五篇


誹諧武玉川私考ホームへ

【底本】 
  岩波文庫  誹諧武玉川(二) 山澤英雄校訂 岩波書店 1984

【凡例】
  通し番号 篇-丁
  (本文)
  (解説)

【注意】
  字・は字が底本通りでないことを示す
  ☆はコメントや引用

2964 5-1 
  師匠の口の 人にさわらす  
  ほめて評判   
2965 5-1 
  見送て 戻れハ燃る あふら皿 
  早朝の旅立を見送ったあとの淋しさ   
2966 5-1 
  都うつし 歌よむ程に 出来あかり 
  お公家さんは命令するだけ   
2967 5-1 
  赤子もらいの 醫者へ相談  
  ???   
2968 5-1 
  軽業を 出て反り橋を ふところ手
  軽業見物のあとの寅さん状態  
2969 5-1 
  五位と六位は 銭も借リ合ふ 
  殿上人と地下の差はあっても近い間柄  
2970 5-1 
  木からしや 口の下から 片手わさ
  寒いので片手は懐手?  
2971 5-1 
  立退て 京ほと怖い 所ハなし
  引越してから悪口  
2972 5-1 
  付さしに 口を付ると あちら向
  付さし→盃や煙草の呑み差しを渡すこと 花魁の手管? 
2973 5-1 
  あみ笠を 貰て人に うたくられ
  敵討ちに出るか? 吉原か? 
2974 5-1 
  親の聞てハ ならぬうハ言 
  秘めた恋?花魁の名?  
2975 5-1 
  病上り うつくし過て うそらしき
  病上がりにしてはやつれていない 別の事情が?
2976 5-1 
  むすめに切て 見せるいたゝき 
  いたゝき→戴餅 宮中由来の三月三日のお菓子 
2977 5-1 
  請て見たれハ 昼飯も喰ふ 
  請て→身請けして 吉原では観音様にみえたが 
2978 5-1 
  旅芝居 皮癬を蒔て 通りけり
  皮癬→ひぜん 皮膚病の疥癬 旅芝居一座にうつされた 
2979 5-1 
  つめつて斗 ありく大とし 
  つめつて→抓って 斗→ばかり 年末の無心で?
2980 5-1 
  ゆるかしく 腰を懸たる 磯馴枩
  ゆるかしく→緩く 磯馴枩→そなれまつ 風に吹き曲げられた磯辺の松 折れないか確かめてから
2981 5-2 
  ぬれて来た鵜を 撫て遣る母 
  鵜飼の鵜?  
2982 5-2 
  見詰ても 恋しい足りに ならぬ空
  足り→たし☆江語辞 空をみつめても満たされぬ恋心
2983 5-2 
  雪駄の徳の 皃を釣り出す 
  皃→顔 悪友が遊びに誘い出す? 
2984 5-2 
  目医者の顔か 真先に見へ 
  包帯をとると  
2985 5-2 
  身代を 蹴込んた所か 惣桔梗
  惣桔梗→そうぎきょう 桔梗紋の遊女屋に入れ込んで 
2986 5-2 
  京大坂ハ 江戸の引出し 
  上方で作って江戸で消費  
2987 5-2 
  三十日にふつと 出来る人鬼 
  三十日→みそか 人鬼→ひとだま? 借金で首縊り?
2988 5-2 
  前帯も 言ハゝ現の 道具也
  前帯→花魁? 現→うつつ 花魁で居るのも世をすごす術
2989 5-2 
  赤坂て 馬も度々・ 抱つかれ
  東海道の赤坂宿で飯盛女が旅人を馬ごと引き止める 
2990 5-2 
  あほうに成て 止る人参 
  人参の飲み過ぎで?  
2991 5-2 
  陀羅尼の咽を 側て痒かる 
  陀羅尼→梵文の呪文 陀羅尼を唱える人をみて  
2992 5-2 
  湯花か済て 凄い明神  
  湯花→煮え立つ湯の泡 凄い→気味が悪い 占いの湯立てが終わって  
2993 5-2 
  仲人て 来る日ハ指ぬ 艸履取 
  指ぬ→将棋を指さぬ? あるいは 刀を差さぬ?   
2994 5-2 
  面白く 成て蚫の あてこすり 
  蚫→あわび 磯の蚫の片思いなどと  
2995 5-2 
  田楽の ちらりほらりと 三下り 
  三下り→賑やかな三味線の調弦 隅田川真崎稲荷名物の田楽を喰って近い吉原へ?
2996 5-2 
  新し蚊屋の 隅の正直  
  新品でピンとしている   
2997 5-2 
  九十九夜 律儀に通い 往生し 
  若草少将の小町百夜通い あと一夜で凍死  
2998 5-2 
  唇なめて 一渡しまつ  
  桑名と宮の間の七里の渡し 桑名の焼き蛤で火傷?  
2999 5-3 
  膝に寐られて 膳に筋違ふ 
  筋違ふ→すじかう 子供が膝で寝てしまったので お膳に真っ直ぐ向かえない
3000 5-3 
  蛤の 松葉くハへて 煙りけり
  松葉を焚いて焼蛤  
3001 5-3 
  前帯に 成と女房の さくゝ成
  前帯→年増? さくい→あっさりしている 
3002 5-3 
  石坂ハ 仏の道に 急度過
  急度過→きっとすぎ きっちりしすぎる きつい石坂を上がって参詣
3003 5-3 
  筆借りて 芭蕉に投る 天の川
  芭蕉→芭蕉葉 七夕に芭蕉葉に投げ書き 
3004 5-3 
  鳥辺野見えて 遠めかね置 
  墓場が目に入って  
3005 5-3 
  たちまち皃の 替るらうそく 
  皃→顔 丑の刻参り 
3006 5-3 
  派の利た 名主も死て 鹿の声
  羽振りの良かった名主が死んで淋しさがひとしお 
3007 5-3 
  解けた侭 桟敷の帯ハ 抱て居る
  侭→まま 芝居見物の最中に帯が解けた 狭いし見たいしで締め直せず 帯を前に廻すと狭くても座りやすかった?
3008 5-3 
  寐たうへゝ 躍かへりの 袖畳
  袖畳→そでだたみ 和服の略式の畳み方 踊り疲れて帰って
3009 5-3 
  蓮切の 時々・鎌を 嗅・て見ル
  嗅・て→かいで  
3010 5-3 
  干からひて居る 木食の傘 
  木食→五穀を断つ修行 坊さんも傘も 
3011 5-3 
  桐一葉 跡にとつかり 穴か明キ
  桐の葉は大きいので落葉すると あるいは片桐且元が大坂方から抜けたことか?
3012 5-3 
  桶伏とれハ 正直にたつ 
  吉原の支払いができない客は昔は桶に伏せられた やっと解放されて
3013 5-3 
  竹の子ハ 盗れてから 番を付
  盗人が先に気付いて  
3014 5-3 
  鳶飛て 夏の片田を あいしらい
  鳶→とび 片田→堅田? 乾いた田 あいしらい→あしらう 程よく取り合わせる 堅田の落雁の夏バージョン?
3015 5-3 
  二代めに 終白槙の 龍に成  
  終→つい ついに 白槙→びゃくしん 和名イブキ 先代の植えた盆栽のような木がようやく龍の勢いの大木に
3016 5-3 
  傾城の 寐覚のよいも 哀也  
  お客がつかず  
3017 5-4 
  ほつと言ふ 息も握て 竹箒  
  寒い朝に竹箒を掴む  
3018 5-4 
  蛍とらせて 旅のおもひ出   
  蛍狩りで旅を思い出す  
3019 5-4 
  口寄に とつちともなき 向加減  
  口寄→巫女の口よせ 正面向いて聞くのも変   
3020 5-4 
  静な見せに 突捨の銭   
  突捨→つきすて 銭を指で押し出すことを突くというらしい 客の少ない店で前の客の銭が放ったままに  
3021 5-4 
  昔か出れハ しらしら・と寐ス   
  夜が白むまで昔話  
3022 5-4 
  あくひした子を 抱上げて行 
  夜中に起きた子を便所へ  
3023 5-4 
  寒い茶碗ハ 両手にて持 
  寒い日に温かい茶碗を  
3024 5-4 
  閙しい 日ハ病人も 跨かれる
  閙しい→いそがしい  ☆そのまんま
3025 5-4 
  光陰はやく 親指へ来る 
  親指→親父 亭主 親父ははやく老ける?  
3026 5-4 
  妾ハ知て 咄す鳥辺野 
  鳥辺野→墓場の例え 墓参りで故人の秘密が? 
3027 5-4 
  おとなしい 人程廻る 女坂
  女坂→男坂より緩い方の坂 のんびりいきましょう 
3028 5-4 
  紙屑ハ 思ふに足りぬ 投所
  紙屑籠へ投げると何故か少し届かない 
3029 5-4 
  若後家の 淋しい道を 知て居
  墓参り? 隠れて逢い引き?  
3030 5-4 
  戸まとひの 味な所に かしこまり 
  戸まとひ→寝ぼけて方角がわからなくなること 味な→色っぽい 夜這が見つかり寝ぼけた振り
3031 5-4 
  むかしの袖に 包む重箱  
  振袖で作った袱紗で姑の四十九日の牡丹餅の重箱を包む   
3032 5-4 
  高札に 立寄人の 反り返り 
  高札→こうさつ ☆そのまんま  
3033 5-4 
  もめ盃の 杓に流れ矢  
  杓→酌 仲裁しようとして逆に酌され  
3034 5-4 
  笠にして あふない所を 袖の恩 
  袖笠で顔を隠して難を逃れる   
3035 5-5 
  女房を 持た晩から 旦那也 
  金はなくても   
3036 5-5 
  いてうの下へ 病身な乳母  
  神社の銀杏に乳が出る願掛け   
3037 5-5 
  忌中の札の 跡へ売居  
  売居→うりすえ 据置の売家 住人が亡くなって 
3038 5-5 
  御上屋敷へ 隠す誕生  
  奥方に知れるとまずい事情が
3039 5-5 
  煙いめをして 衛士の入聟  
  煙い→煙たい? 気がねな 「みかきもり衛士のたく火の夜はもえて昼は消えつつ物をこそ思へ」 ☆百人一首
3040 5-5 
  日に干せは 尼の枕も 人くさし 
  人間ですので   
3041 5-5 
  たまたま・に 箸も流れて 沢若菜 
  須佐之男命 流れて来た箸で上流に人が住んでいるのを知る  
3042 5-5 
  大往生に 銭かふり出す  
  供養の銭撒き?   
3043 5-5 
  舅の誉る 聟の糸鬢  
  糸鬢→いとびん 髪型の一つ 奴や侠客や役者に好まれた 気さくに見える?
3044 5-5 
  女良花 ころへハ只ハ 起られす 
  女良花→おみなえし 女の意 転ぶ→ひそかに売春する☆江語辞 踊り子も転べば二分
3045 5-5 
  夜ル昼と 二度に夫婦の 迎来 
  ???   
3046 5-5 
  身の明らめの 引かふる夜着  
  明らめ→あきらめ 夜着→着物形の蒲団 蒲団をかぶって寝てしまう 
3047 5-5 
  とろほうめ 茶に行く皃の 唐物屋 
  皃→つら 唐物屋→とうぶつや 舶来品を商う店 
3048 5-5 
  柳より 九輪か秋ハ 隙に成 
  ???   
3049 5-5 
  今の妾も 朔日を呑  
  朔日→ついたち 朔日丸 避妊薬 あとで逃げる気か
3050 5-5 
  我娘 去ル御屋敷と はかりなり 
  奉公先を言えない事情  本当は奉公ではないとか 
3051 5-5 
  また何か 言たき裾を ふまへ鳧 
  鳧→けり 追いすがろうとして自分の裾を踏みつけた 
3052 5-5 
  野ゝ宮も 志賀も昔の 道具也 
  野ゝ宮→野宮 伊勢の斎宮? 志賀→大津の宮 和歌の道具?
3053 5-6 
  女のはたし 皃を見らるゝ  
  皃→顔 よほどのこと  
3054 5-6 
  女房の耳も 足して置母  
  女房にしか話してないこと迄 小言を言われる  
3055 5-6 
  地紙うり 仕舞仕事に 口か過 
  地紙うり→扇の地紙売り 放蕩息子の成れの果て つまらぬ軽口を? 
3056 5-6 
  弁慶も 千人めにハ 食に付キ 
  食に付キ→禄にありつく 義経と出会って  
3057 5-6 
  敵かしれて すたるけいせい  
  敵→かたき 仇を探すために遊里通いをしていた武士 仇の所在が知れて通わなくなる 
3058 5-6 
  盆に小豆の 音の吉日  
  赤飯の支度   
3059 5-6 
  芦間の鶴の 陽炎を喰  
  かげろうを食べているように見える  
3060 5-6 
  妾の里て うまひ事言ふ  
  奉公の条件?   
3061 5-6 
  縮着かへて 居ハるすい物  
  縮→ちぢみ 夏の着物 居ハる→すわる 先に一風呂浴びる料亭?
