経櫃に隠された 借金取りが来たので箱に隠れての居留守をしゃれる
2334 4-6 
  くにや〳〵の くらしに低い 二階あり 
  くにや〳〵→ぐにゃぐにゃ 貧乏な家 
2335 4-6 
  おもへハ金も 梦のうき橋 
  梦→夢 夢の浮橋→夢の中のあやうい通い路 はかないもののこと 源氏物語の最終帖で後もない 
2336 4-7 
  昼ハ消つゝ 六月の人 
  昼ハ消つゝ→百人一首の文句取り 昼は魂が消え入るように慕う 六月→今の真夏 暑くて誰も外へ出ていない
2337 4-7 
  今呑た 鉢をためしに 台所 
  酒を飲んだ鉢が何合入るのか 台所へ調べにいく 
2338 4-7 
  行ぬけなしと 婆〻の聲にて 
  行ぬけ→通り抜け この長屋の路地は抜けられないよ 
2339 4-7 
  九十九て 死ぬる命も あわれ也
  あと一つで百歳? 深草の少将のこがれ死? 
2340 4-7 
  にこり〳〵と 借なくす人 
  借なくす→貸しなくす 気前よく貸して損する 
2341 4-7 
  とまり烏の 三めくりを横 
  三めくり→向島三囲稲荷 ねぐらに帰る烏が横目で眺めていく?
2342 4-7 
  椶梠箒 次第〳〵に 鈍に成
  椶梠箒→しゅろぼうき 使われているうちにすり減る 
2343 4-7 
  振た夜の 明方消る 物着星
  物着星→爪に白斑点が出ると衣類が新調できるという お大尽を振ってしまって
2344 4-7 
  浪人夫婦 今に呑むなり 
  今に→今でも? 零落したが夫婦仲良く
2345 4-7 
  一ツても 昔ゆかしき 釘隠し
  昔は釘隠しのある立派な家であった 
2346 4-7 
  母と歩行を 嫌ふ煩ひ 
  歩行→ありく 恋煩い 
2347 4-7 
  音頭取 咄の声ハ きたなくて
  音頭取→大勢で唄う時に唄い始める人 唄う声は良いが
2348 4-7 
  死ぬやうな 文へ時雨の 降懸リ
  恋文に雨が 
2349 4-7 
  寒さらし 大晦日に 九十九夜
  寒さらし→寒声をからかって 大晦日→おおつごもり これが最後の練習?
2350 4-7 
  佃へ捨に わたる目ぬくひ 
  佃島の住吉神社の御利益?
2351 4-7 
  年忘 馬鹿に着たる 馬鹿の面
  着たる→きせたる 「年〴〵や猿に着せたる猿の面」 ☆芭蕉
2352 4-7 
  二階から飛ふ 梦の若さよ 
  夢でもそんなことは思わない年になってしまった 
2353 4-7 
  不断尾か出て しらぬ年の尾 
  尾か出て→やりくりが破綻 年の尾→年末 年中支払い不能でいわんや
2354 4-8 
  雲林院て うまひ湯を呑ミ 
  雲林院→うりんいん 紫野の寺 昔は桜や紅葉で有名だった 
2355 4-8 
  胡葱の 手のない中へ 竈拂 
  胡葱→あさつき 竈拂→かまばらい 月末に巫女がお祓いに 台所が忙しい時に釜祓が 
2356 4-8 
  覗かるゝのを 代脈の恥  
  代脈→代診 心配顔で覗き込まれる  
2357 4-8 
  押への口に 言足らぬ寺  
  押へ→あとおさえ 大名行列の最後尾の供 何の行列が訊かれたら答える役 情報不足
2358 4-8 
  おろかな事て 更る古御所  
  古御所→将門が下総相馬に内裏を作った?  
2359 4-8 
  志賀てハさます あまごい・の欲  
  さます→醒す あまごい・→あまごい 志賀は唐崎の夜の雨があるので雨乞い不要 
2360 4-8 
  長枕 夜着に仕懸ハ なかり鳧 
  仕懸→しかけ 鳧→けり 共寝用の長枕にも夜着にも特別の仕掛けはないのに何故か
2361 4-8 
  関守の うこかぬ皃に 灯かとほり 
  短日で関守のしかめ面にも灯が  
2362 4-8 
  気に入たかと たゝく仲人  
  お見合いの後  
2363 4-8 
  御門より 内ハ妾の たなこゝろ 
  お屋敷の中はすでに妾の掌中 
2364 4-8 
  いんきんに出す 馬方の脈 
  滅多に医者にかからないので緊張 
2365 4-8 
  恨くさ 引ツ付く程に かしこまり 
  恨くさ→恨み草 葛 平身低頭しているが心中では恨みが 
2366 4-8 
  みとり子を うまく喰ふたる 蚊をとらへ 
  赤子にかわって敵討ち 
2367 4-8 
  つふれ揚屋に 飛梅・の穴 
  遊郭がつぶれて 庭の梅の木まで持っていかれた? 
2368 4-8 
  山伏の またも怖きハ 女房也 
  またも→またしても? 以前何かが憑いた時 山伏に折伏された?
2369 4-8 
  師走を啼て 驚す鶯 
  驚す→おどす 驚かす 季節はずれ? 
2370 4-8 
  蔵と言れて くつとする聟 
  蔵→蔵に押し込めるぞ? 子供じゃあるまいし 
2371 4-8 
  投出した 皃新らしき 角力取 
  皃→顔 得意満面 
2372 4-9 
  兜巾の下の 痒き新弟子 
  兜巾→ときん 山伏の被り物 まだ被り慣れないので痒い 
2373 4-9 
  薙刀ハ 刃物の中の 女形 
  江戸時代にはもっばら婦人の武具とされた 
2374 4-9 
  聟か通ると 内かから物 
  から物→空物 空っぼ みんな見に出て来る 
2375 4-9 
  留守に生れて かるい名を付 
  夫が旅に出ている間に出産 故事とかからではなくよくある名前を 
2376 4-9 
  帆の際を 沖の時雨の 晴はしめ 
  沖の船の帆に日が当たる 
2377 4-9 
  日ころの願ひ 極月に死 
  極月→ごくげつ 十二月 数え年なので帳尻があう? 借金返さなくて済む?
2378 4-9 
  櫛箱の 底の淋しき 手くらかり 
  櫛箱→櫛など髪を結う道具を入れる箱 
2379 4-9 
  月夜烏の 引言に成 
  引言→ひきごと 引用句 闇夜の烏ならぬ月夜の烏 灯にうかれて出て行く 
2380 4-9 
  年忘 かせ・く息子か 邪广に成 
  かせ・く→かせぐ 邪广→邪魔 忘年会で隠居親父は大騒ぎ 
2381 4-9 
  能云ふ人ハ 稀な極月 
  能→効能 極月→十二月 誰にとっても厄介な月 
2382 4-9 
  車ハやれて 淀の水無月 
  車→淀の水車 桂川と宇治川の合流点付近にあった 水無月→陰暦六月 渇水
2383 4-9 
  七の字と 他人てハなし 十文字 
  十の字の尻を曲げれば七 「十の尻を曲げる」→質の隠語☆俳説ことわざ辞典
2384 4-9 
  寄る斗 引く事のない 年の浪 
  斗→ばかり そのとおりで 
2385 4-9 
  書く事か ならて向ふに 恥かなし 
  文にも書けない事なので 先方に恥をかかせられず悔しい? 
2386 4-9 
  男さかりの 女坂ゆく 
  女坂→傾斜の緩い方の坂 おとなしい人 
2387 4-9 
  娘自慢の とろほうに逢  
  箱入り娘に虫が  
2388 4-9 
  夫か先へ 起て立ツ家  
  夫が働き者で家が建つ  
2389 4-9 
  木辻を誉る 京の勘当  
  木辻→きつじ 奈良の遊郭 奈良まで遠征する勘当息子 
2390 4-10 
  船のかるたの 夜ハ四十刻  
  四十刻→しじゅうこく 一日を百刻として夏至は昼六十刻夜四十刻 夏の短夜の夜船 始終漕ぐの洒落?居眠り?
2391 4-10 
  銭やれハ うしろ姿を いたゝきて 
  物貰い  
2392 4-10 
  二十余年を 琵琶に乗せられ  
  平家物語 平家の全盛と滅亡  
2393 4-10 
  人身御供に 村中か惚れ  
  評判の器量良し  
2394 4-10 
  たまかして 銭遣ハせる 司召 
  司召→つかさめし 除目 便乗する連中多し 
2395 4-10 
  女房か なくて屏風も なかりけり 
  長屋の夫婦者は屏風が要るが 
2396 4-10 
  一もみもんて 大坂て産む 
  一もみもんて→一紛糾して 三十石夜船で産気づいた? 事情で大坂でお産? 
2397 4-10 
  ふつと言ふ名の あたる出女 
  出女→宿場の遊女 似たような源氏名で適当に言ったら当たった 
2398 4-10 
  雪の戸に 帯をほといて 突出され 
  小僧の寝小便? 
2399 4-10 
  須广や明石を 書置の骨 
  須广→須磨 骨→中心 最も重要な所 源氏物語を引用?
2400 4-10 
  ちろりにて 心安きを さかなにて 
  ちろり→酒を燗する器 
2401 4-10 
  入歯してから 口もからくり 
  サイボーグの元祖 
2402 4-10 
  溜息を する女房は うたかハれ 
  言われぬ悩み 
2403 4-10 
  乞食めと 心てねめて 京を出ル
  ねめて→睨んで 憎んで 京の人は吝嗇?
2404 4-10 
  双六の 戻る箱根に 髪かとけ
  道中双六で箱根で止まるのは「御関所手形を忘れ江戸へ帰る」という振り出しに戻る目なのでショック ☆解釈と観賞臨時増刊号「川柳江戸の遊び」
2405 4-10 
  かハゆかられの 憎かられもの 
  可愛がられすぎると憎まれることも 
2406 4-10 
  狸を驚す 寺の大鍋 
  驚す→おどず 狸汁にされそう 
2407 4-10 
  棒ほとに 師匠の咄 はたらかす
  針の師匠が針小棒大に話すのを皆信じない? 
2408 4-11 
  柳か銭に 成と元日 
  柳の枝に餅をつけ餅花にし正月の神棚に供える 柳を年末に買う?
2409 4-11 
  みそれにも 雪にも黒い 小袖着て
  吉原のひやかし? 吉原は黒仕立が良いという 
2410 4-11 
  びつしよりぬれた うへか念仏 
  濡れてしまっての雨宿り 
2411 4-11 
  悪るかたく突く 棒ハ下戸也 
  棒突→辻番所の番人など棒を持って警備する人 上戸と違い袖の下が効かん?