3062 5-6 
  貧乏神の 誉る芍薬  
  牡丹と芍薬はライバル 牡丹は富貴草というので   
3063 5-6 
  聞度に 鳴らぬ鼓ハ 声を誉 
  鼓が下手なので掛声を誉める   
3064 5-6 
  しのふ山 屏風の恩も 覚えたり 
  陰で逢い引き   
3065 5-6 
  少つゝたまる 面白い桶  
  少→ちと へそくり?  
3066 5-6 
  背中たゝけハ 埃のたつ乳母  
  埃→ちり 日向で子守り?  
3067 5-6 
  吉原の 灯を見て帰る 烏打 
  烏打→からすうち 登楼する金はなし  
3068 5-6 
  心太 妾か突て ちやゝみちやこ 
  心太→ところてん ちゃちゃみちやこ→滅茶滅茶   
3069 5-6 
  仇し名の 逃そこないと 呼れけり  
  仇し名→あだしな 浮き名 ここではあだ名か 後傷の侍? 逃げた遊女?
3070 5-6 
  たゝく戸の 手ハ前方に 握り詰  
  ☆そのまんま  
3071 5-7 
  塩竈の 見へる二階に 酒か入  
  今戸の窯の煙をみて源融の六条河原院の塩竈をきどる?  
3072 5-7 
  親のかたきハ 美しい顔   
  この女に入れあげて親父は命を縮めた
3073 5-7 
  大屋と中の 悪い念佛   
  払いの悪い店子が念仏好き?  
3074 5-7 
  生酔の 藝を仕舞と 蚊かたかり  
  生酔→酔っばらい 仕舞と→しまうと 座り込めば酒の匂いに蚊が  
3075 5-7 
  侍を 忘るゝ里子 あわれ也  
  武士の子が里子に出されて 初めは武士の子らしかったが   
3076 5-7 
  十能の先を 払ふ大声   
  十能→じゅうのう 炭火を盛って運ぶ容器 どいてどいて   
3077 5-7 
  浪人の 静に歩行 十二月   
  歩行→ありく 掛取りを避けて? あるいは 貧乏すぎて年末のせわしなさにも無縁?  
3078 5-7 
  胡葱に しほれた皃の 根かしれる   
  胡葱→あさつき 皃→顔 根かしれる→原因がわかる? 奉公人の交替で男女の別れ 胡葱膾は三月四日に 出替りは三月五日  
3079 5-7 
  朝虹に 初て娵の 薄あはた   
  朝虹→朝の虹 雨の前兆 初て→はじめて 娵→嫁 薄あはた→薄い痘瘡痕 朝の光で美人の嫁の薄あばたに初めて気づいた
3080 5-7 
  囲れの 食養生ハ 隣から   
  囲れ→僧の妾 長屋の隣人から食物を貰う  
3081 5-7 
  見た所 利口に遠ひ 奉幣使   
  奉幣使→ほうへいし 神事に幣帛を捧げるため随伴する侍 寒中でも直立  
3082 5-7 
  惣身てものを 盗むしな玉  
  しな玉→品玉 玉などを沢山投げ上げては受け止める曲芸 最後の取り込む仕草が?  
3083 5-7 
  煩た 証拠を出せと 恨られ
  煩た→わずらった 恨られ→うらみられ 
3084 5-7 
  人に女房と 見せる口上 
  にわか仲人?  
3085 5-7 
  口を吸せて 両方へ逃ケ 
  慌ただしく接吻をして別れる  
3086 5-7 
  看病の 気に入たのか 因果也
  看病人と深い仲  
3087 5-7 
  大内人の 牡丹ほと着る 
  大内人→おおうちびと 伊勢神宮などの供御の職 厚着をしている?
3088 5-7 
  抱付くと 言ふハ叶ぬ 時の事
  振られそうなら実力行使  
3089 5-8 
  久しい顔の 覗く夕たち 
  雨宿りでお久しぶり  
3090 5-8 
  手を借りて 心のうこく 灸のふた
  ???  
3091 5-8 
  斯う寐たら うれしかろうと 文枕  
  文枕↓夢にみるために恋文を枕の下に入れる 家でごろ寝しながら想像  
3092 5-8 
  宝尽しに はいるよし原   
  宝尽し→縁起の良い宝物を並べ立てる   
3093 5-8 
  名代の皃の 向見すゆく   
  向こう傷だらけ?  
3094 5-8 
  関の昼寐に 赤ひ蚊か飛ふ   
  動かぬ関守の血を吸って? 
3095 5-8 
  盃を 箸て突出す 糺川  
  糺川→ただすがわ  
3096 5-8 
  ほとゝきす 先から先へ さしみ皿  
  ほととぎすの行く先には どこでも初鰹が   
3097 5-8 
  今戸の橋を からくりて行   
  今戸橋→山谷堀と隅田川の 合流点にある橋 からくり→計略 たくらみ 真崎稲荷の帰りに吉原へ行かなければ通るが?
3098 5-8 
  凧 馬の上から 呵リつけ
  凧→いかのぼり 往来で凧揚げの子供を馬方か 武士が呵る?
3099 5-8 
  あさつきや 脇から親へ 言込せ
  雛にあさつきをそなえる三月四日の翌日は奉公人の交代日 下女が妊娠でも?
3100 5-8 
  十月を 色にも出さす 建長寺
  紅葉見物の海晏寺との比較?  建長寺はすぐ掃除してしまう
3101 5-8 
  琴屋か手てハ 松風も来す 
  美しい娘さんが弾いてこそ 琴の音も松風 
3102 5-8 
  府中へ銭の 廻る六月 
  名産の茶摘み?  
3103 5-8 
  そろ盤へ 乗せれハ人も 怖い物
  金勘定がからむと?  
3104 5-8 
  子福者の 蚊屋へ算へて つゝき込
  子福者→こぶくしゃ 子沢山 大勢の子供を数えて蚊屋へ
3105 5-8 
  船頭の 腹へ響ける 大つゝみ
   屋形船で謡? 屋根の上の船頭に響く  
3106 5-8 
  糸鬢になる 言訳の種   
  糸鬢→いとびん 中間や侠客が好む月代の広い髪型 ほんとは髪が薄くなった?
3107 5-9 
  高縄の 人ハ帆を呑 人を呑  
  高縄→高輪 海に面し眺望が良い 酒亭や茶店多し 呑→のみ
3108 5-9 
  天下明るき 猪牙に上下   
  葬式帰りに堂々と吉原へ  
3109 5-9 
  煩う奴 さかつきて呑   
  普段は茶碗で  
3110 5-9 
  灸を落して 真直に立   
  着物の間に入ったら大変  
3111 5-9 
  潮来のさわき 棒の手も出ル   
  潮来節? 棒の手→棒術   
3112 5-9 
  めてたかられる すつほんの年   
  亀は万年の親戚 
3113 5-9 
  百石買て 江戸を古郷   
  武士の地位を金で買う?☆HP「武玉川を歩む」 
3114 5-9 
  傘て行 人の限りの 東海寺
  東海寺→品川の沢庵開山の禅寺 旅送りの人が立ち寄る
3115 5-9 
  爰て従弟の しれる冷飯 
  爰→ここ 冷飯→墓に供えた飯☆江語辞 死んでから縁者が判明? 
3116 5-9 
  まんたらハ 三百両て 目か覚る
  湯島霊雲寺は綱吉から三百両寄進をうけ祈願寺として創建 曼荼羅で結縁灌頂
3117 5-9 
  六月の夜も 妙薬のうち 
  夕涼みで恋が進展  
3118 5-9 
  物喰ふて 痩ると親ハ 合点して
  悪阻? 
3119 5-9 
  両六原へ 持て出る梦 
  両六原→りょうろくはら 鎌倉幕府の南北六波羅探題 梦→ゆめ
3120 5-9 
  能い口か 有れハ宗旨か 気にいらす
  良い縁談だが法華と門徒  
3121 5-9 
  舌て畳て わたすほうつき 
  ☆そのまんまか 
3122 5-9 
  従弟同士の 突はなし物 
  突き放す↓関係を絶って相手にしなくなる☆国大 
3123 5-9 
  正月に 成とそろそろ・ 馬鹿に成
  やっと大晦日の借金取りから逃れられてホッと 
3124 5-9 
  百度参リの 細長いかほ 
  真剣でやつれた人が多い?  
3125 5-10 
  はしやく煙艸の 鐘へつく息 
  煙艸→たばこ  上野寛永寺の花見終了の鐘
3126 5-10 
  鷺と烏の 意趣の有る皃 
  白鷺とカラスの白黒対決 「烏鷺の争い」は囲碁の意 碁仇か
3127 5-10 
  うつくし過て 入れにくい傘 
  傘に入れてあげたいが 美人で気後れ 
3128 5-10 
  汲鮎や 八百屋に蓼の ほしい比
  汲鮎→くみあゆ のぼる鮎を網に追い入れ柄杓などですくう☆国大 比→ころ
3129 5-10 
  禿の十五 正月を見す   
  十六で一人前になるのが嫌  あるいは十五のうちに新造になった?
3130 5-10 
  青柳や あみ笠ほとハ 日を通し  
  青柳を通る光  
3131 5-10 
  夜明の座頭 蚊か吸て居   
  徹夜の酒宴に呼ばれて眠り込み  
3132 5-10 
  聞惚のする 雪うちの声   
  雪うち→雪打 雪合戦 雪の日は声が澄んで
3133 5-10 
  本服の 礼に歩行ハ 最ウ惚て  
  本服→本復? 歩行ハ→ありけば 病気が治ってはやくも色気が  
3134 5-10 
  素湯を呑 顔の哀な 鉢扣  
  素湯→さゆ 鉢扣→はちたたき 年末に鉦や瓢箪を叩き勧進する空也僧 寒そう?
3135 5-10 
  凡夫さかんに 丸くなる撥   
  「凡夫盛んなる時は神も祟りなし」 三味線弾きまくり?  
3136 5-10 
  信玄公と 遣ふ柿・うり  
  遣ふ→つかう 利用する 柿・→柿 信玄は民に干柿用に柿を植えさせたという それを引き合いに出して
3137 5-10 
  艸餅を焼く 新らしい顔  
  三月三日は厄払いに草餅を食べる習慣あり 三月五日は奉公人の交代日 新人が堅くなった草餅を焼いて食べる
3138 5-10 
  気違の 見ると飛つく 伊達道具 
  伊達道具→流行の洒落た器物 茶道具など マニア垂涎の 
3139 5-10 
  ふところに いけましまし・と 馬のふん 
  いけましまし・と→ いけまじまじと いやに真面目面をして 狐に化かされ
3140 5-10 
  蚊屋を蛙の 廻る蓬生  
  蓬生→草深い荒れた地の家 家に蛙が這入ってくる  
3141 5-10 
  我貰ふ やうに覚る 奉加帳 
  集めていると自分が貰った気に  
3142 5-10 
  湯殿山 訳ハ咄さす 怖からせ 
  銭が参道に散らばっているのは何故?   
3143 5-11 
  赤すいき 棒ほとにこそ 成にけり  
  すいき→ずいき 里芋類の茎   
3144 5-11 
  波風立す 今に貧乏   
  立す→たてず 毒にも薬にもならず   
3145 5-11 
  入聟の 呵られはしめ 年忘  
  堅い聟がはめをはずして  
3146 5-11 
  吉祥寺 泉岳寺より 面白き  
  吉祥寺→きっしょうじ 八百屋お七の伝説あり  ☆江戸文学地名辞典 
3147 5-11 
  我皃の ほくろに指の 行安き  
  皃→顔 くせ   
3148 5-11 
  裸て膳を 下ケる 魂・棚  
  魂・棚→たまだな 盂蘭盆に精霊を迎え供物を供える棚 暑くてつい
3149 5-11 
  金のない 方へなみたを 封し込  
  泣く泣く金のあるほうへ?  
3150 5-11 
  春雨や 古い妾の しのひ駒  
  しのひ駒→三味線の音を抑える駒 古風な妾  
3151 5-11 
  蚊遣リ火を 給仕ハ盆て 消して行 
  ☆そのまんま   
3152 5-11 
  朝皃の戸ハ 母のからくり  
  からくり→計略 たくらみ 朝帰りの息子をこっそり家へ 
3153 5-11 
  挑灯に 年明き共の ゆめの跡 
  年明き→ねんあき 吉原の年季明け 箱提灯に花魁の紋あり ☆江戸吉原図聚 
3154 5-11 
  大晦日に 真の孝行  
  大晦日→おおつごもり 借金のないことこそ  
3155 5-11 
  翦矢もたせて いたゐ口上  
  翦矢→それや 流れ矢 浮気の意 仲人が浮気の仲裁?
3156 5-11 
  他人から 乳母に出ぬかと つれなくも 
  乳児を持つ女が自分の子を人に預けて乳母奉公に出た  
3157 5-11 
  食ハ喰かと 人鬼ハなし  
  食→めし 困った時に人の情けが  
3158 5-11 
  山伏も 二人来ルのハ 面白き 
  憑き物落とし?   
3159 5-11 
  呉服店・ 我が名の下に かしこまり
  呉服店・→ごふくみせ 客に馴染の手代がわかるよう壁に手代の名を書いた紙が貼ってあった
3160 5-11 
  看病に 口かすへつて はね出され
  病の旦那に女中が失言?  
3161 5-12 
  引窓か 明けハ律儀に ありかたし
  引窓→天窓 綱を引いて開閉する ちゃんと開いて良かった
3162 5-12 
  後家の田地へ 六地蔵たつ 
  六地蔵→六体の地蔵尊 和尚が後家をだまして? 
3163 5-12 
  余所の起請の きたなかられる 
  他の遊里の起請文  
3164 5-12 
  八専に 照々・坊主 派かきかす
  八専→はっせん 壬子と癸亥の間の十二日間 降雨が多いという
3165 5-12 
  ゑひすの顔も 十月か骨 
  骨→最も重要な所 中心 恵比寿講は十月二十日
3166 5-12 
  はつち坊主に 人参のから 
  はつち坊主→托鉢坊主 朝鮮人参が買える金持ちなのに
3167 5-12 
  胡葱ハ 結れる草 別れ艸 
  胡葱→あさつき 結れる→むすばれる 胡葱は料理で結ぶ 三月四日は雛人形に胡葱膾を供え翌日奉公人は出代り日
3168 5-12 
  かたまつて居る 桟留の質  
  桟留→さんとめ サントメ縞の綿織物 質屋の蔵で一所に 
3169 5-12 
  加持の道具を 怖そうに拭  
  ☆そのまんま   
3170 5-12 
  口かいやさに 葱を落る日  
  落る→精進などが終わる?   
3171 5-12 
  せんたくの 女の側に 蟇 
  蟇→ひきがえる 似ている?  
3172 5-12 
  夕薬師 むす子のうその 三番叟 
  夕薬師→茅場町の薬師 三番叟→物事の手始めの意 夜遊びにいく最初の言訳 
3173 5-12 
  津の国や 波打際の あわれ也 
  津の国→摂津 須磨の汐汲松風村雨  
3174 5-12 
  辛子酢の 引張足らぬ 真裸  
  辛子酢→初鰹につける ???   
3175 5-12 
  古あみ笠へ 癪かさし込   
  ついに仇発見?  
3176 5-12 
  夕皃か ましめに成と 夏祓  
  夕皃→ゆうがお 夏祓→なつばらえ 夏越の祓え 六月晦日の神事 ???
3177 5-12 
  見抜たやうに 六月の傘   
  夕立に備えて傘を持参  
3178 5-12 
  毒に成 薬にもなる 立すかた  
  美人妻  
3179 5-13 
  薮入の 咄か尽て 庭へおり  
  奉公人が主人に故郷の話をしてから仕事にとりかかる?   
3180 5-13 
  足軽になる 庚申の翌   
  翌→あす 庚申待の翌朝 眠ると短命になるというので徹夜 
3181 5-13 
  乳貰の 笠着て袖を 笠にきせ  
  赤ん坊が雨に濡れぬよう?  
3182 5-13 
  大病の 異見に椀と 箸を持
  椀と箸だけ持たせて追い出すぞと放蕩息子を説教?
3183 5-13 
  うき世繪書ハ 突出した顔 
  描きながら見得?  
3184 5-13 
  裏から昼の 知れる子おろし 
  子おろし→中条流 表は戸を閉めて暗い 
3185 5-13 
  六に出て 六に帰を 六あみた
  六→六ツ 六阿弥陀詣 夜明けに出て日暮れに帰る
3186 5-13 
  朝皃も 翌の姿の 尖りけり
  朝皃→朝顔 翌→あす? 尖る↓感情的になる☆国大 朝はここぞと力んでいる?
3187 5-13 
  師走から 鳴うくひすも 通リ物
  通リ物→通り魔 魔物 あるいは通り者で通人の意?
3188 5-13 
  踏れても 先の町てハ 又おとり
  江戸の盆踊りは子供が行進 小町踊りという 
3189 5-13 
  つまんたやうに 乗て行人 
  辻駕篭に声をかけられて?  
3190 5-13 
  哥まくら 他人の方か 近く成 
  昔の歌人に親しむ   
3191 5-13 
  浪人の目に 怖い人しん  
  人しん→にんじん 貧乏浪人からみると高価な物は 
3192 5-13 
  うれしさハ かゝり次第の 上草履 
  かかり次第→来て直ちに? 上草履→遊女が屋内で履く底の厚い草履 すぐ花魁の草履の音がしてありがたい
3193 5-13 
  橋て行儀に 遣う寒聲  
  行儀に→行儀よく 遣う→つかう 寒聲→冬の夜屋外でする音曲の稽古
3194 5-13 
  仲人か 見せる斗に 茶を持せ 
  斗→ばかり だけ お嫁さん候補がお茶を 
3195 5-13 
  冷食を 喰ふを見て居る 猿轡 
  冷食→ひやめし 強盗に入られて  
3196 5-13 
  言伝を 戻る脊中へ たゝき込 
  きっと頼んだよ   
3197 5-14 
  大つゝみ 口説た聲か うそに成 
  口説た→くどいた ???  
3198 5-14 
  九ツハ 独寐られぬ 鐘の声 
  九ツ→午前零時 吉原の閉店時間  
3199 5-14 
  かわゆかられた 後か怖し  
  何か下心が?   
3200 5-14 
  地うたひ揃い なめる唇  
  能の地謡の人が揃って   
3201 5-14 
  胡葱を 立派に喰て 立わかれ 
  胡葱→あさつき 三月四日は雛人形に胡葱膾を供える 三月五日は奉公人の交替日
3202 5-14 
  聟の来る 町を駕から 打詠 
  打詠→うちながめ どんな人かなと  
3203 5-14 
  久しい顔へ 曲る乗掛  
  乗掛→馬の両側に明荷を渡し布団を敷いて乗る 知り合いの方へ寄る 
3204 5-14 
  下をは我か 明けて目薬  
  下の瞼は自分で引き下げて眼薬をさしてもらう☆HP「武玉川を歩む」 
3205 5-14 
  翌迄ハ 利口の入らぬ 年忘
  翌→あす 入らぬ→要らぬ? 年忘→忘年会 今夜だけは馬鹿になって騒ぐ
3206 5-14 
  取巻れ 帰朝の口の いそかしき
  帰国して  
3207 5-14 
  飛鳥山 毛虫に成て 見限られ
  王子の飛鳥山は桜の名所 葉桜になって客が減る 
3208 5-14 
  うつくしい手を あてる大こゑ 
  女の人が口に手をあてて  
3209 5-14 
  茶わん酒 若い大屋に 誉らるゝ
  経験深い大屋なら誉めない  
3210 5-14 
  二階から 見る初雪ハ ほんの事
  ほんの→本当の 吉原の二階で見る初雪こそ 
3211 5-14 
  水の見廻の 提て来る水 
  見廻→みまい 洪水見舞に飲み水を 
3212 5-14 
  早乙女の しこなしたてに 寺の飯
  しこなす→当然顔でする なれなれしくする 
3213 5-14 
  女房の留守も おもしろい物 
  悪い友達が来て博打とか  
3214 5-14 
  逢闇に 互の心 灯かとほり
  逢闇→あうやみ 暗闇での逢い引きだが心には 
3215 5-15 
  とろほうに 真赤な顔ハ なかりけり
  皆真っ青な必死の形相  
3216 5-15 
  艸の庵 気つけも持て 死て居
  独り者の悲哀  
3217 5-15 
  羽箒 淋しい顔を なてゝ居
  羽箒→鳥の羽で作った小箒 茶道などで使う 所在なし?
3218 5-15 
  梳く時ハ 側てもかゆひ 心もち
  ☆そのまんま  
3219 5-15 
  俤に 立事はかり 言ひならへ
  俤→おもかげ 姿や光景が浮かぶことばかり 嫌がらせ
3220 5-15 
  居敷ほと 薄をむしる 狐釣
  居敷→いしき 尻 薄→すすき 狐釣→罠をかけ狐を捕る
3221 5-15 
  海を詠めて 止る入唐  
  遣唐使 留学も命あっての  
3222 5-15 
  身うちか口て 三度去らるゝ  
  去らるゝ→離縁される 口さがない親戚のせいで  
3223 5-15 
  六切の 門へ這入て 腰か抜 
  六切→むつぎり 武家や寺院の夕暮の門限 大急ぎで戻ったので 
3224 5-15 
  人形の 中てのろまハ 毒らしき 
  のろま→野呂間人形 奇怪な容貌の操り人形の一種 人形浄瑠璃の間狂言を演じた 
3225 5-15 
  あやまる客へ 立て居て酌  
  まあまあ駆けつけ三杯   
3226 5-15 
  安物買の 主従か出る  
  ???   
3227 5-15 
  留守留守・と 立派に言て 大つゝみ 
  貧乏武家が掛取に露骨な居留守を?   
3228 5-15 
  手箱金 妻ハ喧嘩・の ふまへ物 
  ふまへ物→よりどころの物 掌握した物  
3229 5-15 
  懸人なれす 二階から落  
  懸人→かかりど 居候 慣れぬ居候先で 
3230 5-15 
  干からひにけり 伊藤源介  
  ???   
3231 5-15 
  かてんせぬ 文を押込 ほんのくほ 
  かてん→合点 ほんのくほ→うなじの中央の 窪んだ所 ???
3232 5-15 
  脇指を 面白くぬく 大神楽 
  脇指→わきざし 大神楽→曲芸の芸人 太神楽の親方は脇差を差している
3233 5-16 
  隣歩行を させぬ菜箸  
  隣歩行→となりありき 迷い箸はだめ  
3234 5-16 
  馬喰町 御捌誉て 酒を買 
  馬喰町→田舎の訴訟人が宿泊 御捌→おさばき よい判決が出て 
3235 5-16 
  みとり子の つまみ初ハ 蝶の羽 
  ☆そのまんま   
3236 5-16 
  鞘の出る 合羽も今ハ 持ぬ也
  浪人して丸合羽を着る身に
3237 5-16 
  髪結て 淋しく見える 海士の皃
  海士→あま 皃→顔 結わない黒髪の方が活き活き
3238 5-16 
  妾をねめねめ・ 人参を干 
  ねめる→にらむ 夫の病気の原因は
3239 5-16 
  さかなに反りを 付る冷水 
  鮮度をごまかす 
3240 5-16 
  言ほと言て 跡のない尼 
  言うだけ言うが あとはサッパリ 
3241 5-16 
  大黒ハ 慾にかまけて 能表具
  大黒→僧の妻 能表具→よいひょうぐ 寺伝のお宝を?
3242 5-16 
  焼鼠 昆布に山椒ハ へらす口
  焼鼠→やきねずみ 焼鼠を狐に預ける→好物をそばに置いて油断がならぬ意 昆布→こぶ 山椒と佃煮に
3243 5-16 
  目て咄する 所ハ目たらけ 
  人目が多くて目で合図  
3244 5-16 
  坂本へ まついさくらを くれて行
  坂本の太閤桜?  
3245 5-16 
  帆て行日にハ 皆椀て喰ふ 
  船酔いに備えて小食?  
3246 5-16 
  ちろりの最期 逆さまにつぐ 
  ちろり→酒を暖める銅製の筒 逆さまにして最後の一滴を 
3247 5-16 
  たいこ持 三味線か出て 畏り
  畏り→かしこまり ここは真面目な芸を披露
3248 5-16 
  釜拂 吹出す湯気に 跡退去り
  釜拂→月末に巫女が来て荒神 様にお祈りをする 跡退去り→あとじさり
3249 5-16 
  知行に持て 見たいよし原 
  知行→領地 武士の夢 好きな時に登楼できる
3250 5-16 
  夫婦連にて 分ンな温泉に入 
  分ンな→ぶんな 格別な 温泉→ゆ
3251 5-17 
  子安婆々・ 分別過た 名なりけり
  子安婆々・→産婆 子安は安産の意 
3252 5-17 
  手を突て見る 葉隠れの瓜 
  葉隠れ→草木や葉のかげ ☆そのまんま 
3253 5-17 
  金借し後家の 鼓まてうつ 
  金借し→かねかし 男勝りのやり手の後家 
3254 5-17 
  足跡の 丁度揃て 大根引
  等間隔で  
3255 5-17 
  身上りも 二月二日ハ うぬかため
  身上り→遊女が自分で揚代を支払って勤めを休むこと 二月二日→この日すえる灸を二日灸といい著効ありと
3256 5-17 
  今年も尖を たてる七夕 
  尖→とげ 竹の飾り付けで指にとげを 
3257 5-17 
  なひかねハ 火燵も寒い 道具也
  火燵→こたつ 炬燵の中で手を握ろうとして振られた
3258 5-17 
  笙の遠音に 天井を見る 
  寝ていて遠くの笙の音が?  
3259 5-17 
  遠退て 一柄杓つゝ 口を出し  
  遠退て→とおのいて 神社参拝?   