2412 4-11 
  語リに来ませ 瓢這ふ門 
  「訪ひ来ませ杉たてる門」 古今集 能の三輪の文句取り
2413 4-11 
  鶏か啼ても おれか世の中 
  朝帰りも平気な道楽息子 
2414 4-11 
  明星に 追おろされし 凧
  凧→いかのぼり たこ 暗くなって凧を下ろす
2415 4-11 
  侍の名に あきるさむらい 
  諸事を主人に取次ぐ奏者? 
2416 4-11 
  姉の物着て つんとした皃 
  皃→顔 妹の背伸び 
2417 4-11 
  茶碗を投て 立腹を居る 
  夫婦喧嘩 
2418 4-11 
  舟の寐覚の 足の佗言 
  佗言→わびごと 三十石船の雑魚寝 こんなとこに足が 
2419 4-11 
  供の女の 息杖を待 
  息杖→いきづえ お駕篭が一寸止まらないかな 疲れた 
2420 4-11 
  走知恵 おとこの智恵の 上を行 
  走知恵→はしりぢえ 早のみこみの浅はかな知恵 女の直感の勝ち
2421 4-11 
  風薫る 小夜着も足の 置所 
  風薫る→初夏のさわやかな風 小夜着→こよぎ 掻巻 足を出す?
2422 4-11 
  けいせいと 言ふてハ腹を 立せけり 
  花魁をわざと傾城と呼んで怒らせる 
2423 4-11 
  坐元の蔵を 誉るまほろし 
  坐元→興行主 景気良さそうだが本当は苦しいのかも 
2424 4-11 
  書く文の 耳にハ雪の 音を聞 
  ☆そのまんまか 
2425 4-11 
  上方を 見て死たいに 聞飽て 
  年寄りの繰り言 
2426 4-12 
  恋煩ひを 味噌汁てせめ 
  もっと食べないと 
2427 4-12 
  慾にはなれて 賑な家 
  平凡だが幸せな家庭? 気前が良い家? 
2428 4-12 
  舟路のちから 目にあたる物 
  陸や島影が見えれば安全? 
2429 4-12 
  七種も 近くて聞けは 銭の音 
  七種→ななくさ 薺売りから安く買う 薺を叩く音は大きいが 
2430 4-12 
  岩ひはハ 二葉からはや 年か寄 
  岩ひは→岩檜葉 シダの類 縮れている? 
2431 4-12 
  髭を命と 都へハ出す 
  出す→でず? ??? 
2432 4-12 
  角入て 浦の苫屋と 也にけり 
  角入て→男子が十四歳になり 角入髪にする 浦の苫屋→ 定家の歌から淋しく見える意
2433 4-12 
  九重て みすみす・入らぬ 糸を買 
  宮中では自分で糸を使う事はないが 七夕の願の糸で竹に七筋の糸をかける 
2434 4-12 
  新し椀に 顔を慰む 
  顔を映してみる 
2435 4-12 
  気のぬるき事 うとんより猶 
  ぬるい→軟弱 不熱心 
2436 4-12 
  汐汲ともの 順に道艸 
  同じ道筋を通る? 
2437 4-12 
  衣を脱と 人にかたるな 
  中宿で医者に化けて僧が登楼 「名に愛でて折れるばかりぞ女郎花我落ちにきとひとにかたるな」 ☆遍昭
2438 4-12 
  顔と皃 堅ひ咄に 黄昏る
  男女が真面目な話で日が暮れる 
2439 4-12 
  のれんさへ しのふ時にハ 音かする
  音を立てたくない時には 些細な音も気になる 
2440 4-12 
  呵られてから 思ひつく梦 
  寝小便の言い訳? 
2441 4-12 
  初雪ハ 降そこないも 酒に成
  降りそうなだけでも酒の言訳 
2442 4-12 
  懐へ 文の喧嘩・の 手か這入
  その文を見せて頂戴 
2443 4-12 
  二度めハ隠居 しての開帳 
  何十年ぶりかの御開帳 前の開帳の時はまだ若かった 
2444 4-13 
  植木屋に 植られて居る 石燈篭
  植木屋が据えていると木を植えているよう 
2445 4-13 
  売られて行も 旅立のうち 
  塞翁が馬 
2446 4-13 
  松明のゆく 山に鳥の音 
  深山を行くと鳥が飛び立つ 
2447 4-13 
  臼造り 凩よりハ きついもの
  木枯らしは葉を落とすだけ 臼造り職人は木を切り倒す 
2448 4-13 
  二日匂ひに 飽る鼻紙 
  ??? 
2449 4-13 
  一痩やせて 叶ふ大願 
  断ち物をし神経も使って やっと大願成就 
2450 4-13 
  堅り法華 言懸リなり 
  堅り法華→かたまりぼっけ 法華宗に凝り固まった信者 
2451 4-13 
  鼻ハ崩れて いなの笹原 
  有馬温泉で花柳病の湯治 有馬山の猪名の笹原は歌枕 猪名といないをかけた? 
2452 4-13 
  頼政も 射てから後ハ 人頼ミ 
  源三位頼政の鵺退治 とどめは家来の猪早太が 
2453 4-13 
  還俗を して袖口を 振ツて見る 
  松ヶ岡帰り?  
2454 4-13 
  料理人 是はつかりハ 仕そこない 
  料理人の言い訳?  
2455 4-13 
  うかんた気にて 戻る谷汲 
  谷汲→たにぐみ 谷汲山華厳寺 西国三十三カ所巡りの満願札所
2456 4-13 
  三ツのうち 目も歯もよくて 哀也 
  歯目なんとか☆俳説ことわざ辞典 老年となり
2457 4-13 
  三味線の 届かぬ所へ 口を明 
  喉に魚骨をかけた時 三味線の撥で喉をなでると治るというが それも駄目で 
2458 4-13 
  状を見て 火を吹やうな 皃をする 
  状→手紙 火を吹やうな→口を尖らせる 高い請求書? 勘当? 
2459 4-13 
  仮橋の 笊の目をもる 小侍
  仮橋→まにあわせの仮の橋 笊→代金を受け取る笊? 小侍→武家に奉公した少年侍
2460 4-13 
  二代めに 成と牡丹の つき上リ
  つき上リ→つけ上りに同じ 増長する 牡丹→富貴草といい富家の庭に咲くという
2461 4-13 
  時明リ 旅の心を なくさめる
  時明リ→雨天の時に雲が 薄らいで明るくなること 川止め?
2462 4-14 
  ほうろく割た 翌か大雨 
  焙烙を割る→焙烙をかぶって互いに打ち合う遊戯 翌→あす 焙烙屋が来ると雨が降る☆諺☆俳説ことわざ辞典 焙烙が沢山割れたので
2463 4-14 
  歩行ぬ舟を 三味線て引 
  三味線の調子くらいにゆっくり進む舟遊びの舟? 
2464 4-14 
  重手代 俵のうへに 畏り
  重手代→おもてだい 番頭の下の主立った手代 ???
2465 4-14 
  猫の恋 最う飽か来て ほとゝきす
  猫の恋→春の季語 ほとゝぎす→夏の季語 
2466 4-14 
  その時ハ 熱て言ふたに 末の松
  末の松→末の松山 歌枕 他の人に心を移さないこと うわ言の恋の願いが現実に
2467 4-14 
  伽羅のあふらの かへる光陰 
  伽羅のあふら→京都室町の髭の久吉が売った鬢付け油 年月がたって変質する 
2468 4-14 
  音頭の扇 鼻息てぬれ 
  鼻に扇を当てて音頭を取る? 
2469 4-14 
  滝にうたれて すつと聟入 
  悟って婿入りを決意? 
2470 4-14 
  十五の禿 よく梦を見る 
  もうすぐ新造にならなくてはならない? 
2471 4-14 
  五十余リか ほんの関守 
  ほんの→本当の 関守にふさわしい年齢 諸事万端人情にも精通し 
2472 4-14 
  棒突の 反リハ腹から 上の物 
  警固番人が威張っている 
2473 4-14 
  日蓮の 天窓ハ古し 神無月 
  天窓→あたま 日蓮は旧暦十月十三日没 
2474 4-14 
  二階から 心の所へ 咳をする 
  二階から思う人へ合図  
2475 4-14 
  訳を咄せは 長いわたし場 
  渡し船を待つ間長い身の上話を 
2476 4-14 
  竹馬を 止ると聟の 名か付て 
  竹馬にのらなくなった年頃で もう許嫁の聟に 
2477 4-14 
  請状の 少し早いて 年おとこ 
  請状→奉公人の身元引受証 同い年だが奉公に入ったのが早い方が年男の役を 
2478 4-14 
  うき名か立て 乗物て来 
  乗物→引き戸のある駕篭 顔がみられない 身請? 
2479 4-14 
  旅ハ捨物 鑓の跡先 
  鑓→やり 大名行列の前後では旅もつまらなくなる 
2480 4-15 
  忘れてハ そく飯のへらぬ 置所 
  そく飯→そくい 飯粒を潰して作った糊 作っておいても使う時には仕舞場所を忘れて
2481 4-15 
  怖い異見も 聞て居るうち 
  喉もと過ぎれば熱さを忘れ  
2482 4-15 
  千草も少 残る袖下 
  少→すこし 服に草が付くようなこと 
2483 4-15 
  美しく夜の 明る皃見せ 
  皃見せ→十一月の顔見世興行 劇場の前には蒸篭などの積物が沢山
2484 4-15 
  膳へも蠏の 上る掛川 
  蠏→かに ??? 
2485 4-15 
  媒に 頼んた顔の 何喰す
  媒→なかだち 仲人 当人同士の合意は出来ていて
2486 4-15 
  小夜千鳥 氷のうへの こほれ物
  氷上に千鳥が点在する様 
2487 4-15 
  帯をする間の 艸にふろ敷 
  野遊びで風呂敷を草に敷いて 帯を〆直す 
2488 4-15 
  艸臥た時 おもひ出す恩 
  艸臥た→くたびれた 旅先で疲れた時 昔うけた恩をふと思い出す
2489 4-15 
  朝霜に 早い大工の 茶をすゝり
  早起きの大工が仕事前にもう現場に来て居る 
2490 4-15 
  朝皃に 今帰つたか かしわもち
  かしわもち→一枚の布団にくるまって寝る 独り者の朝帰り 
2491 4-15 
  煩ふ形の 見へぬ病葉 
  病葉→わくらば 虫害などで夏に紅葉し朽ちた葉 寝てはいない 
2492 4-15 
  平元結 一日つゝの 〆りあり 
  平元結→ひらもとい 幅広の元結 〆り→しまり その日その日の〆心地?