3260 5-17 
  椀久か つふれる前に 文枕  
  椀久→椀屋久右衛門 大坂の豪商 放蕩して座敷牢 文枕→夢にみるために恋文を枕の下に入れる
3261 5-17 
  お内儀の 手を見覚る 縫箔屋  
  手→筆跡 縫箔屋→ぬいはくや 金糸銀糸の刺繍をする職人 細かく指示をうけるので筆跡を見覚えた
3262 5-17 
  元船も 尻から見れハ きりきり・す  
  元船→もとぶね 遠洋を航行するための大船 きりぎりす→吉原通いの二挺立の屋根船 
3263 5-17 
  捨子見付る 起々・の皃   
  皃→顔 早朝に捨て子発見   
3264 5-17 
  朝寐の夜着て 御談義を聞   
  夜着→着物形の蒲団 御談義→目上の人からの小言 夜遊びあげくに呵られる  
3265 5-17 
  稲綱しまへハ 百もない顔  
  稲綱→いづな 飯綱使い? 手品を終えたが観客は百文も持ってなさそう?
3266 5-17 
  関守に 子のある面ラハ なかりけり 
  仕事柄いつも怖い顔   
3267 5-17 
  階子売 うつた先から 寺参リ 
  階子売→はしごうり 身軽になるので?  
3268 5-17 
  湯治のきかぬ 仙臺の鼻  
  仙臺→伊達綱宗 高尾太夫に振られて鼻っばしを折られたが 梅毒ではないので湯治無効
3269 5-18 
  熟柿・喰ふ 君か口元 六かしき 
  熟柿・→じゅくし 熟柿 口がべたべたに 
3270 5-18 
  向ふ桟敷へ 烏芋投込む  
  向ふ桟敷→芝居の二階席 後半の追い込みは見えても聞こえない安席 切落し席の客が馬鹿にして? 烏芋→くわい 
3271 5-18 
  夏艸の名を 煩ふてきく  
  漢方薬の冬虫夏草? あるいは病臥して庭に目が行き? 
3272 5-18 
  引立て 見れハ平目も 夜と昼  ☆☆抜け
  表は黒く裏は白い 親を睨むと平目になるという 勘当の名所銚子が産地☆川柳辞彙 息子を引っ立ててみれば昼は大人しいが夜は  
3273 5-18 
  都鳥 餅屋から汲む 水てなし 
  都鳥→隅田川の意 両国橋西詰の幾世餅の茶は色は濃いがまずいので有名 
3274 5-18 
  日頃のうそか 傘てしれ  
  茶屋の名入りの傘で帰った?   
3275 5-18 
  かふろの十五 おとろかれぬる  
  成長がはやい   
3276 5-18 
  手振の聟の 気ハ土産也  
  手振→てぶり 手ぶら 無一文で来た気だての良い聟 
3277 5-18 
  皆むた言の 人参を買  
  むた言→むだごと 無駄事? 徒労? 美人妻は腎虚になると助言したのに?
3278 5-18 
  棒遣ひ 障子を張て 帰りけり 
  棒術の演武で障子を破った   
3279 5-18 
  朝皃の 葉なら花なら ほんと丁 
  ほんと丁→ぼんとちょう 先斗町 京鴨川西岸の茶屋街 着物の柄か? ???
3280 5-18 
  吸物させて 夜の気に勝  
  婚礼?   
3281 5-18 
  田町て見れハ 路次切の海  
  田町→各地にあるが芝の田町か 本芝と車町の間の海沿い 海が路次ごとに切々に見える 
3282 5-18 
  片口の 雨を一盃 くらいけり 
  片口→一方につぎ口のある鉢 土砂降りにあった?  
3283 5-18 
  泣時ハ かたかた・裄か 長く成 
  片裄→着物の左右にずらしてだらしなく着ること 着崩れて 
3284 5-18 
  兄弟中を 誉るけいせい  
  中→仲 曾我兄弟と虎御前か  
3285 5-18 
  誓文の 足らぬ所へ 親を出し 
  誓文→せいもん 起請文  
3286 5-18 
  長柄持 おとりをおとる つむし風 
  長柄持→ながえもち 貴人にさしかける長柄の傘を持つ従者 花魁道中か?
3287 5-19 
  銭をもたぬも 長生キの相  
  結果的に養生に   
3288 5-19 
  蠅を追せて 寐入怪我人  
  寐入→ねいる 傷口に蠅がたかるので   
3289 5-19 
  鉋屑 腹たちそふに 燃てきへ  
  鉋屑→かんなくず ばっと燃え上がりすぐ消える   
3290 5-19 
  暖簾の 小褄に白ひ 足の裏  
  暖簾→のうれん 小褄→こづま 着物の褄 着物のあわせる縁の下の方 暖簾に入る女の人の後姿?
3291 5-19 
  坐頭の家越 さくり草臥   
  家越→やごし 引っ越し さくり→探り 草臥→くたびれ 
3292 5-19 
  人の気の 昔に返る 風か吹キ  
  懐かしい風  
3293 5-19 
  足元の 思案を借りる 草履道  
  先に通った人の足跡を辿る ぬかるんだ道   
3294 5-19 
  いたゝいて寐る 根津の敷物   
  敷物→蒲団? 岡場所関係?   
3295 5-19 
  師匠へ膳を 送るしも月   
  送り膳→宴席に出席しない人に届ける膳部 しも月→十一月 手習い師匠と七五三関係か? 
3296 5-19 
  顔はかり 咄て置て うまからせ
  食通自慢? 見合い相手の紹介?  
3297 5-19 
  手負か歌を 読て騒動 
  薩摩守平忠度 一ノ谷で右腕を切られ討死 所持の歌で忠度と知れた
3298 5-19 
  年号も二度 かハる勘当 
  勘当が解けずに幾年か  
3299 5-19 
  人の事 頼む時にも 抱付て
  色仕掛け?  
3300 5-19 
  いろは短哥に ひしひし・と合 
  いろは短哥→いろはを頭文字にした諺や歌を集めたもの 犬も歩けば棒に当たるとか
3301 5-19 
  隠す事 聞ハ角文字 ゆかみ文字
  聞ハ→きけば 角文字→い ゆかみ文字→く
3302 5-19 
  四十から 心の猿に 毛がふへる
  多少は分別がつく?  
3303 5-19 
  新地か出来て 侍の恥  
  新地→新開地 深川新地? ??? 
3304 5-19 
  桟敷てみれハ 咄されぬ年  
  詰め込まれて近くで見ると   
3305 5-20 
  脊中から 泣子引出す 麦の中 
  麦畑で授乳   
3306 5-20 
  女房の物に 冬の行燈  
  行燈→あんどん 日が短く夜なべ仕事に?  
3307 5-20 
  乙雪もまた 母の日に降  
  乙雪→おとゆき 最後の雪☆雑俳語辞典 ??? 
3308 5-20 
  雨もりに 百万遍を 筋違る 
  筋違る→すじかえる ゆがめる 斜めにする 百万遍の大数珠の輪が乱れ
3309 5-20 
  おこりか落て いやな高縄  
  おこり→マラリア性の熱 増上寺の僧が止むに止まれず高輪の茶屋で変装して品川の遊郭へ あとは後悔 
3310 5-20 
  夜はかり来る 顔にかうやく  
  妾宅を訪ねる旦那の顔に女房の攻撃の跡が☆HP「武玉川を歩む」
3311 5-20 
  ゆくゆく・ハ 雀もあちな ものに成
  あちな→色っぽい 雀海中に入って蛤となる 
3312 5-20 
  魂・の いくつも有を 聞たかり
  入れ替えましたなどと無意味な返事を求めて? 
3313 5-20 
  一門を よせてのめのめ・ 生かへり
  のめのめ・→ぬけぬけと 臨終に一族集まったが生き返った
3314 5-20 
  堪忍の いつち仕廻に 肌を入れ
  仕廻→しまい 脱いだ片肌をしまう 
3315 5-20 
  牛蒡一重 御鬮ほと振る 
  御鬮→みくじ あく抜き? 普通はさらすだけだが? 
3316 5-20 
  長枕 我身代ハ はなれもの
  長枕→二人寝用の長い枕 今が良ければ 
3317 5-20 
  高尾か小言 常の声なり 
  かえって怖い?  
3318 5-20 
  一盃呑と 母ハ梦介 
  梦介→ゆめすけ よく眠る人のこと   
3319 5-20 
  聲替り 念者の蒔た 種かはへ  
  念者→男色の兄分 おかげで立派に成長?   
3320 5-20 
  目黒まて 傘うりの 味を〆  
  茅場町薬師堂の傘にあやかって目黒不動でも?  
3321 5-20 
  ひよこの中を ありく石女   
  石女→うまずめ  
3322 5-20 
  智職のうへに 六月ハなし   
  智職→智識 ちしき 善知識 仏法指導者? 心頭滅却すれば暑くない
3323 5-20 
  取揚婆々・の 飽る飛魚   
  飛魚は産婦の母乳の出がよくなるという  
3324 5-21 
  死ぬほとの 中とハ親も しらま弓  
  しらま弓→白真弓 ここでは知らないの意か 心中の親の後悔  
3325 5-21 
  ほとゝきす 濡れた草紙の 上を行  
  濡れた草紙→草紙洗 謡曲草子洗小町 時しも頃は卯月半
3326 5-21 
  つまんて笑ふ 本服の髪  
  長い病気がやっと癒えて 髪もぼうぼうに  
3327 5-21 
  律儀な野守 吹からを踏  
  野守→立入禁止の野の番人 吹から→ふきがら 煙草の吸い殻 火の用心
3328 5-21 
  先に成 筈を妹を ほしかられ 
  姉より妹の縁談が先に   
3329 5-21 
  光陰の 二百十日ハ かたき役 
  野分で古い家が壊れる?   
3330 5-21 
  鳥居を馬の 舐る十月  
  舐る→ねぶる 神無月でひま?  
3331 5-21 
  流れ留りハ やり手也けり  
  河竹の流れの身の遊女 流転の末に遣手になった   
3332 5-21 
  つめられて 動ぬ人の 凄く成 
  つめる→つねる 恋の誘い? 凄い→気味が悪い? あるいは死人?☆HP「武玉川を歩む」
3333 5-21 
  今死た戸へ 夕日さし込  
  西方浄土からお迎えのよう   
3334 5-21 
  うき世を狭く おもふ大判  
  大判は恩賞用で流通はしない 小判と違って世界が狭い   
3335 5-21 
  十七文字の 恩の田を刈  
  十七文字→俳諧? 恩の田→恩田 報恩福田 父母など恩に報いねばならぬもののこと 三囲稲荷其角の雨乞いの田?☆HP「武玉川を歩む」
3336 5-21 
  萱か軒端に 人形が干  
  萱→かや 干→ほせ? 人形→ひとがた 田舎の七夕で軒から紙人形を吊るすことがあるという
3337 5-21 
  かたかた・見える 鐘つきの足  
  かたかた→片一方   
3338 5-21 
  尊き寺の 塀につゝかい  
  つゝかい→つっかえ 古寺の塀につっかえ棒が  
3339 5-21 
  越後屋ハ 風薬さへ おそろしき 
  奉公人が多いので風邪がはやると薬代も大変だし長引くので警戒?  
3340 5-21 
  虫歯の療治 舌へ日かさす  
  明るいところへ行って診察   
3341 5-22 
  鶴亀の 膳を並て 人ひとり 
  ☆胸裏三計 生後百二十日の食い初めの儀お椀に鶴亀の蒔絵模様あり  
3342 5-22 
  六月も 狩場の文ハ ぬれて来 
  五月二十八日の曽我兄弟仇討ちと虎御前の虎が雨 手紙が着くのは水無月六月   
3343 5-22 
  初ての異見ハ 柴の戸へ呼  
  初て→しょて 最初 柴の戸→粗末なすみか 放蕩息子の説教
3344 5-22 
  物言ぬ子に 日傘届かず  
  赤子は日傘がはずれていても言えない   
3345 5-22 
  盗に逢て 遅ひ朝食  
  被害を調べてから食事 あるいは猿轡を解くのに時間がかかった?  
3346 5-22 
  去リ状の 向ふへ居ハる 艸履取 
  去リ状→離縁状 解雇状 居ハる→すわる ???
3347 5-22 
  蝸牛 出ぬ分別の 先を行 
  蝸牛→かたつぶり 思案して良い考えが浮かばぬ前に蝸牛が行ってしまった  
3348 5-22 
  かさ食ハ 手のくほよりも はかなくて 
  かさ食→かさめし かさ→塗椀の蓋? 手の窪→掌に飯をのせて喰うこと☆江語辞
3349 5-22 
  墨衣 人のほしかる 顔をもち 
  墨衣→僧衣 喪服 後家の色気? 