2493 4-15 
  材木買に 智職逗留 
  智職→智識 徳の高い僧 寺普請のための買い付け 俗事に聖人が 
2494 4-15 
  誕生のころ ほとゝきす比 
  比→ころ 灌仏会のころ 
2495 4-15 
  役者の荷物 はつ雪か降 
  初雪の頃顔見世興行に旅立つ  
2496 4-15 
  世の中を 忘れたやうな かや・の中 
  かや・→かや 蚊帳の中は別世界 
2497 4-15 
  寒そうに 鼠の覗く からけ銭 
  からけ銭→からけせん まとめてくくった銭 
2498 4-16 
  眠たかる 鷺に田植の 笠か行 
  眠そうにみえる鷺と早乙女 
2499 4-16 
  奢る妾の 幟見て居る 
  幟→のぼり 男児を産んで五月幟 
2500 4-16 
  若後家の 草臥て居る 泉岳寺 
  草臥て→くたびれて 赤穂浪士の後家の墓参り? 
2501 4-16 
  悋気して 仕当る事も 二つ三つ 
  仕当る→しあてる 成功する 悋気のおかげで却ってうまくいったことが
2502 4-16 
  神の前 小言のやうに 伏拝み 
  ブツブツ 
2503 4-16 
  質屋を拝む 恋の黄昏 
  恋のために持っている物を質入れ 逃避行? 
2504 4-16 
  山椒ハ 皮をへかれて 郭公 
  山椒の皮剥ぐ→春の季語 佃煮にする 郭公→ほととぎす 
2505 4-16 
  翠簾から声の かゝる出遣い 
  翠簾→みす 出遣い→姿を見せて操る人形遣い 宮中へ召された? あるいは芝居小屋の上席から?
2506 4-16 
  麓寺 ちひりちひり・と 立田姫 
  麓寺→ふもとでら 立田姫→秋の神 少しづつ紅葉
2507 4-16 
  虚無僧の 日和程つゝ 反リか来
  天気がよいと姿勢が良くなる 
2508 4-16 
  しら鷺ハ 五位鷺よりも 暮残
  暮残→日没後明るさが残る 白鷺の方が白い 
2509 4-16 
  溜るとハ 小判を殺す 道理也
  金は使ってこそ 
2510 4-16 
  腹のたつ 時ハやたらに 蚊屋を釣
  ふて寝 
2511 4-16 
  我思ひ せめて楽屋を 通る也
  せめて贔屓役者の楽屋の前を 
2512 4-16 
  無言て猪牙の 通る水門 
  お忍びでお屋敷から吉原へ? 
2513 4-16 
  這う子見て居る 四月朔日 
  四月朔日→衣更 衣が軽くなって這いやすい? 
2514 4-16 
  蓴菜の 切口清き 秋の風
  蓴菜→じゅんさい 若芽は夏 食用にする 秋になり切り口も硬い?
2515 4-16 
  わつかな慾に まよふ宝引 
  宝引→ほうびき 紐の先に賞品がついているくじ引き 
2516 4-17 
  献立ハ 雨に喰れて 大欠ひ 
  欠ひ→あくび 花見の弁当が無駄に 
2517 4-17 
  朝皃の 隣へみんな 惚て行 
  いい女が? 
2518 4-17 
  四十へ飛ふハ はやい一年 
  すぐ年をとる 
2519 4-17 
  隠し課せた 夜着の書出し 
  課せた→おおせた 夜着→吉原の花魁に贈る三布団か 書出し→請求書
2520 4-17 
  真ン中くほむ 鉦の光陰 
  長年の叩き鉦で 
2521 4-17 
  柄杓へ投る 人も参宮 
  柄杓→ひしゃく 伊勢への抜け参りは柄杓で施しを受ける 
2522 4-17 
  行春の 限りしられて 乾頭膾 
  乾頭膾→ひずなます 鮭の頭の軟骨を薄切りにした膾 秋の季語だが?
2523 4-17 
  妾もつれて 老にけらしな 
  妾と一緒に年を取り 
2524 4-17 
  乳母の口から 鴛といふ中 
  鴛→おし おしどり 子が成長して若夫婦に? 
2525 4-17 
  前鬼か妻も 人殺しなり 
  前鬼→疝気?男の下腹部の病 あるいは役の行者の従者前鬼後鬼夫婦? 
2526 4-17 
  尾長鳥 窓にもたれて 振薬 
  尾長鳥→鳴くと雨が降る 振薬→ふりぐすり 振出薬の風邪薬
2527 4-17 
  高野聖の 晴れた大口 
  大口→大げさなことを言う? 
2528 4-17 
  鼓うち 行衛もしらぬ 口を吸 
  行衛→ゆくえ 衆道か 
2529 4-17 
  瘧あけくの 青い明ほの 
  マラリアの発熱明け ぐったり 
2530 4-17 
  おもしろい 恋かいつしか 凄く成 
  深みにはまる 
2531 4-17 
  よい事に 追ハへられてハ 酒に酔
  慶事続きで宴会続ぎ 
2532 4-17 
  女をひとり 遣う桑門 
  桑門→そうもん 僧侶 大黒
2533 4-17 
  青田に惚れて 新造を買 
  青田→経産婦 守備範囲が広い あるいは新しい田?
2534 4-18 
  起ても弥陀と 庵に二人 
  庵に独り住み仏道三昧 
2535 4-18 
  御不快の それとしれるハ 御物好
  御物→おもの 貴人の食物 好き嫌いで妊娠とわかる?
2536 4-18 
  一寸の 先ハあやなし 紅襦袢
  あやない→不条理な 紅襦袢→もみじゅばん 「一寸先は闇」☆諺をきかす☆俳説ことわざ辞典
2537 4-18 
  槙の戸を 時雨て通ふ 母の息
  槙の戸→草庵? 時雨る夜に母を憶う? 
2538 4-18 
  毒な所も 守る住よし 
  住よし→摂津住吉大社 堺の乳守の遊女が御田植え 神事の植え女を
2539 4-18 
  麦畑の 猶々・書に 豆を蒔
  猶々・書→なおなおがき 手紙の行間などに書き足す 麦の間に豆を
2540 4-18 
  見ると詠ハ 違ふことの葉 
  詠→ながめ 歌枕に実際行ってみると
2541 4-18 
  食傷の 笑ひ納めハ 年忘れ
  食傷→食べ過ぎていやになること 食中毒
2542 4-18 
  川留に 足の淋しき 供廻リ
  供廻リ→供の人々 手持ち無沙汰 
2543 4-18 
  師走の飛脚 長ひ脇さし 
  決算期なので道中の用心 
2544 4-18 
  約束に 砂糖のやうな 返事来
  甘い返事が 
2545 4-18 
  借し方くるみ 須广の逗留 
  須广→須磨 ??? 
2546 4-18 
  笑た人へ たのむ綻ひ 
  独り者が笑ったおかみさんに繕いを頼む 
2547 4-18 
  扇の芝の 細工過たり 
  扇の芝→平等院にある三角形の芝 源頼政が軍扇を前に自刃した
2548 4-18 
  かくし町 つふれて寒き 赤蜻蛉 
  かくし町→私娼窟 
2549 4-18 
  殊勝な顔を 見せる蜂の子 
  蜂の子→僧侶の托鉢の鉄鉢 お布施をする人の顔 
2550 4-18 
  面ラ出しの ならぬ月日を 過て行 
  義理を欠いたまま 
2551 4-18 
  御内儀の 顔へ肴を 突つける 
  魚売り 新鮮に決まってるだろ 
2552 4-19 
  誉らるゝ 男の金ハ はやく減 
  気前が良すぎて 
2553 4-19 
  年明の うまい言葉に 丸裸 
  年季が明けたらお前さんの女房に などとだまされる 
2554 4-19 
  寐姿見せて 岸を漕く舟 
  吉原から帰る猪牙舟 客は寝ている 
2555 4-19 
  隣のむす子 やかて人参 
  姿を見ないと思ったら労咳 人参は労咳によく使われた 
2556 4-19 
  二階の咄 しんはりて突く 
  しんはり→心張棒 戸締まり用のつっかえ棒 うるさい 
2557 4-19 
  ちからか有て 下卑た若殿 
  若殿は優男の方が  
2558 4-19 
  旅の節句の 痒い月代 
  旅先では節句も何もない 月代が伸びてきて痒い 
2559 4-19 
  人参か 有て思ぬ 弓を引 
  人参で元気回復?  
2560 4-19 
  年切の 柿・にあるしの 艸枕 
  年切→としぎり 樹木が年によって実を結ばないこと 柿・→柿 主は旅で世話できず
2561 4-19 
  大津まて来て 蘇生る人 
  蘇生る→よみがえる 東海道次はとうとう三條大橋 
2562 4-19 
  はたちの後家の 心にハ聟 
  操をたてる あるいはもう喪があけた? 
2563 4-19 
  千両箱に 手こたへハなし 
  千両出せば何事もあっけないもの? 
2564 4-19 
  南になつて 妻の鉢巻 
  南風に当たって頭痛がする?  
2565 4-19 
  元結こき 若菜の上を 飛て行 
  元結こき→もといこき 元結製造 行き来が速い? 若菜→春先に生える蔬菜 
2566 4-19 
  目の明く度に 淀の人聲 
  淀川の三十石夜船で寝られん  
2567 4-19 
  成人を すれハ女て 蔵か立 
  玉の輿?  
2568 4-19 
  建立佛に 付る鶤 
  鶤→とうまる しゃも 新造の仏像に唐丸籠をかぶせる? 放生の鶏を付ける? 大仏制作の足場を籠に見立て?
2569 4-19 
  薮入過の 広い台所 
  台所→だいどこ 薮入の子も奉公先に戻って賑やかだった台所も淋しく 
2570 4-20 
  しのふ艸 夜着の上から うなされる 
  夜這  
2571 4-20 
  紫の 天窓を廻る 十八寺 
  紫→紫衣 高僧の衣 天窓→あたま 十八檀林
2572 4-20 
  時鳥 積るうらみを 飲て見せ 
  啼いて血を吐くような恨みで酒を呑む? 
2573 4-20 
  聟に来て 思ひの外の 鳥甲 
  鳥甲→とりかぶと 舞楽の被りもの ??? 
2574 4-20 
  峯てうつ火ハ 紅の蹴廻し 
  紅の蹴廻し→もみのけまわし 赤い布のはかまの裾口 麓が紅葉した山の山伏? 
2575 4-20 
  艸の戸や しらへハ帯に 成にけり 
  しらへ→しらべ 調の緒 鼓の調子をとるための紐 零落して鼓の紐も帯に 
2576 4-20 
  薮入を 送た跡に 鏡立 
  薮入りの娘が奉公先に戻ったあとに鏡が出しっ放しに 
2577 4-20 
  旅衣 うまく寐る夜ハ なかりけり 
  旅寝はやはり疲れる  
2578 4-20 
  むつと気に 千両箱の運か尽 
  むつと気→むっとぎ 急に腹をたてること 癪にさわって大散財? 
2579 4-20 
  酒屋の数を 呑んた巡礼  
  泊まるたびに酒を呑んだ?  