3350 5-22 
  乳母かまくらハ 主の一ツ身
  一ツ身→乳児用の着物 主である幼児の着物を枕に転用  
3351 5-22 
  うら盆や 手を振習ふ 松ケ崎 
  京都五山の送り火 松ケ崎→妙と法の送り火 盆踊りか?☆HP「武玉川を歩む」 
3352 5-22 
  破れかふれの 顔かうつくし  
  意を決した女性の美しさ   
3353 5-22 
  宿下の 琴に親仁の 目か居リ 
  宿下→やどおり 奉公の休暇 居リ→すわり 久しぶりの娘の琴
3354 5-22 
  雪の深サの しれる大聲  
  うわー降ったなーなどと 小僧の声が静かに響く  
3355 5-22 
  仲人の うそをつかんと 先に立 
  先に立→先頭に立つ 仲人は大抵誇大に話をする 先方は蔵が二つあるとか 
3356 5-22 
  遺言の 硯か出ると むつかしき
  以前から考えてあっても いざ書こうとすると 
3357 5-22 
  役の行者の さくらから出る 
  吉野修験道の開祖 吉野は桜の名所 
3358 5-23 
  唐からし 斗ツて買ハ おそろしき
  これみんな喰うのか  
3359 5-23 
  直らすハ いかにおかしき 風ほろし
  直らすハ→なおらずば 風ほろし→熱で出る発疹 一過性で消えるので
3360 5-23 
  手拭うせて 猫もなく成 
  猫の集会に手拭かぶって  
3361 5-23 
  異見言ふ 人も昔は 大三十日
  掛取りには皆苦労した  
3362 5-23 
  伽といふ名て 恥しいかほ 
  寝ずの看病も伽 殿様の寝所に召されるのも伽 
3363 5-23 
  女房の前を 通る祭見 
  祭礼についていくと自分の長屋の前も通っていく 
3364 5-23 
  よい事ハ うそにも聞て 起上リ  
  何かよさそうな話が耳に入ると起きてくる   
3365 5-23 
  娘に風の 遠い六月   
  暑いがだらしない格好はできないし   
3366 5-23 
  平目のいわれ 親子いさかい   
  親を睨むと平目になるといわれた   
3367 5-23 
  蝋・燭てよむ 腹たちの文   
  人目をさけて読む文?  
3368 5-23 
  女房の手に かゝる掛取   
  借金取りがいいまかされる?  
3369 5-23 
  蹴ていたゝかぬ ほとのこし元   
  殿様が手を出して?  
3370 5-23 
  頼政ハ 地紙の形リに 死て居  
  頼政→源三位頼政 地紙→じがみ 形リ→なり 扇を敷いて自害 その跡が平等院扇の芝
3371 5-23 
  九十九夜 供も同しく 九十九夜  
  深草の少将の小町百夜通い 供もつきあわされて大変  
3372 5-23 
  つとめにくいと 親か煩ふ  
  子の奉公先の事を親が悩む? 奉公が長続きしない子?☆HP「武玉川を歩む」  
3373 5-23 
  隅田て逢ても 胸くらを取  
  隅田→すだ 女房が吉原行きと邪推  
3374 5-23 
  小春ハ人の 真中を着ル  
  小春→初冬の温暖な気候 暖かいか寒いか微妙なので  
3375 5-23 
  傘を詠めて 和尚是まて  
  詠めて→ながめて 清水の舞台? 何かの芝居?  
3376 5-24 
  盗た馬て 坂ハ照々・  
  照々・→てるてる 鈴鹿馬子唄 坂は照るてる鈴鹿は曇る 鈴鹿峠の山賊を田村麻呂が退治
3377 5-24 
  娘の四花を 家内あつかる  
  四花→しか 四花患門 ぶらぶら病に効く灸点 恋煩いで気鬱の娘に灸を 家人も熱がる?
3378 5-24 
  付たかと はくろの顔を ふり向ル 
  付たかと→ついたかと はくろ→お歯黒 女性の半元服  
3379 5-24 
  戻ると腰の ぬける棚経   
  棚経→たなぎょう 盂蘭盆の読経に僧が檀家を廻る お布施目当てに廻れる限り廻るので 
3380 5-24 
  人間を 大キく見せる 格子縞  
  格子縞→竪縞と横縞の縞柄 格子と孔子をかける?   
3381 5-24 
  立ハ挟刀の 響く笠縫   
  立ハ→たてば 裁てば? 挟刀→はさみ 笠縫→菅笠などを縫って作る人
3382 5-24 
  桶伏の 人も日和を 聞たかり  
  桶伏→吉原で代金が足りない客の仕置き 桶の下なので天気は関係ないのだが  
3383 5-24 
  挨拶に出る 六月の小   
  小→品川のやや安い女郎?  
3384 5-24 
  わつか妹に 残る遺言   
  長男には多く書かれているが  
3385 5-24 
  あみ笠ハ 九つ迄か あわれなり  
  大門が閉まれば後は無用   
3386 5-24 
  大聲の 顔を見あける 写し物 
  写し物→書写   
3387 5-24 
  うつふくて知る 千垢離の施主  
  うつぶく→うつむく 千垢離→せんごり 祈願で川や滝で身を清める 真剣にうつむいて祈念しているのが病人の家族
3388 5-24 
  御能遥に 士農工商  
  江戸城の能に大屋などが招待される町入能  
3389 5-24 
  人の命を 医者の手習  
  修行中の医者   
3390 5-24 
  とろゝを摺て 遊ふ関守  
  田舎の関所?   
3391 5-24 
  我怖そうな 家老かゝへる  
  我怖そうな→わがこわそうな 意思の弱い殿様の工夫?  
3392 5-24 
  下リ役者の けなす白魚  
  江戸の白魚は伊勢から移入されたものという 本場は上方? 
3393 5-24 
  捨鐘ひとつ 飛上る武士  
  捨鐘→時の鐘の前に三つ捨鐘を打つ 武士は門限厳守 
3394 5-25 
  清水か涌て 和尚たおれる  
  弘法大師に少し及ばず?   
3395 5-25 
  めくろの餅か 誓文に立  
  目黒不動の土産の餅花 品川遊郭にいったんじゃないよという言い訳 
3396 5-25 
  後添の ひやひや・思ふ 梓弓 
  梓弓→巫女の口寄せ 先妻の霊が何かいわないかと  
3397 5-25 
  鷹一つ くらき青葉に 包れる 
  鷹が森に入る様子?   
3398 5-25 
  此物前ハ いなおふせ鳥  
  物前→節季や紋日の前 いなおふせ鳥→不詳の鳥 古今集秘伝三鳥の一つ いなもおうも(不承知も承知も)の洒落か?
3399 5-25 
  大晦日 乞食の種を 蒔日也 
  掛取りが来ていよいよ貧乏   
3400 5-25 
  豆腐屋に 有朝顔か ほんの事
  ほんの→本当の どっちも早起き  
3401 5-25 
  長い紙燭の 出来る六月  
  蚊帳の蚊を焼くため?   
3402 5-25 
  伊勢講と出て 内をましなふ  
  伊勢講→旅費を積み立て籤に当たった者が伊勢参宮する ましなう→お祓いをする 旅行中に家に災難がないよう 間男とか?
3403 5-25 
  蚊の喰ものに 浪人か越  
  蚊の多い長屋に引っ越し   
3404 5-25 
  今の和尚も 腹を苦にする  
  囲われの妊娠?   
3405 5-25 
  鰒も恋しき 端にそ有ける  
  鰒→ふぐ 端→はし はしくれ 糸口 「逢見むと云ひ渡りしは行末の物思ふ事の端にぞありける」☆大納言成通 千載和歌集
3406 5-25 
  知行に穴を 明る気に入  
  知行→領地 気に入りの花魁に入れあげて ? 
3407 5-25 
  狐の面ンを 持て迷ひ子  
  迷子の姿 お面をかぶっていてはぐれた?
3408 5-25 
  腹のたつ時 肩衣か鳴る  
  肩衣→かたぎぬ 裃 肩を聳やかして上下ががさがさいう
3409 5-25 
  黒鯛ハ 釣を懸ても 武士てなし 
  黒鯛は引きが強い 釣られても往生際が悪い?  
3410 5-25 
  気転の利た 風呂敷の角ミ  
  角ミ→すみ 角がなければ使えない?  
3411 5-25 
  鎌倉山や 去リ状か飛ふ  
  鎌倉山→鎌倉 鎌倉周辺の山 松ガ岡東慶寺は駆け込み寺 三年で離婚成立
3412 5-26 
  きさら津舟に 乳母か一艘  
  木更津舟→江戸と上総木更津を結ぶ舟 出稼ぎ? 
3413 5-26 
  三粒降ても 奥ハてんかく  
  真崎の田楽で初雪登楼の準備   
3414 5-26 
  五十年 向ふへ飛て 生見魂・ 
  生見魂・→いくみたま 盆に生きている両親に接待をする行事 五十年後は本当の
3415 5-26 
  雪へおろせは 沈む乗物  
  乗物→引き戸付きの駕篭 静かな中積もった新雪に  
3416 5-26 
  むすめの箱へ 戻る夕くれ  
  箱入り娘が箱へ帰る   
3417 5-26 
  死て見たれハ 又とない皃  
  皃→顔 こんな優しい顔だったのかと 
3418 5-26 
  それとなふ 暇もやらす 崩簗 
  暇→いとま 崩簗→くずれやな 晩秋漁期が過ぎて放置された壊れた下り簗 休みなく働かされた挙句
3419 5-26 
  三夫婦有て おもしろい内  
  三夫婦→みみょうと 親子孫三代の夫婦が揃っていること 生活のリズムがいろいろ
3420 5-26 
  三門の 上の願ハ たはこ盆 
  三門→山門 増上寺などでは斎日などに山門の楼上に登れた 景色を見ながら一服したい
3421 5-26 
  鉢の木か四つ なくて残念  
  謡曲鉢の木佐野源左衛門常世 四つあればもう一つ領地が貰えたかも 
3422 5-26 
  雇者 ゑんゑん・わいも うハの空  
  雇者→やといもの 使用人? えんえんわい→戦のときの声☆雑俳語辞典 傭兵?
3423 5-26 
  居所を聞て 親の溜息   
  放蕩息子が悪友の所に あるいは遊廓に居続け 
3424 5-26 
  あたりへハ 客にして置 廿日艸  
  廿日艸→はつかぐさ 牡丹 富貴草ともいう 自分の家は豊かでもないので あるいは美人の嫁候補が家に来ている?☆HP「武玉川を歩む」
3425 5-26 
  物をよく 書と若衆の にくゝ成  
  よく書く→能書? 若衆→わかしゅ 元服前の少年 陰間 念者からみると可愛げが
3426 5-26 
  七日七日・に 湯女の衣ゝ   
  湯治は七日で一単位 七日で別の湯へ移るので 湯女ともお別れ  
3427 5-26 
  鴛に小袖を 懸る霜の夜   
  鴛→おし 雄のおしどり 亭主に小袖を掛けてやる おしどり夫婦の女房 
3428 5-26 
  のし餅に 成ルと酒屋も 夜か明  
  金持ちの酒屋の暮れの餅つき 全部搗き上がるのに一晩?   
3429 5-26 
  妻ハ小言て 洗ふ生酔  
  泥まみれの酔っばらいを洗う   
3430 5-27 
  鑓持の 鑓を渡しの 力艸 
  力艸→ちからぐさ 力と頼むもの 川渡しの時思わず握りしめる 
3431 5-27 
  階子に通を 得たる女房  
  階子→はしご 階段? 通→神通力? ???
3432 5-27 
  吸口にして 突放す瞽女  
  吸口→吸物に添えて香気をつける柚子など  
3433 5-27 
  むすめに反りを つける晴天  
  気も晴れ背筋も伸びて   
3434 5-27 
  鵜遣ひの ちつと喰せて 可愛かり 
  鵜飼で大方は搾取   
3435 5-27 
  調市を入れて 蚊屋の綻  
  調市→でっち 寝相が悪くて  
3436 5-27 
  内にかと いへハきのふの 手を合 
  昨日葬式帰りに一緒に登楼した友人が家に訪ねてきた 女房には内緒にしてくれ 
3437 5-27 
  馬士おとなしく 医者連て来  
  馬士→まご 可愛がっている馬が病気で? 
3438 5-27 
  妾の笑ひ わらひてハなし  
  つくり笑い   
3439 5-27 
  うかみ出る時 乗物の酔  
  うかむ→浮む 出世する 乗物→引き戸付きの駕篭 慣れない駕篭で酔う
3440 5-27 
  みんな似て居る 九重の皃  
  九重→宮中 みんな雛人形みたい  
3441 5-27 
  うたゝ寐の 姿も人の錺也  
  錺→かざり 飾り 装い☆国大 美人のうたた寝とか 
3442 5-27 
  夫の顔みて 請るさかつき  
  夫→つま 請る→うける 男性から盃を受ける時 旦那の表情をみてから
3443 5-27 
  淋しい皃へ 蚊か死に来  
  淋しい同士   
3444 5-27 
  養子合の おもしろい留守  
  養子合→ようしあわせ 養子どうしの婚姻? どちらも遠慮がなくなり?  
3445 5-27 
  はり合のない 儒者の死際   
  念仏もなく  
3446 5-27 
  千住の鯲 岐夫に呑れる   
  千住→江戸四宿の一つ 遊女屋あり 鯲→どじょう 踊り子のことか? 岐夫→妓夫 ぎゅう
3447 5-27 
  占や算 側に女を うつふかせ  
  占や算→うらやさん 占い 売卜者 側→そば 悪い占い結果を出して?