2580 4-20 
  抱付て 翌恥かしき 後影 
  昨日は思いあまって抱きついたが今朝になってみると  
2581 4-20 
  欠して居る 痳病の供  
  欠→あくび 痳病→淋病 排尿に時間がかかる 
2582 4-20 
  三ヶ日 顔を見ぬ物 唐からし 
  三ヶ日→正月三箇日 香辛類を忌んだ?  
2583 4-20 
  寐て年を 聞ぬ程にそ 成に鳧 
  鳧→けり お相手に  
2584 4-20 
  ぬれた鼠を つかむ 魂・棚 
  魂・棚→霊棚 たまだな 盂蘭盆の位牌や供え物を載せる棚 手向水や花が供えられ
2585 4-20 
  合鏡に 三ツある顔  
  合鏡→あわせかがみ ☆そのまんま  
2586 4-20 
  よい中見れハ 死ぬ人か損  
  死ぬ者貧乏☆俳説ことわざ辞典 後家の再婚とか
2587 4-20 
  浪人に 成て目のつく 青によろり 
  青によろり→あおにょろり 青桐の異名☆国大 鳳凰のとまる桐 豊臣を示す 豊臣の家臣片桐且元が桐の葉の落ちるのを見て家の衰退を予見 
2588 4-21 
  ふる雪を 口に入れんと 反リ返り 
  ☆そのまんま 
2589 4-21 
  いきいき・とした 後家ハ憎れ 
  ☆そのまんま 
2590 4-21 
  根を聞は 独ころひの 墨衣 
  根→原因 聞は→きけば ころひ→改宗? 
2591 4-21 
  舟から誉る 瞽女の傘 
  用意がいい? 
2592 4-21 
  押詰るほと 妻の名言 
  掛け取りの来る大晦日が近づき 
2593 4-21 
  君か姿の 掛物に反リ 
  君→主君? 遊女? 掛物→掛け軸 反り返って見上げる
2594 4-21 
  寒聲に ふるひか来れハ 鶏か鳴 
  寒聲→冬の夜屋外でする音曲の稽古 
2595 4-21 
  玉川の 一ツは悪く 言れたり 
  高野の玉川は毒水といわれる  
2596 4-21 
  夕薬師 傘も八本 売日也 
  夕薬師→茅場町の薬師 八日と十二日が縁日 茅場町は傘が名産で門前で売る 
2597 4-21 
  大盗人を 七まとひまく 
  七まとひまく→道成寺の鐘の蛇の巻き方の文句取 ぐるぐる巻きに縛る 
2598 4-21 
  持仏てためす 後の女房 
  持仏→仏壇 仏壇を拝むかどうかで後妻の人柄を試す 
2599 4-21 
  旅の留守 うつふけに成 癖か付キ 
  安らかに寝られない  
2600 4-21 
  羽折着て 請状に行 御垣守 
  御垣守→みかきもり 宮中の衛士 請状にいく→人の請人に立つ 日頃は白狩衣
2601 4-21 
  筆に成ても 鹿のいたつら 
  鹿毛の筆は毛が折れやすい? 鹿巻筆という筆を遊女が使ったという? 
2602 4-21 
  牡丹を見ても やりて暑かる 
  太って暑がりの遣り手 春に牡丹が咲くと夏も近く 
2603 4-21 
  不孝ハ内の 行燈を見す 
  放蕩息子は吉原の行灯を 
2604 4-21 
  うまひ名の 葉に残たる 八重葎 
  八重葎といえば趣きがあるが 実は雑草 
2605 4-21 
  大黒の 愛相尽て 年暮ぬ 
  今年も福の神に見放されて大晦日 年の市で盗んだ大黒も効かず
2606 4-22 
  五十以上の 伽な雪折 
  雪折の音で風流を感じ無聊を慰める年齢 
2607 4-22 
  枩に灯先の あたる関の戸 
  枩→松 灯先→ほさき 関の戸→関所 関所の灯が松に
2608 4-22 
  手を合わせても 何所をふく風 
  不人情な奴 
2609 4-22 
  下加茂の 戸に四ツ五ツ 餅の跡 
  下加茂神社 暮れにお供え餅を搗いて置いた跡が戸板に残っている 
2610 4-22 
  卯の花か 咲てさくらハ 闇になり 
  季節は春から初夏へ 桜は葉が茂って木の下闇に 
2611 4-22 
  内てハ人の 誉ぬ吸口 
  吸口→吸い物に浮かべて芳香を添える柚子や木の芽など 外で御馳走になった時は誉めるが 家庭ではもったいない
2612 4-22 
  六郷様と はかりおほへる 
  六郷様→六郷兵庫頭の御屋敷 通称六郷様と言われる 浅草観音と吉原の間に六郷様のお屋敷があり目印になる 
2613 4-22 
  戸板へあたる かりそめの意趣 
  意趣→遺恨 復讐 婚礼の夜石を投げる風習 
2614 4-22 
  うかいに手間の とれる浪人 
  うかい→うがい 洗面の水を運ぶ使用人もなし 
2615 4-22 
  もとの坐敷へ 弾なから来 
  別の座敷にいっていた芸者が 三味線を弾きながら戻ってくる 
2616 4-22 
  膝へ入日の たまる乗掛 
  乗掛→馬の両側に明荷を渡し布団を敷いて乗ること 夕方の街道の情景 
2617 4-22 
  仲人へ 次第に細き 付け届 
  だんだん疎遠に 
2618 4-22 
  棒つかい 心斗の 水車 
  棒をくるくる廻して技の片鱗をみせる棒術家 
2619 4-22 
  よろいのわたし 手習子乗ル 
  鎧の渡し→日本橋小網町の日本橋川に架かる鎧橋付近にあった渡船場 日本橋音羽町の中与兵衛という有名な寺子屋に通う
2620 4-22 
  妾とまてハ あてる手の筋 
  手の筋→手相 それは姿や仕草でわかるので 
2621 4-22 
  行先に 夕めし有て 旅衣 
  さあ宿に着いたら夕飯だ 
2622 4-22 
  辻番ハ 南へ向て 老にけり 
  辻番→武家屋敷町の辻の見張り番所の番人 日当りが良い辻番所の老番人 辻番は経費の安い老人も多い
2623 4-23 
  戻る巫女の 人に見らるゝ 
  巫女→いちこ 口寄せの巫女 売色をする者もいたという 
2624 4-23 
  指先へ来る 晴天の塔 
  遠くの塔を指先にのせてみる  
2625 4-23 
  田楽法師 くらいちらかす 
  ☆そのまんまか  
2626 4-23 
  人に隠して 口て七種 
  七種→ななくさ 七草粥で七種の囃しを唄いながら七草を叩くが 恥ずかしいので小声で
2627 4-23 
  柱暦ハ 安い一年 
  四文と安上がりで一年役立つ  
2628 4-23 
  蠅とり蜘を 見出す手枕 
  昼寝の暇人が蜘蛛を観察  
2629 4-23 
  勘略の 嫌らいな顔の 美しき 
  勘略→倹約すること 殿のお妾が倹約の敵 
2630 4-23 
  高聲をして 見たる還俗 
  開放感  
2631 4-23 
  細工か利て あつい六月 
  ???  
2632 4-23 
  竹の子売の 誉る開帳 
  出開帳の人出に竹の子を売る 
2633 4-23 
  追付ぬ 皃に成たる 薬喰 
  肉を食べ過ぎて変な顔に? あるいはすでに痩せおとろえて?
2634 4-23 
  寺内の樒 いんきんに買 
  寺内→寺の境内 樒→枝を仏前に供える 境内に生えている樒を頼んで分けて貰う?
2635 4-23 
  日待にも 志賀の名主ハ 詠たかり 
  日待→ひまち 徹夜して日の出を待って拝む行事 隠し芸大会になるところを志賀は名所が多いから?
2636 4-23 
  虎か背中へ かくす少長 
  少長→しょうちょう 若い者と年配の者? 唐の豊干禅師は虎の背に乗る 捨て子の拾得を拾った?
2637 4-23 
  鏡研 おのれか皃へ のし懸リ 
  鏡研ぎが鏡にのしかかるようにして研ぐ 
2638 4-23 
  最う汁碗の ひつむ衣更着 
  汁碗→汁物を盛る椀 衣更着→きさらぎ 陰暦二月 
2639 4-23 
  ほたん貰て 置所見る 
  富貴草にふさわしい置き場所を吟味? 
2640 4-23 
  扇子ひらいて ほうらいの埃 
  埃→ちり 年礼で喰積の蓬莱をばらばら扇か何かであおいで塵をはらって摘む?
2641 4-24 
  尾のない鶏も かける斎日 
  斎日→さいにち 商家の薮入 一日だけの休暇に小僧たちが鶏のように走り回って
2642 4-24 
  百両ハ 結ふの神の うらを行 
  結ふの神→ 男女の縁を取り結ぶという神 百両の持参嫁
2643 4-24 
  生酔の 帯仕直して 慾か知れ 
  生酔→なまえい 酔っばらい 酔っばらっても持ち物はなくさぬ
2644 4-24 
  顔見せの さかりの間も 廿日艸 
  廿日艸→はつかぐさ 牡丹 
2645 4-24 
  お針か仕落 棒ほとに言ふ 
  お針→娼家の裁縫女 仕落→しおち しくじり 針小棒大にいわれる
2646 4-24 
  鹿の聲 佛の道も 細い道 
  ??? 
2647 4-24 
  坊主かへりの 駄染成けり 
  坊主かへり→還俗? 駄染→だぞめ 下手な染物? 修行も中途半端?
2648 4-24 
  十二月 昼おそろしき 油売 
  師走に油をこぼすと 火に祟られるといって水を浴びせる「師走油」という俗信があった すぐに水を浴びないと火災になるという 
2649 4-24 
  木からしハ 紙子へ物を いふて行 
  紙子→安価な紙製の衣服 寒い 
2650 4-24 
  柳ても 済ぬもの也 男の子 
  ???  
2651 4-24 
  百性の賀の 真くらに焚 
  支度で暗いうちから灯火を?  
2652 4-24 
  小町か供の ぬれて手を打 
  小野小町は雨乞の歌を詠んで雨を降らせたという 
2653 4-24 
  秋袷 冬瓜のうその つき仕廻 
  冬瓜→とうが 冬瓜は結実しない徒花が多い 秋袷を着る頃冬瓜に徒花の咲くのも終わる
2654 4-24 
  給仕かあれハ 喰ぬ迷子 
  迷子→まよいご 人見知りして傍に人が居ると食べない 
2655 4-24 
  障子張 男の心 うちへ透 
  透→すき 障子張りをする男が室内に気をとられる 
2656 4-24 
  いたつらな 目ハ喰物の 外へ出る 
  お膳以外のところへ視線が  
2657 4-24 
  商売を 誉てハ辷る 物もらい 
  世辞の挙句に変なことを言ってしくじる 
2658 4-24 
  葛西の雪を さくさく・て見る 
  葛西→江戸近傍の農地 さくさく・→ざくざく汁? 菜っばと豆腐の味噌汁 田舎の雪見? 