3448 5-28 
  久しふりとハ 御油の行過   
  東海道御油宿 隣の赤坂宿とは二里もない 話しているうちに行き過ぎて  
3449 5-28 
  奪合ふて鳴る 上野浅艸   
  奪合ふて→ばいおうて 鐘は上野か浅草か 寛永寺と浅草寺の時の鐘が先を争うように  
3450 5-28 
  牛のあわれハ 鼻の穴なり   
  鼻輪の穴が瘡毒に似ている?  
3451 5-28 
  つらい返事を 聞て食傷   
  食傷→食中毒 食べ過ぎて嫌になること 悲しくて食欲が? あるいはやけ食い?
3452 5-28 
  軽ひ沢ても もゆる胸の火 
  軽井沢→中山道の宿場で飯盛女郎多し 
3453 5-28 
  藁うつ音も 夕皃の底 
  夕顔→源氏物語の夕顔のささやかな住まい 貧家の生活の音?
3454 5-28 
  呑込む手代 共に勘当 
  放蕩若旦那と手引きの手代がいっしょに勘当 勘当→子だけでなく家来などの縁を切る意もある☆江語辞
3455 5-28 
  売人ハ誉す 人形の顔 
  売人→うりて 誉す→よみす 誉める
3456 5-28 
  二度手をかけて 逃る竹の子 
  盗めそうで盗めない  
3457 5-28 
  書置に 金といふ字か 十斗
  斗→ばかり 借金で夜逃げ 
3458 5-28 
  かたみ届けた 人にとり付キ 
  つらい役目  
3459 5-28 
  髪置を 寒き扇て あふき立
  髮置→十一月十五日七五三 三歳で初めて髮を伸ばす祝儀 白髪をかたどった綿帽子をかぶせる 初めての月代が寒い?
3460 5-28 
  なせ来たと 握拳の美しき 
  握拳→にぎりこぶし 訳ありの男女の再会 
3461 5-28 
  小聲てわたす おとり廻状 
  廻状→ある事項を知らせるため必要な所へ配布される書類 村の盆踊りの連絡?
3462 5-28 
  生れた家を きたなかる妾 
  貧乏な身の上から妾奉公  
3463 5-28 
  舟の戻りの みんな一塩 
  一塩→薄く塩を振りかける調理法 皆軽く塩味がついている
3464 5-28 
  裸てよいと 伯母か又来 
  持参金なしの裸嫁でよいと縁談をすすめに来る 
3465 5-28 
  ふしきに今年 手の筋か合 
  手の筋→手相☆江語辞 
3466 5-29 
  立た女の 憎い乗合 
  乗合→三十石船など乗合船? 舟が揺れる?踏まれる? 
3467 5-29 
  脱ちらかして 居ハる立身 
  居ハる→すわる 立身→出世した人? 自分で片付けなくてよい? 
3468 5-29 
  ぬかるみを 皃しけしけ・と 通りけり 
  足下をよくよく見て   
3469 5-29 
  三分と銭に すれハ二道  
  二道→道が二つに別れる 一両をくずした時の三分と一千文ではそれぞれ使い道が異なる 
3470 5-29 
  かたみ送りか 不和の初り  
  形見送り→形見を送り届けること 衣服等を分け与えること 形見分けで兄弟仲が
3471 5-29 
  御狩の済た 戸に釘を打  
  お狩り場の木戸?   
3472 5-29 
  北へかわつて 鉢巻をとき  
  南風にあたると頭痛がするという  
3473 5-29 
  飛脚の息の かゝる明星  
  飛脚の吐く白い息が星に   
3474 5-29 
  才蔵に つらき人の名 言ふくめ 
  才蔵→三河万歳で太夫の相手をする道化役 つらい→薄情な 非情な 悪ふざけが御法度な家を教えておく? 
3475 5-29 
  二十五ハ 年にはかりも 惚るころ 
  二十五→男の厄年の一つ ???  
3476 5-29 
  大勢の子を 誉る鰻・屋  
  鰻・屋→うなぎや 精力がついた証拠  
3477 5-29 
  妻恋ふる 男鹿ハ物に 行当リ 
  夜中の山中だと?  
3478 5-29 
  仲間て夜の 明る口書  
  口書→くちがき 奉行所の容疑者尋問調書 関係者が多くて? 
3479 5-29 
  わらび餅 さよの中山 中々・に 
  佐夜の中山→東海道金谷宿と日坂宿の間の峠 日坂でわらび餅を売り評判 なかなかに→なまじっか いっそのこと☆国大 ???
3480 5-29 
  結納まてハ 真のからくり  
  からくり→計略 たくらみ やりくり算段 
3481 5-29 
  下総に 摘ほと見える 鑓の先 
  摘ほと→つむほど つまむほど ほんの少しだけ 両国橋を渡る鑓の先が? 「両国橋には槍三筋たゆることなし」☆諺
3482 5-29 
  もの思ふ 顔へ扇の あいしらい 
  あいしらい→程良い取り合わせ   
3483 5-29 
  重れハ 言葉の釘も 恐しき  
  重れハ→かさなれば? 何度も言うと効いてくる   
3484 5-30 
  娵入の 一周忌には 丸はたか  
  嫁入り道具もみんな質入  
3485 5-30 
  くつくつ・と名を 替る新造   
  ぐずぐず→不平をいうさま はっきりしないさま 源氏名が気に入らない? 禿→引込禿→新造 と新造までに三回名前が変るから?  
3486 5-30 
  同し夜食に 居る本服   
  居る→すわる 病気が治って家族と同じ食事   
3487 5-30 
  杣か食喰ふ 瀧の正面   
  杣→そま きこり 食→めし 木こりが山中で悠々と昼飯を食う
3488 5-30 
  名代の後家を 反橋て見る   
  名代の→評判の 有名な 反橋の上で目立つ?  
3489 5-30 
  鶯の 影ハ障子へ 反りかへり  
  障子を貼った箱で飼う  
3490 5-30 
  耄た牙婆の 余所を取持   
  耄た→ぼれた 年老いてぼけた☆国大 牙婆→すあい 物品売買の仲介業 仲介先を間違えた?
3491 5-30 
  懸乞に誉 られて入唐   
  懸乞→かけごい 掛取り 入唐→にっとう 借金皆済して旅立ち 
3492 5-30 
  飛脚に逢へと 起すみとり子   
  早飛脚は昼夜兼行で走る 夜中に赤ん坊に起こされ   
3493 5-30 
  死たその日ハ 賑にくれ   
  賑→にぎやか 急死した日は悲しむ前に慌ただしく  
3494 5-30 
  三十て 恐しいもの 緋ちりめん  
  三十→年増女? 緋ちりめん→玄人女の腰巻   
3495 5-30 
  我糸竹に ほれて夜歩行   
  糸竹→いとたけ 音楽 夜歩行→よありき 夜遊里等を遊び歩くこと
3496 5-30 
  子にもひとりハ 玉川の屑   
  六玉川にも毒水の川があるように   
3497 5-30 
  盗れた 皃もそろそろ・ 物詣  
  物詣→神社仏閣に参拝 盗難にあって信心から遠ざかっていた? 駆け落ちして隠れていた娘がそろそろ外出?
3498 5-30 
  金屏風 あり所にて あわれ也  
  金屏風→婚礼で飾ったり祭礼で町家の店先に飾る 今は落ちぶれた商家が持っていて山王祭や神田明神祭りの時に貸す
3499 5-30 
  手桶一ツか あまる半蔀 
  半蔀→はじとみ 能の半蔀 女が夕顔の花を捧げて消える その舞台か?
3500 5-30 
  親類中を まわる斧 
  斧→まさかり 端午の節句の玩具か? 
3501 5-30 
  珍らしや 四条にほんの 娘あり
  ほんの→本当の 四条河原町は芝居町 女形は居るが
3502 5-31 
  下戸父に似て 下戸母に似す 
  親父が下戸なら息子も下戸 母が上戸なら息子は下戸  
3503 5-31 
  からくりの 後ロへ廻る 大晦日
  からくり→計略 後ロ→うしろ 逃げられないよう掛取が裏口から
3504 5-31 
  正客の 皃から先へ 灯かとほり
  暗くなって来てまずお客の前の灯りに火を あるいは先に酔わされる?
3505 5-31 
  うき事て ほんの上戸と 成にけり
  ほんの→本当の 憂さ晴らしに呑み習ううち下戸が上戸に
3506 5-31 
  寺のうたひハ 狐つき也  
  狐憑きを寺へ連れて行って?   
3507 5-31 
  住よしへ 風呂敷かけて 鳥甲 
  鳥甲→とりかぶと 舞楽のかぶりもの 住吉大社石舞台の雅楽 四天王寺の天王寺楽所から出仕
3508 5-31 
  疱瘡の後 聟の小便  
  小便→一方から破約する 婚約破棄 
3509 5-31 
  はつ午の日を 狸うらやむ  
  初午→陰暦二月最初の午の日 各稲荷社で祭礼 狐は大事にされるのに 
3510 5-31 
  八十八の 口はかり人  
  口はかり→口ばかり? 老いても口は達者  
3511 5-31 
  かくれ家の 二十人前 口おしき 
  かくれ家→かくれが ???  
3512 5-31 
  光陰の 矢をはね返す 女方 
  光陰→年月 女方→歌舞伎の女形 いつまでも若い 
3513 5-31 
  あをかりしより 挑灯も借リ  
  あをかりし→和泉式部の説話 「青かりしより思いそめてき」 あを→襖 雨具 挑灯→ちょうちん ついでに提灯も
3514 5-31 
  出居衆の皃に 似たる申子   
  出居衆→でいしゅ 居候 子授け祈願で授かった子の顔  
3515 5-31 
  朝舟の いな葉の露に 升を取  
  いな葉の露→稲の葉に置く露 升取→升ではかること☆国大 朝露が升で計るほど多い?   
3516 5-31 
  いたゝいて着る 丸山の夜着   
  丸山→長崎の遊里 ???   
3517 5-31 
  おとり子か摺る 去り状の墨   
  去り状→離縁状 女芸者にそそのかされて離縁   
3518 5-31 
  乳母かおふつて 逃る鐃鉢   
  鐃鉢→にょうはち 葬儀に使うシンバルのような鳴り物 子供がいたずらで鳴らして? あるいは子が起きてしまう?☆HP「武玉川を歩む」
3519 5-31 
  看病に のけたい皃か ひとりある  
  美人の女房が養生に邪魔  
3520 5-32 
  死ぬ時分 京の詞に なりおゝせ  
  詞→ことば 江戸から京に来て幾年か 死ぬ頃やっと京言葉に  
3521 5-32 
  とりあけ婆々・の 来ると大聲   
  産婆が到着するや大声で指示を   
3522 5-32 
  去た先から 慾な風呂敷   
  去る→離縁する 嫁入りの時の着物返せ   
3523 5-32 
  状を聞 座頭の皃の 静なり  
  状→手紙 手紙を読んでもらう   
3524 5-32 
  喰てハ消る 真野ゝ台所   
  真野→近江の歌枕 「千鳥なく真野や堅田の菜雑水」☆千那 堅田あたりは雑炊が名物だったらしい 「雑水のなどころならば冬ごもり」☆其角
3525 5-32 
  祖師に成つたと しらぬ糠買   
  祖師→一派を開いた僧 糠買→ぬかかい 米糠を買い歩く商人 沢庵漬は大根を糠と塩に浸ける
3526 5-32 
  せんたく物を 尾長蹴て行   
  尾長→尾長鳥の略☆川柳辞彙 尾長鳥がなくと雨が降るという
3527 5-32 
  うまい事 言ふ傘ハ 喰ちかい  
  ???  
3528 5-32 
  寺の衣桁に 後家のつふぬれ  
  衣桁→いこう 衣服を掛ける 和尚と後家が怪しい関係? 
3529 5-32 
  何を思ひの 一ツ前とハ  
  一ツ前→重ね着した衣類の前をまとめて合わせて着ること ??? 
3530 5-32 
  はや合点て 日のさゝぬ医者  
  あわてものではやらない   
3531 5-32 
  相談の 楔に這入 ふところ手 
  楔→くさび   
3532 5-32 
  物思ふ 命淋しき 火とり虫 
  火とり虫→夏に灯火に集まる蛾の類い  
3533 5-32 
  乳母か口から 枯るからたち  
  鬼門を防ぐからたちも 乳母の口で破れる  
3534 5-32 
  門とへハ 蒼朮うりの ころふ方 
  門とえば→家を尋ねれば 蒼朮→そうじゅつ 焚いて湿気を払う薬草 梅雨どきに売り歩いた 雨で足下が悪い?
3535 5-32 
  まくら三ツて 夕明るき  
  夕→ゆうべ? 親子三人 狭いながらも? 