2659 4-25 
  ちから自慢も 穀つふし也 
  力持ちだが大飯も喰う  
2660 4-25 
  献立も こゝらて聟ハ 寐ル時分 
  新郎新婦が休む時刻なので宴会もおひらき 
2661 4-25 
  さすか太夫の よい所を泣 
  浄瑠璃の太夫の名人芸  
2662 4-25 
  自剃のたらい 帰る迄有 
  自剃→じぞり 自分で髪や髭を剃ること 独り者が外出する前に剃ったが帰った時盥もそのまま
2663 4-25 
  片足の 裏を詠ん たかむしろ 
  詠ん→ながめん たかむしろ→簟 竹で編んだ夏用のむしろ 胡座をかいて涼んでいる
2664 4-25 
  朝皃に 養子の心 咲て見せ 
  朝顔も養子も早起き 
2665 4-25 
  もらハれて行 神のあてかい 
  あてがい→品物や食物などを適当に与えること 貰われていく縁も神様のはからい
2666 4-25 
  松風も 骨の出来たる 小六月 
  小六月→ころくがつ 陰暦十月 松風も木枯らしに似てくる 
2667 4-25 
  人毎に 誉るハ夏の 水車 
  人毎に→ひとごとに 涼しげな夏の風物詩 
2668 4-25 
  夜討の跡て 目へ乳をさす 
  目へ乳をさす→目にゴミが入った時の民間療法 夜討の騒ぎで目にゴミが? 
2669 4-25 
  むかしの質ハ 人間を置 
  要するに人質 
2670 4-25 
  礫のやうな うけ状か来る 
  請状→奉公人の身元引受人が雇主に渡す身元保証書 突然で一方的な? 
2671 4-25 
  文か流れて 仕廻ふ曲水 
  庭の曲水に恋文が? 
2672 4-25 
  分別を 外から助る 硯箱 
  助る→すける 手紙を書いている横から助言をする? 
2673 4-25 
  らうそく売の 遠い四阿 
  四阿→あずまや 庭の奥の東屋で灯りは不要 
2674 4-25 
  旦方の目に とまる茶宇縞 
  旦方→だんかた 檀家 茶宇縞→ちゃうじま 最上等の袴地 武士の会葬?
2675 4-25 
  泣子へ膳を すへて突袖 
  突袖→つきそで 袖の中に手を入れて袂の先を前方に突き出すこと ほれ自分で食べなさい
2676 4-25 
  我斗 はたちと思ふ 角力取 
  気は若いが知らぬ間に衰えが  
2677 4-26 
  湯たての神子を ほつかりと脊負 
  湯たて→ゆだて 釜の熱湯に笹の葉を浸して身に振りかけ神がかりになった巫女が神託を告げる ぽっかり→ぬくぬくと☆国大 脊負→しょう 失神した巫女が背負われて退場 神のついた巫女は土の上を歩くものでないともいう☆国文学解釈と観賞昭和50年2月臨時増刊号
2678 4-26  
  またぶよぶよ・と 鬼かわら出来 
  今戸の焼く前の鬼瓦 粘土で柔らかい 
2679 4-26 
  大かたしれて 居たる生霊・
  生霊・→生霊 いきりょう すぐ見当がつく
2680 4-26 
  高聲の 娘に毒ハ なかりけり 
  おちゃっびい 
2681 4-26 
  闇をつかむハ 恋のはしまり 
  恋の闇 
2682 4-26 
  人間の 霞はしめハ 寐巻より 
  眠れば朧? 
2683 4-26 
  夫婦九十の 指折に成ル 
  指折→ゆびおり 屈指の 屈指の長寿夫婦 
2684 4-26 
  蠅の命も 行々・ハ酒 
  酒に落ちて死ぬかも 
2685 4-26 
  印籠はかり 光る上人 
  上人はくすんでいる? 
2686 4-26 
  使の声の 高い青海苔 
  青海苔の進物? 安い進物を声高に 
2687 4-26 
  松魚によふて 江戸を怖かる 
  松魚→かつお 初鰹で食中毒 
2688 4-26 
  願叶ふて 凄く成ル神 
  凄い→気味が悪い 本当にご利益があって有難いが怖くもある 
2689 4-26 
  盗れた 伽羅を又聞 松の風 
  伽羅→香木 聞く→試して違いを知る 松風に伽羅の香りが漂い盗まれた伽羅を思い出す?
2690 4-26 
  けふも長閑て 青い掌 
  長閑→のどか 晴天に紺屋が染め物をする 
2691 4-26 
  手を一はいに 家鶏追込む 
  家鶏→家鴨? あひる 両手をいっばいに広げて 
2692 4-26 
  案しる事の 知れぬ関守 
  案しる→考えを廻らす 何を考えているかわからないしかめ面ばかりしている 
2693 4-26 
  狼と 真向に成て 夜か明る 
  真向→まむき 正面 送り狼 
2694 4-26 
  先の脊中へ 咄す羅漢寺 
  羅漢寺→五百羅漢寺 三匝堂で螺旋状の階段を参詣人が右回りに廻る 
2695 4-27 
  たまたま・ほこの 臼も三崎 
  三崎→さんさき 谷中の町名 ??? 
2696 4-27 
  此うら舟に 石町か鳴ル 
  石町→石町の時鐘 婚礼に時の鐘が 
2697 4-27 
  目医者の道に 憎い蝶々・ 
  病む目にちらちらする 
2698 4-27 
  吹付られて みれハ故郷 
  故郷→ふるさと 難破して岸に吹き寄せられてみるとなんとそこは故郷 
2699 4-27 
  鼻血も銭の 言ふ事を聞 
  銭が貰えれば鼻血も止まる 
2700 4-27 
  こゝろて髪を 誉る関守 
  髪の中に隠したものがないか調べる女の関所役人の人見女 きれいな髪と心では
2701 4-27 
  火箸て明る 面の魂 
  面→めん 面の目を焼け火箸で開ける 
2702 4-27 
  今上る帆の 片裄に成 
  片裄→かたゆき 着物を左右いずれかに片寄せて着ること 傾いて上がっていく帆
2703 4-27 
  辛子の紙を 重く引たて 
  かいた辛子にかぶせた紙を引きはがす様 
2704 4-27 
  枚方を 歩行ぬ代リ 蹈れけり 
  歩行ぬ→ありかぬ 蹈れ→ふまれ 三十石船が枚方で一時停留 寝ていると出入りの人に踏まれる
2705 4-27 
  言切て 出る傘の 開キ過 
  啖呵をきり威勢良く飛び出した拍子に傘がおちょこに 
2706 4-27 
  乗物へ かわりかわり・の 請こたへ 
  乗物→引き戸のついた駕篭 お供がかわるがわる返事 
2707 4-27 
  あハぬ別れの 三十日朔日 
  三十日朔日→みそかついたち 三十日と朔日は会えそうで会えない 
2708 4-27 
  髪をきられて のふのふ・とする 
  のふのふ・と→気楽になった様 吉原での不義理の制裁? 
2709 4-27 
  団扇にのせて 天瓜粉ぬる 
  天瓜粉→てんかふん 行水か入浴の後 
2710 4-27 
  異見の仕廻 洗湯へ入リ 
  ひとしきり異見が終わって あとはお互いさっばりと 
2711 4-27 
  手代ハ聟に ならんとすらむ 
  西行の文句取り? 「松はひとりにならんとすらむ」 
2712 4-27 
  上意か済と 揃う罔両 
  罔両→かげぼし 影法師 上意を聞き終え揃って平伏
2713 4-28 
  ふとんを遠く かふる汐時 
  汐時→出産の時 亭主は布団をひっかぶって 
2714 4-28 
  夫婦か剃て 子ハ牡丹也 
  ??? 
2715 4-28 
  煩ふ馬の 面へ松明 
  馬の元気を見ようと 
2716 4-28 
  竹田か顔を 物凄く見ル 
  竹田→竹田近江の創始したからくり人形芝居 人形の顔が不気味
2717 4-28 
  二日めに 雨たれを見る 神無月
  神無月は時雨月ともいう 
2718 4-28 
  取つて十九に 母の断物 
  断物→たちもの 茶断ちとか 娘が厄年
2719 4-28 
  跡先を見て 参る瘡守 
  瘡守→かさもり 瘡守稲荷 谷中感応寺裏笠森稲荷のこと 梅毒に霊験あらたかという あたりを見回してから参詣 
2720 4-28 
  台所 御の字かつくも 女也 
  御台所は将軍の正室  
2721 4-28 
  うき人形の 手のひらを漕  
  うき人形→花火や樟脳をつけて水上を走る人形 小舟を漕ぐのもあったらしい☆嬉遊笑覧 
2722 4-28 
  六枚書て 跡ハ口先  
  七枚起請 牛王の御符を七枚継ぎ合わせ裏に誓いを書く 起請文書き本当に七枚書けば神罰が怖い☆武玉川を歩む
2723 4-28 
  淡の消るを 伽に盃  
  淡→あわ 泡? 伽→傍について看護や話し相手をすること 酒の泡が消えるのを眺めながら独酌?
2724 4-28 
  凩の 向ふへ廻る 供廻り 
  凩→こがらし 供廻り→ともまわり 供の人々 お供が向かい風の中を行く 
2725 4-28 
  水の来るうち 寒い居風呂  
  居風呂→すえふろ 風呂桶でわかす風呂 熱い湯をうめる水を裸で待つ 
2726 4-28 
  夜の酢買に ことハ教へる  
  酢は産婦の気付けに使う 夜中酒屋を起こして買うので お使いに理由の言い方を 
2727 4-28 
  そつちて撞と くれる龍宮  
  撞と→つけと 俵藤太は竜宮で大鐘を貰った  
2728 4-28 
  新田以来 笛か届かぬ  
  新しく開墾した田が村から遠い?  
2729 4-28 
  請状に 皃の居らぬ かゝみ立 
  請状→奉公人の身元引受証 居らぬ→すわらぬ かゝみ立→かがみたて 鏡立 鏡を立てかける枠 鏡台 奉公前で落ち着かない?
2730 4-28 
  翌のまつりに 旅の寐心  
  明日がお祭りで気もそぞろ 旅寝のように落ち着かない  
2731 4-29 
  此枩に また盗人の 匂ひあり 
  此枩→このまつ 物見の松 熊坂長範は松に登って旅人を狙ったという ☆謡曲熊坂「此松が根の」
2732 4-29 
  龍の通りし 跡に外科  
  龍→竜巻 外科→外料 がいりょう 外科医 竜巻で怪我人 
2733 4-29 
  何となく 尼に成日の 心持 
  亭主の旅立ち? 女性の本元服の眉剃り? 
2734 4-29 
  残る蚊の はかなく袖に 蹈みこたへ 
  蹈み→踏み 寒くなって弱った蚊がやっとしがみついている 
2735 4-29 
  その日ハ三保て 暮る羽衣 
  天人が泊まらされた?  
2736 4-29 
  娘の恥に 一町か出る 
  八百屋お七とか 仕置きの時に住所がよまれる 
2737 4-29 
  留て着て 思ハぬ方へ 風かふく 
  留袖にして嫁にいったと勘違いされた? 
2738 4-29 
  女自慢の 暑いめをする 
  女自慢→容姿自慢 暑苦しい格好もしなくてはならない 
2739 4-29 
  検校にして 死たかる母 
  盲目の子の親心  
2740 4-29 
  大からくりの 水門か明く 
  機械仕掛の水門から水が 蔵前米蔵の入堀の水門? 
2741 4-29 
  美男かつらを 切レぬ小刀 
  美男かつら→美男葛 茎を細かく切り水に浸して得た液を髪梳きに使う 髪のつや出し
2742 4-29 
  折々・親の 子に成て見る 
  折々・→時々 子を説教する時自分の昔を思い出してみる 
2743 4-29 
  かうやく買て 両肌をぬく 
  両肌→もろはだ さあ貼るぞ 
2744 4-29 
  仲人の 水引草も むすほふれ 
  水引草→タデ科の多年草 むすぼほる→結びあわさってほどけなくなる 
2745 4-29 
  薬掘 拵のない おとこなり 
  薬掘→山野で薬草の根を取る 拵→こしらえ 身じたく 適当な格好をしている
2746 4-29 
  声かわりにも 酒を買せる 
  無事成長して目出たい 
2747 4-29 
  寐ころんて 最ウ見へ兼る 門田守 
  門田守→門前の田の番人 稲が育って寝そべっていては見渡せなくなった 
2748 4-29 
  端に立ても 奥様・ハ知れ 
  下女と一緒に台所に居てもおのずと気品が 
2749 4-30 
  豆を蒔うち わかる分別 
  年男の分別 あとで困るような撒き方は 
2750 4-30 
  千鳥を斗る 野田の横雲 
  斗る→はかる 野田→野田の玉川 能因 「夕されば汐風こしてみちのくの野田の玉川千鳥なくなり」 横雲↓明け方の東方の雲
2751 4-30 
  将軍塚の 身持めてたき  
  将軍塚→東山華頂山上の塚 土偶に鉄の兜鎧を着せ鉄の弓矢を持たせて埋め京の守護神としたという 身持↓行ない めでたし↓立派
2752 4-30 
  跡から櫛を 拾ふ関の戸  
  関の戸→関所の門 関所 通行する女が髪の中を検査するために櫛を取った 
2753 4-30 
  皆蒸籠に 請るはつ霜  
  積物の蒸籠に初霜が降りる? 顔見世?  
2754 4-30 
  行水をして 子を軽く抱  
  親子で行水  
2755 4-30 
  ひとつ見付て 気に懸る星  
  近星とか  
2756 4-30 
  白むく着ルと 沈む夕栄  
  白むく→八朔の紋日に吉原の花魁は白無垢を着る 夕栄→ゆうばえ 白無垢の白さで周囲が暗くみえる 
2757 4-30 
  五月雨に 腰の抜たる 干大根 
  ぬれて柔らかくなる?  
2758 4-30 
  おもひに痩て 酢を断て居 
  酢を飲むと痩せるとか骨が柔らかくなるとされた☆江戸文学俗信辞典 恋煩いで痩せるので  
2759 4-30 
  大きなものに わたす松明 
  背の高い者が松明を持ったほうが明るい 
2760 4-30 
  長崎て死ぬ 江戸の嘘付 
  江戸から長崎に逃げた男が 江戸のあることないことを言って死んだが 嘘はばれない 
2761 4-30 
  中て無く成 楼の人 
  楼→たかどの 高貴な生まれの方が世間を知らないで亡くなる? 
2762 4-30 
  あふむも鳥に 戻る草臥 
  草臥→くたびれ いつも演技はしてられません 
2763 4-30 
  女房にした 五本めの指 
  よもや五番目の候補とは口がさけても? 小指の指切りをした花魁を射止めた? 
2764 4-30 
  憎い若衆を 誉る小鼓 
  若衆→元服前の少年 陰間 男色の弟分と不仲になったが 見れば小鼓が似合っているなと
2765 4-30 
  買物も それ程つゝの 皃か来
  懐具合に応じた顔で買いに来る 
2766 4-30 
  留守居の嘘の 届く九重 
  九重→宮中 勅使三度に及ぶの法性坊?
2767 4-31 
  鶯を たましこかして 子規
  子規→ほととぎす 託卵 
2768 4-31 
  こんにやく売の 足を見て買 
  こんにゃく造りは足で踏む 足が汚ないとちょっと 
2769 4-31 
  三味線に 追返さるゝ 松の風
  松の風→琴の音 三味線を弾くお妾に琴を弾く奥様が追い返される?
2770 4-31 
  前の住持を 樹造りか引 
  樹造り→庭師 引く→贔屓にする 前の住職は庭に凝った?
2771 4-31 
  天の川 瓜茄子にまた 足ハなし
  七月七日の七夕かざりの時は足はないが、その後の盂蘭盆では牛馬の形に足がつく
2772 4-31 
  衣々・に 夕卩寐かさぬ 蚤か飛
  衣々・→きぬぎぬ 夕卩→ゆうべ 安い遊廓の朝
2773 4-31 
  悋気を見出す 十月の祢宜 
  十月の祢宜→神無月で神様が留守の間に神主が社殿の掃除等を 境内に藁人形 
2774 4-31 
  杜若 見に行むす子 化る也 
  隅田川東岸三囲稲荷が杜若の名所 吉原行きの狐に化ける 
2775 4-31 
  牛のあふない 鵲のはし 
  鵲の橋→七夕に牽牛織女が天の川を渡るかささぎの橋 牽牛の牛が踏み壊すかも 
2776 4-31 
  因果ふくめて 見せ馬のすそ・ 
  見せ馬→別の馬を売りつけるために見せる替え玉の馬 あるいは祭礼に見物させる馬 すそ→馬の足を洗うこと
2777 4-31 
  浪人の 心て廻る 法輪寺 
  法輪寺→嵯峨の虚空蔵法輪寺 ??? 
2778 4-31 
  女の耳に 足らぬ神詑 
  神詑→神託 簡単でもの足りない? 
2779 4-31 
  我影を ろくに覚ぬ 植木売 
  持っている物で影法師が変化 ? 日陰をいく? 
2780 4-31 
  無筆の女房 持て極楽 
  花魁から手紙が来ても平気  
2781 4-31 
  矢矧て声の 替るうし若 
  矢矧→やはぎ 矢作で浄瑠璃姫と愛を その頃声変わり? 
2782 4-31 
  地獄の薪の のひる斎日 
  斎日→薮入りに閻魔に詣でる日 地獄の釜の蓋の開く日 地獄も休みで地獄の釜の薪も減りが少ない
2783 4-31 
  弘法の 五筆ハ冬の 日也鳧 
  鳧→けり 弘法大師は唐で口と両手両足に筆を持って字を書き五筆和尚と称された 暇な冬の日の座興?
2784 4-31 
  深艸ハ あたこか有て 口を過 
  深草→土器の産地 あたこ→愛宕山 土器投げでかわらけを消費する 口を過→生計をたてる
2785 4-32 
  布団懸れハ あまる山伏 
  山伏が大男で足が出る  
2786 4-32 
  台所から 這入年神 
  年神→としがみ 正月に来訪する神 正月に恵方棚に供物して祀る
2787 4-32 
  橘に 付て鼠も かうはしき 
  ☆そのまんま 
2788 4-32 
  新地の三日 誓文か利く 
  新地→新開地の遊里 遊里 誓文→せいもん 三日くらいは起請文も有効
2789 4-32 
  黒髪の 味に居直る 関の前 
  味に→色っぼく 居直る→急に態度を変える 関守に色気で勝負 
2790 4-32 
  蓮に雨の 音も傘 
  音も傘に降る雨のよう 
2791 4-32 
  孝行の たとへにも出る 五月星 
  五月星→さつきぼし 五月闇で星は稀 稀なものの例え? ☆HP「武玉川を歩む」
2792 4-32 
  後帯 最う笑れる 年に成 
  後帯→娘や若い嫁の帯結び 
2793 4-32 
  牡丹ハ人の 町人てなし 
  富貴草といって高貴なもの 人なら貴人 
2794 4-32 
  行者の供の 照にからかさ 
  雨乞いにいくので? 
2795 4-32 
  天道丸へ 未練なく降 
  天道丸→てんとうまる 天道丸髪結床 天道屋の屋根船の廃船を利用した水道橋の髪結床☆江戸文学地名辞典 名前にもかかわらず
2796 4-32 
  年ほとに 盛あてかふ 黄八丈 
  あてがふ→適当に見積もって 与える 黄八丈→八丈島産の絹織物 江戸中期女性に愛好された 似合う年頃に従って
2797 4-32 
  投ても物の 届く堀川 
  堀川→京都の堀川? 物を投げても届く程幅が狭い 
2798 4-32 
  野暮の返辞の 立派過たり 
  口説いて見事に断られた?  
2799 4-32 
  此君の 子とハ思へと 盗けり 
  此君→このきみ 竹の異称 筍盗人 
2800 4-32 
  すへても飯の 遠い大佛 
  お供えが腐っても臭いが遠いから平気? 
2801 4-32 
  目に呪を 持しふりそて 
  呪→まじない 振袖娘が目で悩殺 
2802 4-32 
  春風の 断て行 んめのはな 
  断て→ことわって んめ→梅 梅さん 通りますよ 
2803 4-33 
  鳥くろし 橋に羽折の 山かつら 
  鳥くろし→? 羽折→羽織 山かつら→明け方山の端にかかる雲 橋に黒い烏が並んでとまっている様?
2804 4-33 
  上戸を分に 思ふ雪ふり  
  分→他と違ってすぐれている 雪見も酒あればこそ  
2805 4-33 
  一日ハ 薄着てくらす ゑひす講 
  ゑひす講→十月二十日に商家でおこなう恵比寿を祀る祝宴 客や奉公人にも大盤振舞
2806 4-33 
  山帰来 誉る都の 水に飽 
  山帰来→さんきらい 梅毒の薬という 都→東都? 粋がっても洒落にならぬ 
2807 4-33 
  皃も眉毛も 長い神主  
  ありがたそうな老齢の神主  
2808 4-33 
  現当二世も 口に出次第  
  現当二世→げんとうにせ 現在世と当来世 この世と来世 ご利益を語るときなにげに 
2809 4-33 
  佛の皃の 光る十月  
  神無月で仏様の天下?  