3536 5-32 
  ゑんまの口へ 入れて置文  
  内緒の通信文? 薮入りの閻魔堂詣で  
3537 5-32 
  くとき掛れハ 粉薬を呑  
  粉薬→こぐすり こなぐすり ああ持病の癪が 振る常套手段
3538 5-32 
  陰へ陰へ・と 娘たけたり  
  積極的な娘が物陰へ誘う   
3539 5-33 
  身の内の 知恵を捜しに 目を塞 
  ☆そのまんま   
3540 5-33 
  いく泊来て 見ても木枕
  木枕→木でつくった枕 宿場の飯盛女では遊廓の塗り枕ではない?
3541 5-33 
  所帯崩しの 真直に寐  
  所帯崩し→所帯を解消した人 女性をさすことが多い 遠慮しなくてよくなった
3542 5-33 
  よめハ痞に あたる一通  
  痞→つかえ 病気や精神的悩みで胸が苦しいこと 読むと苦しい手紙?
3543 5-33 
  屋根ふきの 気・付と思ふ 顔か出ル
  気・付→元気づけ そこの家の娘とか? 
3544 5-33 
  髪結の 五十になると 消失て
  遊び盛りの溜まり場なので あるいは薄くなるので足が遠のく?  
3545 5-33 
  仏をあけて 浜の貧乏 
  時化で土左衛門があがって?  
3546 5-33 
  娘の皃を 二親か喰ふ 
  女衒に売ったか評判の茶屋娘か あるいは小町娘で嫁入りの支度金が貰えて?
3547 5-33 
  料理人 煮立る中に 五十年
  ☆そのまんま  
3548 5-33 
  届かぬ文の 関口へ来る 
  関口芭蕉庵? 芭蕉の住んだ所を偲んだ庵 芭蕉はいない
3549 5-33 
  恥の飛脚の ひそひそ・と着 
  不祥事の速報がこっそり到着  
3550 5-33 
  遣た金の 大年に見へ 
  浪費した金の大きさが年末にわかる 
3551 5-33 
  はたか身へ来る 湯女の胸くら  
  湯女が湯治客の胸ぐらを掴もうとすると
3552 5-33 
  鏡を見ぬか 僧のたしなみ  
  外見をかまわないが出家の心がけ  
3553 5-33 
  飛脚まて 軽ひ異見を 口うつし 
  文だけでなく送り主の口振りまで到着  
3554 5-33 
  死そふな人 見えぬ伊勢講  
  伊勢講→旅費を積み立て籤に当たった者が伊勢参宮する 代参でなく皆自分が行く気
3555 5-33 
  よそ目に成て 見たひ我皃  
  鏡でなく   
3556 5-34 
  後ロから見て 長い看経  
  看経→かんきん 仏壇の勤行 後ろで付き合っていると 
3557 5-34 
  女の誉る 女すくなし  
  ☆そんまんま   
3558 5-34 
  胡葱も 蔦籠の紐も 結ひ捨 
  胡葱→あさつき 蔦籠→つづら 結んだまま?
3559 5-34 
  雨乞の 相談に乗る 大井川
  川止めになるくらい雨を降らせられるのではと
3560 5-34 
  吉田の凧ハ 二階から上 
  東海道吉田宿? 「吉田通れば二階から招く しかも鹿の子の振り袖で」
3561 5-34 
  四角に物を 仕廻ふ随身 
  随身→貴人の外出警護をする近衛府の官人 格式ばっていそう
3562 5-34 
  十月ハ夜へ 突あたる鞠 
  すぐ暗くなる?  
3563 5-34 
  去らせる狐 まちまち・と泣 
  まちまち・と→まじまじと ぐずぐずと? 狐憑きが落ちる時に
3564 5-34 
  屏風か立ハ 憎い世の中 
  立ハ→たてば? 新婚所帯は世間が邪魔
3565 5-34 
  女房の 留守にハ減らぬ 唐辛子
  自炊せず外食するから?  
3566 5-34 
  下町ハ 餌差の心 屋根を行
  下町→江戸の低地帯の通称 餌差→えさし 鳥刺し 鷹の餌にする小鳥をもち竿で取る人 下町でも上を見て歩く 
3567 5-34 
  椀久ハ 茶人の誉る 物狂ひ  
  椀久→椀屋久右衛門 大坂新町で放蕩して破滅 陶器の椀などを商っていた  
3568 5-34 
  桔梗を見ると おとる腰元・   
  腰元・→こしもと 盆の輪踊りの思い出? 桔梗は草市でよくみかける 
3569 5-34 
  くろ髪ふたり 向ふ柴の戸   
  柴の戸→粗末なすみか 出家する祇王祇女?
3570 5-34 
  目の前に まさまさ・置て 初瀬山  
  まさまさ・→まざまざ まがう方なく ぬけぬけと 初瀬山→歌枕 恋の祈願の長谷寺あり 求婚の文を直接渡す?
3571 5-34 
  灯か消て 六畳敷を 広く寐  
  暗くなれば狭く感じない? 九尺二間より少し広い裏長屋か?   
3572 5-34 
  荒行戻リ 脈をとり合ふ   
  修験道 お前も大丈夫か?   
3573 5-34 
  狸寐入の 夜着に洞穴   
  洞穴→ほらあな 夜着→着物型の蒲団 夜這か遊女を待つ? 狸と洞穴で縁語か
3574 5-35 
  秋淋し 浦の苫屋も 腐れたり  
  浦の苫屋→新古今 定家の 「見わたせば花も紅葉もなかりけり浦のとまやの秋の夕暮」 その苫屋も崩れた
3575 5-35 
  瞽女の皃から とほる行燈   
  とほる→とぼる 点る 目がわるいので先に灯を?  
3576 5-35 
  裸て寐入 蓮の稀人   
  稀人→まれびと 他からきた人 客人 蛙か? 
3577 5-35 
  つむしか巻て 上る笊蕎麦   
  笊蕎麦→ざるそば もり蕎麦の盛られた様子?   
3578 5-35 
  めてたい人の 跡先かなし   
  跡先がない→話の筋道が合わない? 嬉しすぎて会話がまとまらない?
3579 5-35 
  腹の隠れる 仕切場の銭   
  仕切場→芝居の会計場 木戸銭で手代が埋まる   
3580 5-35 
  六字に一字 すゝめ寄る閨   
  六字→南無阿弥陀仏? 七字→南無妙法蓮華経? 閨→ねや 寝室 宗旨変えを迫る?
3581 5-35 
  なひかぬ娘 蚊屋を飛越   
  言い寄られた娘が飛んで逃げる  
3582 5-35 
  人屋に屑の 残る葉桜   
  人屋→ひとや 口入屋 出代りが三月五日で花見前頃 葉桜の頃に奉公が決まらない人は 
3583 5-35 
  今出せは 人に恥し 土用干  
  質入している物が多くてろくな物を干せない 
3584 5-35 
  皃を見て居る 舞の初り   
  初り→はじまり 舞が始まる前に観客が顔をみつめる  
3585 5-35 
  金を握て 尼に成り事   
  成り事→生業 なりわい? 尼さんが得た金を元手に何か商売を?  
3586 5-35 
  目薬の 皃も哀に かしこまり  
  目薬をつけて静かにしている  
3587 5-35 
  遠目か利て 舟へ黙礼   
  乗っているのが誰かわかって岸から黙礼をする 向こうからは見えないかもしれないが  
3588 5-35 
  下の関てハ おとこ也けり 
  壇ノ浦関係? 安徳天皇関係?
3589 5-35 
  蚊のましないに 娘なくなる 
  蚊の呪い→博打をいう隠語 正月の宝引をしない人は六月に蚊に喰われるから? 正月の羽根つきをすると蚊に刺されない? 
3590 5-35 
  二十五菜て 呼立て死 
  菜→さい 二十五→男の厄年の一つ? 本膳料理の五汁二十五菜? 普通の二汁五菜を誇張?
3591 5-35 
  腹形も 所に寄て たゝきけり
  腹形→はらなり 腹の形 腹鼓しやすい場所?
3592 5-36 
  忘れに出たに 能似たる顔 
  ☆不騫不崩→ふけんふほう 誰かを忘れるために旅に出た先に似た顔の人が 
3593 5-36 
  玉川に さへ毒のある 人こゝろ
  六玉川の一つ高野の玉川は毒水といわれる 何にでもけちをつけたがる?
3594 5-36 
  菅笠の 雨に我身を 抱て来 
  腕を体に巻き付けて少しでも笠の下になるように   
3595 5-36 
  赤子の藝の 言い立をする  
  言い立→いいたて 口上のように触れあるく  
3596 5-36 
  秤にかけて 乳母を極る  
  極る→きわめる 決める 実力があり容姿も良すぎず? 
3597 5-36 
  むらさきに合ふ 京の立物  
  立物→たてもの 一座の役者の中の大名題 上方の立役者と江戸紫 
3598 5-36 
  百日紅に 飽る巡禮  
  百日紅→ひゃくじつこう 巡禮→巡礼 西国三十三カ所など 百日紅は夏に長く咲くし よく寺にある?
3599 5-36 
  奉公をして 損のない皃  
  お嬢さんか旦那の目にとまりそう?   
3600 5-36 
  切れを集て 尼の述懐  
  布きれ?古筆切?傷小判? 述懐→愚痴 泣き言 ???  
3601 5-36 
  火焔・と不動 別の風呂敷 
  火焔・→かえん お不動さんを運ぶのに分解
3602 5-36 
  我一生の 損ハ女房 
  逆もいえるかも  
3603 5-36 
  傘て 出る日ハこわひ 物かなし
  まずい名前の入った傘を借りる必要はない?  
3604 5-36 
  去られる側て 下女か分別 
  去られる→離縁される 側て→そばで 下女が旦那を諌める?
3605 5-36 
  坐頭の智恵の うこく闇の夜 
  暗くても勘が働く  
3606 5-36 
  書置か出て ふかす強めし 
  強めし→ここでは不祝儀の黒豆入の白いおこわ 行方不明の人を死んだと決めて葬式の準備
3607 5-36 
  何と思ふて 爪をとる婆々・ 
  色っぽいこととは無縁では? 
3608 5-36 
  招て利かぬ 跡か手拍子 
  手招きで来ねば手拍子で 誰かを酒宴へ呼ぶ? 
3609 5-37 
  我にさへ 分からぬ空や 八重かすみ   
  ☆八躰百韻独吟 紀逸 ☆正風不易 八重かすみ→幾重にも立ちこめる霞 どこからが空か霞か
3610 5-37 
  笑ひの種を おろす山畑  
  山笑うの原料?   
3611 5-37 
  朝旅籠 さくらうぐい・ の 鱠して  
  さくらうぐい・ →さくらうぐい 桜が咲く頃とれるウグイ 鱠→なます 魚を細かく切ったもの 
3612 5-37 
  しめした跡の 匂ふ灯火  
  しめす→湿す 灯火を消す 消えた灯心の匂い?   
3613 5-37 
  はらはら・と 雛ひく鳥の 立まとひ   
  はらはら・と→いっせいに動くさま 雛ひく→雛を連れ伴う 親鳥や雛がわらわらと  
3614 5-37 
  なひき合たる 篠の秋風  
  篠→稈が細く群がって生える竹類 ☆そのまんまか   
3615 5-37 
  きのふから 床しきけふの 月の宿   
  床しき→心ひかれる 実際に行って見たい 月の宿→季語  
3616 5-37 
  あらき筵に わたるはたおり   
  筵→むしろ わたる→やって来る はたおり→きりぎりす?  
3617 5-37 
  侘しらに 猿粥焚て 暮ハ雨  
  ☆談林未躰 侘しらに→ わびしらに さびしく 「わびしらにましらななきそ」 ☆古今集 旅の猿廻しが猿と粥を焚いて喰う?
3618 5-37 
  軍破れて ふるひふるひ・来る   
  軍→いくさ 合戦 兵卒 敗残兵の様子? 
3619 5-37 
  貴妃舞捨て 遠山の雲 しほみけり  
  貴妃→楊貴妃 能の楊貴妃 舞い捨てる→能が演じられず廃曲になる? 遠山の雲→謡曲咸陽宮の一節 どちらの曲も人気がない? 
3620 5-37 
  虫歯 一枚恋の うらみなる  
  虫歯→むしかめば むしば 頬を押さえている様子が恋に悩んでいるように見える? 
3621 5-37 
  逢ハて夜ハ 水に扇の 角トとちて  
  水に扇→観世水に扇散しの着物の模様? 角トとちて→かどとじて ???   
3622 5-37 
  琴涓々・として 膝に川を倚す   
  涓々・→けんけん 小川などがちょろちょろ細く流れるさま 倚す→よす? よりかかる 細い流れの音の琴を膝に
3623 5-37 
  帯丈ケに 垣ハ正木の 深みとり  
  帯丈ケ→おびたけ 正木→まさき ニシキギ科の常緑低木 
3624 5-37 
  抑高野 山と申は   
  抑→そもそも 謡曲 高野物狂の一節  
3625 5-37 
  さへありけに 珠数押もんて 月照るや  
  さへ→ざえ 才 能力 珠数→数珠 修験者の様子?