2810 4-33 
  かゆひ時 耳かきよりも 鹿の声 
  風流な刺激  
2811 4-33 
  日廻りの 前へ廻れハ 膳か出ル 
  日廻り→ひまわり 廻れハ→まわれば 昼ご飯 
2812 4-33 
  空若く 柳の奥の 針仕事 
  空若く→季語? 柳の影で手元がちらちら 
2813 4-33 
  形見とて 貰た文に 火かもへる 
  悋気?  
2814 4-33 
  酒の肴に 鼻をつまゝれ 
  今私の噂してたんじゃないの  
2815 4-33 
  世を捨た 人も辷れハ 恥かしく 
  世捨て人も道で滑れば照れくさい 
2816 4-33 
  舟軍 たらけの来たる 南かせ 
  舟軍→ふないくさ 北風を待って待機中? 
2817 4-33 
  一町寒く くらす觸状 
  觸状→ふれじょう 回状 回覧する文章 悪い内容の回状で町内中暗くなった
2818 4-33 
  今死た 鰹のさしみ おもしろき 
  新鮮だよ 今死んだとこだよ 
2819 4-33 
  追付て みれハ不断の 女也 
  不断の→平常の あっいい女と思って前へ廻ると なんだお前か
2820 4-33 
  呑て廻れハ 五ツ玉川 
  六玉川→歌枕の六つの玉川 その一つ高野の玉川は毒水が流れるから飲むなと弘法大師がいうので
2821 4-34 
  出入女を 鵲のはし 
  出入女→でいりおんな 鵲のはし→七夕に牽牛織女が渡るかささぎの橋 
2822 4-34 
  恩の紙燭の 捨所なき 
  紙燭→紙縒製の照明具 恩は紙燭のようなもの? ??? 
2823 4-34 
  此世の風の かわる穴蔵 
  夏でも穴蔵の中は別世界 
2824 4-34 
  水と火の 中を流るゝ 白拍子 
  源氏と平家? 静御前とか仏御前とか 
2825 4-34 
  抜た大根で 道をおしへる 
  大根→だいこ 農夫に道を尋ねる そりゃあ あっちだ 
2826 4-34 
  小春と言ふも 冬の愛相 
  小春→冬の初めの春に似た 温暖な気候 
2827 4-34 
  師匠を尻に 敷嶋の道 
  敷嶋の道→歌道 師匠である夫を尻に敷く 
2828 4-34 
  三百匁出す もやもや・の関 
  匁→略して め 三百匁→間男の示談金の相場 もやもや・の関→有耶無耶の関 出羽と陸奥の境の笹谷峠にあった関 うやむやにする? バレの意味も
2829 4-34 
  雪曇 とうふの盆を 胸に当 
  雪曇→雪雲で空が曇ること 湯豆腐を配膳した盆で暖をとる? 
2830 4-34 
  蹴られた意趣に 値切る馬市 
  馬に蹴られた仕返しに安値をつける? 
2831 4-34 
  八乙女の 一人欠たる 俄照リ 
  八乙女→やおとめ 神社で神楽などを奏する少女 数人で八人とは限らない 俄照リ→にわかでり 熱中症で倒れた
2832 4-34 
  医者の皃にも 利ときかぬと 
  頼れそうな顔の医者もあれば 
2833 4-34 
  着もせすに 羽折のかへる 藤の花 
  羽折→羽織 藤の花を貰って提げて帰る? 
2834 4-34 
  根を焼て 遣ルも牡丹の 迷也 
  生け花で切り口を焼いて水あげを良くする 根を焼くと水あげが良くなるという
2835 4-34 
  いろいろ・に張る 杣かかうやく 
  杣→きこり あっちこっちに膏薬を 
2836 4-34 
  養生過て 減ぬらうそく 
  早寝早起き 
2837 4-34 
  引込思案 竹に見とれる 
  こんなふうになれたら? 
2838 4-34 
  二ノ替 内ハ淋しき こたつの火 
  二ノ替→にのかわり 歌舞伎興行の一つ みんな芝居見物にいって独り留守番
2839 4-35 
  さくらへ繋く 瞽女の大声 
  花見の桜の下で留守番? 
2840 4-35 
  昼から顔の 寒い律僧 
  律僧→持律持戒の僧 かたくるしい?  
2841 4-35 
  十文を隠す 嫂の足袋  
  十文→ともん 約二十五センチ 足や靴の単位の文は約二十五ミリ 嫂→あによめ 大足を隠す?
2842 4-35 
  珊瑚珠の 心明るき 五月闇 
  珊瑚珠→簪の玉? 五月闇→梅雨時の夜の暗さ 闇もうれしい? 
2843 4-35 
  冨士を呑込 やうな夕陽  
  富士の方向へ大きな夕日が沈む  
2844 4-35 
  狭い小原に 山伏の公事  
  小原→? 公事→訴訟  
2845 4-35 
  草臥た 道を見て居 鴻の台 
  草臥た→くたびれた 鴻の台→こうのだい 江戸川 東岸の台地 武蔵へ向かう日本武尊が休息中に鴻を見て浅瀬を知ったという
2846 4-35 
  行者の手柄 泣て出て行  
  憑き物が落ちた? 
2847 4-35 
  時行風 四人おとこと 也にけり 
  時行風→はやりかぜ もとは五人男?  
2848 4-35 
  鵜か呑込んて 橋の隙あけ 
  隙あけ→ひまあけ 暇になる?
2849 4-35 
  浅間と聞て 駕の戸を明 
  浅間山を見ようと駕篭の戸を開ける 
2850 4-35 
  鶤の 抱れて通る 朝かすみ 
  鶤→とうまる 鶏の一種 
2851 4-35 
  きれいな上を つまむ曲水 
  曲水→曲水の宴?  
2852 4-35 
  樽買の 心覚ハ 二度廻り 
  樽買→樽の回収業 最初は空でなくても次に行く時は空にしてくれているかも 
2853 4-35 
  石切の 腹のたつ時 眼へ這入 
  石工の泣きっ面に蜂  
2854 4-35 
  影ほしも かたまつて行 女中連 
  影ほし→影法師 なぜか女の人は集団で行動 
2855 4-35 
  あい染川へ はしる居風呂 
  あい染川→あいぞめがわ 藍染川 神田鍛冶町一丁目から紺屋町に至る溝☆川柳辞彙 はしる→水を流す?  居風呂→風呂桶でわかす風呂
2856 4-35 
  年忘 翌を言ぬ 人はかり 
  年忘→忘年会 翌→あした 今夜ばかりは全てを忘れて 
2857 4-36 
  浪人の うこきはしめハ 松囃子 
  松囃子→正月の謡い初め☆川柳辞彙 他にすることも金もない 
2858 4-36 
  口の吸たい あつ盛の首 
  あつ盛→平敦盛 十六歳の時 一ノ谷で熊谷直実に討たれ首を取られた美少年 化粧をしていた
2859 4-36 
  腹替り 胤替りより あわれ也 
  腹替り→腹違い 胤替り→たねがわり 種違い 腹違いのほうが苦労する? 
2860 4-36 
  江戸見坂から 見へる貧乏 
  江戸見坂→江戸下町の大部分を眺望できた 貧乏長屋を俯瞰 
2861 4-36 
  具足も太刀も 喰へハ喰るゝ 
  質屋行き  
2862 4-36 
  秋の蚊の そろそろ・歩行 おかしさよ 
  歩行→ありく 寒くなって蚊も 
2863 4-36 
  小野小町の 曠な洗濯 
  曠な→はれな 晴れがましい 草紙洗い?
2864 4-36 
  有馬の日数 誓文て行 
  湯治は七日で一巡だが? 
2865 4-36 
  四月から降る 五月雨の欲 
  別に四月から降らなくても 
2866 4-36 
  箕輪の町へ 出はる榛木 
  榛木→はんのき 薪炭にする 
2867 4-36 
  日蓮宗の 声ハ下卑たり 
  法華対門徒 
2868 4-36 
  とこそて中を 違う仮親 
  中を違う→仲違いする? 仮親→養父母 養子のことで意見が
2869 4-36 
  めうかの鶴の くさる舟底 
  めうかの鶴→茗荷で作った鶴? 水肴または台の物の飾り☆嬉遊笑覧 屋形船に宴会の名残
2870 4-36 
  看病か 死ぬ気に成と 床を上
  必死で看病すると本復? 
2871 4-36 
  美男一代 すまふ一代 
  一代→人の一生涯 「相撲一代」☆諺→名力士は二代続かぬ☆俳説ことわざ辞典 美男子も二代続かぬ
2872 4-36 
  請状よめハ 母ハふるへる 
  請状→奉公人の身元引受証 
2873 4-36 
  波悠々・と 舟に年玉 
  年玉→新年の祝いに贈り貰う物 扇子や目笊など 
2874 4-36 
  娵の湯漬の 細長い音 
  遠慮しておちょぼぐちで啜るので 
2875 4-37 
  杜若 蛙は声の うらを出し 
  うら声を出す?
2876 4-37 
  朝皃に また六月の 日か残り 
  朝顔は七月の季語 咲く前の朝顔に六月の暑い日がさす 
2877 4-37 
  干ス大根 菰に筵に 小夜衣 
  菰→こも 筵→むしろ 小夜衣→さよごろも 身をおおう夜具 女性の不倫の意 寝場所がいろいろ替わる
2878 4-37 
  横から膳を すへる帳書 
  帳書→ちょうがき 帳簿書き? 決算期で食事する暇もない 
2879 4-37 
  気の勝て居 金借の供 
  気が勝つ→勝ち気である 金借→かねかし 金貸しの従者 
2880 4-37 
  胡葱を 酢味噌の中へ 植て行 
  胡葱→あさつき 浅葱の酢味噌あえの浅葱膾 三月三日に食べる 
2881 4-37 
  ましめに成て 普門品よむ 
  普門品→観音経 何か急に真剣になる場合? 
2882 4-37 
  年たくな 真赤に成て 逃て行 
  年たくな→年嵩としかさな? 年長の 年上のひと? 
2883 4-37 
  寐兼た茄子 翌見に行 
  茄子→なすび 翌→あした ??? 
2884 4-37 
  寸三切の ねしる手元ハ 安大事 
  寸三切→すさきり 壁土につなぎとして入れる藁 すさを押切で切る 安大事→やすだいじ 一見容易にみえて容易でない一大事
2885 4-37 
  鰹売 きのふハ南 けふハ北 
  高い上に時間が勝負 あちらこちらに売り歩く 
2886 4-37 
  奥と表と 違ふ物の名 
  大奥と外の世界では同じ物でも呼び名が違ったりする
2887 4-37 
  魂か ないと此世ハ 面白し 
  後生の憂いもなく遊べる?  
2888 4-37 
  箕の輪に はかの行ぬ 煩 
  箕の輪→吉原の寮があり妊娠や病気の花魁が住んでいた 煩→わずらい 
2889 4-37 
  指を切らせて 近い正月 
  紋日に登楼する約束?  