3626 5-38 
  菊に匂へる 女儒の爪先   
  女儒→じょじゅ 召使いの小女 重陽の節句 菊の花に綿をかぶせて 
3627 5-38 
  各当坐 田家の鹿の 聲そへて  
  当坐→俳諧の座の即詠? 田家→でんか 田舎の家 農家 
3628 5-38 
  日西ヲ・司テ・ 搗屋道暗 ☆原文は一二点あり  
  搗屋→つきや 米つき屋 日が暮れて米つき屋の帰る道が暗い? 
3629 5-38 
  分散の 花に対して 思へらく  
  分散→破産 放蕩で破産した男の述懐   
3630 5-38 
  元緒はらつて 誘はゝ蝶の   
  元緒→もとお 棹秤の紐? ???  
3631 5-38 
  説教の やうな恋路に わかれ霜  
  ☆美濃一風 説教→説教浄瑠璃 「をぐり」 わかれ霜→晩春の最後の霜 照手は美濃で小栗とは知らず再会し大津で別れる
3632 5-38 
  そうてあろうと おもひまいらせそろ・   
  まいらせそろ→女性の手紙の文末の丁寧語 くずし字が虚無僧に似ている 僧であろうと  
3633 5-38 
  はこ板に 鱈の所から 牛房二把  
  羽子板→役者 好男子? 鱈→たら 牛房→牛蒡 ???
3634 5-38 
  大坂ももとの 大坂てハない   
  太閤の頃とは違う?  
3635 5-38 
  爺さまの 角クに婆さまハ 輪を懸て  
  角ク→かく?角を入れる? 鐙の角を使って馬を飛ばす?  
3636 5-38 
  いつもわる口 言な長老   
  言な→いうな 長老→禅宗の住持 高僧 ??? 
3637 5-38 
  疝気しやと 済して置けハ 又一ツ  
  疝気→下腹部の痛み いつもの疝気だからと放っておいたらまた発作が  
3638 5-38 
  さらハさらハ・の 門に枩風   
  枩風→まつかぜ 旅の別れに松風が吹く?   
3639 5-38 
  甲着て ふり向た絵ハ 何にやら  
  甲→かぶと 熊谷直実が平敦盛を呼び返す 薄化粧にお歯黒  
3640 5-38 
  寿永の秋の 笑止千万   
  謡曲 敦盛 「さる程に平家は寿永二年秋の頃」 平家一門の都落ち
3641 5-38 
  哥はかり 芋はかりにて 月の友  
  月の友→月の光のもとで語り明かした友 風雅の交わりのたとえ 仲秋の名月で団子や里芋を 
3642 5-38 
  こなたの好の 砧かりかね   
  砧も雁も蘇武の故事 夫の留守を守る女房の恨み   
3643 5-38 
  ちとつゝも 減にハはやい 桐柳  
  ちとづつ→少しづつ? 減→へる 桐柳→きりやなぎ 桐→小判や一分金の異称 
3644 5-39 
  こうした時の ちからにハ酒  
  ☆そのまんま   
3645 5-39 
  朝比奈か 居ねハ六文 抜ケた和田 
  ☆温故知新 朝比奈→和田三郎義秀 狂言朝比奈で閻魔に極楽へ道案内させる 抜ける→足らぬ 六文は三途の川の渡し賃
3646 5-39 
  烟管しつかと 腕に三ツ引  
  烟管→キセル 三ツ引→三引両という紋所? 仙台伊達家の家紋 仙台高尾関係?
3647 5-39 
  腐つても 若衆女ハ 見るも嫌 
  若衆→男色の弟分 嫌→いや  
3648 5-39 
  狐を化す 狸先生  
  狐と狸の化かし合い?   
3649 5-39 
  道徳ハ 平生に米櫃 空明 
  平生に→つねに 空明→からっぽう 奇麗ごとでは腹はふくれぬ? 
3650 5-39 
  迎紫雲 観音勢至相肩  
  迎→むかえ? 紫雲→のりもの 観音勢至→ぼさつ 相肩→あいかた 駕篭を担ぐ相棒 極楽往生のお迎え駕篭が
3651 5-39 
  念て見る 梦ハ五蔵か からくり師  
  念て→ねんで 思い?願い? 梦→ゆめ 五蔵→心肝肺腎脾 からくり師→傀儡師 人形を生かしたい? 夢は五蔵の疲れを利かす?
3652 5-39 
  月雪花も しらぬ嫉妬気   
  月雪花→つきゆきはな 月と雪と花 四季折々のよい ながめ 嫉妬気→ねたみぎ 女房が何と言おうと吉原万歳
3653 5-39 
  油燭ハ 所帯しみたる 丑時参  
  油燭→ひょうそく 油皿の中央に灯心を立てた灯火器具 丑時参→ときまいり 本格派は鉄輪と蝋燭三本 
3654 5-39 
  休む間は 尻に履下駄   
  履→はく 下駄を尻に敷いて休む   
3655 5-39 
  飼葉叺 馬ハ頭巾を 鰓に着る  
  飼葉叺→かいばおけ 鰓→あご 馬が飼葉桶に頭を突っ込んでいる様 
3656 5-39 
  盗俵の 腹ハ急減   
  盗→はんけ 急減→げっそり ???  
3657 5-39 
  伍子胥とハ 裏主の目を 抜ク手代   
  伍子胥→ごししょ 春秋の楚の人で父兄を殺されて呉の臣となり楚を破り復讐を果たす 裏→うら 主→しゅう 復讐のため呉を強国に  
3658 5-39 
  一世の業を さらす鐘掛ケ  
  一世→一生? 一代? 親子の縁? 鐘掛ケ→鐘を吊るす? 方広寺?
3659 5-39 
  引とむる 方もなく只 みたれ藤   
  ☆京師一派 ???  
3660 5-39 
  春くハゝれる ちぬのますら男  
  ちぬ→和泉国の沿岸の古称 ???  
3661 5-39 
  川垢離の ぬれ身に蝶の 養れ   
  川垢離→せんごり 隅田川に裸で入り大山石尊不動明王への祈りを千回唱える 養れ→やしなわれ 蝶が一休み  
3662 5-40 
  ふたりて二挺 弓に寐る船  
  挺→弓や櫓の単位 狭いので弓を二つ並べるように寝る?   
3663 5-40 
  しら樫の 葉末に狂ふ 日の機嫌   
  しら樫→裏白樫の異名 葉の裏が白くなる 日がちらつく?   
3664 5-40 
  天下寒かる 千両の点   
  点→点茶 抹茶をたてること 秀吉の金の茶釜?  
3665 5-40 
  まくるとも なく三幅の 夏衣  
  夏衣→なつごろも 三幅対の歌仙等の絵?   
3666 5-40 
  団に分かる 甲斐の軍兵   
  団→うちわ 軍兵→ぐんびょう 信玄の差配  
3667 5-40 
  うしろから 箸を出されて 雲沈ミ  
  ???  
3668 5-40 
  こゝか相談 地にあらハ鳥   
  「天にあっては比翼の鳥となり 地にあっては連理の枝とならん」☆長恨歌 玄宗と楊貴妃ならそうだが儂らは地上で仲良く暮らそう
3669 5-40 
  床コ敷いて 遠く行ク灯の 松浦姫  
  床コ→とこ? 松浦姫→まつらひめ 能の松浦佐用姫 狭手彦の船出に領巾を振る別れと死 旅僧の夢で語られる?
3670 5-40 
  補薬のなつみ 海山を抱く  
  補薬→体力を補う漢方薬 ???   
3671 5-40 
  十露盤の 昼から違ふ 三五の夜  
  十露盤→そろばん 三五の夜→八月十五日の夜 紋日で昼から浮き足立って  
3672 5-40 
  葛うらかへり 伯父曰く   
  葛→くず 「葛の葉の」は裏返ることから裏心にかかる枕詞 曰く→のたまわく 伯父さんの説教
3673 5-40 
  袖の露 しのふしのたの 色にかへよ  
  ☆宗因一風 信太の森の白狐葛の葉と安倍保名の別れ?  
3674 5-40 
  終ハ煙の 和泉新田   
  終ハ→ついは 和泉新田に幕府の火薬庫の御焔硝蔵あり  
3675 5-40 
  念佛講 台の蓮の 葉取して  
  念佛講→念仏信者が集まって念仏を行う講 葬式代の頼母子でもあった 台→うてな 高殿 極楽往生して蓮の台ににする蓮の準備? 
3676 5-40 
  孤雲の上へ 夜食窺ふ   
  孤雲→はなれ雲 窺ふ→うかがう ???  
3677 5-40 
  天人の 囃子はしまる 鉦太鼓  
  鉦が出るのでお祭りか?   
3678 5-40 
  迷ひ子を呼ふ 三保の松原  
  天女一人行方不明   
3679 5-40 
  米相場 その夜上りて 冨士の雪 
  富士山の雪で豊凶がわかる?   
3680 5-41 
  牧狩の手代ハ 例の梶原  
  牧狩→かり 例の梶原→梶原景時 義経を讒した嫌われ役 曽我兄弟の仇討の現場
3681 5-41 
  請人に 急度預ける 紋尽し 
  請人→奉公人の保証人 急度→きっと 確かに 紋尽し→多くの紋を描いた柄 胎盤に父親の紋が出るという 下女のお産で紋が沢山?
3682 5-41 
  めかねを懸て 見届る生胞  
  生胞→えな 胎盤に父親の紋所が出るというので 
3683 5-41 
  火々・出見の 悋気も御年 寄られてから 
  火々・出見→ほほでみ 火々出見尊が豊玉姫との約束に背いたため姫は龍宮へ 齢五百八十年 
3684 5-41 
  もへたつ花に 異見する雨   
  盛りの桜に異見するように雨が   
3685 5-41 
  雲も春 かつら男の 長羽折  
  桂男→月世界に住む伝説上の男 容姿の立派な男 美男子 長羽織→着物丈に近い長い羽織 医者や儒者が着る 流行したことがあった
3686 5-41 
  押エの声を うくひすの引   
  押エ→あとおさえ 大名行列の最後尾の供 何の行列が訊かれたら答える役 引→ひき 余得?  
3687 5-41 
  両国に 二ツの橋ハ ねとられて  
  ☆五色一変 両国橋に大川橋などが? 音取る→楽器の音程を決める 両国橋の通行量に左右され? 
3688 5-41 
  十九の年を おとり子の関   
  十九→女の厄年 おとり子→芸者 いつまでも十九の厄年で年をとらない  「厄年をげい子むしやうに長くする」(柳9)
3689 5-41 
  うたゝ寐の 梦の通ひ路 たて切られ  
  梦→ゆめ 夢の通い路→百人一首の文句取り 夢の中で往来する道 夢に見る事
3690 5-41 
  わた屋か越して 聞なれぬ音  
  わた屋→綿を打つ人 繰綿を綿打ち弓で打って柔らかくする 
3691 5-41 
  肉桂の 匂ふ薬に 飽もせす 
  肉桂→にっけい ニッキ お屠蘇? 
3692 5-41 
  いつともなしに 所化の鼻唄  
  所化→修行中の僧 寺勤めの僧 気が緩んで?
3693 5-41 
  一度つゝ 手なみを見せる 稲荷殿 
  由来のご利益の言い伝えはあるが一度きり?  
3694 5-41 
  木々・を剃りこか されし木からし  
  剃りこかす→剃ってしまう こかす→倒す すっかりしてしまう意
3695 5-41 
  鎌倉ハ 旅の衣の 下稽古 
  近いので長旅の予行演習   
3696 5-41 
  とにかく色の わるひ惣領  
  箱入り息子?   
3697 5-41 
  題目に 伊達を付たる 珠数の房 
  珠数→数珠 法華の長い数珠の房  
3698 5-42 
  逃るうき世を 松風か追ふ   
  浮世を逃れて旅に出る?  
3699 5-42 
  述懐ハ 三十日に近き 月の軒  
  述懐↓愚痴 泣き言 三十日→みそか 明け方の細い月のような老人の述懐?  
3700 5-42 
  銭にも抜る 藁のしら露   
  藁→銭さし しら露→草木におく白い露 消ゆにかかる 銭もすぐに消える? 
3701 5-42 
  見て居れハ 二升遣ふ 女郎花  
  ☆当時壮風 二升→ふたます? 女郎花→おみなえし 女の意 ???
3702 5-42 
  あたしあた浪 戸口まて来る   
  あだし→移りやすい 浮気な あだ浪→徒らに立ち騒ぐ浪 変わりやすい人の心の例え 
3703 5-42 
  傘も 何その時の はつし所  
  何ぞ→何か はずす→その場から抜け出る   
3704 5-42 
  翌の節句を 切刻むなり   
  翌→あす 胡葱膾?   
3705 5-42 
  らうそくの 片明るいに 一ツ星  
  片明るい→ほのかに明るい 一ツ星→一番星 
3706 5-42 
  うしろ間近く 大名の音 
  お殿様は奥の方に居る?  
3707 5-42 
  我にさへ 分らぬ空や 花の雲
  どこまでが桜か霞の空か  
3708 5-42 
  笑ひの口を ひらく山々・ 
  春の季語 山笑う 


ホームへ
四篇へ 六篇へ