2890 4-37 
  むす子をたます 伊勢の浜荻 
  「難波の葦は伊勢の浜荻」→ 名や習慣は所により違うこと 所変わればまた珍しい遊びが ? あるいは単に伊勢者がだます?
2891 4-37 
  蚊柱に 坐頭ハひとり 巻込れ 
  逃げられなかった  
2892 4-37 
  一寒とげて 扶持に成声 
  一冬の寒声の成果で 殿様の芸の相手ができる玄人の声に 
2893 4-38 
  おもひ出してハ 動くシテツレ 
  シテツレ→能の主役の助演役 じっとしていて時々動く 
2894 4-38 
  奴のゆくゑ 水の行末 
  奴→武家の下僕 どこへ行くか知れない? 
2895 4-38 
  十月歩行 婆々・の片意地 
  歩行→ありく 寒くなるのに仏事に熱心? 
2896 4-38 
  聟にハ隠す 辛崎の松 
  辛崎の松→唐崎の一ツ松 目出たい夫婦松ではない? 
2897 4-38 
  きつと居つて 鼻紙を折 
  居つて→すわって 何かを申し述べる? 
2898 4-38 
  ほた餅二百 一世一代 
  牡丹餅→四十九日?見目麗しくない女の人? 一世一代→能役者の引退前の舞台納め 四十九日の大盤振る舞い? 二百文で飯盛女を?
2899 4-38 
  肴を買に 這入吉原 
  本当は女郎買いなのだが?  
2900 4-38 
  定木に成ルハ よつほとな人 
  定木→じょうぎ 模範 
2901 4-38 
  熱過て 恐しく成る 泊客 
  宿屋の風呂の湯が熱い?  
2902 4-38 
  中を買たき 買水の慾 
  どうせ銭を出すなら澄んだ部分を 
2903 4-38 
  置所なき 暮の大名 
  煤払で殿様の居場所なし  
2904 4-38 
  命と言ふ字 むこく遣れ 
  命は一つだが字はいろいろに  
2905 4-38 
  觜と足との 赤い気違 
  觜→はし 濃い口紅と裸足の足? 
2906 4-38 
  異見して つくつく・見れハ 美き 
  なるほどこの器量では間違いもおこるわな  
2907 4-38 
  赤子の頬を 付さしにする 
  付さし→酒の廻し呑み 赤ちゃんの頬に皆でキスを 
2908 4-38 
  有し昔を 咄すうは玉 
  うは玉→ぬばたま 「ぬばたまの」は黒などの枕詞 夜? 夢?
2909 4-38 
  常世か夜着ハ 梅さくら枩 
  常世→つねよ 鉢の木の佐野源左衛門常世 枩→松 梅と桜と松を焚いて暖を 
2910 4-39 
  馬のくハへる 蓬生の藁 
  蓬生→よもぎう 蓬が生い茂って荒れた土地 源氏物語「蓬生」では荒れ果てた末摘花の家に惟光が馬の鞭で雑草を払いながら入る 
2911 4-39 
  鼻くたに 成て古郷へ 戻リけり 
  鼻くた→梅毒で鼻が落ちた者古郷→こきょう 江戸で梅毒 
2912 4-39 
  似せ熊膽の 猿叫なり 
  熊膽→くまのい 叫さけぶ 猿から採取? 
2913 4-39 
  呵る時にハ 寒声の利ゝ 
  利ゝ→きき 効き目 寒声で鍛えたおかげで呵り声も上手に 
2914 4-39 
  恋くさを 枯らして歩行 親の口 
  恋草→恋が燃えるのを草が生い茂るのに例える 歩行→ありく 親が子の恋を潰して廻る 
2915 4-39 
  九折 飲たいほとに 松の風 
  九折→つづらおり 坂道などで曲折が多いこと あーしんどい もっと松風を呑む程欲しい
2916 4-39 
  踏てたゝいて 此上ハなし 
  折檻? 「踏んで叩く」→踏んだり蹴ったりの意☆俳説ことわざ辞典
2917 4-39 
  男に祈 付る護广たん 
  護广たん→護摩壇 護摩をたく炉を据える壇 不動明王に祈願する 男を呪詛する? 
2918 4-39 
  惣身の下卑の 出る日当 
  惣身→そうみ 全身? 下卑→下品で卑しいこと 日当→ひあたり 日を浴びていると全身の毒が抜ける? だらしなくなる?
2919 4-39 
  七種を 打度夜也 天の川 
  打度→うちたき 一月七日の七草と七月七日の七夕 どっちも七日なので? 
2920 4-39 
  守宮か利て 門を留られ 
  守宮→やもり 惚れ薬 門留め→出入禁止または外出禁止 惚れはさせたが親が反対 
2921 4-39 
  かたみの馬の 濡通しけり 
  海岸の熊谷直実と敦盛の馬?  
2922 4-39 
  女に交る 武士の死前 
  討ち死に覚悟の最後の出陣?  
2923 4-39 
  横から惚れて 錦木を蹴 
  錦木→男が女の家の門に立てる求愛の標で取り込むと受諾 先からある別の男の錦木を蹴り倒して自分の錦木を
2924 4-39 
  戸に挟れて 尖を見て居 
  尖→とげ いてー何か刺さったか? 
2925 4-39 
  剃れと言れて 耳なしの山 
  耳なしの山→耳成山 歌枕 剃髪しろといわれても聞く耳持たぬ 
2926 4-39 
  武士を立れハ 目鼻あふなき 
  武士道を通すと見通しが立たなくなる?  
2927 4-39 
  夏をつまんて 流す麻の葉 
  麻の葉流す→季語 夏越の祓で麻の葉を切って禊川に流す? 六月晦日におこなうので夏も終わり
2928 4-40 
  あつさにも 三十日かありて 今朝の秋 
  ☆鯉鱗吟 紀逸 長かった暑い季節にも終りが
2929 4-40 
  飼れて籠に 月を啼虫 
  狭い籠の虫が遠い月を見て啼く 
2930 4-40 
  葛の葉の 狂ひ相手に 風落て 
  葛の葉の→うらみの枕詞  
2931 4-40 
  書そこないの 身を蓋にする 
  身体で書き損ねた恋文を隠す☆HP「武玉川を歩む」を参考にさせていただきました。
2932 4-40 
  咳はらひ 家一はいに ひゝく也 
  咳払いが家中に響く  
2933 4-40 
  雀も分かぬ すゝめいろ時 
  雀色→雀の羽のような茶褐色 雀色時→空が雀色に薄暗くなった時分 夕暮れ時 雀色時なので雀も分からん
2934 4-40 
  五月雨 こよひかきりの 懸烏帽子 
  懸烏帽子→かけえぼし 烏帽子の一種らしい 
2935 4-40 
  酒はつれなく 廻るさかつき 
  つれない→そっけない 思うにまかせない ??? 
2936 4-40 
  聞て惚 見て又惚る 淡路嶌 
  淡路嶌→あわじしま  
2937 4-40 
  大僧正に 日かあたるなり 
  ありがたや  
2938 4-40 
  色白な 皃をよさして 白拍子 
  皃→顔 よさす→よりかからせる 白拍子→水干と烏帽子をつけ舞う平安末頃の舞妓 お公家の宴会?
2939 4-40 
  うきを柱に 夢のうきはし 
  夢のうきはし→ 夢の中のあやうい通い路 はかないもののこと 憂きを柱に? 
2940 4-40 
  恋の闇 乞食のやうな めに合て 
  お願いです 後生です 
2941 4-40 
  二町あまりを 雪の袖笠 
  袖笠→袖を笠がわりにする 雪の中を二町走って何所へ? 
2942 4-40 
  紫は 鷹の心に 張を付け 
  将軍鷹狩りで鶴を捕らえた鷹は朱房から紫房に変った 鶴を捕らえた鷹の房の色は紫☆川柳大辞典 また徳川家の鷹狩りの鷹は紫の足皮をつけたという  江戸紫だけに
2943 4-41 
  物喰ふ音も 高き古寺 
  静寂な古寺に僧たちの食事の音だけが響く 
2944 4-41 
  光陰に 追まくらるゝ 月と華 
  光陰→月日 月の名や咲くべき花が次々に変わる 
2945 4-41 
  前の旦那へ もとる請状 
  請状→奉公人の身元引受証 前の奉公先へ戻される? 妊娠していたとか
2946 4-41 
  曲水の 連衆残らす 引摺られ 
  連衆→れんじゅ 連歌や連句の会で詠み合う人々 流れる盃についていく? 
2947 4-41 
  今はむかしの 御女郎買 
  殿様の若かりし頃? 
2948 4-41 
  うすくこく 茶も染かハる 人こゝろ
  茶色に染めるように人の心も あるときは薄くまた濃く? 
2949 4-41 
  大平皿の 爰か働らき 
  大平皿→おおひらざら 大きい平皿? 爰→ここ 夷講とか大宴会で活躍
2950 4-41 
  ほとゝきす 只とり山に 仕当けり
  只取り山のほととぎす→ 只で手に入れることをいう 
2951 4-41 
  難波のうそハ 伊勢にても嘘 
  「難波の葦は伊勢の浜荻」 所によって物の名や習慣は変わるが 嘘はどこでも嘘
2952 4-41 
  雨の名の 終りに成て 初しくれ
  一年の終りに近い時雨で初の字がつく? 
2953 4-41 
  前て結んて 又うしろ帯 
  素人が遊女になりまた素人に戻る 
2954 4-41 
  愛染へ 今度は顔か 向けにくし
  愛染→愛染明王は愛情を司るが憤怒の形相 
2955 4-41 
  紋を付けねは 凄い挑灯 
  挑灯→ちょうちん 
2956 4-41 
  入る月に 巻戻したる 稲むしろ 
  稲むしろ→稲藁で編んだ筵 「秋の田のかりねの床の稲筵月宿れどもしける露かな」 ☆新古今
2957 4-41 
  水あさあさ・と 鮴のうら聲 
  鮴→ごり 清流の淡水魚 
2958 4-41 
  逆の峯 兜巾から目を 病出して 
  逆の峯→秋に吉野から大峯を経て熊野に出る山伏の修行 兜巾→ときん 山伏が額につける頭巾 病出して→やみだして
2959 4-41 
  兄と弟に 分るかしら字 
  かしら字→人名などの初めの文字 親の名から字を 
2960 4-41 
  取肴 互の手元 おもしろき 
  取肴→一つの皿に盛り各自が分けて取る酒の肴 箸づかいがそれぞれで 
2961 4-42 
  一むら竹に 近きうくひす 
  むら竹→群がり生えている竹 
2962 4-42 
  花の雲 さらし次而の さらさら・に 
  次而→ついで 
2963 4-42 
  翌ハ袷に かハるついたち 
  衣更 冬は綿入れを着る 袷は四月一日から五月四日までと九月一日から八日まで着た 夏は単衣を着る


ホームへ
三篇へ 五篇へ